俺ガイル×プロポーズ大作戦w   作:makidan

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彼女の家へ

顔を上げるとそこにはアラサー教師…平塚先生が立っていた。

 

「な、何故先生が部室に?」

 

「何故も何も私は奉仕部の顧問だからな。部員達の様子を伺いに来るのは当然だろう?」

 

 

 

それはそうだ。クソっ!タイミング悪過ぎだろ!!

そう言って平塚先生は近くにあった椅子に座り足を組んで俺に追求してきた。

 

 

「それはそうと、さっきの行動はどういうつもりか話してもらおうか?」ギロッ

 

と手をバキボキと鳴らしながらほぼ殴る気満々の威圧感で言ってきた。

 

 

「あ、いや、えっと、、…」

 

 

 

こえーよ!!どうしよう…この人には嘘や冗談はきかない人だ。変に嘘ついたら正拳くらって死ぬ!俺が!!

すると扉の方からノックが叩かれた。

 

 

ガララ…

 

 

 

「し、失礼しまーす…」

 

 

 

扉を開けたのは由比ヶ浜だった!

 

 

「お!ゆ、由比ヶ浜!た、助けてくれ!!昨日の事を…」

 

俺は必死に助けを求めた。だが…

 

 

 

「し、失礼しましたー!!」

 

ガララ…バタン!

由比ヶ浜は出て行った。

 

「逃げるなーー!!」

 

 

 

…………………

 

 

 

 

 

「は、はい。そういう事で比企谷くんは雪ノ下さんに謝ったんです…」

 

 

「フム……そういうことか。」

 

 

何とか正拳を喰らわずに済んだ。由比ヶ浜が戻ってきて、昨日の事を大まかに先生に説明した。

 

「まったく君は…もっとマシな解決策はなかったのかね?」

 

 

「えぇ…まぁ…アレしか思いつかなかったです…」

 

 

そう。雪ノ下の悩みは『自分を持ってないこと』を本人に気づかせる為にとった行動だ。それを昨日の電話で由比ヶ浜に説明し、そして先生にも由比ヶ浜から説明した。

 

 

 

「けど比企谷。君は凄いよ。」

 

 

微笑みながら先生はこちらに話し掛けてきた。

 

 

「この短期間で彼女の悩みを見抜くなんて、たいしたもんだ。その悩みに気づいているのは私ともう1人くらいのもんだ。たいした洞察力だよ。目は腐っているが。」

 

 

「はぁ、ありがとうございます?」

 

 

いやまぁ、もっと長い時間を過ごしてきたからね〜。そのもう1人っていうのはたぶん雪ノ下さんのことだろう。あと目は関係なくね?

 

 

 

 

「と、ところで今日雪ノ下さんは?」

 

 

椅子に座っていた由比ヶ浜が先生に尋ねた。

 

 

「お!そうだった!実はそのことで今日は部室に来たのだ!」

 

 

 

おーっと忘れてた忘れてたと言いながら先生は話した。

 

 

「今日は雪ノ下は休みだ。私の所に電話がきてな、『今日は体調が優れないので病院に行って休ませて頂きます。』って言ってそれを君たちに伝えようとして待っていたのだ。」

 

 

「そういう事ですか…」

 

「じゃ、じゃあ雪ノ下さん昨日の事を気にして学校に行きづらかったから休んだのかな…」

 

 

確かにそうかもしれんが…

 

 

 

「本当にそうか?あいつの性格だと次の日も態度も変えずに俺に宣戦布告してきそうな奴だと思うけどな」

 

 

「ゆ、雪ノ下さんだって女の子だよ!さ、さすがにそんな事は……………あるかも…」

 

 

 

と由比ヶ浜はむーっと言いながらボヤいてた。

 

 

 

「でもどうしよう…本当に体調崩してたら…」

 

 

 

「………」

 

「………」

 

 

俺と由比ヶ浜は黙ってしまった。この後どうすればいいか分からなかった。

すると平塚先生がため息しながら言ってきた。

 

 

「君たちは本当に学生かね?恋愛小説でこういう場面になったら『ならお見舞いに行って彼女を励ましにいこう!!』ってなるはずなんだけどなぁ〜」

 

 

「先生ってその歳でまだ恋愛小説とか読んでるんですね。ちょっと痛い『オラァーー!!』グハァ!」

 

 

 

俺はその場でもろに入った腹を抑えながら倒れ込んだ。

 

 

「比企谷ぁ〜。次年齢の事を言ったら北斗剛掌波でお前の人生を終わらせる。」

 

 

「すいません。ですがあんなリア充(イケメン)みたいなセリフ俺が言うとでも思いますか??」

 

 

こんなセリフなんてイケメンが言えば画になるだろうが俺みたいな目の腐った奴が言えばただの変態ストーカーとしか扱われない。なきそうだな…

 

 

 

 

「確かに。君の腐った根性ならあり得ないな。すまなかった。私の目がどうかしていた。許してくれ。」

 

 

 

 

うん。家に帰ったら泣こう。

 

 

 

「ま、そういう事だから今日は部活は休みって事で帰りますね〜!さようなら〜」ガシッ

 

 

 

帰ろうとしたら肩をがっしり掴まれ…

 

 

 

「何を帰ろうとしているのかね?まだ部活は終わってないだろ?」

 

 

「ですが先生…部長もいない、依頼もない、そしたら家に帰って勉強をしてた方がいいと思うんですよ。ハイ。」

 

 

「いやなに。私が今から依頼をするから安心しろ。」

 

 

別にやる気ないんですけど。ただ帰りたかっただけなんすよ。

 

 

「そ、それで依頼っていうのは?」

 

 

由比ヶ浜がおそるおそる先生に尋ねた。

 

 

 

「フム。雪ノ下の家に行ってこのプリント届けて欲しいのだ。」

 

 

 

「もしかして先生…ふふ…優しいですね」

 

 

「はて?何のことかな?とりあえず頼むぞ〜、あと比企谷もちゃんと付いてってやれよ。これ雪ノ下の住所だ。あとはよろしくな!!」

 

 

そう言って先生は部室を出て行った。

 

 

 

「先生もなんだかんだで優しいね!誰かさんみたいに…」チラッ

 

 

 

いやいやただのパシリじゃね?全部俺らに丸投げしちゃったよあの人。マジで教師なのか?

 

「まぁ依頼だから…さっさと行くか…」

 

 

 

「うん!!」

 

 

 

 

そう言って俺と由比ヶ浜は学校を出てそのまま雪ノ下の家に向かった。

 

 

 

 

 


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