異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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ムジャヒディン救出作戦

 

 

 天空に向けて屹立する鋼鉄の塔の間から、1両の金属の塊が疾走を開始した。巨大な塔から見ればまるで群れからはぐれてしまった哀れなアリのようにしか見えないかもしれないが、そのアリを人間が近くから見てみれば、まさに金属で作られた猛牛のように見える事だろう。

 

 装甲に覆われた車体と、それの上に砲塔が乗っているという構成は戦車に近いが、戦車にしては装甲が薄いし、車体下部の両サイドにくっついて回転を続けているのは、戦車の特徴ともいえるキャタピラではなく防弾性のタイヤである。

 

 俺たちが乗っているのはいつもの戦車ではなく、『装甲車』と呼ばれる兵器だった。

 

 装甲車とは、装甲に覆われた車両の事を指す。簡単に言えば、装甲と武装を搭載し、車内に歩兵を乗せて装甲し、戦場で歩兵を下ろしつつ敵を攻撃する戦闘用の車両の事だ。輸送に特化したタイプや重武装のタイプも存在するが、俺たちが乗っているのはその後者の方だろう。

 

 俺たちが乗っているのは、がっちりした堅牢な装甲と強力な武装を持つ、『歩兵戦闘車(IFV)』に分類されるロシア製の『BTR-90』である。

 

 戦車の車体をスマートにして車高を高くし、その上に機関砲を搭載した砲塔を乗せたような外見をしている歩兵戦闘車(IFV)である。装甲は戦車よりも薄いため、戦車砲の直撃を喰らえば瞬く間にスクラップになってしまうが、戦車よりも武装が豊富だし、中には戦車を破壊可能な対戦車ミサイルも搭載可能なので、状況にもよるが戦車に遭遇したからと言って大人しくやられるわけではないのだ。機動性は戦車よりも高いし、歩兵も下車させて連携すれば、下手をすれば戦車よりも強力な火力を発揮することもある。

 

 ちなみに、この車両が装備している武装は、砲塔に装備している主砲の30mm機関砲と、砲塔の上面に搭載されているプロテクターRWSが装備しているKord重機関銃だ。それと、砲塔の側面にはソ連製対戦車ミサイルの9K111を片側に2基ずつ装備している。

 

 この歩兵戦闘車(IFV)は、兵員室に乗る歩兵を除けば3人乗りだ。車体に乗る操縦士と、砲塔に乗る砲手と車長の3名さえいれば、この装甲車を動かすことは可能なのである。今までは戦車の方を運用するパターンが多かったけれど、空いた時間にこういった歩兵戦闘車(IFV)を運用する訓練を何度か繰り返してきたため、俺の仲間たちも操縦方法は知っているのだ。

 

 砲手はもちろんカノンが担当する。戦車でも砲手を担当しているし、粘着榴弾を親父に直接命中させた実績のある彼女ならば、安心して支援を任せられる。対戦車ミサイルも百発百中だろう。そして、車長を担当するのは戦車でも車長を担当したナタリア。パーティーの中で唯一のしっかり者だし、いつも冷静沈着だから、正確な指示を出してくれるに違いない。

 

 ああ、この2人ならば安心だ。……………問題は、操縦席で楽しそうにハンドルを握る銀髪の幼女である。

 

 ……………そう、この装甲車の操縦士は、故障しやすいティーガーⅠでドリフトを行い、訓練中に俺を空へと吹っ飛ばした素晴らしい実績を持つステラちゃんなのである。

 

『ナタリア、もっと速度を上げても良いですか!?』

 

『落ち着きなさい。目的地までは極力安全運転よ』

 

「……………」

 

 これ、人選ミスかなぁ…………?

 

 俺とラウラと、シュタージのみんなが保護したシルヴィアしかいない兵員室の中で、俺は頭を抱えてしまう。

 

 人選ミスと言っても、今回の作戦の編成を考えれば仕方のない役割分担である。シュタージのメンバーには後方支援が必要になる可能性もあるので本部に残ってもらっているし、ラウラは実際に車両から下りて狙撃してもらった方が真価を発揮するため、今回は下車して戦う歩兵として兵員室で待機してもらっている。俺も同じ理由で兵員室に乗っているし、何も知らないシルヴィアに装甲車の操縦を任せるわけにはいかない。それにノエルは今回が初陣となるため、俺の近くにいた方が安全だ。

 

 ナタリアは指揮官に向いているし、カノンも砲手に向いている。そのように消去法で編成を決めていけば、操縦士に残るのは問題児のステラのみという事になってしまう。

 

「ステラ、ドリフトはすんなよ?」

 

『だ、ダメなのですかっ!?』

 

「ダメだよ! また振り落とされたらどうすんだ!?」

 

 もうM4シャーマンのキャタピラで轢き殺されるのはごめんだからね!? あの時はトレーニングモードだったから死なずに済んだけど、実戦でそんなことされたら死ぬからね!?

 

 いくらキメラでも、戦車に踏まれれば潰れます。ですのでドリフトは禁止。そういうのはレースでやってください。

 

「な、なんだか賑やか…………ですね…………」

 

「あ、ああ。問題児ばっかりだけど」

 

 多分、俺も問題児のうちに含まれてるんだろうなぁ。勝手にナタリアが分類してそうだ。

 

 兵員室の床に置かれた植木鉢から伸びているシルヴィアは、苦笑いしながらそう言った。人間とは違って自分では移動できない種族なので、転倒を防ぐためにも念のため植木鉢は床の上に置いている。

 

「ところで、この乗り物はいったい何なんでしょうか? 馬車みたいですけど、馬はいないようでしたし…………」

 

「ああ、これは装甲車っていう乗り物なんだ。まあ、乗り物と言うか、兵器だな」

 

「そうこうしゃ…………? 聞いたことがないですね……………」

 

「まあ……………見かけないからな」

 

 とりあえず、この兵器が異世界の兵器だという事はまだ伏せておこう。俺たちが使っている兵器が異世界のもので、転生者ならばそれらを自由に装備する事ができるという情報はまだ開示しない方が良い。

 

『こちらHQ(ヘッドクォーター)。〝エリン”、聞こえる?』

 

『こちらエリン。聞こえるわ』

 

 クランの声だ。タンプル塔の地下に用意された地下指令室からの通信だろう。タンプル塔の設備は、現時点では地下に殆ど用意されているし、これからも地下を拡張していく予定なので、実質的に地上に用意されるのは迎撃用の設備くらいだ。地下に設備を集中させれば、大規模な地盤沈下が発生したり、的なバンカーバスターを投入した血も涙もない攻撃を仕掛けて来ない限りは損害を受けにくい。

 

 現時点ではただでさえ人員が少ないのだから、人員の損耗は防がなければならない。今後も変わらないが、同志の人名が最優先だ。

 

『もう一度作戦を確認しておくわよ。フランセン共和国騎士団の前哨基地は、あなたたちの現在地から南西に30km。目標を確認次第、アルファ1、アルファ2、アルファ3の3人が潜入してムジャヒディンのメンバーを救出する。そして脱出を確認したらマイホームは攻撃を開始して2人を支援し、ムジャヒディンを回収して離脱する。これでいいわね?』

 

「ああ、それでいい。場合によっては―――――――」

 

『タンプル塔からの支援砲撃。……………見せ場よ、坊や(ブービ)

 

『おい、頼むから俺の見せ場が来ないように立ち回れよ? 俺の見せ場があるって事は、悪い状況って事だ。OK?』

 

「何言ってんだ、お前の腕を披露するチャンスだろうが」

 

 実際に、坊や(ブービ)が砲撃の腕を披露するのは状況が悪い時だ。それに、タンプル塔の迎撃設備は現時点で6基のクルップK5と1基の切り札だけ。クルップK5は36cm砲に大型化されているとはいえ、まだ実際に稼働させたことはないし、坊や(ブービ)がぶっ放したのも俺のトレーニングモードでのみ。実戦での砲撃は一度もないのだ。

 

 だから彼には冗談を言ったが、できるならば彼に出番を与えたくないという気持ちは俺も同じだった。可能な限り迅速に、ムジャヒディンを救出する。しかも極力敵に気付かれずに。

 

 そのため、今回はサプレッサーを装着して作戦に挑むことになる。完全に銃声が消えるわけではないが、装着せずにぶっ放すよりははるかにマシだ。ただしこれにばかり頼るわけにもいかないため、場合によっては銃を使わずにナイフや体術で敵兵を無力化する必要も出てくる。

 

 俺のメインアームはサプレッサーとグレネードランチャー付きのAK-12。サイドアームはサプレッサーとライト付きのPL-14だ。後は各種グレネードとナイフに加え、投げナイフも何本か装備している。

 

 ラウラは俺に比べると重装備だ。メインアームはサプレッサーを装着し、スコープを取り外したSV-98。使用する弾薬は、命中精度を重視して.338ラプア・マグナム弾に変更してある。それと近距離戦用に、AK-12の使用弾薬を9mm弾にし、銃身を短くしたSMG(サブマシンガン)型のPPK-12を装備してある。それ以外の装備は俺と同じだ。

 

 そして今回が初陣となるノエルの装備は、メインアームがロシア製消音狙撃銃の『VSS(ヴィントレス)』となっている。隠密行動専用に開発されたスナイパーライフルだが、他のスナイパーライフルと比べるとかなり異彩を放っている銃である。

 

 まず、銃身が短い。普通のスナイパーライフルは命中精度と射程距離を少しでも底上げするために、銃身が長い傾向にある。しかしその常識を無視するかのように、このロシア製スナイパーライフルはかなり銃身が短く、逆にサプレッサーの方が長くなっているのである。まるで小型のSMG(サブマシンガン)にドラグノフのような銃床を取り付け、短い銃身に長いサプレッサーをはめ込んだような形状をしているのだ。

 

 射程距離は従来のスナイパーライフルよりも短く、命中精度も劣るが、使用する弾薬が7.62mm弾よりも口径の大きな専用の9×39mm弾であり、貫通力とストッピングパワーが大きい。更に口径が大きいために弾速が遅くなり、サプレッサーで銃声を消しやすくなっているのだ。そのため射程距離が短い代わりに、非常に静かに敵を始末する事ができる隠密行動向けのスナイパーライフルとして設計されているのである。

 

 しかも、スナイパーライフルなのにフルオート射撃も可能なので、中距離や近距離での戦闘にも対応する事ができる逸品なのだ。隠密行動や暗殺に特化した訓練を受けたノエルにはうってつけの銃だろう。

 

 サイドアームはイギリス製消音拳銃のウェルロッド。レーザーサイトとドットサイトが装着されている。

 

 ちなみに、彼女にもテンプル騎士団の制服が支給されている。ノエルの場合はキメラとはいえ元はハーフエルフであるため、長い耳が見える状態での作戦行動は都合が悪い。親父たちの働きによって奴隷の数が減少しているとはいえ、まだ種族で人を差別するような風潮は残っているし、奴隷もいるのだ。特に奴隷にされやすいハーフエルフだったのだから、耳は隠すべきだという事で、耳を隠せるように黒いフードがついている。それ以外は半袖の上着にホットパンツに似た短めのズボンを身に着けており、総じて露出度が高い。うん、控えめで大人しかったノエルとは思えないほど、露出度が高い。

 

 本人は「こっちの方が動きやすいもんっ」って言ってたが、これでいいのか……………?

 

「ノエル、大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫。私、頑張る」

 

 そう言いながらマガジンを装着するノエルだが、緊張しているのか口数が少ない。まあ、元々あまり口数が多いおしゃべりな子ではなかったからかもしれないが、緊張しているという事も口数の減少を手伝っているのだろう。キメラとして覚醒してからは、おしゃべりになっていたからな。

 

 俺もロシア製サプレッサーのPBS-4をAK-12の銃口に取り付けながら息を吐いた。

 

「ヤバくなったら無理はするな。俺の後についてこい。いいな?」

 

「うん、お兄ちゃん」

 

 この子は、俺が守らないと。

 

 実質的に敵の前哨基地に乗り込むのは、俺とノエルの2人になるだろう。装甲車は最初から支援攻撃をするわけではないので、砂漠で待機することになる。したがって前半に俺たちの支援を担当するのは、ラウラという事になる。

 

 俺も狙撃はできるんだが、ラウラほどの命中精度はない。それに俺はボルトアクション派ではなくセミオートマチック派なので、ラウラと比べると使う銃でも命中精度が劣ってしまうのだ。

 

 だから俺が狙撃手になるのは、ラウラが狙撃に参加できない状況下、彼女のバックアップが必要な場合のみである。

 

『こちらエリン。そろそろ目標地点に到着するわよ』

 

「了解、出撃準備に入る」

 

 さて、隠密行動の時間だ。

 

 あ、念のためC4爆弾も持って行こう。何かを爆破するのに使えるかもしれないし。

 

「ノエル、スコーン食べるか?」

 

「えっ?」

 

「手作りなんだ。砂糖も多めに入ってる」

 

「ありがと、お兄ちゃん」

 

 それにしても、どうして女子って甘いものが好きなんだろうか。俺は一応辛い方が好きなんだが、最近はちょっと甘党になりつつある。それに色々とお菓子の作り方も勉強してる。…………ああ、また女子力が上がってる…………。

 

「えへへっ。これ甘い♪」

 

 耳をぴくぴくと動かしながらスコーンを頬張るノエルの頭を撫でると、彼女はもう緊張しなくなったのか、微笑んでくれた。

 

 すると、俺がノエルの頭を撫でる様子をじっと見つめていたラウラが、少しだけ恥ずかしそうに頭を俺の方へと寄せてくる。上目遣いでこっちを見ていた彼女は目が合った瞬間に慌てて横を向いてしまう。

 

 どうやら自分もなでなでして欲しいらしい。その証拠に、ミニスカートの中から伸びる尻尾が小さく左右に揺れている。

 

 AK-12を背負い、空いた右手で彼女の頭も撫でる。ノエルは俺たちよりも年下だからなのか、彼女の黒髪はどちらかというと猫のようにふわふわしている。それに対してラウラの赤毛はさらさらしている。従妹と腹違いの姉の頭を撫でながら、全く違う髪の感触を堪能させてもらった俺は、下車用のハッチへと手を伸ばし、熱風が駆け回る砂漠の向こうを見つめた。

 

 目標地点はフランセン共和国の前哨基地。シルヴィアの話では、ムジャヒディンや植民地の捕虜はまずそこに送られ、そこから強制収容所や処刑場へと送られるという。

 

 その前に救出しなければ…………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 男たちの野太い罵声と絶叫。先ほどから聞こえてくるのは、それだけだ。

 

 どこの部隊の所属なのかを問いただす声や、アジトの位置を問いただす声。答えなければ罵声が膨れ上がり、金属製の鈍器で人体を打ち据える鈍い音と絶叫が、ここまで聞こえてくる。

 

 黴と血と膿の臭いは高い気温で余計悪化し、牢屋の中を悪臭で蹂躙している。今まで何度か経験した牢屋の臭いだ。そこが捕虜を尋問するための牢屋という事になっていても、幼少の頃に経験した奴隷を入れておくための檻と全く変わらない。違うのは俺たちを見てくる人々の目つきだろうか。

 

 こいつはがっちりしているから力仕事に使えそうだ、とか、この女は良い体つきだから楽しめそうだ、という下衆な目。あそこでは、俺たちはまさに〝商品”だった。雑貨店の棚に並ぶ、商人が納入していく様々な品。俺たちが入れられていた檻は、その商品を陳列するための棚なのだ。

 

 また、罵声が聞こえてくる。しかし辛うじて応答していた呻き声は聞こえてこない。

 

『―――――――チッ、死んでる。強情なゲリラ共め』

 

『おい、次を連れてこい』

 

『はっ!』

 

 尋問されていた男が、死んだ。聞いたことがない声だったから別の場所から送られてきた捕虜なのだろう。先ほどから何度か聞き覚えのある絶叫が聞こえてきたが、他の仲間たちは無事なのだろうか…………?

 

「…………兄さん」

 

「イリナ……………」

 

 隣の牢屋から俺を見ている少女を見つめながら、俺は何とか微笑んだ。身体中には最初の尋問でつけられた傷痕がついているが、まだ心が折れてしまったわけではないらしい。

 

 彼女の名は『イリナ・ブリスカヴィカ』。俺のたった1人の肉親であり、2歳年下の妹である。

 

 幼少の頃に両親が人間に殺され、俺たちは奴隷として商人に売られた。兄妹で離れ離れにされなかったのは幸運だったが、それでも毎日地獄だった。鞭で打たれるのは当たり前だったし、食事も黴の付いたパンや泥の入った不味いスープばかり。稀に、俺たちが死なないようにと豚の血も貰えたけれど、毎日空腹だった。

 

 でも、その俺たちを買った貴族が〝ムジャヒディン”と名乗る戦士たちによって襲撃され、俺たちは救われたのだ。それからは行くあてのなかった俺たちも彼らの仲間となり、戦うために身体を鍛え、戦士の一員となった。

 

 今では、ムジャヒディンをまとめているのは俺という事になっている。

 

「大丈夫だ、チャンスがあったら逃げるぞ」

 

「うん」

 

 人間どもは慢心している。だから、隙はある。

 

 妹が頷いた直後、部屋のドアが開き、古めかしい鎧に身を包んだ3人の騎士と、勲章がいくつも付いた制服に身を包んだ小太りの男が部屋に入ってきた。指揮官と思われるその男は、牢屋の中に入っている俺たちをじろじろと見つめると―――――――俺とイリナが入れられている檻の隣を指差す。

 

 その中には、黒髪の少女が入れられていた。彼女も俺たちの仲間の1人で、イリナの親友だ。

 

「こいつにしよう。連れて行け」

 

「はっ」

 

「や、やだ…………やだ…………ッ!」

 

「ジナイーダ!」

 

 騎士が強引に鍵を開け、両手と両足を銀色の鎖で縛りつけられているジナイーダへと迫っていく。彼女は震えながら檻の奥へと逃げていくが、すぐに逃げ場はなくなってしまう。

 

 絶望した彼女が、涙を浮かべながら俺やイリナの方を見つめてくる。しかしすぐに騎士の太い腕が彼女の胸倉を掴むと、抵抗するジナイーダを強引に引きずっていく。

 

「やだやだぁっ! 助けて、イリナ! ウラル隊長!」

 

「やめろ、ジナイーダを離せっ!!」

 

「俺を連れて行け! 彼女は関係ない!」

 

「黙れ、蛆虫共め! …………早く連れて行け!」

 

 くそ…………!

 

 許してくれ、ジナイーダ…………!

 

 目を見開き、涙を流しながらこちらをいつまでも見つめるジナイーダ。閉じていく無慈悲な鋼鉄の扉の向こうへと連れて行かれる彼女を見つめながら、彼女が何とか持ちこたえてくれるようにと祈るしかなかった。

 

 

 

 




※装甲車のコールサインの元ネタは、金剛級戦艦の原型となった『エリン』から。
※ブリスカヴィカは、ポーランド語で『稲妻』。同名のSMGと駆逐艦がある。

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