異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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帝都の撤退戦

 

 

 キーン、という強烈な音だけが、俺を支配していた。

 

 火薬の臭いが染み込んだ風と、それを生み出した砲弾が放つ熱風の中で小さく頭を振りながら目を開ける。数秒前の出来事だったというのに、今しがた何が起こったのかすぐに思い出せないほど混乱していたけれど、俺たちの後方に転がる焼死体を見た瞬間に何をするべきか思い出し、すぐに自分の手足を確認した。

 

 両足も、両腕もまだくっついている。今の爆風で千切れ飛ぶような重傷は負っていない。

 

 俺よりも一足先に我に返った木村が、重い火炎放射器の燃料タンクを下ろしながら俺に向かって何かを叫んでいた。必死に聞き取ろうとするけれど、まだ耳の中でキーン、というやかましい音が暴れ回っている。すぐ近くで戦友が叫んでいるというのに、何と言っているのか全く聞き取れない。

 

 くそったれ、俺の鼓膜は大丈夫か?

 

「ケーター、しっかり!!」

 

「あ…………ああ、よし、聞こえる。大丈夫だ」

 

「なら、早く逃げますよ! レオパルトが――――――――」

 

 愛用の火炎放射器を木村が投げ捨てた直後、木村の背後をレオパルト2A7+が放った砲弾が突き抜けていった。猛烈な衝撃波を浴びる羽目になった俺たちはよろめいてしまったが、辛うじてどちらも負傷はしていないらしい。俺を助け起こしてくれた木村もケガをしているわけではないらしく、埃と塵まみれになったガスマスクをかぶったまま移動を始めた。

 

 路地の向こうから、戦車のキャタピラとエンジンの音が聞こえてくる。そして歩兵たちの怒号も聞こえてきたと思った次の瞬間、アサルトライフルの銃撃が近くの壁のレンガを食い破る。

 

 もう応戦している場合ではない。一目散に逃げる必要がある。

 

 潜んでいた路地の陰にクレイモア地雷を仕掛け、ワイヤーを仕掛けておく。さっきはこういったブービートラップを仕掛けなかったけど、今度は足止めのためにもこういった手段はフル活用しなければならない。戦車が砲口を向けている通路から見て左側にある細い路地へと飛び込んだ俺と木村は、応戦用のコルトM1911A1を装備しながら突っ走った。

 

 木村と2人で狭い路地を疾走しつつ、ところどころにクレイモア地雷を設置しておく。さすがに戦車には何の効果もないが、少なくとも防御力が人間と変わらない吸血鬼や、こうした爆風だけで簡単に肉体が吹っ飛ぶ人間には効果がある。戦車だけならば小回りが利かないという欠点があるから逃げ回るのは楽だが、戦車と随伴歩兵に追われている今の状態では、下手をすれば歩兵の方が厄介な存在かもしれない。

 

 空の酒瓶が転がる狭苦しい路地を、全力で突っ走る。酒瓶で転倒しないように足元に注意しつつ、目の前に敵が先回りしていないか警戒して進みつつ、俺は敵の戦力の予測を始めた。

 

 先ほど俺たちが擱座させたレオパルト2A7+に随伴していた護衛の歩兵は10人ほどだ。そして先ほどこっちに砲口を向けていた戦車の近くにいた随伴歩兵はおそらく7人前後。クランたちと合流できれば応戦できるかもしれないが、敵がこうやって戦車を2両も投入してきた以上、こっちはもう逃げるしかない。

 

 たかが諜報部隊の殲滅に最新鋭の戦車を2両も投入してきたという事は、敵もこっちの殲滅に本腰を入れつつあるという事だ。少数で潜入して情報収集をする諜報部隊は、当然ながらこういった真っ向からの戦いに非常に脆い。舞台裏での戦いになれた諜報部隊では、正面から戦うことに慣れた陸軍には絶対に勝てないのである。

 

 路地から左に曲がり、空き家の中に飛び込む。そのまま倒れていたクローゼットを飛び越えていこうとしたところで、後ろを走っていた木村にいきなり肩を掴まれた。

 

「どうした?」

 

「伏せて」

 

 咄嗟に2人同時に伏せた瞬間、すっかり割れてしまった窓の向こうから、エンジンの音が聞こえてきた。微かにキャタピラの音も聞こえてくる。

 

 くそったれ、さっきのレオパルトに追いつかれたのか…………!?

 

 そう思いながら窓の外をちらりと見てみたが―――――――窓の外にある通りにやってきたのは、レオパルトと比べると小ぢんまりとした車体の上に、同じく戦車と比べると小さな砲塔を乗せた車両だった。がっちりした車体の両サイドにキャタピラがあるという特徴は戦車と同じだけど、車体の上に乗っている砲塔から伸びる砲身は猛烈な破壊力を誇る戦車砲と比べるとかなり細く、どちらかというと機関砲であるという事が分かる。

 

 砲塔にはミサイルポッドと思われる装備が搭載されていて、砲塔の上にあるハッチから身を乗り出した車長と思われる兵士が車両の周囲を確認しているところだった。見つかる前に顔を引っ込め、息を殺しながら唇を噛みしめる。

 

 戦車じゃなかったのは幸いだが、厄介な代物が投入された事には変わりはない。

 

「くそ、ブラッドレーだ」

 

 通りへとやってきたのは、アメリカ軍で採用されている『M2ブラッドレー』と呼ばれる装甲車だった。装甲車は戦車と比べると火力も低く、防御力も貧弱だが、戦車と違って数名の歩兵を車内の兵員室に乗せることが可能だ。

 

 舌打ちしながら外を確認してみると、後部にあるハッチからG36CやG36Kで武装した歩兵がぞろぞろと降りてくるところだった。息を呑みつつ木村の顔を見つめ、端末を取り出す。

 

 このまま歩兵の索敵が続いたら見つかってしまう。だからと言ってこのまま立って走り出せば、機関砲の餌食になるのは火を見るよりも明らかだ。

 

 幸い装甲車の車長は砲塔の上から身を乗り出している。ちょっとした小細工をするチャンスだ。

 

「スタングレネードを投げたら、思い切り走れ」

 

「了解(ヤー)」

 

 少なくとも装甲車の周囲で索敵を始めた歩兵の足止めはできるだろうし、装甲車の外に身を乗り出している車長も影響を受ける筈だ。強烈な光ですぐに命令を下せないような状況に陥ってくれれば、数秒だけとはいえ機関砲の餌食にならずに逃げだすチャンスが作れる。

 

 端末で生産したスタングレネードの安全ピンに指をかけ、もう一度窓の外をちらりと確認する。車長は近くにいる歩兵と話をしているようだが、何と言っているのか分からない。声が聞こえないわけではなく、聞いたことがない言語で会話しているのだ。この世界で公用語となっているオルトバルカ語ではなく、語感がドイツ語に似ている言語である。

 

 クランのおかげでドイツ語は聞き慣れたけれど、やはりドイツ語とは違う言語のようだ。タクヤ(ドラッヘ)の奴なら分かるかもしれないな。

 

 息を呑みながら安全ピンを外し―――――――左手に持ったスタングレネードを、思い切り窓の外に放り込んだ!

 

 かつん、とスタングレネードが石畳の上に落下する。その音に数名の歩兵と車長が気付いたようだが、彼らが大声を上げようとした瞬間、石畳の上に落下したスタングレネードが炸裂し、猛烈な閃光で廃墟の中を染め上げた。

 

 しかも炸裂したのは、敵兵が音に気付いて振り返った直後。それがスタングレネードだと気付くことすらできなかった奴らは、可哀そうなことに炸裂したスタングレネードを直視する羽目になってしまったらしい。

 

 耳を塞ぎながら陰に隠れていた俺と木村は、閃光がすっかり消え去った瞬間に立ち上がって走り出した。窓の外では強烈な光を直視してしまった兵士たちが呻き声を上げていて、砲塔の上でも車長が両目を押さえて悶え苦しんでいる。そのため車内でスタングレネードの炸裂する音を聞かされるだけで済んだ乗組員たちは、迂闊に装甲車を動かすこともできないまま混乱しているようだ。

 

 周囲には両目を押さえながら苦しむ味方の歩兵がいるのだから、迂闊に装甲車を動かせば轢き殺してしまう可能性もある。俺は車長と歩兵部隊の目をくらませることを期待してスタングレネードを投げたんだが、これは予想外だった。

 

 反対側の窓から飛び出し、瓦礫が放置された地面の上を突っ走る。これで逃げ切れるだろうかと思った次の瞬間、先ほどまで隠れていた建物の壁が木っ端微塵に吹っ飛んだかと思うと、俺たちの頭上を機関砲の砲弾が次々に突き抜けていき、目の前にある建物を薙ぎ払い始めた。

 

 まさかもう装甲車に見つかったのかと肝を冷やしたが、どうやら使い物にならなくなった歩兵部隊と車長の代わりに足止めするために、装甲車の砲手が俺たちがいる可能性の高い地点に機関砲の砲弾を撃ち込んでいるだけらしい。

 

 つまり、当てずっぽうだ。装甲車よりもずっと小さい人間に命中することは殆どないだろう。

 

 歩兵たちもこっちに向けてアサルトライフルの射撃を開始するが、まだ閃光の影響が残っているらしく、命中精度は最悪だった。俺たちのいる方向に飛来した銃弾など1発もなく、ほとんどが全く違う方向の建物の壁を撃ち抜いている。

 

 奥にある路地に逃げ込み、クレイモア地雷を仕掛けてから突っ走る。また通りを抜けた瞬間に装甲車や戦車と出くわさないことを祈りながら走っていると―――――――またしてもエンジン音が通りの向こうから聞こえてきて、俺は歯を食いしばった。

 

 くそ、包囲されてんのか!?

 

 端末を取り出し、ロケットランチャーで一矢報いるべきだろうかと思ったが――――――――通りの出口で待っていたのは、装甲車や戦車ではなかった。

 

 がっちりした車体だが、先ほど俺たちに襲い掛かってきた装甲車や戦車と比べると小ぢんまりとしている。機関砲や対戦車ミサイルが搭載された砲塔は見当たらないが、代わりに車体の上にはブローニングM2重機関銃が1丁だけ搭載されており、戦闘用の車両であることを告げていた。

 

 アメリカ軍で採用されているハンヴィーだ。また吸血鬼の奴らに先回りされたのかと思ったけど、助手席の窓から顔を出した少女の顔を見た瞬間、俺は反射的に構えていたコルト・ガバメントを下ろした。

 

「Guten Abend|(こんばんわ)! 迷子になっちゃったのかしら?」

 

「クラン…………?」

 

 よく見ると、ハンヴィーに乗っているのはクランと坊や(ブービ)とノエルの3人だった。運転席に坊や(ブービ)が座り、助手席ではクランがXM8を構えている。ノエルは車体に装備されたブローニングM2重機関銃を構えていたけれど、路地から出てきたのが俺と木村だと分かった瞬間、息を吐きながら俺たちを狙うのを止めてくれたようだ。

 

 しかも待っていてくれたのはクランたちだけではない。彼女たちが乗るハンヴィーの後ろを見てみると、同じくもう1両のハンヴィーが停車している。

 

 そちらの方にはXM177E2などのカービンで武装したモリガン・カンパニーの諜報部隊のメンバーが乗っていて、辛うじて敵の追撃から逃げてきた俺たちに手を振っていた。助手席にはリーダーのウォルコットさんもいる。

 

「さあ、逃げるわよ! ケーターは機関銃で射撃をお願い!」

 

「強行突破するつもりか? 敵には戦車と装甲車があるんだぞ!?」

 

 いくら大口径の銃弾を連射できる重機関銃とはいえ、装甲車や戦車にはほとんど通用しない。俺たちを追撃してきた装甲車や戦車部隊に戦いを挑むのは無謀だし、強行突破も同じく論外だ。対戦車ミサイルや戦車砲の集中砲火を喰らって、全員まとめて丸焼きにされるのが関の山である。

 

 すると、後方のハンヴィーの窓から顔を出したウォルコットさんが言った。

 

「回収部隊が到着する予定の座標に最短ルートで向かう。もちろん交戦は避けるが、敵兵と遭遇する可能性は高い。俺たちが先導する」

 

「了解(ヤヴォール)!」

 

 敵の戦車に遭遇しませんようにと祈りながら、俺と木村もハンヴィーに乗り込んだ。がっちりしたドアを開けて車内へと乗り込み、ハンドガンをホルスターに戻してから車体の上に装着されているブローニングM2重機関銃の射撃準備をする。

 

 弾薬を何百発も連ねたベルトがしっかりと繋がっていることを確認してから、安全装置(セーフティ)を解除する。しばらくすると後ろにいたウォルコットさんたちのハンヴィーが一足先に走り出し、俺たちの前を疾走し始めた。

 

 そして俺たちのハンヴィーも、ウォルコットさんたちのハンヴィーの後を追い始める。

 

 サン・クヴァントとは一旦お別れだ。すぐにここにまたやってくる羽目になると思うが、その時は今日よりも多くの死体が転がっているだろう。

 

 ハンヴィーが通りを抜けようとした瞬間、遠くから爆音が聞こえてきた。先ほど仕掛けてきたクレイモア地雷のどれかに、俺たちを追撃していた歩兵部隊の間抜けな奴が引っかかったに違いない。

 

「ざまあみろ」

 

 重機関銃のグリップを握りながら、俺はそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちらエコー1-1。まもなくサン・クヴァント上空に到達する』

 

『こちらチャーリー1。了解した。現在回収地点へと急いでいる』

 

『了解。しっかり回収するから遅れるなよ』

 

『了解だ。そっちこそ、急いでくれ』

 

 重機関銃のグリップを握りながら、俺はウォルコットさんと回収部隊のヘリのパイロットの会話を聞いていた。ウィルバー海峡を航行中のキエフ級軽空母『バクー』から飛び立ったヘリはもう既にヴリシア帝国の領空へと侵入し、まもなくサン・クヴァントに到着するという。

 

 回収地点はもう確認したけど、このまま敵の待ち伏せで回り道をする羽目にならずに済めば、俺たちの方が速くゴールにたどり着くことになる。そのままヘリを警戒しながら待つだけになってくれれば楽なんだが、おそらくは敵の襲撃の影響で多少は俺たちが遅れるかもしれない。

 

 俺たちが手に入れた情報は、絶対にタンプル搭とモリガン・カンパニーの本社に持ち帰る必要がある。吸血鬼共が現代兵器で武装していた挙句、装甲車や戦車まで用意して俺たちの侵攻を待ち構えていると知らせなければ、侵攻した部隊は敵も現代兵器を装備していることを予測できず、大打撃を受けることになる。この情報を持ち帰ることで、仲間たちはしっかりとした作戦を立て、犠牲を最小限にすることができるのだ。

 

 夜中だからなのか、通りを歩いている人の数は少ない。けれども通りを全力疾走していくハンヴィーをじっと見つめている住人は何人もいるし、中にはこっちを指差しながら「なんだあれ? 馬車か?」と言っている人々もいる。

 

 やはり、潜入中は馬車を使って正解だった。この世界では通りを馬車が通っているのが当たり前なのだから、車を使えばすぐに目立ってしまう。

 

「下がって! 危ないから下がれ!」

 

 全力疾走するハンヴィーをまじまじと見つめる野次馬に向かって、前を走るハンヴィーの助手席からウォルコットさんが叫ぶ。

 

 しかしウォルコットさんの野太い怒鳴り声は、何の前触れもなく通りの右側にあった古い建物が倒壊した轟音に飲み込まれ、すぐに聞こえなくなってしまった。その轟音すらかき消してしまった新しい音は、多分このハンヴィーに乗る仲間たちも、このヴリシア帝国を脱出するまでは聞くことになりませんようにと祈っていた音だっただろう。

 

 キャタピラの音とエンジン音。土埃の中から新たに聞こえてきたのは、重々しい戦車の砲塔が旋回する音だった。

 

「レオパルト!」

 

 運転席に向かって俺は叫んだ。先頭を走るウォルコットさんのハンヴィーから見て、通りの奥の方にある右側の建物から、灰色に塗装されたレオパルト2A7+が姿を現したのである。砲塔の側面にはやはりシルクハットをかぶった吸血鬼のエンブレムが描かれていて、通りを塞ぐように現れた戦車の後方からは、ぞろぞろとアサルトライフルやLMGで武装した歩兵部隊が姿を現す。

 

 戦車砲を喰らったら、間違いなくハンヴィーは木っ端微塵だ。装甲車のようながっちりした装甲もないし、もし仮に俺たちが装甲車に乗っていたとしても、装甲車の装甲でも戦車砲を弾くことはできない。

 

 せめてハンヴィーに搭載されている武装が機関銃ではなく、対戦車ミサイルのTOWだったならばまだ太刀打ちはできただろう。だが、そうしたら今度は歩兵部隊に向かって機関銃を掃射することができなくなってしまう。

 

 とりあえず、俺はアサルトライフルやLMGをぶっ放してくる歩兵部隊に向かってブローニングM2重機関銃をぶちかましてやることにした。前を走る味方のハンヴィーに当たらないように細心の注意を払いながら、トリガーを引く。

 

 第二次世界大戦中のドイツ兵を彷彿とさせる制服に身を包んだ兵士の1人が、身体に空いた大穴から血飛沫と肉片を噴き上げた。アサルトライフルに使われる5.56mm弾よりもはるかに大口径の12.7mmの破壊力は、当然ながらアサルトライフルよりもはるかに上である。

 

 G36Cから放たれた弾丸がハンヴィーに命中して跳弾する音を聞きながら、俺はトリガーを引き続けた。幸い住人達には異世界で勃発した現代兵器同士の戦いを見物する勇気がなかったらしく、叫び声を上げながら逃げ惑っている。

 

 戦車の砲塔がこちらへと向けられる。重機関銃で敵兵を攻撃しながら、俺は焦った。このまま直進していればあの戦車砲で木っ端微塵にされる。早く何とか回避しなければ、情報を持ち帰ることはできなくなってしまう!

 

『お前ら、右に曲がれ!』

 

坊や(ブービ)!」

 

「了解(ヤー)!」

 

 前を走っていたハンヴィーが右へと思い切り曲がり、辛うじて別の通りへと滑り込んだ。俺も振り落とされないようにしっかりと掴まりながら片手でスモークグレネードを取り出し、少しでも敵の攻撃の妨害になることを祈りながら通りの奥に向かって投げつける。

 

 数秒後、俺たちのハンヴィーも右側に見える別の通りへと飛び込んだ。振り落とされないようにしっかりと車体や機関銃のグリップに掴まっていたその時、純白の煙の壁の向こうで緋色の炎が輝いたかと思うと、煙の壁にあっさりと風穴を開け、1発の砲弾が飛翔していった。

 

 レオパルトが戦車砲をぶっ放したんだろう。今の砲撃で住民が巻き込まれていないことを祈りながら、俺は舌打ちした。

 

 クソッタレ。早くも回り道か…………!

 

 

 

 

 

 


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