異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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冒険者たちがウィルヘルムと戦うとこうなる

 

 裏切者たちの剣で貫かれるよりも、主君を失った痛みの方が遥かに苦痛だったことは、あの時から忘れたことはない。

 

 もし彼女が敵国との戦いで散って行ったのならば、どのみち辛いだろうがこのような苦痛は感じることはなかった筈だ。民のために戦い、敵国の猛者たちとの戦いの中で斃れるのは誉れだからだ。だが、リゼット様は――――――私利私欲を肥大化させた家臣たちに裏切られ、殺されてしまった。

 

 奴らの目的はリゼット様が風の精霊から授けられた2本の曲刀の力だった。風を自由自在に操る事ができるあの曲刀は、薙ぎ払うだけで風の斬撃が荒れ狂い、眼前の敵の隊列を蹂躙してしまうほどの力を持つ。それを手に入れれば、ドルレアン領の領土を凄まじい勢いで広げ、このオルトバルカ王国を掌握することも可能であろう。

 

 だが、リゼット様はその力を民を守るためだけに使った。ドルレアン領を侵略しようとする他の領地の騎士たちだけ、あの風で蹂躙したのである。

 

 家臣たちの中には、他の領地を容易く攻め落とせるほどの力を持つというのに侵略をしないリゼット様を、甘いと言う輩もいた。確かにリゼット様は優し過ぎる。平和な世界ならば家臣たちにそんなことを言われることもなかっただろう。

 

 しかし、彼女は他の領地を全く攻め落とそうとはしない。ドルレアン領を侵略しようとする敵を返り討ちにしつつ、民の頼み事を何でも聞くような優しいお方だった。中には他の領地を攻め落として欲しいと言う領民もいたが、あのお方は首を横に振りながら彼らを説得していたものだ。

 

 リゼット様は、平和な世界を作ろうとしていたのだ。だが、いくら精霊から与えられた曲刀があるとはいえ、平和な世界を作ることは難しい。だからあのお方は、まず自分の領地を平和な場所にしようとしていたのだ。最初にドルレアン領を平和な場所にし、賛同してくれる他の領地と同盟を結び、少しずつ戦争を終わらせていこうとしていたのである。

 

 だが、あのお方の持つ曲刀の力を欲した家臣たちは、彼女のその理想を踏みにじった。

 

 彼らに曲刀を渡せばドルレアン領は他の領地への侵略を開始するだろう。あの美しい曲刀は、犠牲になった者たちの返り血で真っ赤に汚れてしまうに違いない。

 

 だから我々は、リゼット様が裏切者に殺された後、リゼット様の遺体と共に曲刀を埋葬し、この地下墓地に封印しておくことにした。大量のトラップを仕掛け、最深部の広間以外はわざと魔物が侵入しやすい構造にしたこの地下墓地が、永遠にリゼット様の棺を守ってくれるに違いない。

 

 彼女のように優しい人物が領主になってくれますようにと祈りながら、私はリゼット様の埋葬が終わるまで時間を稼ぐ役を買って出た。

 

 私はあのお方に救われたのだ。エルフの血の混じった薄汚いハーフエルフだからという理由で魔物たちの群れの中に置き去りにされた時、リゼット様が助けに来て下さったのだ。

 

 奴隷だった私を見捨てずに、あのお方は受け入れて下さった。だから私はあのお方に恩を返したいと思っていたのだ。

 

 あのお方の棺を守り切る事ができれば恩返しになるだろうと考えた私は、他の家臣たちにリゼット様の埋葬を託し、得物を手にして裏切者たちの前に立ちはだかった。

 

 絶対に、あの裏切者たちは許さない。

 

 私を救ってくださったリゼット様を貶めた下衆な者たちを、私は永遠に呪い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 剣を受け止めるために構えたソードブレイカーを叩き折ってしまいかねないほどの凄まじい衝撃が、またしても俺の左腕の中を爆走する。歯を食いしばりながらソードブレイカーを捻るが、こいつの剣はスケルトンたちが持っていたような錆びついた粗末な剣とはわけが違う。

 

 返り血で赤黒く染まった禍々しい得物を受け止めたばかりのソードブレイカーを捻ろうと思ったが、スケルトンの錆びついた剣のように折れるわけがない。血で赤黒く汚れているとはいえ、英雄が使っている剣だ。大昔の鍛冶職人が作り上げた傑作の剣に違いない。

 

 ウィルヘルムのブロードソードは折る事ができないだろうと直感した俺は、このまま彼の得物を受け止め続けて隙を作り出すことにした。俺たちはいくつも武器を持っているが、ウィルヘルムの得物はこの大昔のブロードソード1本のみだし、魔術を使うには詠唱が必要になる。仮にウィルヘルムも俺たちのように魔術の詠唱をせずに攻撃できるとしても、その攻撃は剣戟よりも早く察知する事ができるだろう。

 

 詠唱をする必要が無いとはいえ、そのまま振り下ろすだけの剣戟と比べれば攻撃開始の速度では必ず劣ってしまう。だからウィルヘルムが魔術を使おうとした気配を察知してからでも、回避は出来る筈だ。

 

 だから得物を受け止め続け、隙を作る。今のところ接近戦を挑んでいるのは俺とラウラとナタリアの3人。ステラは古代の魔術を使って早くもウィルヘルムの弱点を調べ始めているし、彼女の傍らではマークスマンライフルを構えたカノンが、俺を誤射しないようにウィルヘルムへと狙いを定めている。俺が離脱した瞬間にすぐさま彼を撃ち抜くつもりなのだろう。

 

 ナタリアはカールグスタフM3で砲撃する準備をしているが、さすがに俺がソードブレイカーでウィルヘルムの得物を受け止めている間は砲撃できない。彼女の対戦車榴弾で俺まで吹っ飛ばされてしまう。

 

 だが、俺がウィルヘルムの重い剣戟を押し返さない限り打つ手がないわけではない。

 

 むしろ、すぐに剣を引き戻して逃げなければ打つ手がなくなってしまうのは彼の方だろう。

 

 呪詛を剣戟に乗せて振るっていたウィルヘルムは、このままソードブレイカーもろとも両断されそうになっている俺が他の冒険者のように怯えていない事に気付き、もう1人の獰猛なパートナー(転生者ハンター)が急迫しているのに気づいたのだろう。血涙の流れた痕の残る眼を見開きながら慌てて剣を押し込むのを止め、一瞬で後ろにジャンプする。

 

 彼が感じ取った殺意の正体は、彼が残した血生臭い空気を引き裂き、緑色の光で照らされた石畳を叩き割った小さな漆黒のトマホークだった。反対側には小型のサバイバルナイフを思わせるピックが装着された得物を持つのは、幼少の頃から一緒に鍛え上げられた赤毛の少女。同じ父親と違う母親を持つ、腹違いの姉だった。

 

 頭を叩き割る筈だったトマホークが石畳を叩き割ったことに気付いたラウラは、そのままトマホークを大人しく引き抜き、距離を離したウィルヘルムを睨みつけるほど穏健な性格ではなかった。

 

 この姉は、敵意を向けた相手には非常に攻撃的になる。彼女が普通の元気な少女だと思い込んでいた者たちは、きっと獰猛な彼女を目にすれば驚愕する筈だ。いつも甘えてくる時と戦闘中の彼女のギャップは、あまりにも大き過ぎる。

 

 親父から獰猛な部分を受け継いだラウラは、トマホークを拾い上げるために姿勢を低くしたかと思うと、彼女の白い手がトマホークのグリップを掴むと同時にくるりと反時計回りに回転した。バレリーナのようにスムーズに回転しながら、ラウラは服の右肩にあるメスのホルダーへと利き手である左腕を伸ばすと、漆黒のグリップを握って引き抜き、右手でトマホークを石畳から引き抜くと同時にメスをウィルヘルムへと投擲した。

 

 魔物から内臓を摘出するために冒険者が持ち歩く一般的なメスだ。内臓を摘出する以外にも、一部の冒険者はこれを投げナイフのように投擲して攻撃する事があるという。

 

 旅をする途中で魔物から内臓を取り出す事もあるだろうと思って用意しておいたメスを攻撃の直後に投擲し、ラウラはウィルヘルムの意表を突いてみせた。

 

 最初の一撃は、ウィルヘルムにわざと回避させるためのフェイントだったのだ。

 

 ラウラは近距離での戦闘訓練では俺よりも動きが良くなかった。母さんとの戦闘訓練ではいつも剣を払い落とされていたし、素振りも俺より遅かった。だから接近戦が苦手だと親たちから言われていたんだが―――――――変則的な武器を使った変則的な接近戦ならば、ラウラは真価を発揮できる。

 

 両親たちの戦い方が、ラウラに合っていなかっただけなのだから。

 

『くっ!?』

 

 驚愕したウィルヘルムは慌ててブロードソードを振るい、ラウラが投擲したメスを叩き落とす。剣に叩き落とされる音を奏でながらメスが床へと落下するが、獰猛になった彼女はまだ続くようだった。

 

 左手を背中に伸ばし、背負っているアンチマテリアルライフルの銃床を掴み取る。ゲパードM1を背中から取り出しながら右手のトマホークをホルダーに戻した彼女は、左手でゲパードM1のグリップを握ると、大型のマズルブレーキが装着されたアンチマテリアルライフルの銃口をウィルヘルムへと向け、右手でキャリングハンドルを握り、トリガーを引いた。

 

 小太刀のような形状の三十年式銃剣が取り付けられたマズルブレーキから、12.7mm弾が飛び出す。ウィルヘルムの唸り声をかき消した轟音を引き連れて駆け抜けた弾丸は、銃を初めて目にした大昔の英雄へと襲い掛かっていく。

 

 弾丸の速度は、先ほど彼女が投擲したメスの比ではない。一瞬で着弾する12.7mm弾の予想以上の弾速に驚愕しながら回避しようとしたウィルヘルムの左腕を、ラウラの敵意を纏った12.7mm弾が抉り取る。

 

 鎧が砕け、破片と肉片が床の上にまき散らされる。だが、その破片と肉片たちはすぐに黒い煙のように変貌すると、怯えてしまったかのように揺らめきながら消えていった。

 

『ぬ………なんという威力の飛び道具だ…………』

 

 しかも弾速は弓矢を遥かに上回る。更に、魔術のように詠唱する必要もない。

 

 見たこともない飛び道具で攻撃され、ウィルヘルムが驚愕する。今しがたラウラの一撃で抉り取られた彼の左腕の断面は黒い煙のようなものが覆っていて、徐々にその煙が抉り取られた左腕と防具を形成しているようだった。

 

「くそ、再生してやがる………!」

 

 ウィルヘルムは、普通の人間のように殺すことは出来ない。既に彼は大昔の戦いで死んでいるし、目の前にいるのは彼の亡霊でしかないのだ。どれだけ彼の手足を抉り、身体を切り裂いたとしても、あのように再生してしまう事だろう。

 

 すると、いきなり緋色の光を纏った小さな礫(つぶて)が飛来し、彼の防具に命中してかつん、と小さな音を立てる。その一撃はウィルヘルムの防具を貫通することはなかったが、その直後に獰猛な一撃が襲来するという事の予兆であった。

 

 ラウラがボルトハンドルを兼ねるグリップを引き、アンチマテリアルライフルから空の薬莢を排出すると同時に、ウィルヘルムの側面から黄金の炎と猛烈なバックブラストが迸る。広間を照らす緑色の光を蹂躙した煌めきの中から姿を現したのは、アンチマテリアルライフルの12.7mm弾を遥かに上回る破壊力の一撃だった。

 

「喰らえッ!」

 

 太い筒に短い銃身と照準器を取り付けたような武器を肩に担ぎながら叫んだのは、かつて親父がネイリンゲンで命を救った少女だった。

 

 最初にウィルヘルムに着弾した緋色の礫は、スポットライフルの曳光弾だ。スポットライフルはあくまで砲弾の照準を合わせるための機銃でしかないため、攻撃力は全くない。だがそれが命中したという事は、そのままの状態で砲弾のトリガーを引けば強力な無反動砲の84mm対戦車榴弾が命中するという事である。

 

 今までの銃撃のように全くダメージが無かったその一撃を侮ったウィルヘルムは、その直後に飛来した対戦車榴弾の餌食になる羽目になった。主力戦車(MBT)を撃破できるほどの威力を持つ砲弾が飛来し、彼の腹にめり込んだ直後に爆風へと変貌していく。

 

 ウィルヘルムは数多の裏切り者を食い止め続けたハーフエルフの英雄だ。だが、剣術は俺の母であるエミリア・ハヤカワと同等とはいえ、防御力は防具を身に着けた普通の人間とあまり変わらない。ハーフエルフは人間よりも身体は頑丈だが、主力戦車(MBT)を粉砕する対戦車榴弾を防ぎ切れる防御力ではなかった。

 

 砲弾が着弾した段階で防具があっけなく砕け散り、彼の腹に突き刺さった砲弾から突き出た爆風が膨れ上がる。獰猛な爆風の渦に上半身を削り取られた彼は、呻き声を上げながら爆炎に包み込まれた。

 

「命中!」

 

「油断すんな! 再装填(リロード)しろッ!!」

 

 まだ、ウィルヘルムの弱点は分かっていない。このまま攻撃していても、あいつは再生し続ける事だろう。何とかステラが弱点を調べてくれるまで持ちこたえなければならない。しかも、弾薬を使い過ぎないように気を付けなければならないのである。

 

 爆炎を睨みつけながら歯を食いしばっていると、舞い上がっていく黒煙が段々と黒い霧のように変貌し、先ほど砲弾が着弾した床の上に集まり始めた。爆炎の真上から黒煙だけを選び抜いてかき集めたような黒い塊は徐々に肉体と防具を形成し、ウィルヘルムの姿へと戻っていく。

 

 対戦車榴弾で木端微塵に吹っ飛ばしても、元通りになっちまうのか………!

 

 黒煙の中からブロードソードを手にした騎士が睨みつけてきたことに気付いた俺は、舌打ちをしてからレ・マット・リボルバーを構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ステラさん、ウィルヘルムの弱点はまだ分かりませんの?」

 

 スコープを覗き込み、お兄様たちを狙撃で支援しながらわたくしは傍らでウィルヘルムの弱点を調べているステラさんに問い掛けましたわ。彼女は目の前に魔法陣を展開し、無表情のままその魔法陣の表面に投影される古代文字をタッチしたり、なぞって調べているようでしたが、まだ彼の弱点は判明していないようでしたわ。

 

「もう少しです」

 

 マークスマンライフルの銃声の残響の中で、ステラさんの全く感情のこもっていない声が聞こえてきました。催促すれば彼女の邪魔になってしまうと判断したわたくしは、それ以上は彼女に問い掛けずに狙撃を続行します。

 

 お兄様がウィルヘルムに接近している間は撃たず、彼が距離を離したり、お兄様がウィルヘルムの剣戟で吹き飛ばされている間に撃ち続けます。何発かウィルヘルムに命中しましたが、やはり彼はすぐに再生してしまいますのね。ステラさんが弱点を調べてくれない限り、勝ち目はないようです。

 

 ですが、これはわたくしが領主になるための試練なのです。それに、彼にこのまま地下墓地の中をさまよわせるわけにはいきません。冒険者たちの犠牲が増えますし、ウィルヘルムの戦いはもう大昔に終わっているのです。

 

 空になったマガジンを取り外し、お父様とお母様から教わった通りにマガジンを取り付け、コッキングレバーを引いて再装填(リロード)を済ませたわたくしは、お兄様がウィルヘルムに接近したことを確認して狙撃を中断しましたわ。お姉様が愛しているお兄様を誤射するわけにはいきませんもの。

 

 お兄様は重そうなアンチマテリアルライフルを背負っているというのに、ウィルヘルムの剣戟を何度もひらりと回避していましたわ。先ほどまでは大型ソードブレイカーで受け止めていたようなのですけど、お兄様が今手にしている得物はナイフとソードブレイカーではなく2丁のレ・マット・リボルバーですから、彼の重い剣戟を受け止めるわけにはいきませんわね。受け止めてしまったら強度とフレームが増強されているとはいえ、両断されてしまいますわ。

 

 至近距離でマグナム弾を連発しつつ、ローキックをウィルヘルムの片足に叩き付けて体勢を崩すお兄様。がくんと大きな身体を揺らした隙に頭に銃口を押し付け、そのままマグナム弾を叩き込んだお兄様は、左目の上に風穴を開けられたウィルヘルムの顔面を蹴り飛ばし、後ろへとジャンプして距離を取ります。

 

 お姉様だったら追撃しているところかもしれませんが、お兄様はお姉様と比べると冷静ですわ。お姉様はリキヤおじさまに獰猛なところが似たのですわね。

 

「――――――弱点が判明しました」

 

 起き上がったばかりのウィルヘルムに照準を合わせたその時でしたわ。隣で魔法陣を操作し続けていたステラさんが、そう告げながらわたくしの顔を見上げましたの。

 

 弱点が分かったという事は、ウィルヘルムを撃破し、彼を成仏させるための手段が分かったという事ですわ。

 

 わたくしは先祖の忠臣に別れを告げる寂しさを感じながら、スコープから目を離しました。

 

 

 

 

 

 

 

「タクヤ、ウィルヘルムの弱点が判明しました」

 

「本当か!?」

 

 .44マグナム弾を続けざまに叩き込み、マグナム弾を撃ち尽くした2丁のレ・マット・リボルバーの再装填(リロード)を開始する。シリンダーの中心部にはまだ散弾が装填されたままだが、こいつはこのリボルバーの切り札だ。中距離でぶっ放すのではなく、至近距離でぶっ放さなければならない。

 

 9発の弾丸を装填できるシリンダーから空の薬莢を取り出しながら、俺はステラに尋ねた。

 

「どこが弱点だ!?」

 

「―――――――心臓です」

 

「心臓…………!」

 

 心臓に攻撃を叩き込めば、何度も再生するウィルヘルムを成仏させられるというわけか。先ほどナタリアが対戦車榴弾で木端微塵に吹っ飛ばしていたが、粉々になっても再生したという事は、直接弾丸をお見舞いしなければならないらしい。

 

 ならば、止めを刺す役割は主役(カノン)にやらせるべきだろう。俺たちは彼女の試練を手伝いに来たに過ぎない。祖先の家臣の戦いを終わらせる役目は、カノンが最も相応しい。

 

 再装填(リロード)を終えた俺は、レ・マット・リボルバーをホルスターの中へと戻すと、腰の鞘の中からナイフとソードブレイカーを引き抜いた。

 

 今まで武器とスキルばかり生産してきたが、密かにある能力を生産しておいたのだ。接近戦でしか使えない能力だが、接近戦を挑んでくる相手を迎え撃ち、隙を作るにはうってつけの能力だろう。

 

 大型トレンチナイフと大型ソードブレイカーを引き抜いた俺は、2本の得物を構えると、ウィルヘルムを睨みつけた。

 

「――――――巨躯解体(ブッチャー・タイム)、発動」

 

 

 

 

 


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