やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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ウルトラマンの戦闘ですが、割愛します。ほとんど映画と同じですし、気になる人は映画をみればいいんだよ!

なんていうか、書ききれる自信がなかったのですが。


THEFINALODYSSEY

 

 アートデッセイ号がルルイエの遺跡へ近づいていた。

 

「なんちゅう、膨大なエネルギーや」

 

「以前、ダイブハンガーを襲った闇よりも強大です!」

 

「狼狽えるな。あの奥に、必ず隊長が待っている」

 

「前のデータを基にアートデッセイ号も強化されている。いきなり機能停止なんてことにはならない。レナ隊員、前進してください」

 

「……行きます!」

 

 ルルイエに向かって進行するアートデッセイ号。

 

 気付いたカミーラがシビトゾイガーを遺跡から解き放つ。

 

「ゾイガーが向かってきます!」

 

「全門開放!一斉砲撃!」

 

「シームシーサー!」

 

 リーダーの指示で砲撃担当のシンジョウ隊員が攻撃していく。

 

 アートデッセイ号の砲撃でゾイガーは撃ち落とされるもすぐに別のゾイガーの群れがとりつく。

 

「うわっ!くそっ、エンジンを狙ってきやがった!」

 

 激しい揺れが起こる

 

「第二エンジン停止!推進力二十パーセントダウン!」

 

「ゾイガーの襲撃でメインウェポン、機能停止!」

 

「くそっ!俺がガッツウィングで叩き落してやる!」

 

「システムがダウン、ウィングゲートが開かない!」

 

 ヤズミの叫びと共に衝撃が俺達を襲う。

 

「何とかしないとこのままじゃ、アートデッセイ号が落ちてしまう!」

 

 ゾイガーに背部のエンジンも塞がれてゆっくりとアートデッセイ号が海面へ向かっていた。

 

「あまり使いたくないけれど、アートデッセイ号を海面に落としてゾイガーを窒息死させるか」

 

「そんなことしたらシステムにまで影響が出るかもしれない!」

 

「そもそも!ゾイガーは海から出てきたこともあった。死ぬ可能性も低い!」

 

 八幡の案にヤズミとホリイが叫ぶ中。

 

 レナ隊員が何かに気付いた。

 

「リーダー!」

 

 外には四機のガッツウィングゼロが飛行していた。

 

「あれは、ガッツウィングゼロ?」

 

「リーダー、通信です」

 

『ヨシオカ長官の命で出撃しました!まだまだ訓練中のひょっこですが!任せてください!』

 

「サポート感謝します」

 

『GUTS隊の前だ!みっともない戦いをするな!八幡教官もいるんだからな!』

 

『リョウ、しくじるなよ?』

 

『それはこっちのセリフよ。まだ教官に勝っていないんだから』

 

『各機!弾と根性が続く限り撃ちまくれ!』

 

『『『ラジャー!』』』

 

 やってきたのは訓練養成所ZEROのメンバーだ。

 

 ヒビキ教官が率いていたメンバーだった。

 

「八幡……お前、どんだけ、慕われているんだよ」

 

「知りませんよ。てか、俺は教官じゃないし」

 

「案外、向いているんちゃうか?」

 

「え~」

 

「メインエンジン、出力回復!」

 

「シンジョウ、デラック砲スタンバイ!」

 

「了解!」

 

「ゾイガーの出口に向かってデラック砲、発射!」

 

 アートデッセイ号から放たれたデラック砲がゾイガーもろとも出口をふさいだ。

 

「よし!これでゾイガーは出れまい」

 

「ウィングゲートのシステム、回復しました」

 

「ヤズミ、イルマ隊長の位置は?」

 

「隊長のPDI反応はまだ検知できません」

 

 ゾイガーを退けたものの隊長の居場所はわからないままだ。

 

「ホリイ、シンジョウ!八幡!俺とガッツウィングで出るぞ!」

 

「「了解!」

 

 四人がアートデッセイ号の操縦席を出ようとした時、レナも立ち上がる。

 

「私も行きます!」

 

「……うん」

 

「ヤズミ、隊長の反応、しっかりな」

 

「了解……八幡も、頑張って」

 

「おう」

 

 ヤズミと八幡は拳をぶつけ合う。

 

 アートデッセイ号のウィングゲートが開き、そこから二機のガッツウィング一号とガッツウィング二号が発進する。

 

 ルルイエへ向かう三機と四機のガッツウィングゼロがすれ違う。

 

 それぞれがこちらへサムズアップする中、ヒビキは「ご武運を」と告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 狭い崖の隙間をガッツウィングが飛行する。

 

 普通のパイロットだったら翼をぶつけて爆発だろう。

 

 だが、彼らは多くの激戦を潜り抜けている。

 

 この程度のこと、問題なかった。

 

「八幡、ナビ頼むぞ!」

 

「任せてください。操縦、頼みますよ」

 

「ハッ、誰が落とすかよ!」

 

 軽口をたたきあいながら遺跡の中を進む。

 

「前方よりゾイガーです!」

 

『人間、舐めたらあかんでぇ!』

 

 八幡の言葉とホリイの叫びと共にウィングから大量のレーザー攻撃がゾイガーに降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、イルマはムナカタから借りていたペンダントで爆破の起動リモコンを手にしていた。

 

「光よ!」

 

 彼女はリモコンを握り締める。

 

 叫びと共にリモコンのスイッチを押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「急にゾイガーの攻撃が収まりよった」

 

『リーダー!起爆装置のパルス反応をキャッチしました!きっと、そこに隊長がいます!』

 

「嵐の前の静けさとかじゃないよなぁ」

 

 一号の中で八幡は漏らす。

 

 隊長の場所を目指している中。レナ機が別の道を進む。

 

「シンジョウ!レナを追え!そこにダイゴがいる!」

 

「了解!愛の力って奴かよ」

 

「今回は、それを信じるしかないっすね!」

 

 大きく旋回しながらレナ機の後をシンジョウ機は追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 闇の洞窟の中をイルマは走っていた。

 

 彼女を後ろからゾイガーが追いかけている。

 

 ゾイガーがイルマを襲おうとした時、光弾を受けて吹き飛ぶ。

 

「隊長!」

 

「どうしてここが?」

 

「隊長が派手な花火を上げてくれたおかげです」

 

「それを言うなら貴方のおかげよ」

 

 イルマはムナカタへペンダントを返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ウルトラマンティガは遺跡の中心地へきていた。

 

 遺跡の中心は今も滅び去った超古代文明の都市が残っているばかりか石になった巨人像の残骸が無数に散らばっている。

 

 最初の漆黒のティガと異なり、光の巨人だったころのティガへ近づいてきている。

 

 ダーラムのパワー、ヒュドラの俊敏さの闇の力を光に変えて、ティガはカミーラと戦っていた。

 

 カミーラは愛憎でティガを攻める。

 

 氷の剣でティガの体を貫き、とどめを刺そうとした時、

 

 ガッツウィング一号に乗っているレナが攻撃を仕掛ける。

 

 旋回して、再度、攻撃を仕掛けるレナ機にカミーラの氷の鞭が迫った。

 

 ティガはウィングを庇うように受け止める。

 

「……ダイゴ」

 

 見上げているレナの前でティガは本来の光の姿へ戻る。

 

 その姿に激怒したカミーラは氷の鞭でティガの背中を滅茶苦茶に攻撃する。

 

「今度はその女!三千万年前はユザレ!…………でも、これですっきりしたわ。これで思う存分、お前を殺せる」

 

 カミーラは膨大な闇に包まれる。

 

 巨大な闇が上空を覆う。

 

「これが、闇?」

 

 闇の中からガタノゾーアに匹敵するおぞましい怪物が姿を見せる。

 

 怪物は口から無数の光弾を放つ。

 

 ティガはレナを怪物の攻撃から守る。

 

 攻撃を受けたティガのカラータイマーが赤く点滅していた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおお、うるしぇえええええええええええ!」

 

 シンジョウが叫びながらウィング一号のレーザー攻撃を仕掛ける。

 

「レーザー、効果なしって、くそったれ!」

 

「ダイゴ!立てぇええええ!」

 

『ダイゴ、立つのよ!立って!』

 

「ダイゴ……約束したよね?私達の未来のために……立って!」

 

 レナの叫びにティガが立ち上がる。

 

 ウィング一号は上空に避難した。

 

 ティガは巨大な怪物、デモンゾーアと向き合う。

 

『僕には守るものがある。たくさんの仲間が、そして、何よりも大切な人が!』

 

 デモンゾーアからカミーラが現れる。

 

 巨人のころだった面影を残しながらも不気味な姿になっていた。

 

「カッテナァコトヲォ!」

 

 ウルトラマンティガのゼペリオン光線とデモンゾーアの攻撃がぶつかり合う。

 

 ゼペリオン光線は打ち消され、ティガは地面に倒れる。

 

 カラータイマーが急速に点滅して、光が消えた。

 

 全員が息をのむ中、ウルトラマンティガの瞳からも光が失われる。

 

 その時、信じられないことが起こった。

 

 遺跡の各地に朽ち果てたような巨人。

 

 その巨人たちから光がとても小さな光が噴き出す。

 

 小さな光が一つ、また一つと現れて、上空へ集まっていく。

 

「あれは」

 

「これは……滅び去った超古代の戦士たち?」

 

「ここに眠っていたのは闇だけじゃなかった!」

 

「ウソだろ、こんな奇跡……起こってくれるのかよ」

 

「光が……」

 

「ナゼ、キサマラァガァ」

 

 驚くデモンゾーアの前でウルトラマンティガが光に包まれて復活する。

 

 その姿を見て、レナは呟く。

 

「グリッター……ティガ」

 

 グリッターティガはデモンゾーアの針の中を突き進み、そのまま、デモンゾーアの中へ突き進む。

 

 そして、デモンゾーアの体内に消える。

 

 直後、デモンゾーアから溢れんばかりの光が生まれて、大爆発を起こした。

 

 大爆発の影響でルルイエの遺跡が倒壊し始める。

 

「まずい!」

 

「ルルイエの遺跡が崩壊していく!」

 

「レナ!シンジョウ!早く脱出するんだ!」

 

「あああ、くっそぉ!」

 

「ダイゴおおおおお!」

 

 崩壊を始めるルルイエの遺跡の中を二機のウィングが飛ぶ。

 

 半壊した空洞からアートデッセイ号が現れる。

 

「まずい、レナさん!」

 

「レナ!シンジョウ!」

 

「早く、早く戻って!」

 

「レナ!」

 

 その時、レナ機がルルイエの遺跡の中へ戻っていくことに気付いた。

 

「あかん!レナは死ぬ気や!」

 

「何やってんですか!」

 

 八幡は通信機に向かって叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 崩壊を始める遺跡の中をウィング一号が飛ぶ。

 

 上からぱらぱらと瓦礫が降り注ぎながらもレナはダイゴを探す。

 

 そんな、彼女の前にダイゴの幻影が現れる。

 

「レナ……」

 

「ダイゴ」

 

 レナは愛しい人の名前を呼ぶ。

 

「レナ、生きるんだ」

 

 ダイゴの言葉でレナはウィング一号をアートデッセイ号へ向ける。

 

「待っている……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光……光ィ」

 

 薄暗い闇の中、横たわるカミーラ。

 

「光……私も欲しかった」

 

 カミーラの伸ばした手をダイゴは掴む。

 

 やがて、カミーラは静かな眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ルルイエの遺跡は海の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 三千万年という長き光と闇の戦いは一つの終わりを迎える。


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