ですが、文の取材自体はどっかで入れる必要もありましたし、こいしの扱いも定めておかなければなりませんでしたし、広げた風呂敷の回収の為に話数を使いました。後悔はしていません。
それではどうぞ。
○
side文
「…っとまぁ、こんな所でしょう」
そう言って私は、たった今一進さんに取材した内容を見返して大体の構想を練り始めます。
う〜むむむ…それにしても所々インパクトに欠けてますね…。特に反響の呼びやすい女性のタイプで気の合う子ってのは少々無難過ぎでしょう。それを抜きに考えても多少は修正を加えるのは必須なのですけどね…。
「もう終わりなのか?なんか拍子抜ける程アッサリ終わったけど…そんなんでいいのか」
「ええ、はい。まぁ私も一進さんが今後の為に周囲の好感度を気兼ねしているのは考慮していますからね、流石にとんでも無い事は聞きませんよ」
「あら、こっちの思惑はバレてんのかい」
「当然です」
そんな驚いた様な顔しないで下さいよ。私だってそれぐらいの予想は出来ますって。
何も知らないなら兎も角、今の一進さんの都合を知った身からすれば私の新聞の利用価値はそんな所でしょう。
それでも、一進さんのお陰で微量ですが
「因みにお一つ聞きたいのですが…能力はこのまま書いてよろしいのですか?」
「何で?ダメなのか?」
「あ、いえ…ダメと言う訳では無いのですけど…」
一進さんの思い切りの良さに思わずこちらの言葉が詰まります。…だって、聞き返して来るとは思いませんでしたし、これぐらいなら一進さんは理解していると思っていたものですから。
何せ、一進さんの能力は拒絶を司るものだそうです。それに自身で分かってる時点でも今の所は理解さえすれば万象の事柄をも拒む事が可能だと…。
……
「…一進さん、誰もが皆貴方の味方になると言う訳では無いのですよ?」
と言う訳で、一進さん自身は気にせずとも能力が能力なので、知れ渡ってしまえば寧ろデメリットを増やす様なものなのですよ。その為、私はこの情報を流さない方が良いと考えます。
「後々に敵対関係となる者が現れる事を考慮すれば、能力を秘匿にしておくのも―「バカかお前は」バカとは何ですかバカとは!私は一進さんの為を思って言ったのですよ!」
「あ〜はいはい言い過ぎた言い過ぎた」
なんて一進さんは平然と私を罵って来る始末でして…。そして折角の私の気遣いを呆気なく一蹴してくれましたよこの人…。
「あのなぁ射命丸。お前のその保身に走る考えは間違っちゃいないよ。だけどよ、実際は腹の底で何考えてるか分かんねぇ奴になんざ誰もついて来ねぇぞ」
そんな腹の立つ思いも束の間、一進さんは立ち上がると徐に外の廊下に繋がる襖を開けて、月も出ていない暗闇の世界に目を向けて話し始めました。
「それに、いつだって信頼される奴ってのは大抵誰だろうと先に相手を信頼してる奴なんだわ」
外の光源には一切火が灯っておらず、十数m先の視認が難しい中一進さんは縁側から軽く浮き上がり、そのまま庭に降りる事なく一進さんはゆっくりと暗闇の世界の中に飛び込んでしまいました。
…………一体何がしたいのでしょう?私は一進さんの考えが分からず、一進さんが消えていった方向をボンヤリと眺めます。
……そして、すっかり微かな風と池の水の音ぐらいしか聞こえなくなった頃合いに再び声が聞こえてきました。
「よっと、この景色だってそうさ。先の見えない道を切り開くのは先頭に立ってる奴だし、背後から討たれる一番の可能性を持つのも先頭の奴。当然責任はあるし危険だって伴うだろ」
スッと暗闇の世界から戻ってきた一進さんは、軽く着地する様に縁側に足を下ろしながら話を続けます。
そして、先程の行動の意図が伝えられた私は一人納得しました。
「…成る程。だから無防備に背中を晒してこんな暗い中をふらふらと飛んだのですか…」
「おう。…だから結果的にそう考えだしちまったらもう誰も前に立たなくなる。例え誰も裏切る気が無かったとしても既に周りの奴らを信頼出来ないからな」
戻って来た一進さんは、程よく暖かかった室内の空気が幾分か外の冷ややかな空気になったのを確認すると、襖を閉め再び私の対面に座り込みました。
…空気が悪かったんですかね?呼吸をするごとに脳に新鮮な空気が送られる様です。
「ま、そんな訳で前に立たないって言うよりはさ、前に立てなくなるってのが正しいのかね」
「…つまりは周りを信頼出来ず、ひとりでに疑心暗鬼に陥ると言う事ですか」
「ああ、結論を言うなればそんな感じだな」
疑心暗鬼…ですか。確かに一度でも掛かってしまうと、
…一進さんは最初のリスクを自ら背負う事で先んじてその連鎖を潰す考えでいます。だから、『信頼される奴は周りを信頼してる奴』なんですか。
「…だからこそ、そんな事態を招かない為に俺が先頭に立つ。ありもしない裏切りに怯えて停滞するぐらいなら、俺が前を歩く」
……。
…………なんですかね、この感じ…。
普段の一進さんからは考えられない程のカリスマ…まるで得てして人の上に立つ才を持っている様です。
「ってな訳で裏切りたい奴は勝手に裏切れ。だけど、俺は俺の事情で仲間を背負って進んでるからな…そん時は容赦しないって事で」
「私の上司になりませんか?」
「……は?」
「…あ」
おっとっとマズイマズイ…図らずも口がスベッてしまいました。
「あ〜…いや、違うんですよ?なにも今の天狗社会が気に入らないとか、何もしないクセに偉そうに
「出てる出てる…全くもって隠れてない本音が包み隠さずに流れ出てる」
「思っておりませんって!」
「……ハァ、こんだけ取り繕えてない念押しも近年稀に見るレベルだな」
「では思ってます」
「だからってすんなり開き直るのもどうかと思うぞ…」
そんな事言われましてもね、私自身あんな里にかなり辟易していますから当然でしょう。…やれ言う事を聞かないとか熱心に仕事を取り組まないとか。
でもってその様な行動が
「百歩譲って組織と言う体制はいいんですよ!ただしそこに生まれやら種族をバカみたいに重んじ過ぎる所為で統制が取れないってのになんで気づかないんですかねぇ!大体――」
「はいちょいと待とうか…天狗の里の情勢なんて知らんし愚痴なんて聞きたくないから予め言っとくが、俺はそんな所まで変革をもたらせる気は無いぞ」
手を広げ過ぎたら抱え込めなくなるのは目に見えてるからな。と、一進さんは他の天狗との関与は殆ど考えていないそうです。
……う〜む、自分の監視下に届かない所で不穏分子が出る事は避けますか…。永遠亭で永琳さんも言っておりましたが、天狗は自分の立場を重視する種族ですから下手に関わらない考えは正しい判断過ぎて文句も言えないんですけどね。
「…何分そんなお山事情を嘆かれてもな…。俺は自分自身を隠さずに協力者を募っていくだけだから他者の暮らし方にまで口出しはしないさ」
…まぁ、それもそうですよね。私も自分で言ってて見当違いな事を言ってる自覚はありましたよ。
ですのでこれから一進さんのやる事は、自分自身を隠さずに見せる事によって協力者を増やし……あれ?自分自身を隠さず?
……。
……え〜っと待って下さい待って下さい…とすればたった今ちょっとした疑問が浮かんだのですが…。
「あの〜、私の場合は一進さんの事を何も知らない状態だったにも関わらず、有無も言わさずに仲間にされたんですけど…」
忘れもしません、ただの取材で着いて行ったばかりに幽香さんの家で陥れられる様に巻き込まれたのですから!
醸し出す雰囲気に流されそうになりましたが、よくよく考えてみれば私って完全に巻き込まれじゃないですか!
「…ん?あ〜…ざまぁみろ?」
「とんっだクズ野郎ですね貴方は!!」
「ハッハッハ」
そんな半強制的に巻き込まれた私の暴言すらもヘラヘラと笑って受け流す一進さんを殴りたい落ち着きましょう。……殴りたいですけどね!殴りたいこの笑顔ですけどね!!
…はい落ち着きましょう平常心平常心…ここで騒いでもどうせ笑われるだけです。
……。
…ま、まぁ、そのような訳で私は一進さんに着いて行っているのですよ。少なからず
私が何を言いたいのかは分からないと思いますが、これは先程私が暴言を吐けたのが起因しております。
折角リスクを背負って私達の前に立っていると言うのに、その立場を驕る事も歯牙に掛ける事もせず、ましてや周りからもそれを感じさせずに接する事…。
これはもうある種の才能ですね。周りを率いる立場にも立つ事が出来て、そして周りと同じ目線でも立てるのですから。
…そんな一進さんだからこそ、こうやって何人も何人も私を含めた物好きが
「それでは、遅くなりましたがここから先は私用で聞く事が何点か…」
「……いや、お前何言ってんの?帰れよ。俺は休みたいんだから早々に帰っていいよ」
「あややや…聞く耳持たずですか…」
夜も更けているのは理解していますから手短にするつもりなのですけど…流石にこれは厳しいですかね?そして真顔はやめて下さいよ、中々に怖いんですから。
「そうですねぇ…。では、答えて頂いた暁には妖夢さんの隠し事を一つお教えします」
「悪いけど果てしなくいらねぇ」
「そう仰らないで下さいよ〜」
女性の隠し事だと言うのに間髪無くそう返してきますか…。
…別にこちらもやましい事を教えるつもりはありませんでしたのに、こうも興味を持たれないとなると些か妖夢さんが不憫に感じます。
「いや、冗談抜きでホントに興味無い―「こいしさん、お話でお聞きした様に随分と可愛らしいですねぇ。…今は思う所がある様ですが」……チッ」
「おお、こわいこわい」
またも舌打ちですね分かります。
いや〜私自身もコレを引き合いに出していいかと迷いましたが〜そちらが聞く耳を持っていないとなれば…まぁ仕方ありませんよねぇ?
「大体の想像は出来ますが…私は一進さんが紫さんとどんな事を話し合っていたのか知りたいのですよ」
「……事細かにか?」
「無論です。それに紫さんと一緒に消えた後…ですよね?一進さんが左頬を引っ叩かれた様なダメージを負ったのは」
おそらく紫さんと話し合っていたのはこいしさんの事でしょうが……こいしさんについては一進さんと紫さんからの説明しか聞いていないので情報が少ないんですよ。
それに、ああまで自己犠牲に陥るのは相当な事ですし、普通はそうそう起こる事でも無いですからかなり気になりますね。
それでもまぁ、何となく雰囲気で察しましたが…こいしさんの事について私は特に何か行動をするつもりはありませんよ。これは一進さんがどうにかすべきですからね。
「…お前とは同盟組んでるから別に話していいか…ってか引っ叩かれたってのよく気づいたな」
「観察力はある方なので…。そして、戻って来たあの様子だと紫さんにやられたと考えづらいですから…別に候補を挙げるとするならば…」
「はい分かった。降参だ降参…そうやって目の前で探られるぐらいならさっさと自分の口で言った方が気が楽だ」
……ふぅ。
良かったです。やっとここまでこぎつけましたよ。
「こいしが傷だらけになってるのは俺が今後の戦いに巻き込んだから。でもって
「……そうでしたか。やはりこいしさんの現状を伝えに行ったのですね」
「ああ、そんで謝った途端にスパーンってな。これがまた痛い事痛い事」
なんて
…こいしさんの自分でとった行動なのですが…結果的に自分の所為でこいしさんが傷ついていたんですから気が気でないでしょうに。
…それにしてもこいしさんが地霊異変の時のさとりさんの妹さんだったとは…一進さんから聞いた時は驚きましたが世の中狭いものですね。
「俺って腐ってでも執事だし?それに加えてこいしの面倒を見るって仕事もあったのにこの始末だからなぁ」
「例え面倒を見ていても叩かれる事には変わらないのでは?論点はこいしさんが傷だらけになったって事ではありませんよね」
一進さんの言い方を多少訂正させて貰います。そうしなければ、一進さんがさとりさんに叩かれた理由がこいしさんの傷の有無になっていますからね。
と言う訳で一進さんが罰せられたのはこいしさんが傷ついてるのに気付かなかったから〜では無く、単純にこいしさんの決意を踏み
「罰せられるのは仕方のない事ですよ。さとりさんからすれば自分の妹が選んだ道ですからね…ま、これもさとりさんに信頼されてる証って事で納得しましょうよ」
「ハッハッハ、だと良いけどな」
なんて一進さんは軽く肩を竦めて、赤く微かに腫れた自分の頬へと手を伸ばします。痛みを抑える様では無く、まるで自分への戒めを認識するかの様に。
…確かに、人の為に自分を犠牲に出来るなんてスゴイと思いますよ。いざやってみろと言われても我が身が可愛い私は到底考えられない思考です。
そして、素敵だと思いますよ。愛する人が傷つくのを見たく無いから止めようとするのは…。
「…一進さん。ここから先は十分に言葉を選んで下さいね」
「……おう」
…確かにその言葉は素敵です。
ですが、それはこいしさんへの冒涜にしかなりません。
何せ、彼女の決意と今までやった事を一瞬にして無に返そうとしたのですからね。…それはさとりさんも当然怒りますよ。
「…こいしはさ、優しいんだよ。俺の事ばっかり気にしてさ」
「早速惚気ですか?まぁ深くは突っ込まないで上げますけど…それで、どうする気ですか?」
今のこいしさんはそれだけ重症になっていますからね。肉体は兎も角として…それ以上に精神が当人も知らず知らずの内に蝕まれていってしまいます。
それに、一進さんの事しか見えてないってのと、当人も異常と自覚していないのがこれまた厄介ですからね。
「どうする気だっていわれても…そうだな。主人が誤った道に進んだなら、それを正すのは従者の役目って良く言うからそれに習うってのも考えたけど……だけどなぁ…」
「だけど?」
一進さんは熟考する様に言葉を紡ぎます。
…まぁ、悩む事は分からなくもないですからね。悪い方向に進んでいる方がいるなら、それを正すと言う考えも十分に理解出来ます。
ですが、実際に進んでいるのはこいしさん、しかも自らの意志ときています。それを止めるには些か勇気がいる事でしょう。
…言って仕舞えば、従者の立場である一進さんが主人に反発するんですからね。
「……ただの綺麗事っつーか我儘だけどよ…俺はこいしを悲しませたく無い上、自分の思考を相手に押し付ける事なんざやりたくないんだわ」
「我儘…ですか」
「そうだろ」
なんて一進さんは悩む様に黄昏始めましたが……我儘?私はそうは思いませんけどね。
確かに、『AもしたくなければBもしたくない』と、そう言われれば思わなくは無いんですけど…一進さんは場合が場合ですからねぇ。
「ま、いいんじゃないですか?例え綺麗事だって私は好きですよ」
好き嫌いが分かれそうな話ですけど、私はどちらかと言うと推進派ですかね。悩んだ末の結果がどうであれ、そうやって思い悩む事が大切だと思いますから。
「それに、悩んではいますが既に決心はしていますでしょう?」
「ああ。…こいしがそれを望んでるなら、俺は目を背けず最後まで見守る。…でもって、こいしが助けを求めたら俺はどんな状態でも救い出してやるさ」
……やれやれ、結局自分が一番苦労する道を選ぶのではないですか…ホント一進さんは賢く生きるのが下手ですよねぇ。
「それでも俺の我儘を一つ言うとしたら…ちゃんと自分を大切にして欲しい。あんまり無茶な事されたら俺の寿命が縮みそうだしな」
「へぇ…。案外臆病者の小心者なんですねぇ」
「否定はしないさ」
それでは、そんな苦労をして生きる臆病者のリーダーを含め、立役者達を私達裏方が支えてあげましょうかねぇ。
……と、まぁこんな所ですかね…。ちゃんと聞き出す事については聞けたと思いますからもう十分でしょう。
「そうですか、ありがとうござ――ああ!質問の見返りを忘れていました」
おっと危ない危ない。こちらから条件を提示しているのに、あと少しで約束を破る所でしたよ。
「妖夢の秘密だってか?だからいらねぇっての」
「いやいや、そんな事言わないで聞いて下さいって」
こういう約束事を一つ一つしっかり守る事によって、漸く信頼と言うものは得られるのですよ。いや〜、私も新聞を発行する身として、信頼がどうとかの話は心にくるものがありますからね。
……因みにですが、約束以前に他者の秘密を漏洩した方が信頼に関わるとか絶対に考えたらいけませんよ。
「…ったく、何教える気か知らんけどよ、本人が秘密にしてるなら俺が勝手に―「彼女は模擬戦の際本気ではありませんでしたよ」…は?」
ふふん♪やはりお気づきではございませんでしたか。一進さんはかなりの接戦だったと思っているようですが、実は妖夢さん本来の実力はもう少し上です。
「つー事は何?あいつ手抜きで俺の相手をしてたのか?」
「ああ誤解しないで下さい。手抜きっていうのも語弊がありますので…正しくは全力を出せない状態だったのです」
彼女は半人半霊。肉体と霊体の二つがある事で普段の妖夢さんのスペックが引き出せるのですが…何故か半霊の方が行方不明らしく人里に買い出しに行った際もずっと気にしてましたし。
このように決して妖夢さんは手を抜いていた訳では無いのですよ。
「手は抜いて無く全力が出せない…。って事はつまり本調子じゃ無かったって事か?」
「そんな感じですね。半霊が妖夢さんの下から消えてしまったそうで、それの影響が多少なりともあったかと」
半人半霊から半霊を取ってしまったら半人ですからね。完全に半人前と化します。それに妖夢さんの技の中には半霊を利用するのもありますからね。
「半霊……白玉みたいなやつか?」
「そうですそうです。……その表現はどうかと思いますが周りと比べて大きめのやつですね」
「完全に振り切るまでずっと付いて来て、触れられるだけで意識が遠のくぐらいの寒気に襲われるやつの事か?」
「…あや?」
…え、何の事ですか?と言うか何でみるみる不機嫌になっているのですか?
それに意識が遠のくって…確かに霊なので総じて温度は低かった記憶がありますが、そこまで冷たいものでしたっけ?
「え〜と…一進さん?」
「そうかそうか。冥界特有のものだと思って渋々納得して我慢したけど、アレは妖夢の一部だったのか……ふ〜ん、所でその半霊ってのは妖夢と神経繋がってたりするのか?」
「神経ですか?い、いや〜妖夢さんは
ではなくって…一体全体何をする気なのかご教授願いたいのですが…。
「了解。じゃ、行くぞ」
「え、私もですか?と言うか何処に――以前に何をする気ですか?」
「ん?もしも半霊をシバいたりしたら妖夢にどんな影響があるか分からないから心配したけど……半霊もあいつの一部だとすれば自業自得なんじゃねって」
「…すみません。全く要領を得ないのですが…」
…と、言いつつも私の頬には冷や汗がつたっています。だって何と無く何をしようとしているのか想像が出来てしまった訳でして…。
「報復としてちょっと外まで捕まえに」
「やっぱ半霊をですよね!!それも今からッ!!」
何が休みたいですか!貴方よくそんなんで私に帰れとか言いましたね!
「模擬戦の割り込みとかあんだけ速かったんだから期待してるぞ」
いや、えぇ…。個人的過ぎる事に巻き込むのはどうかと思うんですが…ハァ、これはもう断れる雰囲気じゃありませんよね…。
全く、貴方じゃなければ手伝っていませんよ…私達のリーダーさん。
文の心情を確認出来た事だし白玉楼はもうゴールしてもいいよね?(切実)
ですが、白玉楼でやった事と言えば宴会と模擬戦と取材…ファ!?これだけ!?なんと驚きの少なさなのです…。
…もう少し幽々子と関わらせたい傍ら、魔理沙とアリスと幽香をいい加減動かさないと皆様から忘れられそうな恐怖と戦っております。
それではまた次回。