西谷夕のお相手は……。   作:ゆう☆彡

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ちなみに、のやっさんが選ばれたのは、バレーをしてる時ののやっさん知ってる人なら、絶対好きになると思ったからです。
後、自分的にリベロが好きなんですよね。

まぁ何もしてなくても、かっこいいんですけど。
のやっさん、モテキャラにしてみたかったんですっ!


春高決勝…前日っ!!

 

 

「あの……ずっと好きでしたっ!!」

 

 

 

「………………………………はっ!?」

 

 

烏野高校排球部、体育館裏。

烏野高校一年でバレー部の日向翔陽は、この現場に居合わせてしまった(・・・・)

 

 

「(えっ……えっ、えぇぇぇ!?だ、誰か告白してるぅぅぅ!?)」

 

 

そう、日向が告白されている訳では無いのだ。

 

 

 

―――さっさと立ち去った方がいい。

 

 

誰もが一瞬はそう思うだろうが、人というのは興味がそそられたものを、我慢して立ち去ることなど出来ない。日向も普通の人間の一人、立ち去る気などさらさらない。

 

 

 

「(ん~~~、相手が見えない…。)」

 

日向のいる壁の方を向いている女子生徒の顔は見えた。そして、その顔に日向は見覚えがあった。

 

一つ年上の先輩。田中や西谷らと同じ学年の、学年一と言われる美人の先輩だった。数日前に、日向は田中に教えてもらっていた。

 

 

 

「日向、何やってんだ。」

「げっ!!影山っ!」

 

前の光景に夢中になっていた日向は、後ろからやって来たチームメイトの影山に気づかなかった。

 

「げっ、って何だっ、あァァ!?」

「と、とりあえず静かにしろっ!」

「はぁ?なんでだよ。」

「………、あれだよ、あれ。」

 

少し間があったのは、影山に教えたくなかったから。まぁ、当の本人は気づいてないみたいだから、言わないでおこう。

 

 

「あの、女子生徒って……。」

「この前、田中先輩が言ってた人だよなっ。」

「あぁ……。相手は、、、見えねぇじゃねぇか。」

「なんで、俺に当たるんだよっ!」

 

日向と影山が、すぐそこで聞いているとも知らず、告白された男子生徒は口を開いた。

 

 

「あぁ……わりぃな。俺、好きな奴いるからさ。」

「「……!?」」

 

その声は、日向も影山もよく知る声。

 

「き、潔子先輩ですか?」

「いやいや!潔子さんは、俺みたいな奴と釣り合うような人じゃねぇから!」

「じ、じゃあ……。」

「俺の幼馴染…みたいで、仲間で、ライバルで、尊敬してる人で、大事な奴がいんだ。

 

だからすいません。あんたなら、俺なんかより良い人見つけれるさ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……。」

「………。」

告白を丁重に断られた女子生徒だったが、はっきりいってくれたことにすっきりしたのか、清々しい顔で去って行った。

 

「「…………。」」

「でー、、、さっきからそこで聞いてる悪い後輩は……」

「「!?」」

「だ~~~れ~~~だっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ギャァァァァァ!!!」」

「しょーよー!影山っ!!待でやゴラアァァ!!!」

 

 

 

 

 

「田中さん、あれなんですか?」

「日向?影山??のやっさんっ!?」

 

日向と影山を追いかける西谷を、部室から見ていたのは田中と月島。

 

 

「……あー、多分、見ちまったんだな日向と影山は。」

「何をですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「告白だよ、告白。」

 

 

 

 

 

「西谷さんがしたんですか?」

「されたんだよ、多分だけどな。」

 

一年生だけでなく、田中以外の全員が動きを止める。

 

 

 

「「「「「「「「はぁぁぁぁ!?」」」」」」」」

 

「そんな驚かなくても……。」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

「で……なんだ、これは。」

 

その日の練習終了後、西谷は全員に取り囲まれた。

 

「のやっさん、バレた。」

「お前がバラしたの間違いじゃねぇだろうな、龍?」

 

 

冷や汗を流す田中を横目に、西谷はため息をつく。

 

「特に何もねぇ!ただ、部活の前に体育館の裏に来て欲しい、っていう手紙をもらったから、行っただけで、、、」

「でっ、でもっ!!」

 

西谷の言葉を遮って、叫んだのは日向。

 

「あぁ?」

「す、好きな人……いるって、、、。」

「……。」

「かっ、影山も聞いたよなっ!?」

「おっ、俺に振んじゃねぇよっ!!」

 

動揺しまくる日向と影山。意外そうに西谷を見る他のメンバー。

 

 

「へぇ、西谷好きな人いるのか。」

「別にそんなんじゃないっすよ、大地さん。それに、しばらく会ってねぇし…、向こうは俺のこと好きかもわかんねぇし……。」

 

あの西谷が、少し悲しそう顔をしたことに、驚くバレー部一同。

 

 

 

 

 

 

 

「のやっさん!でも、今度会えるんっすよね?」

 

 

「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」

「まぁな!」

 

とたんに笑顔になり、元気になる西谷。

 

 

 

「のやっさんの、彼女かぁ~~!!見たいっす!!」

「しょっ、しょーよー!別に彼女じゃねぇよ!!」

「いつ会えるんすか!?」

 

 

日向と影山は、直球で興味津々。

 

「あっ、明日……。」

「「「「「「「「「明日っ!?」」」」」」」」」

 

 

明日は……春高決勝の日。

 

 

「みんな知ってると思うぜ。

 

『白鳥沢高校・女子バレー部、リベロ有川(ありかわ)佳澄(かすみ)

 

今の女子バレー界において、唯一天才と呼ばれるリベロ。」

「「「「「「「「有川佳澄っ!?」」」」」」」」

 

今、バレー雑誌はほとんど彼女の話題でいっぱいである。それほどの大物なのだ。

 

 

 

「明日は男子の決勝の前に、女子の決勝があって!白鳥沢VS新山女子高校の試合なんだっ!!」

 

 

 

それぞれの想いを抱えて……

全日本バレーボール高等学校選手権大会…『春高』決勝戦へ……


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