「ただいまよりプロジェクトTSCを行う。」
と俺は雪ノ下達4人に話かけた。
「…………。いろいろ言いたい事はあるのだけれど…まず何故あなたが指揮をとっているのかしら?あとプロジェクトTSCとは何かしら?」
「そうだな。ボードで簡単に説明するわ。」
用意してたコロコロ付きのボードを持ってきて今回のプロジェクトについて書いていく。
「な、なんか準備いいね!?」
「そうだね!私もこれだけ真剣に考えてくれると嬉しいよ!!あとお兄ちゃんは少しニヤケ過ぎ!」
「え!?顔に出てたかな?だって僕のことを真剣に考えてくれてることが嬉しくてつい//」
3人の天使達の話し声が聞こえてきてこっちも顔がニヤケてしまう。いや!!今回は戸塚♂のために本気で助ければならないのでニヤニヤしている場合ではないな。
「ほらよ。これがプロジェクトの内容だ。」
ボード
プロジェクト
T 戸塚
S 安全保障
C 対策
内容
・戸塚の戸塚による戸塚のための世界
・戸塚を泣かすこと勿れ。これを犯すものは制裁な死を。
・戸塚無くして俺が生きている意味がないと信ずる。
「………。比企谷くん、この頭が痛くなるようなボードをすぐにしまってくれないかしら。」
「いや何でだよ!これから俺達が実施していくプロジェクトだろ?」
「え!?本当にするの?!」
「由比ヶ浜さん。真にうけてはいけないわ。それに中身がとても薄っぺらいもの。」
「はぁー……。お前らが理解して俺のことを賛同してくれると思ったのにガッカリだよ!!」
「な、なんかガッカリされた!!」
「普段は全くやる気を出さないあなたが今回に限っての気持ちが悪いほど固執しているのはなぜかしら?」
雪ノ下はケンカ腰で睨んで聞いてきた。
「バッカお前!!戸塚だぞ!?戸塚だからだ!!」
「答えになってないわ!」
「はいはーい!!そこまで〜!お二人とも落ち着いてください。」
と戸塚♀が割り込んで入ってきた。
「私は落ち着いているわ…」「落ち着いてるっつーの…」
「はいはい。わかりましたから。私は皆さんが兄のことを真剣に考えてくれてるのが嬉しいよ!かと言って仲間同志での争いは間違っています!!」
「「うっ…」」
「ごめんね…僕自身がしっかりしていれば…(違うぞ戸塚!)え?」
「戸塚は戸塚でいいんだ。」
「それってどういう…」
そう言って俺は窓の近くまで行き真正面に手を出して外を眺めながら呟いた。
「比企谷くん。そこにブラインドはないわ」
うるせーよ…ちょっと刑事っぽくカッコつけただけじゃねーか。
「簡単に言うとだな…変わらないでいいんだ。そのまま戸塚でいいんだ!素直な戸塚でいいんだよ。」
「そう……かな…。」
「そうだ!無理に自分を変えるのは逃げだ。そんな偽善は戸塚には必要ない!だから素の戸塚であってほしいと俺は願っている。」
すると戸塚は黙りこんだ。
いっときの沈黙が流れた…そしてその沈黙を破ったのは…
「比企谷くん。あなたの言う事に納得がいかないわ。」
雪ノ下がまっすぐに俺を見ながら言ってきた。
「……何でだよ?」
「それそこ逃げじゃない?現状を維持したまま何もしないってのはただの負け犬の発言よ。変わらないのなら変えて自分を見つめるべきよ。」
「それこそ逃げだろ?どうして今の自分や自分の過去に肯定してやれないんだよ?」
「それじゃ……それじゃあ悩みは解決しないし誰も救われないじゃない!」
俺はこの瞬間思い出した。そう…前にも同じセリフを彼女から聞いた。雪ノ下は今の自分が雪ノ下陽乃さん比べて劣っていると…だから自分を否定し続ける…なら俺が彼女伝えるべき言葉は…