知らない番号から電話がかかってきていた。
だが俺は見覚えがあった。たぶんだがあいつしかいない。
そして俺はその電話に出た。
「もしもし…」
「ももも、も、!も、しもし!!比企谷さんでしょうか!?」
「お、おう…」
うるせーよ!耳がキーンってなっちゃったじゃねーか。
「あ、あ、あの!わ、私、由比ヶ浜結衣といいます、ひ、ひ、比企谷は、八幡くんはいますか!?」
「お、おい。落ち着け。俺だよ」
「あ、あれ?もしかして比企谷くん??」
「そうだよ。つーか、俺の携帯なんだから俺しかいねーよ。」
「ご、ごめんね!いきなり電話なんかかけてきて…」
「まぁ…別にそれはいいんだけど…誰から番号聞いたんだ??」
てか俺の交友関係そんなにいないはずなんだがむしろ存在しないまである。
俺の電話番号知るなんて、初期のポケモンゲームでミュウを発見するぐらい難しいはずだ。
「戸塚さんから聞いたんだ…」
あ、なるほど。
「そうか…」
「うん………」
「………」
「……………」
「………………」
「………………………」
おーい!!なんか喋れよ!!なんか用事あんだろ??気まずい。気まず過ぎてすぐに携帯消したいまである。
「……おい」
「ひゃ!!え?な、何?」
「いや…何って。用事があったから電話かけてきたんだろ??」
「あ、そっか。そうだね…ごめんね…えっと…」
まぁ何が言いたいかは分かるが…
「あ、あのね…雪ノ下さんのことで…ごめんね!!あの時殴られた後ひどい別れ方して…」
「ん?あぁ…あの時か。まぁ何だ…気にしてねーし。むしろ俺が悪いからな。お前が謝る必要ねーよ。」
「う、うん…ありがとう。」
「おう…じゃあ…おやすみ?」
「ま、ま、待って!!早いよ!!まだこれだけじゃなくて…その…何で雪ノ下さんにあんなことを言ったのか教えてほしいんだ…」
「あれは…思ったことを言っただけ…「嘘」」
「それは嘘だよね?だって比企谷くんがそんな悪い人じゃないもん。」
「いや。お前が思ってるほど俺はいい奴じゃねーよ。」
「そ、そんな事ない!!サブレや私の事も救ってくれたすごく優しい人だよ!!」
「俺は自分には優しいが人には優しくねーよ。お前の件もただ仕事だったからやっただけだ。これが仕事じゃなかったらお前の事も無視してたし…」
「で、でも仕事だったとしてもあそこまでしてくれる人ってなかなかいないし。サブレの事についても…命かけてまで守ってくれたし…」
「だ、だから別にお前だから助けたつもりじゃねーし、サブレの事についても目の前で悲惨な事になるのは後味悪いから助けただけでサブレためじゃなくて俺のためにやっただけだ。」
「違うの!!比企谷くんは優しくてカッコよくて私にとっては大恩人なんだよ!」
おい、そんな褒めんなよ。照れ過ぎて布団の中でうずめるまである。
つかコイツ、電話だと結構大胆にくるな…
「や、やめろ。どんな反応すればいいか困っちゃうだろーが。」
「じゃ、じゃあ何で雪ノ下さんにあんなことを言ったのか教えて。私バカだからそういった空気も読めないから…戸塚さんは分かってたぽいけど…」
あんにゃろ〜。何か由比ヶ浜に言ったな。
「はぁー……分かった。」
「え!?教えてくれるの?」
「いや…まぁ……何だ。そう言う事だ。うん」
「…………」
「……………」
「え?お、終わり!?」
「やっぱり恥ずいし…」
「分かった…教えてくれないならこっちにも考えがあるよ…」
え?
「教えてくれないないと…この電話でずっと褒め続けるからね!」
そして俺は真相を由比ヶ浜に教えた。
「まぁそういう事だ。チッ」
「舌打ち!?でも比企谷くんって……何か……めんどくさいね。ふふっ」
「うるせーよ、お前、電話だと少し性格変わりすぎだろ。悪魔か」
「ふふふ…でもやっぱり比企谷くんは優しいね!」
「ああ!もう辞めろって!死ぬから!照れて過ぎて死ぬから!俺が」
「それでどうするの??」
「どうするって何が?」
「雪ノ下さんと仲直りだよ!!流石にずっと喧嘩したままはいやだからね!謝るなら早めがいいよ。」
「え?俺から謝るの?先に手を出したのあっちなんですけど…」
「たぶん…雪ノ下さん…自分から言い出せないと思うだよね…先に手を出してるのを分かってると思うし…だから…」
めんどくせー…でも部活中ずっと気まずいままってのも居心地悪いしな。
「はぁー…分かった。明日謝ればいいんだろ?」
「うん!じゃあ明日はよろしくね!私もサポーターするから」
「サポーターじゃなくてサポートな。何処の応援に行く気だよ…」
「な、!?ちょっと間違っただけじゃん!バーカ!!おやすみ!」
ガチャ
何だかいつもの由比ヶ浜に戻った感じがあった。やっぱり昔の由比ヶ浜の方があいつらしいな。
もう夜遅いし寝るか…
ピコン
寝ようとした瞬間LINEの通知が来た。
中身を見ると…
to.ゆいゆい
結衣【今日はありがとうね!また電話しよーね!おやすみ!!】
八幡【おう】
俺のLINEにまたメンバーが増えた。1日で3人か…明日は雪かな…
そして俺は眠りに入った。
次の日…
俺は学校な登校し授業中は雪ノ下に何て謝ればいいか悩んでいた。
そして放課後…
俺は奉仕部の扉の前に立って深呼吸すると中に入っていく。
謝るシチュエーションも考えたし対策も練った。たぶん大丈夫だ。
第一声に顔も見ずに俺は…
ダダダードン!!
「雪ノ下!!昨日はすまなかった!!」
スライディング土下座をした。これを見た人はいきなりの行動だから動揺して許しちゃう作戦だ!!
だが甘かった。
「ほう?君が雪ノ下に何かしたのかね」
そこにはいたのはアラサー教師、平塚先生が立っていた!!