異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる 作:往復ミサイル
それはまるで、無数の機関車が蒸気と炎を噴き上げ、猛スピードで正面から突進してくるかのような光景だった。
砂漠にレールはない。機関車はレールの上を走るものだ。しかしその岩山の中から現れた無数の車輪の群れは、そんなルールは通用しないと言わんばかりに砂を抉り、成人男性を容易く磨り潰してしまえそうなほどの大きな轍(わだち)を刻みつけながら我々に向かって突進してくる。
中には盾を構え、身を守ろうとする騎士もいる。あるいは上手く相手の攻撃を防ぎ、その隙に反撃しようとしているのだろう。あわよくば破壊して鹵獲し、手柄を立てようとしているのかもしれない。
私は鞘から抜いていた剣を早くも鞘の中に戻し、立ち向かおうとする騎士たちを咎めようとした。功を焦って命を落としてきた仲間たちを何人も目にしてきたからだ。魔術の直撃を喰らって墜落したドラゴンに追撃しようとして突っ込んだ若い騎士が、次の瞬間には起き上がったドラゴンに頭を食い千切られていた事もあったし、逃げていくゴブリンの群れを追撃していた部隊が森の中へと誘い込まれ、アラクネに包囲されて無残に殺された光景も目にしてきた。あの時と同じだ。この車輪の群れに挑むのは、それと同じ行為なのだ。
だから私は「良いから早く逃げろ!」と叫んだ。しかし、最前列で大型の盾を構えていた騎士は、もう私の言葉を聞く事ができる状態ではなかった。
叫んでいる最中に、彼の身体が車輪によって遮られてしまったのである。断末魔は、聞こえない。ただ、今まで何度も耳にした盾が粉砕される音と、硬い防具を纏った肉が押し潰される音が微かに聞こえてきたのである。
その騎士がどうなったのかを確認する暇はなかった。後続の無数の車輪が進撃してきているのだから、わざわざあの車輪の轍まで戻って遺体を確認できる状況ではない。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「に、逃げるな!」
分隊長が逃げる部下を叱責するが、あんな車輪の大軍を目にして逃げずにいられる騎士などこの世界にはいないだろう。あんな猛突進は盾では防げない。どんなに性能が良い盾でも、機関車の猛突進を防ぎ切れないのと同じだ。
「魔術師部隊、詠唱急げ!」
虎の子の魔術師部隊が後方で詠唱を開始する。今では産業革命による工業の発展で、段々と接近戦や弓矢のような武器が重要視されつつあるが、それでもまだ強力な魔術を使う事ができる魔術師は、あらゆる国家で重宝される。
今のような強力な装備が発明される前は、彼らが各国の切り札だったのだ。堅牢なドラゴンの外殻を砕き、数多の魔物の群れを焼き払う事ができる彼らは、今でも各国の騎士団の切り札とされており、魔術師が多ければ多いほどその騎士団は強大となる。
オルトバルカのように優秀な魔術師がそろっているわけでは無いものの、近年ではフランセンでも魔術師の教育の見直しにより、最低限の才能を持っていれば実戦投入できる程度に鍛え上げることが可能になった。おかげで今までよりも大量の魔術師を部隊に組み込む事ができるようになっているのである。
車輪の到達まで、後衛の詠唱は間に合うだろうか。
後方から聞こえてくる断末魔に肝を冷やし、全力で走っていたその時――――――――魔術師たちの目の前に形成されていた魔法陣がようやく完成し、指揮官が剣を振り下ろすとともに、その魔術が一斉に放たれる。
「放てぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「「「ピアーシング・フレイム!!」」」
炎属性の魔術の中でもポピュラーな魔術だ。魔法陣の中に炎の塊を生成し、それを周囲から圧力をかけることによって縮小させ、最終的には圧力をかけたまま発射する。それによって弾速は劇的に向上し、炎属性を弱点とする魔物の外殻を容易く貫通できるほどの貫通力を獲得させることに成功した魔術だ。他の属性にも似たような魔術があるが、これが最も初歩的な魔術である。
しかし、初歩的な魔術でも、数人で同時に放てば玄人にしか扱えないレベルの魔術にも匹敵する。実際にフランセン共和国騎士団は、そのような魔術による集中砲火でドラゴンやミノタウロスを討伐した実績があるのだ。
だから、その一斉攻撃の光景は、早くも敗走していた騎士たちに希望を与えた。絶望が炎の光によって照らされ、希望に変わっていく瞬間。きっとその光景を目にした騎士たちはそう思っていた事だろう。私もその中の1人だったのだから、間違いない。
一斉に放たれたピアーシング・フレイムは、火の粉を砂漠の真っ只中に残しながら飛翔していき、我々に向かって転がってくる車輪のうち1つの胴体に突き刺さった。いくら鋼鉄で作られている車輪でも、貫通力の高い魔術には耐えられまい!
突き刺さった炎たちが膨れ上がり、大爆発を起こす。橙色の光の中でその車輪が木端微塵に砕け散る光景を想像しながら私は盾で身を守ったが―――――――――次の瞬間、希望を持っていた騎士たちのその希望が、完全に裏切られることになった。
「なっ…………」
「そ、そんな………………」
「馬鹿な………………」
絶望を照らし出していた光が、消え去る瞬間だった。
今まで数多の魔物を貫き、吹っ飛ばしてきた炎の塊の一斉攻撃が生み出した爆風の中から―――――――被弾した筈の車輪が、無傷で躍り出てきたのだから。
「つ、通用してない…………!?」
表面がほんの少し歪んだ程度だろうか。―――――――――初歩的な魔術とはいえ、数人に魔術師による一斉攻撃で被った被害がその程度である。いったいどれだけの防御力を誇るのだろうかと思ったが、それよりも深刻なのは、敵の車輪がそれだけではないという事だ。後方には、ぞろぞろと進撃してくる無数の車輪がいる。たった1つの車輪でさえこれだけの防御力と破壊力を兼ね備えた恐ろしい兵器だというのに、下手をすれば我々の兵力を上回る数の車輪をどうやって破壊すればいいのか。
仮に、更に攻撃を重ねて1つを撃破したとしよう。それでも敵の損害は1%にも満たないし、こちらは疲弊するだけだ。
あまりにも理不尽な性能差と物量。我々の敗北が決まったかのような敵の人海戦術。
「ギャ――――――――」
「グエッ!?」
「ギッ!」
車輪の筒から炎を噴き上げ、更に加速する車輪たち。それに押し潰され、砂まみれの肉塊となっていく仲間たちを見つめながら、私は絶望の中で棒立ちになっていた。
これがムジャヒディンの切り札なのか。
奴らは、こんなものを開発していたのか。
我々は、こんな敵に戦いを挑もうとしていたのか。
「――――――――馬鹿馬鹿しい」
勝ち目など、あるわけがない。
挑めば死ぬという結果が、そこにあっただけだった。
「うわぁ…………………」
岩山の上から敵の様子を見てこいと言われた私は、愛用のツァスタバM93を背負いながら岩山を登り、その様子を傍観していた。小さい頃からタクヤと一緒に工場の壁を登る訓練を受けていたから、何かを登るのは私にとってはお手の物だった。
だから早く登る事ができたし、その蹂躙が始まったばかりの光景を目にする事ができたんだけど………………敵は早くも壊滅状態に陥っているようだった。
押し潰される敵兵。盾を構えて挑もうとした奴が、装備した盾もろとも押し潰され、轍の中で砂まみれの肉の塊になって横たわる。慌てて走って逃げようとした騎士も、スパイク付きの車輪に背中にのしかかられ、後はそのまま巻き込まれてズタズタにされていく。
回転する車輪とスパイクが、肉と金属を引き裂いていく嫌な音と、押し潰される寸前の人間が発する気色悪い小さな断末魔は、私の耳に次々に流れ込んでいた。他のみんなよりも発達したこの聴覚ならタクヤの役に立てると思ってたんだけど、こういう状況では不便だと思う。仮に耳を塞いだとしても、敵が発する音を完全にシャットアウトできるわけではないのだから。
本当に嫌な音。車輪に押し潰され、肉と骨が潰れて、その裂け目から内臓が溢れ出す瞬間の音は。そしてその激痛を感じながら絶命していく人間の断末魔は。
狙撃なら、銃声の残響がそういう嫌な音を消し去ってくれる。だから私は狙撃を好む。
『ラウラ、様子は?』
「もう壊滅状態よ。みんな敗走してる」
絶望して棒立ちになった騎士が、容赦なく押し潰され、轍の中で肉塊になったのを見て顔をしかめながら私は報告した。
タクヤの声のおかげで、先ほどまでのような不快な感じはしない。あの子の声は女の子みたいに高いし、優しい感じがする。聞くだけで癒されるような声。
私は、あの子が大好き。だから、あの子の命令だったら何でもする。死ねと命令されたのなら笑いながら自分の頭に銃を突きつけ、引き金を引くことだってできる。
「狙撃で片付ける? 射程距離内だけど………………」
『いや……………あえて敗走させよう』
「あら、1人も逃がさないんじゃなかったの?」
『1人も逃がさないさ。……………そして、元凶も一緒に一網打尽にする』
なるほどね。
タクヤの考えていることを確認した私は、にやりと笑った。
あの子は、あえてここで敵を敗走させることで、逆に敵の拠点の位置を探ろうとしているみたい。敵が私たちを尾行して拠点の位置を知ったように、こちらも撤退する敵を尾行して拠点の位置を探ろうとしているのね。
確かに、パンジャンドラムの進撃に怯えた敵は一目散に拠点まで逃げ帰る筈。だから追いかけていけば、敵の拠点まで案内してもらえる。
「お姉ちゃんが尾行する?」
『いや、疲れてるだろ? カメラを搭載したドローンに尾行させるから、ラウラはゆっくり休んでくれ』
「お姉ちゃんは大丈夫よ。タクヤの命令なら何でもするわ」
『ありがとう、お姉ちゃん。でも無理はしてほしくないな』
「うん、分かったわ。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかしら」
タクヤったら……………。
あの子の顔を想像しながら微笑んだ私は、踵を返して岩山を下り始める。
もう、人間の潰れる嫌な音は全然聞こえなかった。正確に言えば、まだ岩山の向こうからパンジャンドラムに押し潰される断末魔は聞こえていたんだけど、タクヤの声を聞いたおかげで全然気にならなくなった。
結局、36cm砲とAK-74を装備したムジャヒディンたちの出番はなかった。もう少し敵の騎士団も踏ん張ってくれると思っていたんだが、無数のパンジャンドラムが進撃してくる光景は衝撃が大き過ぎたらしい。
もう既にカメラ付きのドローンは出撃させたし、パンジャンドラムも奴らに打撃を与えるために全て自爆させた。ドローンから送られてくる映像では、もう既に敵の騎士団の兵力は戦闘開始前から比べると5分の1以下まで減っており、撤退していく騎士たちも身軽になるためだったのか、盾や槍などの重い装備を殆ど放棄している。ここで攻撃を仕掛ければ壊滅させられるかもしれないけれど、拠点を潰さなければ意味はない。
まあ、あわよくば敵の基地からこっちの拠点で使えそうな資材とかを手に入れる事ができれば良いんだが、今回の戦いの目的はあくまでもムジャヒディンのための戦い。死んだジナイーダの弔い合戦だ。
近くの皿の上に置いてあるスコーンを口へと運ぶ。ティーカップの中のアイスティーを飲み干し、再び目の前の小さなモニターをじっと見つめる。
「何だそりゃ? 金属の板に映像が映ってるぞ?」
「ああ、ウラルか。これはモニターって言うんだ。映像を映す機械だよ」
「そんな機械があるのか……………。ところで、出撃はいつだ?」
「敵の拠点を発見してからだな。そこから敵の戦力を確認して作戦を立てる。それまでは銃の使い方の訓練を続けてもらいたい」
「了解だ。……………ジナイーダの仇は、絶対に取らなければ」
AK-74を壁に立て掛けたウラルは、拳を握りしめながら呟いた。
敗走する敵の無様な姿を目の当たりにしても、まだ仲間を殺された怒りは消えないのだ。こういう憎しみは他人に仇を取ってもらうのではなく、自分たちで取ってこそ消え去る。
復讐は仲間を殺された憎しみを消すための行動であり、敵から大切なものを奪う報復である。俺の親父はかつて転生者同士での大規模な戦争となった『転生者戦争』で、そう思いながら出撃していったという。
モニターを睨みつけていたウラルに、皿の上のスコーンを1つ差し出す。ナタリア特製の甘めのストロベリージャムが乗ったそれを珍しそうに見ていたウラルは、「ああ、すまん」と言ってからスコーンを受け取り、口へと運んだ。
「……………随分と甘いな」
「ナタリアが砂糖を入れ過ぎたらしいからな。女子は甘いものが大好きらしい」
「何言ってんだ。お前だって女――――――――――すまん、男だったな」
「……………うん」
まあ、仲間にすら女と勘違いされるレベルだからね。
「ところで、ジナイーダの葬儀はいつにする?」
「この戦いが終わってからだ」
スコーンを咀嚼しながら、ウラルは即答する。
「ジナイーダを嬲り殺しにした奴らを皆殺しにしなければ、復讐は終わらない」
「……………それもそうだな」
ティーポットの中からアイスティーをカップに注ぎ、ジャムを入れてからそれを口へと運ぶ。
ジナイーダの葬儀は、この反撃が終わってからだ。敵の拠点がどこにあるかは未だに不明だが、拠点にいる守備隊も壊滅させなければ、奴らはまた襲撃を仕掛けてくるだろう。それにウラルたちの復讐も終わらない。
モニターを持ったまま、俺は席から立ち上がった。ウラルと共に俺の自室を後にし、地上へと向かう。
階段を登っていく度に、銃声が段々と近付いているような気がした。聞き慣れたAK-74の銃声と薬莢の落ちる音。マガジンを取り外し、新しいマガジンと交換する音。聞き慣れた音と不慣れな熱風の中へと躍り出た俺は、訓練を続けるムジャヒディンの兵士たちを見渡す。
銃の撃ち方と再装填(リロード)の方法は理解しているようだが、まだ不慣れな兵士が多い。中には新しいマガジンを上手く装着する事が出来ず、砂の上に落としてしまう奴もいる。
もう少し拠点を発見するのには時間がかかりそうだが、それまでに上手くなってくれるだろうか。
敵の騎士団は馬で移動していたようだが、パンジャンドラムの進撃と自爆で馬が驚いて逃げてしまったらしく、敗走している奴らは走って逃げている。下手をしたら拠点に到着する前に魔物に襲われて全滅する可能性もあるが、できるならば無事に拠点まで逃げ帰ってもらいたいものだ。そうでなければ彼らの復讐ができなくなる。
「ねえ」
「ん?」
モニターを見つめていると、細くて真っ白な手に肩を叩かれた。顔を上げてみると、いつの間にか目の前に桜色の髪の少女が立っている。
あの前哨基地で、真っ先にジナイーダの部屋へと走っていった、ウラルの妹のイリナ・ブリスカヴィカだ。あの時は憎しみで目つきが鋭くなっていたけれど、今はもう落ち着いたのか、あの時よりもずっと優しい目つきになっている。
きっとジナイーダにも、こんな表情で接していたんだろう。
「あの……………ごめんなさい、あの時はあんなこと言っちゃって……………」
「……………ああ、気にしないでくれ。俺が悪いんだから……………」
俺がもっと早く突入していれば、ジナイーダは助かったかもしれない。彼女の死は、俺のせいだ。
そう思っていると、彼女は首を横に振ってからAK-74を肩に担いだ。訓練用の弾薬を使い果たしてしまったのか、マガジンは装着されていないようだ。
「ん? もう全部撃ったのか?」
「うん。なかなか当たらなかったけど」
「まあ、それは訓練するしかないさ。…………ところで、武器はそれでいいか? 欲しい武器があれば用意するぞ?」
「うーん…………あ、そういえばさっきステラっていう子に聞いたんだけど、爆発する武器もあるの?」
「ああ、あるぞ。グレネードランチャーとかロケットランチャーだな」
「ぐれねーどらんちゃー?」
実際に見せた方が良いだろう。
そう思った俺はメニュー画面を開き、武器の中からグレネードランチャーの項目をタッチした。瞬く間にずらりとグレネードランチャーの名前が表示される中から1つのグレネードランチャーを選択し、ポイントを消費して生産する。ちなみに使ったポイントは600ポイントだ。
装備したそれをイリナに渡すと、彼女は早くもそのグレネードランチャーをまじまじと見つめ始めた。
グレネードランチャーは、要するに炸裂する弾丸や砲弾を遠距離に向けてぶっ放すための武器だ。ロケットランチャーと比べると威力は劣るが、弾丸や砲弾のサイズが小さいため、武器そのものも軽量にさせやすいし、連発もさせやすいという利点がある。とはいえさすがに戦車を破壊する威力はないので、歩兵を榴弾で吹っ飛ばしたり、
ちなみに、最初期のグレネードランチャーは以外にもマスケットが主流だった時代から存在しており、フリントロック式のグレネードランチャーとして活躍していたという。第一次世界大戦や第二次世界大戦では、ライフルの先端部に装着して発射する『ライフルグレネード』として活躍したし、ベトナム戦争の頃には近代的なグレネードランチャーに発達している。
一見すると、リボルバーをそのまま大きくして銃床を取り付けたようにも見える形状をしているが、グレネードランチャー用の照準器とフォアグリップのせいで、リボルバーとは違う武器なのだという事が一目で分かるようになっている。
彼女に渡したのは、『RG-6』というロシア製の6連発型グレネードランチャーである。リボルバーのような形状の弾倉の中に6発の40mmグレネード弾を装填可能で、従来のグレネードランチャーと比べると連発しやすいという利点がある。しかも銃身も短いので扱いやすい。
「随分小さいんだね」
「まあ、アサルトライフルよりは小さいよ。威力は段違いだけどな。…………ところで、何で爆発する武器が良いんだ?」
「えっと………………僕、爆発が好きだから………………」
「えっ」
な、なに? 爆発が好き…………?
ちょっと待て、何だそれ。
凍り付いていると、後ろに立っていたウラルが気まずそうな顔をしながら説明してくれた。
「い、イリナは…………爆発を見たり、爆音を聞くのが大好きでな…………。だから魔術も、初歩的なのを無視して爆発系ばかりマスターしてるんだ」
「何だそりゃ!?」
爆弾魔かよ…………。
でも、爆発する武器を使う兵士は必要だよな。防御力が高い敵との戦いでは重宝するし、擲弾兵は必要だろう。彼女に任せるのは不安だけど…………いや、適任か。爆発が好きならそういった攻撃方法に精通している筈だ。
「わ、分かった。イリナ、使い方を教えるからついてきてくれ」
「う、うん!」
ついでにRPG-7も渡しておこうかなぁ…………。
仲間を巻き込みませんようにと祈りながら、俺はイリナを連れて広い場所へと向かうのだった。
※普通のピアーシング・フレイム=ある程度の詠唱が必要。弾速の速い炎の塊を前方に撃ち出す。
タクヤのピアーシング・フレイム=詠唱は不要。蒼いビームみたいな炎を放射する。その気になればフルオート射撃じみた連射も可能。
…………キメラはヤバい(笑)