異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる 作:往復ミサイル
イリナ・ブリスカヴィカの日常は、他の仲間たちとは真逆である。
テンプル騎士団に所属する兵士たちが朝に起床し、朝食を摂ってから訓練を受け、依頼を受けて戦場へ向かうか、冒険者管理局が公開する情報とシュタージが調べ上げた情報を元にしてダンジョンの調査に出かけ、そしてタンプル搭に戻るか戦場で床に就くのがごく普通の”一日”だ。
もちろん夜になれば全員就寝するというわけではない。場合によっては任務が長引いて翌日に帰還することも珍しくない。それにタンプル搭を警備する警備班の兵士たちは、交代で常に要塞を警備している。そのため警備班の中にはイリナと同じ状態になっている者も多い。
イリナの日常は、夕方から始まる。
タクヤの寝室に無断で持ち込んだ棺桶の中で日が沈み始めた頃に目を覚まし、着替えを済ませてから”夕食”を摂る。吸血鬼である彼女は普通の食べ物を食べても栄養を吸収できないため、もちろん夕食の献立はいつも同じだ。タクヤの首筋などに思い切り噛みつき、彼の絶叫を聴きながら
そして仲間たちが就寝する頃にイリナは訓練を始め、そのまま依頼を受けて出撃するか、偵察部隊の1人としてバイクに乗り、夜の砂漠の偵察へと向かう。そして現地で”夜食”を摂りつつ任務を遂行し、太陽が昇る前にタンプル搭へと帰還して就寝するのだ。
吸血鬼の弱点は太陽の光と言われているが、それがどの程度吸血鬼にダメージを与えるかには個人差がある。耐性が低い吸血鬼の場合はあっさりと肉体が消滅するが、大昔から生き続けている吸血鬼や、非常に長い歴史を持つ吸血鬼の一族などは極めて日光に対する耐性が高く、吸血鬼であるにもかかわらず太陽の光を浴びながら行動することもできるのだ。
イリナの場合は、日光を浴びても体調が悪くなる程度である。
とはいえ彼女の肉体に有害な存在であるため、日が昇る前に床に就くのが理想的だ。
最近では、彼女はいつもよりも早く目を覚ますようにしている。タクヤやラウラたちが部屋に戻ってくるよりも先に着替えを済ませ、そのまま外出してしまう事も珍しくなりつつあった。
早めに訓練を受けているわけではない。
要塞の中に新たに設立された、”ある場所”に通っているためである。
転生者の討伐に出かけている仲間たちが戻ってくる前に部屋を出たイリナは、鼻歌を歌いながらエレベーターのスイッチを押し、まるで鉄格子を彷彿とさせるデザインのエレベーターへと乗り込んだ。配管の隙間から噴き出す魔力の残滓を浴びながら『第六居住区』まで降り、ケーブルや配管が剥き出しになった通路を奥へと進んでいく。
広大な要塞のどこかへと動力となる魔力を伝達するケーブルや配管を見つめつつ、イリナは通路の奥に鎮座する茶色い扉の前で立ち止まった。
新品のドアの表面には、複数の言語で文字が書かれた大きめのプレートが掛けられている。テンプル騎士団のメンバーの大半はオルトバルカ語を話すものの、ごく少数ではあるがそれ以外の言語を母語としており、オルトバルカ語の読み書きや聞き取りができない団員や住民もいる。そのため、このようにプレートには複数の言語が書かれているのが一般的なのである。
イリナも、幼少の頃に一番聞いていた言語はオルトバルカ語ではなく、ヴリシア語であった。その次に使い慣れている言語はカルガニスタン語である。イリナとウラルにとっての母語は、この2つだ。
全く違う言語で『孤児院』と書かれたプレートの下に、ゴブリンと思われる魔物の落書きがあるのを見つけたイリナは、笑いながらドアを開けた。
「あ、イリナおねーちゃん!」
「やっほー。みんな元気?」
「うんっ!」
「ねえねえイリナおねーちゃん、いっしょにあそぼうよ!」
「えほんよんでー!」
「ぼうけんのおはなしきかせてー!」
ドアを開けた瞬間にイリナへと群がってきたのは、様々な種族の子供たちだった。
まだ幼い人間の子供だけではなく、エルフやハーフエルフの子供もいる。広い部屋の奥でドラゴンの人形を使って遊んでいたハイエルフの子供やオークの子供までイリナの周囲へと群がってくると、たちまちタンプル搭の通路にまで子供たちの楽しそうな声が響き始める。
種族だけでなく、性別もバラバラだった。
元気いっぱいな子供たちだが―――――――この子供たちに、”親”はいない。
種族や性別だけでなく、ここへとやってきた理由もバラバラだろう。親に捨てられた子や、家族と一緒に奴隷として売られ、その最中に保護された子供が大半である。しかし、別の理由の子供たちから見れば、まだその子供たちは幸運なのかもしれない。
この中には、盗賊や魔物の襲撃で家族を全員失い、二度と会うことができなくなった子供もいるのだから。
だからイリナは、少しでもここへとやってきた子供たちを癒すために努力を続けてきた。積極的に依頼を受けて資金を集め、円卓の騎士のメンバーたちにも協力してもらい、何とか拡張された第六居住区に孤児院を作ることができたのである。
それは、今は亡き彼女の親友の夢でもあるのだ。
孤児院を作って子供たちを幸せにするという大きな夢を、イリナは仲間たちと共に叶えたのである。
明るいイリナに、孤児院へとやってきた子供たちはすぐに懐いた。ある程度ならば違う言語も話すことができるため、種族や出身地が異なる子供が相手でもコミュニケーションをとることにも苦労しなかった。それゆえにこの孤児院へとやってきたばかりの子供が笑顔をすぐに浮かべるのは、日常茶飯事となっている。
とはいえイリナは吸血鬼であるため、昼間は棺桶の中で眠っている。そのため昼間に子供たちの面倒を見るのは、住民の中から立候補してくれた女性たちだ。
今は買い出しに出かけているのか、女性たちの姿は見当たらない。
「あははははっ、分かったって。ほら、静かにしてね。兵隊さんたちはまだお仕事中なんだから」
「「「はーいっ!!」」」
笑顔を浮かべながら部屋のドアを閉めたイリナは、子供たちの手を握りながら部屋の奥へと向かう。大きな本棚にぎっしりと並べられた絵本の中から何冊か絵本を選んだ彼女は、子供たちを座らせてから絵本を開いた。
絵本の表紙には凶悪な吸血鬼が描かれており、その吸血鬼にクロスボウや剣を手にした金髪の少年と少女たちが挑もうとしている。かつてモリガンの傭兵たちとレリエル・クロフォードがヴリシア帝国で繰り広げた死闘を題材にした絵本のようだが、その傭兵たちの息子であるタクヤが言うには「9割くらい間違ってる」らしい。
イリナもリキヤを目にした事はある。確かに、彼は絵本の表紙に描かれているような金髪ではなく赤毛だった。体格も、絵本の主人公と比べるとよりがっちりしている。
「じゃあ、今日はこれにしようかな♪ みんな、モリガンの傭兵は知ってる?」
「しってるー!」
「まっくろなふくをきたつよいひとたちでしょ!?」
「ぼく、きりさきジャックならしってる!」
「き、切り裂きジャックかぁ…………」
苦笑いしながら、イリナは
彼の戦果は決して讃えられない。ただ、人を惨殺したという結果が恐怖となって人々へと襲い掛かるだけだ。
「ねえ、イリナおねーちゃん」
「どうしたの?」
そろそろ絵本を読もうと思っていると、ダークエルフの少女がイリナの制服を小さな手で引っ張り始めた。
「モリガンのようへいときりさきジャックって、どっちがつよいのかなぁ?」
「ど、どっちだろうね…………」
もし比べているのが21年前のモリガンの傭兵たちならば、まだ切り裂きジャックに勝ち目があるかもしれない。21年前のモリガンの傭兵たちは、銃が通用しない魔物やレベルの高い転生者と死闘を繰り広げながら、彼らを打ち倒す戦い方を徐々に編み出していったのだ。切り裂きジャックは彼らが生み出した答えを徹底的に叩き込まれて鍛え上げられたのだから、少なくとも同い年という条件ならば負けることはないだろう。
さすがに経験を積んだ今のモリガンの傭兵が相手ならば、十中八九瞬殺されて終わりになるかもしれないが。
子供たちが理解できるように説明する方法を考えているうちに、子供たちの論争が幕を開けた。
「きりさきジャックのほうがつよいよ! ナイフでなんでもやっつけちゃうんだから!」
「ちがうよ、モリガンのようへいのほうがつよい! レリエルをやっつけたんだから!」
「こらこら。…………ふふふっ、実はどっちも強いんだよ?」
「そうなの?」
「うんっ♪ それじゃ、今日はこの絵本を読むね♪」
「「「はーいっ!」」」
子供たちの元気な返事を聴きながら、イリナはその絵本の題材にされた傭兵の息子が「9割くらい間違ってる」と断言した絵本を読み始めるのだった。
大規模な軍拡が行われたのは、陸軍や空軍だけではない。
タンプル搭の周囲を取り囲む岩山の中を流れる広大な河を利用した軍港も、軍拡に合わせて大幅な拡張を受けていた。より多くの艦艇が停泊して整備を受けられるように設備を広げ、ドッグの数も増やしたし、テンプル騎士団の象徴ともいえる戦艦『ジャック・ド・モレー』に匹敵するサイズの超弩級戦艦が何隻も停泊できるような設備も用意されている。
本当にここは岩山の中なのかと思ってしまうほどの広大な空間。成長したのはつい数週間前であるにもかかわらず、停泊する艦艇の群れに早くも軍港が埋め尽くされてしまいそうだ。軍港に停泊する様々な色の駆逐艦や戦艦を見上げながら、俺はそう思った。
漆黒に塗装されている艦もあるが、中にはダークブルーやライトブルーを基調とした”洋上迷彩”や、複雑な塗装が特徴的な”ダズル迷彩”と呼ばれる塗装が施された駆逐艦も見受けられる。
ダズル迷彩は複雑な塗装を施すことにより、その塗装を施された艦の形状を非常に分かりにくくする効果がある。例えば戦艦にこのダズル迷彩を施した場合、双眼鏡でその艦を発見した敵兵からすれば、どこに主砲が搭載してあるのかが非常に判断しにくい。
第一次世界大戦や第二次世界大戦では、基本的に敵艦へと照準を合わせるのは砲手の役目だったため、この艦の形状を分かりにくくするダズル迷彩は数多の軍艦の砲手たちを混乱させてきた。
しかし、現代の艦隊戦では敵艦を視認しなくても、レーダーで探知してからロックオンしてミサイルを発射すればいいので、このような迷彩はあまり使われなくなってしまった。とはいえこの世界の敵は人間だけではなく、魔物も含まれる。そのため魔物にも効果があるか確かめるために、複数の艦艇の塗装は試験的にこのダズル迷彩となっている。
軍港にずらりと並んで補給を受けるソヴレメンヌイ級の横にある通路を歩き、奥に停泊している強襲揚陸艦へと向かう。ソヴレメンヌイ級はアメリカ軍が運用するイージス艦と比べると旧式の駆逐艦であり、性能は劣ってしまうものの、コストが低い上に攻撃力は優秀なので、テンプル騎士団の主力駆逐艦となっている。実際にヴリシアの戦いではモリガン・カンパニーの無数のソヴレメンヌイ級たちがミサイルの飽和攻撃を実施し、イージス艦を数隻撃沈する戦果をあげているが、あれはイージス艦でも対処しきれないほどのソヴレメンヌイ級を様々な戦線から集めてきたのが原因だろう。
モリガン・カンパニーの物量は圧倒的だ。今のテンプル騎士団と殲虎公司(ジェンフーコンスー)の戦力を合わせても、あの企業には敵わない。
俺がこの軍港を訪れたのは、様々な塗装が施されたソヴレメンヌイ級を眺めるためじゃない。
通路の向こうには、巨大な艦が停泊していた。停泊しているソヴレメンヌイ級とは異なり、船体の右側に艦橋が搭載されている。一見するとまるで空母のようにも見えてしまうが、空母に搭載されているアングルド・デッキは見受けられない。
そこに洋上迷彩を施されて鎮座していたのは、テンプル騎士団で運用しているフランスのミストラル級強襲揚陸艦『パンテレイモン』である。
通路から艦の中へと伸びるタラップを慌ただしく駆け上がっていくのは、この艦に乗り込む乗組員たち。テンプル騎士団海軍の制服は陸軍や空軍とは違って白と蒼の二色となっており、開放的な印象を放っている。
食料が入っていると思われる革袋を抱えたオークの乗組員の後ろについて行くのは、特徴的な漆黒の制服に身を包んだ陸軍の兵士たち。もちろん種族はバラバラで、装備している武器は正式採用されているAK-12ではなく、陸上自衛隊が採用している64式小銃である。
それを装備しているという事は、あの歩兵部隊の指揮官は柊か。
ニヤニヤしながら周囲を見渡すと、すぐに指揮官を見つけた。タラップの近くで乗り込んでいく兵士たちを誘導している黒髪の少年へ近づいていくと、彼はこっちを振り向いてから笑った。
「やあ、同志団長」
「いよいよ出発だな」
「…………ああ」
そう、今から彼らはタンプル搭を旅立つのである。
目的地はタンプル搭のあるカルガニスタンから遥かに離れた極東の海。その真っ只中に鎮座する、倭国という極東の島国だ。
かつて新政府軍と旧幕府軍が激戦を繰り広げた”ボシン戦争”はすでに終結したが、その際に最終決戦が繰り広げられたエゾの九稜城は未だに放置されたままとなっているという。そこを拠点に改装し、倭国にも”テンプル騎士団倭国支部”を作り上げるため、彼らはこれから船旅をするのだ。
最終的には、世界中に支部を作る必要がある。テンプル騎士団が世界規模で活動することになれば、転生者共の蛮行も激減するだろう。人々を虐げれば殺されるということを理解すれば、もうそんなことをする転生者もいなくなるはずだ。
「何かあったらすぐ連絡しろ。すぐ増援に行く」
「大丈夫だよ。護衛の駆逐艦も派遣してくれるんだろ?」
「ああ。ソヴレメンヌイ級2隻とウダロイ級1隻を護衛に派遣する」
「ありがとう。…………………それじゃ、そろそろ行ってくる」
「おう!」
肩をそっと叩くと、柊はニヤリと笑ってから軍帽をかぶり直した。いつの間にか笑うのを止めていた彼は真面目な軍人のように俺の目を見つめると、しっかりとした敬礼をしてから踵を返し、素早くタラップを駆け上がっていく。
「ついに倭国支部が……………」
「おう、ラウラ。訓練は?」
「ついさっき終わったわ。ふふっ、間に合ったかしら?」
あれ? いつもの幼い性格のお姉ちゃんじゃないぞ?
でも、こっちの大人びたお姉ちゃんもいいよなぁ…………。後で思い切り甘えてみようかな。
いつものようにラウラの頭を撫でると、彼女は頬を少しだけ赤くしながらこっちに寄りかかり、手を握ってくれた。
もしここが部屋の中だったら、とっくにキスをしているに違いない。
やがて、ミストラル級が軍港から少しずつ遠ざかり始めた。空母にも見えてしまうほどの巨躯がゆっくりと動き始め、ウィルバー海峡へと続く巨大な河を下るため、軍港の出口へと舵を取り始める。
見送りのために集まった俺たちは、甲板の上で手を振りながら叫ぶ仲間たちへと、手や帽子を思い切り振りながら叫ぶのだった。
タンプル搭の岩山の中から出た広大な河は、幅と水深をほぼ変えない状態のままウィルバー海峡へと流れ込んでいる。潜水艦が潜航したまま軍港へと入港したり、超弩級戦艦が並走して入港しても問題ないほどの面積を誇る河の景色を甲板の上で眺めながら、俺はちょっとばかり不安を感じていた。
あそこにいた仲間たちと比べると、俺たちの錬度は遥かに劣る。中にはまだ人を殺すことを躊躇っている仲間もおり、俺と同じように不安を感じているようだ。
でも、俺はもう指揮官なんだ。仲間の士気を高めてやらないと。
そう思いながら仲間を励ますための言葉を考え始めるが、何も思いつかない。頭の中に浮かんでくるのは不安が具現化した言葉や単語ばかりで、指揮を上げるどころか下げてしまうかもしれない。
どうすればいいんだ…………。
そう思いながら、甲板の向こうを見つめていたその時だった。
ウィルバー海峡へと突き進む強襲揚陸艦の前方に―――――――蒼い巨体が、鎮座していたのである。
ダークブルー、ライトブルー、グレーの洋上迷彩を施された巨躯。広大な甲板には3本の太い砲身が突き出た砲塔が鎮座し、艦橋の周囲にはずらりと対艦ミサイルのキャニスターが並んでいる。更に甲板の上には副砲であるAK-130やコールチクなどの武装も搭載されており、俺たちの乗る強襲揚陸艦よりも圧倒的な攻撃力を持っているのは一目瞭然だ。
ウィルバー海峡からタンプル搭の方へと河を上ってきたのは―――――――テンプル騎士団の象徴ともいえる、テンプル騎士団艦隊旗艦『ジャック・ド・モレー』だった。
ヴリシアの戦いでは戦艦モンタナと砲撃戦を繰り広げ、最後の攻撃では地上部隊を艦砲射撃で援護した超弩級戦艦。生れ落ちることのなかった恐ろしい戦艦に、最新の装備を加えて誕生した怪物である。
「ジャック・ド・モレー…………?」
「同志、発光信号です!」
なに? 発光信号?
よく見てみると、確かにジャック・ド・モレーの艦橋の辺りで光っているのが見える。一応俺たちも発光信号についても勉強を受けたので、解読することは可能だ。
何て言ってるんだろうか。タンプル搭で受けた授業を思い出しつつ、俺はその発光信号の解読を開始する。
≪極東へと旅立つ同志諸君の幸運を祈る≫
「―――――――!」
それは、この強襲揚陸艦『パンテレイモン』と共に倭国へと旅立つ俺たちへのメッセージだった。
他の仲間たちもそのメッセージを解読することに成功したのか、目を見開きながらこっちを見たり、歓声を上げながらジャック・ド・モレーへと向かって手を振り始めている。
仲間たちが、俺たちを応援してくれているんだ。
そうだな。不安なんかに負けてたまるか。
微笑みながら蒼い超弩級戦艦を見つめていると、砲塔の上や甲板の上に姿を現したジャック・ド・モレーの乗組員たちが、こっちに向かって叫びながら手を振り始めたのが見えた。なんと言っているのかは風の音と仲間たちの歓声で聞こえないが、きっと彼らも俺たちの事を応援してくれているのだろう。
だから俺も、手を振りながら叫んだ。
不安を全て消し去ってくれた、仲間たちのために。
おまけ
リキヤさんが絵本を書店で立ち読みするとこうなる
リキヤ(ん? これ、俺たちが題材になってる本か?)
リキヤ(…………おい、なんで俺とエミリアが金髪なんだよ…………。ギュンターはそれなりに似てるけど、唸り声しかあげてねえし…………こいつは魔物と勘違いされてんじゃねえか? 可哀そうに…………)
店員「いらっしゃいませー」
店員(おい、なんでおっさんが幼児向けの絵本立ち読みしてんだよ…………)
リキヤ(し、シンヤがメガネをかけてない!? しかもフィオナが老婆!?)
店員(しかも真剣に読んでるし…………)
リキヤ(あのエリスがしっかり者でカレンが変態!? 逆じゃねえか! しかもレリエルも日光で大ダメージ受けてるし…………間違い過ぎだろこれ)
リキヤ「……………………粛清だ」
店員「!?」
おまけ2
全然違うモリガンの傭兵
リキヤ『喰らえ、レリエル!』
レリエル『ふん!』
リキヤ『くっ…………うおぉぉぉぉぉぉ!!』
レリエル『なにぃっ!?』
リキヤ『正義のためにも負けられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
エミリア『リキヤ、負けないで!』
エリス『リキヤ、お前なら勝てる! 行けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
ギュンター『グオォォォォォ! グオォォォォォォ!!』
カレン『ふふっ…………リキヤくんって、素敵…………♪』
シンヤ「…………」
リキヤ「…………この絵本、どう?」
シンヤ「…………兄さん、出版社に行こうか」
リキヤ「ほら、トカレフ」
リキヤ&シンヤ「「粛清だ」」
エミリア「お、落ち着けバカ共!!」
ギュンター(俺唸り声しかあげてねえじゃん…………)
完