沖縄戦①
私の意識は何かにぶつかる感覚とともに覚醒した。痛い。起き上がり、怪我などをしていないかチェックするが問題はなし。そしてある異変に気付く。
－－－身体が、12才の少女と同じくらいに縮んでいた。だったら胸も相応に小さくなって欲しい。戦闘とかにとても邪魔だし。肩こるだけだし。一部の人達から殺気をぶつけられるし。後服のサイズがそのままだから無駄に大きい。これでは動きずらいではないか。
「何よ…これ…てか、ここ…何処？」
現実に頭が追いつかない。追いついているのは自分の身体の異常だけ。周りを見渡してみるとコンクリートや木材、石の破片等の瓦礫の山が広がっている。すぐに記憶をたどってみるが、コンクリートを使った建造物は幻想郷のどこを探しても無い。となると、
「もしかして…外の世界？」
それ以外の答えは見つからなかった。それにそう考えるとこの光景にも納得がいく。瓦礫は戦闘などが起きた結果だと思うべきか。その答えに行き着いた直後、音が響く。
ーーー爆発音と銃声だ。
身の危険を察知し周りを見る。すると足元に武器が転がっているのに気付く。いつも着けている通信機は無事。今も頭に着いている。武器類はおそらく私と一緒に飛ばされてきたものだろう。急いで必要だと判断した銃火器の弾倉をベルトに引っ掛け、様々なアタッチメントの部類はできるだけセットする。不本意ながら月の都の防衛部隊にいただけあって、ここら辺の行動は訓練で手馴れたものだ。地上に逃げたばかりの頃と比べれば、相当遅くなったほうだが。それ以外はガレキの隙間にできるだけ1箇所に集めて隠し、不自然にならないように周りに瓦礫を散りばめる。いざ準備完了といった感じに移動しようとした際に2つの物を見つけた。
「これは…」
１つは蔵にあった刀、
もう１つは扇子だった。
おそらく月の都にいた時に訓練を指導してくれたかつての主人達の姉のほうが持っている物の試作品だろう。試作品は基本、コスト面を度外視して、量産された物より性能が高い場合がある。かつての主人たちが遊びにきた時に見せてもらい、性能も説明されたが、私に扱い切れるかわからない。けれど無いよりかマシだと思い、刀と一緒に身体とベルトの間に挟んで固定し、移動を開始。大きな瓦礫に身を隠しながら移動しつつ、持ってきた武器を確認する。牽制と至近距離用のハンドガン、弾幕を張るためのアサルトライフル、敵の位置の確認と狙撃用に折りたたみ式のスナイパーライフル、接近戦用の刀、範囲攻撃用の扇子。これらの他、弾倉も身につけている為相当の重量があるが仕方ないし、伊達に永遠亭で力仕事をやらされているわけではない。
ついでに大きくなってしまった服の袖とスカートを刀で切り、今の自分に丁度いい大きさにする。急いで全ての武器をチェックしたがどこにも異常は見当たらない。これらを使う機会がなければ良いが、見つかって攻撃されそうになったら…引き金を引くしかない。背に腹は変えられない。そう思い顔を上げると人と目が合った。少しデザインは違うが、西側の大きな大陸の国の軍服と似ている。兵士がこちらに銃口を向けて何かを叫んでいる。美鈴さんも似たような言葉の話す時があったと思ったが、見つかったのなら仕方が無い、此処で目撃者を消すしかない。そして私は躊躇い無くハンドガンの引き金を引く。放たれた銃弾は真っ直ぐ敵の脳天に当たり、そこから赤い花を咲かせた。銃声を聞き、敵の仲間が集まってきた為、すぐに移動して殲滅する。芋蔓式に敵が集まって来た。サプレッサーでもあれば良かったのに。後、通信機が居場所を教えている気がしてならない。
ーーーそして私は懐かしい、私の得意な、１対多数の殲滅戦を開始した。
いかがだったでしょうか？私の中では鈴仙は訓練の成績は主席(集団での作戦訓練を除く)というキャラです。幻想郷では必要以上に臆病な振りをしていて本当はそこまで臆病ではなく、永琳に命令されてそうしていると思ってます。地上に逃げたのは周りより人一倍臆病だったことと訓練が嫌だったこと、鈴仙も出る作戦の前に何度か戦闘があって、傷ついたり、亡くなった仲間を見て自分もそうなりたくないと思ったからだと思ってます。あとこの作品ではある命令もありますが。
また、戦闘になったら(戦闘時のみ)自分の臆病さを完全に捨て去り、達也程ではありませんがそれなりに残酷になり、その場での最善を尽くす為に命を奪うのには躊躇いがないと思ってます。
殲滅戦と言っても鈴仙が無双し、敵が1人残らず殲滅される為、そう言わせました。