受け入れ先は幻想郷   作:無意識倶楽部

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本気で投稿が遅くなってしまいました…。誠に申し訳ございません。


それではどうぞ。


episode6~錯綜する思案と思慮
第76話 帰ってからわたしのする事


sideこいし

 

 

 

 ひょんなことから巫女さんに連れて行かれた1泊2日の白玉楼。わたしは宴会を楽しんだり、お進の模擬戦を見たり、そして…深夜過ぎにはお進の気持ちを聞く事になったりと、とても大切な時間を過ごした。

 

 でも、そんな白玉楼とも陽が登り始めた頃にお別れして、わたし達は地上に戻ると各人それぞれのやるべき事に移っていた。

 

『…ふぁ~あ…あんたらはなに夜中に騒いでたのよ…お陰で寝足りないじゃない…。紫、神社まで繋げて』

『私は一進さんにしたインタビューを新聞にしませんと…それでは!』

 

 との事で、巫女さんは自分の神社に寝に帰って…新聞さんはお進の紹介新聞を製作するとの事でそそくさと山に帰っちゃった。

 

『……ちょっと一人にさせて貰うわ…』

 

 そして紫は…なんて言うか、ものスゴく申し訳無さそうな顔をして、スキマでどっかに行っちゃったの。…なんでも、絶対に手を貸してくれると思ってた亡霊さんにお進の事情を伝えた次第断ってきたみたいでさ…。

 

 まぁ、皆が皆味方になってくれるなんて初めから思っていなかったけどね。そんな感じで亡霊さんに関しては残念だったけど…実はわたしが知らない間にお進に味方が増えてたんだよ♪

 

 白玉楼でやけにお進の事を知ってると思ったら新聞さんは既に話を通していたみたいだし、お進を治療してくれた永遠亭の人も協力してくれるらしいし。……そして何よりも、幻想郷で強大な実力者である風見幽香までいるのに驚いちゃった。

 

 それでそんな中、皆がちりぢりになって残されたわたしとお進は、お進の希望でアリスに会う為に一先ず永遠亭に向かったの。何で魔法の森に住んでるアリスに会うのに永遠亭に行くのか疑問だったけど…お進が言うにはアリスが行方知れずなんだってさ。

 

 そんなこんなで、一先ずはアリスの調査に行ったっていう幽香が永遠亭に情報を伝えていないかを確かめに行ったわたし達は――。

 

 

「ホラホラホラッ!!ちゃんと避けなきゃ怪我するよ!!」

 

 ――地獄の特訓をする羽目になっていた。…あ、わたし達じゃなくってわたしだけか……。

 

「どうしてこんな事になってるのぉぉ~!!」

 

 まぁそんな事は兎も角、わたしの叫びは博麗神社に空しく響き渡るだけで…そして、止まらずに迫るのは師匠(萃香)の拳。

 

「セイッ!」

「――ヒィィ!!」

 

 わたしは頭だけは必死に護ろうと腕を上げ、後は全力で横っ飛び。その数瞬後に自分が居た所に全てを薙ぎ払うかの豪腕が通過する。

 

――ザワザワザワ。

 

「……」

 

 そして、振るわれた拳から発せられたであろう拳圧のみで遠くの林がざわめき出していた…。

 

 …いや、いやいやいや!おかしい!二重の意味で絶対におかしいよ!!

 

 この距離で拳の影響を届かせるのもそうだけど!それよりも何でアリスを探しに行った筈なのにわたしは師匠と戦ってるのさ!!

 

「こいし〜頑張れ〜」

「頑張ってる!始まってからずっと頑張ってる!!」

 

 少し遠くの方で神社の縁側に腰掛けてこっちを観戦しているお進の声に雑な返事をしつつも、わたしは師匠の動きを注視して必死に身体を動かしては攻撃を避け続ける。

 

 ああぁぁ!強くなる為とはいえ…コレは流石に無茶が過ぎたかも…。こっちがダメージを受ける前提で無理矢理攻めていた前までと違って、今はちゃんと防御や回避を気にしなきゃいけないし…。

 

「ほら動きが鈍くなってるよ。こっちはあんたが常に全力で動けば避けれる程度に調整してんだから気を引き締めな」

「常に全力ッ!?いや、え!?常に……師匠!?」

「手を抜いたらお陀仏って事さ」

「……は、ははは…」

 

 師匠の言葉に乾いた笑いしか出てこない。さも当然の様にしてくれる師匠の優しい優しい気遣いにわたしは涙が出そうだよ……。

 

 ……。

 

 …なんて、何時までも現実から目を背けてちゃダメだよね。

 

「およ?顔つきが変わったねぇ。なんか仕掛けてくるのかい?」

「まぁ、そのつもりなんだけど…」

 

 師匠に問われたわたしは、頭を護る様に上げていた腕をゆっくりと胸の前まで下げる。

 

 …暫く師匠の攻撃から逃げる事に徹したお陰で大体の戦い方は分かってきた。それに、師匠だってギリギリ避けられる様に調整してくれてるって言ってたから、わたしが手を抜かない限りは大丈夫……の筈。

 

 …もしも師匠の攻撃に当たってしまったら、なんて死の囁きが頭に反芻するけど……ええい!!怖がってたってしょうがない!

 

「こっちだってそろそろ動き出さないと…ね!」

「…ほう?」

 

 わたしは恐怖に打ち勝つ様に声を上げ、被っていた帽子を掴むと師匠に向かって投げつける。だけど、所詮は帽子。威力なんてものは無いに等しい…どころか師匠に当たる事すら無く地面へと落ちるだろう。

 

 勿論わたしだって攻撃目的で投げた訳じゃ無いよ。投げられた勢いによってわたしと師匠の間に浮いている帽子……。

 

 それが、一時的にわたしの姿を師匠の視界から消すブラインドの役割を果たす。

 

「そしてそのまま…」

 

 帽子のお陰でわたしの姿が見えなくなった僅かな時間。その中でわたしは能力を使い、完全に視認出来なくさせて師匠の背後へと一気に回り込む。

 

 ……わたしは、白玉楼で聞いたお進の気持ちに応える為にも絶対に無茶は出来ない。だけど、こちらから何も仕掛けず防戦一方を繰り返していれば、体力差も相まっていずれは捕まっちゃう…。

 

 だからこそ、多少強引でもわたしの攻め手を作らなければいけなかった。

 

「……やるねぇ…視認されなくなる為に私が目を離すスキを自分で作り出した…か」

 

 師匠もわたしがやった事に気づいたみたいで、小さく呟いては面倒そうに頭を掻きながらもわたしを探して首を動かしていた。

 

 ふふふ…全力で能力を使って無いとは言え、一度消えたわたしをそうやすやすと見つけられる訳が無いよ。まぁそれでも卑怯だなんて言わせないんだけどね…だってこれが戦いなんだもん。

 

 ……だから、勿論このまま無防備な師匠の背後への攻撃だって許されるよね♪

 

「…あ〜…前から懐に潜り込んでんなら死ぬ気で後ろに飛びなよ」

 

 ……。

 

 ……へ?

 

 なんて、師匠は姿を消したわたしに対して、何一つ焦った様子も無く静かに警告の様な事を口にする。

 

 …何?前から懐に潜り込む?

 

 ……いや、わたしは背後から攻撃しようとしてるんだけど…って事はやっぱり見えていないんじゃん!よし、そうと分かれば後はこの千載一遇のチャンスで決めてしま―「フンッ!!」ドゴッ!

 

 …は?――ちょッ!?

 

「キャア!」

 

 突如師匠が身を低くしたと思えば、その直後に鈍い破壊音と共に散弾の様に大小様々な石や砂利が飛来してくる。…更には巻き上げられた砂煙の所為で飛来物が余計避けづらい…。

 

 師匠がやったのはただただ単純な殴打。地面に向かって自らの拳を叩きつけただけの簡素な技。

 

 だけど、異常なまでの破壊力がそこに加わるだけでそれは牽制を含む範囲攻撃とさえなり得る。

 

 ……当然そんな攻撃をいきなりされたら避けきれる筈も無く、わたしは慌てて護りの態勢を取って身体を庇わざるを得なかった。

 

「(…く〜イタタタ…。いくらダメージを抑える為に妖力を纏っても痛い事には変わりないんだよね…)」

 

 頭部や顔など、致命傷になり兼ねない部分を護ったけど…流石にこの砂煙の中突っ込むのはマズイよね…。

 

 流石にあれだけの攻撃を見せられてはこの視界不十分の中でやりあおうなんて気は一切起きない。モウモウと立つ砂煙を前に、わたしは折角の好機なのに攻めあぐねていた。

 

「……さてと、不可解な部分は――そこだね」ニィ

 

 視界もギリギリ落ち着いて来た所、わたしが動くより先に行動を示したのは師匠だった。

 

 うん?どうしたんだろう……一体何を笑って――って!?引っ張られてる!?い、いや、身体が勝手に…師匠の方へ吸い寄せられてる!

 

「そっちが能力を使うんなら私だって使うさ。ま、自分で勝手に難易度を上げたんだから能力を使った自分を恨みなよ」

「『萃める力』!?」

「お、ちゃんと見えた。折角の能力もこうなっちまったら解けるんだねぇ」

 

 あ、マズイ…あまりにも注目された所為で能力が解けて師匠に発見されちゃった…。

 

 ここに来てわたしは師匠の能力を甘く見てた事を理解する。話に聞いてた限りじゃ巨大化や、霧状になったり分身を生み出すとかだったし――い、いや!それよりも!

 

「何で居場所が!」

「あれは攻撃じゃないからね。均等に散らして…ただの炙り出しさ」

 

 わたしは師匠に引き寄せに、必死に抵抗しつつも思考を巡らせる…。攻撃…じゃない?そしてそれを使っての炙り出し?

 

『……さてと、不可解な部分は――そこだね』

 

 確かに師匠の言葉にはそんな感じの意味が含まれていた…。だけど、不可解な部分?そして散らされたってのは何?

 

 ……ああもう!どんどん引き寄せられる!!師匠の攻撃の所為で足下に散らばる砂利で踏ん張りが効かな――あ!?

 

「石や砂利!?」

「そう。密と疎はこんな風にも使えるのさ」

 

 フフンと、そう言って得意げな顔をしている師匠を見て、わたしは完全に自分の考えが迂闊過ぎた事を悟る。

 

 自分のチャンスに浮かれていたのか、それともあれは完全に範囲攻撃だと決めつけていたのか…。いや、どちらにせよそんな布石があった事に一切気づけ無かったわたしのミスだよね。

 

 …そう思ってさっきまでわたしが居た場所を振り返って見てみると、確かにわたしに当たった分の砂利が他の地面とは違う様に散らばっている…。

 

 そっか、ああやって見えない筈のわたしの位置を浮き彫りにしていたんだ…。

 

「落ち込んでる暇なんて無いぞ〜。能力は解除してあげるから頑張んなよ」

 

 ……なんて悠長に考えてる場合じゃ無い!萃められて接近させられたこの間合いじゃ危険過ぎる!

 

 師匠は能力を解除したって言うから一先ず急いで距離を取らな――ジャラ

 

「……え?」

 

 …不可解な音と足下に伝わる違和感…。師匠から距離を取る為に後ろに跳ぼうとしたんだけど…わたしの足は固定された様に全く動かなかった…。

 

 ……いや、いやいや、まさか…ね?

 

 わたしは嫌な予感が脳裏をよぎるも、頬を伝う冷や汗が落ちる足下に静かに目を向ける…。

 

「―ッ!?」

 

 …すると、わたしの足には師匠の足に繋がる鎖が絡まる様に巻かれていた。

 

「言ったろう?能力()解除してあげるって。…捕らえたらこっちのものさ――そりゃあ!」

「――うぐっ!」

 

 驚いたのも束の間…。師匠が足を引くと、わたしの足に巻いてあった鎖が連鎖的に引かされ力尽くで転ばされてしまう。

 

 踏ん張ろうとも相手は鬼…。耐える事なんて出来ない上咄嗟(とっさ)の事で受け身なんて取れず、わたしは尻餅をついて大きなスキを与えてしまった。

 

「ニヒッ♪」

 

 そして師匠はそんなスキを見逃してくれるわけが無い。軽く跳び上がった状態で、巫山戯たように腕をグルグルと回して楽しそうな笑みを浮かべながらわたしを見下ろしていた。

 

 …小さな身体と合わさって可愛い仕草だと思う…けど、わたしは今までの経験か、それが可愛くない威力を誇っているのを知っている所為で冷や汗が止まらなくなる。

 

「いっくよー!」

「ストップ!ストップ師匠!!」

 

 待ってヤバいって!!このまま殴られたんじゃ本気で冗談じゃ済まなくなっちゃう!

 

 ちゃんと地面に立ってるならまだしもこんな体勢じゃ受ける事も(立ってても絶対に受けないけど)流す事も出来ないよ!それに師匠は規格外の力なんだから尚更だよ!

 

「降参降参!参りました―「うりゃッ!」嘘ッ!」

 

 ホントに躊躇い無く振り下ろしてきた!?うわダメだこの人言っても止まってくれるような人じゃ無かったぁ!!

 

「(っく!このままじゃホントにマズイって!)」

 

 迫り来るは一撃必殺の師匠の拳。そして思い起こされるは今までの修行の出来事。

 

 わたしは、初めの頃の修行で何度か師匠の拳に掠った事はあるけど…そのどれでも激痛にのたうち回っていた記憶しかない。

 

 つまり、例え皮一枚でも肉を根刮ぎ持っていかれたような痛みがフラッシュバックされるのだから………。もしもそれが直撃してしまったらどうなるかぐらいは想像に難く無い訳で…。

 

「キャァァアア!!!」

 

 避けッ!いや無理だよ!!じゃあ止め――られる訳無いじゃんどうすんの!?

 

 なんて、慌てふためいた所でわたしに訪れるで未来はそう変わらないだろう…。そんな恐怖に当てられたわたしは諦めた様に目を瞑る。

 

…二重結界」ビシッ!

 

………。

 

……。

 

…?

 

「(あれ?…何も起きない?…師匠の攻撃なら絶対に激しい衝撃の筈なのに、何でわたし無事でいるの?)」

 

 だけど、想像に反してわたしが怪我をする事は一切無かった…。それどころか、わたしの耳には今の一連の音が何処か遠くの出来事の様にしか聞こえなかったので尚更不思議に思ってしまう。

 

 …そんな訳で、いつまでも訪れない衝撃を確かめるべくわたしは恐る恐る目を見開いた。

 

「…え!?」

 

 わたしの目に飛び込んで来た光景…それに驚きを隠しきれず思わずわたしは声を漏らしてしまう。

 

 ……確かに…確かに師匠の振り下ろした拳は眼前で止めてあった…。でも、おそらくそれは師匠の意思によるものでは無いだろう。

 

 …正しく言えば、わたしの眼前にまで迫った拳は()()()()()()()()()()()()

 

「…えっと…た、助かった…?」

 

 色々な疑問があるけど、わたしは震えながらも一先ず生きてる事を実感し、突如張られた障壁の中で安堵の息を吐く。

 

「…あぁそっか。ふ~ん成程ねぇ…ま、いっか。そんじゃあタイムアップって事で特訓終了ぉ〜」

 

 そして攻撃を防がれた事を不思議そうにしていた師匠は、何処か納得した様に拳を引いて、これで特訓は終わりだと言ってくれた。

 

「…ハァ…よ、良かった…もう動ける気がしなかったよ…」

 

 師匠の言葉を聞くと同時に、わたしの身体はどっと疲労に包まれる。そしてもう一歩足りとも動きたいとは思えずその場に腰を下ろしては荒い呼吸を繰り返していた。

 

「うんうん。前と比べて格段に危機管理能力が上がってるからこっちも相手し易い―「こら萃香!片付けるのが面倒なんだから境内荒らさないでって言ったじゃない!!」

 

 なんて師匠が早々にお酒を口につけてわたしの評価をしてくれている所で…何者かがわたし達の間に入って来ては大声で怒り始めた。

 

「あんたは昔っから手合わせをしては何処かしら壊すんだからそろそろいい加減にしてよね!」

「お〜悪いねぇ霊夢。でもちょ〜っと遅かったねぇ」

 

 既に若干怒った形相でわたし達の間に入り込んで来た人物はなんとなく声で分かっていた通りここの神社の巫女さんだった。そしてそんな巫女さんは、相手は鬼であるにも関わらず師匠に何の恐れを持たずにガンガン詰め寄っている。

 

「は?遅い?……って事は!?」

「うん。ほら」

「……」

 

 ……まぁ…いくら師匠を恐れない巫女さんが怒ろうとも意味は無いんだけどね…。師匠も師匠でどこ吹く風みたいに全く堪えて無いよ。

 

 だって…遂には巫女さんに襟を掴まれて持ち上げられた師匠は、それでも何処か楽しそうな雰囲気を崩さないで序盤の方で自分が砕いた地面を指差しているんだもん。

 

「…萃香ァ!!」

「アッハッハッハ!」

 

 巫女さんに前後に揺さぶられながらも笑ってる師匠は案の定巫女さんに怒られている。そりゃ自分の敷地壊されたら怒るのは当然と言えば当然なんだけど……師匠はそれすらも楽しいみたいで巫女さんをからかっては更にヒートアップさせている。

 

「…ったく…思う存分穴開けてあんたって奴は…」

「いやぁ、だってしょうがないじゃないか。審判(一進)が一切止めなかったんだもの」

「こっち来なさい一進!!」

「は!?俺!?…オイオイいつから俺が審判になってんだよ…つーか責任転嫁も甚だしいな!」

 

 縁側の方で我関せずみたいに笑っていたお進もちゃっかり巻き込まれた所為で、焦った様に言葉を返しながら巫女さんに呼ばれてのでこちらに歩いて来ていた。

 

「あんたら二人が―「いや、だから俺は審判なんか―「まぁまぁ。二人とも一旦落ち着こうよ」

「「お前が言うなッ!!」」

 

 は、ははは……流石師匠…。巫女さんとお進と師匠…三人で言い争いをしてるって言うのに唯一師匠だけはカラカラと笑っている。

 

 ……さっきまでわたしの特訓をしていたのに、疲労困憊なわたしに対して師匠は巫山戯る余裕まであるみたい…。まぁ、これが鬼と覚の地力の違いなんだろうから仕方ないね――なんて言い訳はしたく無い。

 

 だって、それがわたしの選んだ道なのだから。お進の隣に立つのに甘えてる余裕なんて無いよ。

 

 それにね、わたしが弱いのは分かりきってた事だから大して気にはならないんだ。

 

 だから…。

 

「今はそんな事を気にしてる暇があったらもっと頑張らなくちゃね…」

「――ちょっとぉ!私に荷物全部持たせて自分はさっさと帰るってどう言う考えしてんの!」

 

 ん?…っと、そう言えば巫女さんと一緒にもう一人出かけてたね。巫女さんが帰って来た時の衝撃の方が大きくてすっかり忘れちゃってたよ。

 

 ……でも巫女さん…荷物全部持たせるのはどうかと思うよ?

 

「何で私があんたの買い物手伝わなきゃいけないのよ…そもそもそんなどうでもいい事の為にわざわざ地上に下りて来た訳じゃ無いっての!」

 

 青い長髪を揺らし、わたしの帽子に近い黒帽子をかぶったその人は、その両手に人里で買って来たであろうものをぶら下げて皆に聞こえる様に文句を言いながら近づいて来る。

 

 …………。

 

 まぁ…。

 

「あんたが身を挺して護っていれば―「分かった!百歩譲って俺が―「あぁ~動いた後のお酒っていいねぇ~」

「「何一人で呑んでんだよ(のよ)!!!」」

「え?ちょ、ちょっとぉ!聞きなさいよ!」

 

 誰も聞いて無いどころか帰って来た事にすら気付いて無いんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 




ツッコミどころや駆け足になっている所が多々ありますがご了承して下さい…。
久々に執筆で書き方が分からなったり、途中まで一進で書いていたのですが全部消えてこいし視点にするなどのハプニングに苛まれました。
……次回は早く投稿するよう努力します。


それではまた次回。

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