やはり私と同中の彼との青春ラブコメはまちがっている。   作:巣羽流

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少し間が空きました!

中間テストとか色々忙しかったんです・・・


21話

修学旅行二日目。本日は各班で自由行動をする日。

 

「わぁー!すごい!」

 

「本当に金色だな」

 

私たちは京都と言えばこれ!と言うほどの名所の金閣寺に来ている。

 

これがあの金閣寺か・・・初めて見たけどすごいな。派手だよね実際。

 

「これ作ったのは・・・北条なんとかって人だよね?」

 

「違うから。室町幕府3代目将軍足利義満だよ。誰だよ北条。小田原城かよ」

 

「ちょ、ちょっと間違えただけじゃん!」

 

「花菜ちゃん事前学習サボったでしょ」

 

「したもん!正式名は鹿苑寺って言うんだよね!?」

 

「おぉ!それだけは覚えてたか」

 

「日本史なのに・・・花菜ちゃん!凄い進歩だね!」

 

「うぅ・・・雪乃ちゃん!二人が意地悪する!」

 

「愛川さん。文系科目も頑張りましょう」

 

「そんなぁ!」

 

「数学と理科ができるなら文系科目もできるはずよ。暗記が多いのだし」

 

なんか雪乃ちゃんの熱が入っちゃってるんですけど・・・これは長くなるな。

 

「あっ!見てみてよ!池に金閣寺が写ってるよ!」

 

「ほ、ほんとだー!雪乃ちゃんも見てみなよ!」

 

「ちょ、愛川?」

 

「良いから良いから!」

 

た、助かった・・・ナイスだ美波!

 

「他の寺院も良いけどやっぱり見た目だけなら名所が良いよな」

 

「そうね」

 

「せっかくだから記念撮影しよ!すみませ~ん。写真撮って貰ってもいいですか?」

 

美波が通りかかった男子学生にカメラを持ち頼みに行く。

 

あの子達凄い鼻のした伸ばしてる・・・

 

美波の毒牙にやられて可哀想に。

 

「おい見ろよ。友達も可愛いぞ」

 

「なんだよあのロングの娘。めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか 」

 

何か言ってる気がするけどスルーで。

 

「撮りますよー。はいチーズ!・・・おっけいです!」

 

「ありがとうございました~」

 

「い、いえ。あのこの後は・・・」

 

「さっ!みんな!次に行こう!」

 

「え?ちょ・・・」

 

うわぁ・・・バッサリ切ったよ。残酷だなぁ・・・

 

「あとで皆にも写真渡すね!」

 

「う、うん」

 

基子も何とも言えない顔をしてる。雪乃ちゃんは気にしてないようだけどね。

 

「次は・・・龍安寺だよね?」

 

「ええ」

 

「じゃあ行こっか!」

 

ーーーー

 

龍安寺。ここでは石庭が有名である。

 

「石庭・・・」 

 

「美波?どうかしたの?」

 

「今日一番楽しみだったのがここなんだ。前にテレビでここのことやってて、その時からずっと生でみたいなーって思ってたんだ」

 

「へぇ・・・そんなにすごいんだ」

 

「うん!」

 

「そりゃ楽しみだな・・・っと見えてきたな 」

 

中に入ると石庭が広がっていた。

 

「じゃあ暫く眺めてようか」

 

「うん」

 

みんなで一列に並んで正座をして石庭を眺める。

 

ほわぁ・・・本当に凄いな・・・何と言うか雰囲気がすごい。

 

正に『静』って感じの雰囲気だ。そこをじっと見ているだけで飲まれてしまいそうな感覚。

 

これが石庭か・・・

 

「あら、奇遇ね」

 

雪乃ちゃん?どうかしたの?ここだと私語厳禁でしょ。

 

いったいどうしたの?

 

「ああ、お前もこっちに来てたの」

 

「ええ」

 

え!?ひ、比企谷君!?

 

「ど、どうしているの?」

 

「え?普通に修学旅行だけど」

 

「そうじゃなくて!」

 

「愛川さん。しずかにしなさい」

 

「ご、ごめん」

 

「まぁ普通に偶然一緒になっただけだ」

 

「そ、そっか・・・」

 

こんなに広い京都で偶然出会うだなんて・・・これはきっと運命だね!この理論は雪乃ちゃんにも適用されちゃうけど・・・

 

「ごめんなさい。少し外すわ。先に行ってくれて構わないから」

 

雪乃ちゃんは由比ヶ浜さんと比企谷君と何処かへ行こうとする。

 

「依頼の事?」

 

「ええ」

 

「そっか・・・わかった!でも先に行かないでここで石庭見て待ってるから」

 

「わかったわ」

 

そう言うと雪乃ちゃんは少し離れた所で何やら話し合いを始めた。

 

「・・・」

 

比企谷君に由比ヶ浜さん、そして雪乃ちゃん。あの人たちは3人で居るのが凄く似合う。

 

「花菜?どうした?」

 

「あの3人を見てさ、思ったんだ。悔しいけど・・・あそこに私の入る余地はないって・・・そう感じたんだ」

 

「花菜ちゃん・・・」

 

「でもさ、それで諦めるって訳じゃないんだろ?」

 

「・・・もちろん」

 

「さすが花菜だ」

 

基子に言われるまでもない。そもそも奉仕部の二人は強力だなんて最初から分かってたんだしね。ガチンコでやりあっても勝てるかなんて分からない事なんて分かってた。

 

「お待たせ」

 

「もうすんだのか?」

 

「えぇ」

 

「じゃあ出発~!」

 

「次は二条城とかだっけ?」

 

「楽しみだな」

 

「うん!」

 

ーーーーーー

 

「ちくしょう・・・」

 

本日二日目の夜。昨晩に続き全身全霊の大富豪に興じてた私たち。

 

『次に大貧民になったやつ罰ゲームな!』

 

基子のその一声で私は宿の近くのコンビニに行かなくてはならなくなった。罰ゲームの内容は夜のコンビニでデザートを買ってくること。

 

くそぅ・・・あの時の雪乃ちゃんが革命返しなんかしなかったら勝てたのにっ!本当についてないな、最悪。

 

帰ったらリベンジしてやるぜぇ・・・

 

あっ、コンビニが見えた。

 

「さてっ」

 

さっさと注文の品でも買うか・・・

 

雪乃ちゃんがシュークリームで、基子はわらび餅か・・・

 

「愛川?」

 

え?なにこの声。マイダーリン八幡の声が聞こえる?修学旅行で全然一緒にいないからついに幻聴が聞こえたのかな?

 

・・・えぇ!?

 

「比企谷君!?」

 

「よう」

 

「な、なんで!?」

 

「晩飯。リア充(笑)が俺の分まで食っちまったからよ」

 

「なるほど・・・」

 

そう言うことか・・・あの騒いでたオラオラ系の人たちご飯山盛りにしてたからね・・・

 

ん?あれ?もしかして今比企谷君と知らない土地で二人っきり・・・

 

「っ!」

 

き、きたぁ!私はこのチャンスを待ってたんだ!

 

うへへ・・・比企谷君と修学旅行・・・

 

「お前はどうした?」

 

「罰ゲームだよ。負けたからデザート奢り兼パシリ」

 

「うわぁ・・・最悪だな」

 

「まぁね」

 

私もついさっきまでそう思ってました。だがしかし!現在は最高ですよ!

 

雪乃ちゃん!あの時の革命返しお見事でした!ありがとうござます!

 

「じゃ、俺戻るわ」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

比企谷君は買い物袋を持ち先に宿に帰ろうとする。

 

うそーん!待っててくれないの!?

 

急いで買い物を済まし比企谷君を追う。

 

「待ってってば!」

 

「・・・どうした?」

 

「いや、少しお喋りしたくて」

 

「えぇ・・・めんどくさい」

 

「良いじゃん!減るもんじゃないし!」

 

「はやく寝たい」

 

「小町ちゃんにこの写真送るよ?」

 

文化祭の時に撮った私のお宝。目の腐った男の子に肩を抱かれるお姫様の写真を比企谷君に見せびらかす。

 

「・・・良い性格してるな」

 

「ありがと!」

 

「はぁ・・・少しだけだぞ?」

 

「うん!」

 

自販機で缶コーヒーを買い、近くのベンチに腰かける。

 

「なんでマッカンが売ってないんだ・・・」

 

「本当だよ。なんでコカ・コーラの自販機あるのにマッカンが無いのか不思議でしかない」 

 

「仕方ないんだろうけどよ、こんなマッカンのパチモンじゃやっぱりな・・・」

 

「・・・」

 

比企谷君の顔・・・なんだか疲れてるな・・・修学旅行だけではここまでにはならないはず。手抜きなら総武高校一番の比企谷君が修学旅行くらいなら軽くこなせるだろうからね。ってことは・・・今回の依頼、こじれてるのかな?

 

「・・・ねぇ」

 

「どうした?」

 

「今回の依頼ってさ、忙しいの?」

 

「忙しいと言うよりは面倒って感じかな」

 

「面倒って事は解決は出来そうなんだよね」

 

「まぁな。一応考えはある。考えはあるんだが・・・はぁ」

 

「なにか問題があるの?」

 

「きっとまた平塚先生にお説教される気がする・・・」

 

「また酷い解決策なの?」

 

「・・・どうだろうな」

 

「比企谷君」

 

「なんだ?」

 

「比企谷君の作戦は凄いよ?本当に小説みたいで奇抜なアイデア。私は良いと思う。でも・・・それでも比企谷君が傷付く方法は取らないでほしいな・・・もう陰で比企谷君が笑われるのもバカにされるのも嫌だよ。なにより傷ついた比企谷君を見るのは一番辛いから」

 

「はぁ・・・愛川までお説教か?」

 

「もう!真面目に言ってるのに!」

 

「まあでも俺の策は最終手段だ。今のところ、どうしようもなくなるまで使うつもりはねぇよ。できれば働きたくいしな」

 

「・・・そっか」

 

きっと比企谷君はまた、なにかやらかす気がする。こうは言ってもきっちりと仕事をしようとするからな・・・

 

「比企谷君」

 

「あ?」

 

「もしも比企谷君がまた変なことして皆に嫌われることになったとしても私だけは味方でいるよ」

 

「・・・そうか」

 

「じゃあ、そろそろ戻ろっか!」

 

「そうだな」

 

「じゃ!おやすみ!」

 

「おやすみ」

 

比企谷君はコンビニ袋を持って男子の部屋に戻っていく。

 

「さてと、私も戻るか」

 

この後部屋に戻ってからまた大富豪三昧だったのは言うまでもないよね。

 

 

ーーー

 

「私は今日は別行動させてもらうわね」

 

修学旅行三日目。雪乃ちゃんは朝起きるや否や本日は別行動をすると言って出ていってしまった。

 

やっぱり依頼の事だよね・・・と言うかどんな依頼なんだろ。二人に聞いてもクライアントの情報は漏らせないとか何とかで教えてくれないからな・・・

 

「じゃ、私たち3人で行こうか」

 

「そうだねぇ~」

 

ーーーー

 

「おぉ・・・」

 

「やっぱりすごいっ」

 

凄い数の鳥居が連なり、まるで赤色のトンネルの様な道が続いている。

 

私たち三人の本日のメインは言わずと知れた名所"伏見稲荷大社"である。

 

ここの名所と言えば"千本鳥居"だろう。ちなみに今私たちは入口に立っている。

 

「すっげぇ!」

 

「京都ってやっぱり雰囲気がすごいよねぇ・・・やっぱ飲まれる」

 

紅葉と千本鳥居の組み合わせは凄く神秘的で本当に神様が要るんじゃなないかって思わされてしまう。

 

「早く行ってみようよ!」

 

「そうだな」

 

ーーーー

 

「思ってたよりも長いね・・・」

 

「噂によると千本じゃなくて一万くらいあるらしい」

 

「確かにそのくらいに感じるね」

 

結構歩いたのに全然終わらない。本当に長いなこれ・・・

 

最初こそ雰囲気を楽しんではいたが、だんだん馴れてきて今はそんな感じではなくなってきた。

 

「ん?あれは・・・」

 

「基子?なんか見つけたの?」

 

「ほら、前の方に見えるあの太った人。あれってもしかして・・・」

 

あー、あの人か。ん?どこかで見たことあるよな・・・

 

「やっぱりだ!おーい!剣豪将軍!」

 

「えっ!?」

 

「ぬ?我をその名で呼ぶとは何者だ!?・・・っ!お主は相模の國の将か!」

 

あっ、思い出した。文化祭で見かけたC組の騒がしい眼鏡コートのポッチャリさん。

 

「あはは!相変わらず意味わかんね!」

 

「何を言うか!」

 

え?二人って知り合いなの?なんで?なんの接点が?

 

「えーっと・・・二人は知り合いなの?」

 

美波が控えめに手をあげ質問する。

 

ナイス!私も聞きたかった!

 

「ちょっとな。体育祭で知り合ったんだがこいつ意味が分かんなくて面白いんだ」

 

「へ、へぇ・・・」

 

「ところでなんで相模の國の将なの?」

 

「むっ・・・そ、それは・・・」

 

「あー、こいつは女子が苦手らしくてな。上手く喋れないんだと」

 

なにそれメンドクサー。中学生男子でももう少しまともなんじゃない?

 

「なんで基子は平気なの?」

 

「私も最初は喋れなかったんだけどな・・・気がついたらなんか平気になられてた」

 

「へぇ~」

 

み、美波が心底興味なさそうだな・・・

 

「そうだ、剣豪将軍。私たちの写真撮ってくれよ」

 

「なぜ我がそんなことを・・・」

 

「撮ってくれたら後で私とツーショット撮ってやるよ」

 

「合点承知。ではゆくぞ!チーズ!」

 

このあと剣豪将軍さんは基子とツーショットを撮ったがキョドり方があまりにもキモかった・・・基子はそのキョドってるところを見て楽しんでたみたいだけど。もしかしてあいつドS?

 

ーーーー

 

本日の自由行動は終わり自分達の部屋に到着。私たちは他の班よりも大分早い方だ。

 

あぁ・・・ヅガレダぁぁ。

 

「なんだか疲れたね・・・」

 

「そりゃ普通に京都歩いたし、二日間も夜遅くまで大富豪してたってのが効いたんだろ」

 

「だよね・・・てか雪乃ちゃんは?」

 

「まだ着いてないみたいだね」

 

「まっ、そのうち来るだろ」

 

「そうだね」

 

私はもう疲れ果てベットにダイブ。

 

あぁ・・・きもちいよぉ・・・

 

「花菜・・・荷物の整理はしろよ」

 

「わかってるよ。わかってけどお布団が私を離してくれないの!」

 

「何いってんだよ。早くしろ」

 

「ふぇぇ・・・意地悪ぅ」

 

仕方ない、やるか。

 

とりあえず買ったお守りをしまって・・・パンフレットはこっちの大きなバッグに入れて・・・

 

「ねぇねぇ!この近くになんか夜になると綺麗にライトアップされる竹林があるんだって!行ってみようよ」

 

竹林か・・・千本鳥居があれだけ凄かったんだから期待はできるよね。

 

「そうだね・・・良いんじゃない?」

 

「時間はあるし・・・行くか」

 

さっそく貴重品を持ち外に向かって移動を開始する。すると担任の先生が私を見ると駆け寄ってきた。

 

「愛川。ちょっと良いか?」

 

「なんですか?」

 

「各部屋の班長にやってもらうことがある。着いてきてくれ」

 

「え?もしかして時間掛かります?」

 

「あぁ。それなりにはな」

 

うへぇ・・・まじかい・・・

 

「私たちは二人でいくわ。じゃ、頑張れよ!」

 

「ファイトだよ!花菜ちゃん!」

 

「・・・はいよ」

 

くっ!二人の裏切り者!

 

はぁ・・・仕方ないか。さっさと終わらせてしまおう。

 

ーーーー

 

「いやぁ!良かったよ!」

 

「綺麗だったね!」

 

部屋に戻るや否やこの二人は竹林の事を語り合ってた。

 

く、くそぉ・・・本当に泣いちゃうぞ?

 

「なにショボくれてんだよ。お前もいけば良いじゃん」

 

「一人でいくのは嫌だな・・・」

 

流石に一人は嫌だ。何が悲しくて一人で竹林見に行かなきゃならんのだ。

 

「はぁ、仕方ないな。私も一緒にいくよ」

 

「え?まじ?」

 

「おう!美波はどうする?」

 

「私は吹奏楽の娘たちとお話してくる」

 

「おっけぇ。じゃあ行こうか」

 

私たちがロビーに行くと今度は別の先生が駆け寄ってきた。

 

あっ、これヤバイやつだ。

 

「橋本、どこいくんだ?」

 

「ちょっと散歩にですけど?」

 

「お前・・・このあと水泳部で集まりあるんだろうが・・・」

 

「あっ!忘れてた!すみせん!」

 

「基子・・・?」

 

「わりぃ。そういう訳だから行けないわ。じゃあ!」

 

あぁ・・・行ってしまった・・・

 

良いもん!もうこうなったら一人でいくもん!

 

「はぁ・・・虚しい」

 

ーーー

 

竹林ってここか・・・へぇ・・・確かに良い雰囲気だな・・・・・ってあれ?

 

道のど真ん中にはうちの高校の制服を着た男女が二人っきりで居た。こ、これはまさか・・・

 

こ、告白!?

 

うひぁ~!はじめて他の人が告白してるところ見たよ。されることはいっぱいあったけどね(ドヤッ)

 

ってあれってもしかして姫菜ちゃん?

 

相手は・・・だれか分からないや。わからないからカチューシャ男子で。

 

「俺さ、その・・・」

 

おっおっ!告白か!?しちゃうのか!?

 

「あ、あのさ・・・」

 

じれったい!はやく好きって言っちゃえ言っちゃえ!

 

今だに踏み切れないカチューシャの男子にむず痒さを感じつつニヤニヤしながら眺めていたら予想してなかった出来事が起こる。一人の男子生徒が二人の間に入ってきたのだ。

 

なんで?なんでなんでなんで?

 

なんであの人が・・・私の片想いの彼がそこに現れるの? なにをするつもりなの?

 

私の心が揺れ動いているのなんて関係ないと言わんばかりに物語は進んでいく。

 

「ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください」

 

「っ!」

 

小説や漫画なんかでよくある頭を鈍器で殴られたような感覚が襲う。

 

足が勝手に動く。宿に向かって全力で走っていた。

 

『ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください』

 

いつの間にそんなことになってたの!?どうして!?

 

頭が回らない。冷静でいられない。比企谷君は姫菜ちゃんが好きなんだと本気で思った。

 

苦しい・・・比企谷君は姫菜ちゃんが好きだなんて・・・

 

「おっ、花菜。戻ってき・・・ってどうしたんだ!?」

 

「凄い顔だよ?」

 

顔か・・・かなり酷いだろうな。涙は滝のように出てくる。目は真っ赤。薄くだけどしていた化粧もたぶんぐちゃぐちゃ。肩で息をしていて完全にグロッキー。

 

でも・・・今はそんなのどうだって良い、なんにも考えたくない、したくない。

 

「ごめん・・・今日はもう寝るね」

 

「ちょっ!花菜!?」

 

布団を被り完全に外の光景を遮断する。

 

だめだ・・・これはだめなやつだ。

 

こういうときはすぐ寝ちゃうのが良いんだよね。

 

『ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください』

 

「っ!」

 

寝れない・・・悔しくて、悲しくて辛い。

 

あれだけ涙を流したがまだまだ出てくる。

 

あぁ・・・つらいつらいつらいつらい!

 

「雪乃・・・おかえり」

 

「聞いて、花菜ちゃんが・・・」

 

「ごめんなさい。今日は疲れてしまったの。もう休ませてもらうわね」

 

「ゆ、雪乃までも・・・なにがあったんだ・・・」

 

雪乃ちゃんも帰ってきたんだ・・・雪乃ちゃんもあの事知ってるんだろうか。

 

話を聞きたいけど今はだめだ。私が無理・・・

 

涙を流し続ける夜は眠れないまま過ぎていった。

 

 

 




修学旅行編は大体終わりです!

花菜ちゃんが奉仕部の依頼にほとんど関わらないんで早かったですね・・・予想外です。

初登場の材木座難しいです。あいつ出番無くそうかな・・・

とにかく今回もお付き合いいただきありがとうございました!

最後に一言。

平塚先生がヒロインの新作書きたい!

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