空人と雷人   作:シャインベルク

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違う視点から入ります。


第6話 運命の日

 ~麦わらのルフィside~

 

 

 

 「ロビンは私達の為に……死ぬつもりなのよ‼?」

 

 

 「‼?じゃあやっぱりロビンは……ウソついてたのか……‼」

 

 

 「ゔん‼‼」

 

 

 「よかった……‼‼」

 

 

 もう迷わねェ……仲間は……絶対に守るんだ‼‼

 

 

 「安心しろ……‼ロビンは絶対死なせねぇ……‼」

 

 

 こんなとこで……時間食ってる場合じゃねェ……とっととこんな場所から……

 

 

 「やれやれ……私はこんな男に負けたのか……」

 

 

 ……?ナミの声じゃねぇ、誰だ?

 

 

 「さっさと出て来るがいい。我が友の頼みだ」

 

 

 ズドン‼‼‼

 

 

 うわ‼なんだ⁉いきなり挟まれていた建物が崩れてくぞ‼

でも、確かに今聞いたことある声が……って、それどころじゃねェ‼‼ 

 

 

 「いくぞ、ナミ‼‼」

 

 

 「わ‼」

 

 

 待ってろよ……ロビン‼‼

 

 

 

  ~sideout~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「全く、何なのだあの男は……」

 

 

 どうやら、挟まっていたルフィに呆れているようだ。

まぁあんなミラクルな挟まり方、早々有り得ないからなぁ。

 

 

 「まあまあ……そういう意外性も、負けた原因かもよ?」

 

 

 そういうと、ますます複雑そうな表情になった。

 

 

 「んじゃ、俺も行くとしますか……」

 

 

 「何?どうするのだ?」

 

 

 折角だし、やってみたい事がある。

 

 

 「ああ、あの波止めてくる」

 

 

 「……ハ?」

 

 

 

 

 

 間抜け顔のエネルを尻目に、ルフィの所に向かう。

お、どうやらゾロも無事脱出出来たようだ。

 ホントにヤバそうなら介入するつもりだったけど。

 

 

 「⁉おいお前‼アブねェぞ‼」

 

 

 突然現れた俺にかなり驚いたようだ。

 叫んでいるルフィを背にアクアラグナに対面する。

しっかし、目の前で見るとマジで馬鹿でかい波だな……

 第一印象って、大事だよね。派手に行きますか‼

 

 

 「バリアーだぜ‼」

 

 

 バガァァァァン‼‼‼‼‼

 

 

 空を”固定”して波の侵入を防ぐ。こんだけ広範囲は初めてだけど上手くいくもんだ。

 

 

 「”指を結べばバリアを張れる”子供でも知ってる常識ってね」

 

 

 そういや、バル君には会いたいな……どこにいるか全く知らないけど。

 

 

 きっちりアクアラグナを止めゆっくりと後ろを振り返る。

そこには驚愕の表情を浮かべる”生”麦わらの一味が四人。

 うお~、本物はやっぱスゲェかっこいい‼

バルトロメオがあんだけ泣き腫らすのもわかるぜ……おっと、何か言わないと。

 

 

 

 

 

 「初めまして、”麦わらのルフィ”」

 

 

 やっべー、緊張するわ。おかしいトコないよな? 

 

 

 「………」

 

 

 「あの~……」

 

 

 ノーリアクション……ちょっとやりすぎたか?最初はインパクト重視でいって

 

 

 「スッゲェェェ‼‼‼何だ今の‼‼‼」

 

 

 と思ったら、目をキラキラさせて叫び出した。

 

 

 「おめェがやったのか⁉スッゲェェェ‼って誰だ⁉」

 

 

 おう……凄い剣幕で畳みかけてくる。

 

 

 「とりあえず、もう少し上行こうぜ?また波が来る」

 

 

 「そうだな‼で、おめェ誰だ?」

 

 

 やばい、エンドレスになりそう。

 

 

 「俺の名はソラ、一応海賊だ」

 

 

 自己紹介だけ済ませて、一先ず造船島まで上がることにする。

 

 

 「そんなに警戒しなくても、大丈夫だよ。ロロノア・ゾロ」

 

 

 さっきから警戒心剥き出しの男の顔を見る。

 

 

 「……能力者か?」

 

 

 「ああ。少なくとも戦う意思は無いから」

 

 

 「……まァいいさ」

 

 

 やっと、敵意を押さえてくれた。うーん、大迫力。

 

 

 

 

 

 そうして造船島まで上がると、大勢の人に有り得ないモノを見る目で見られた。

 

 

 「ま、俺のことはともかく……ナミさん、話すことあるんでしょ?」

 

 

 「(なんで私の名前?)……そうね。ルフィ、ゾロ。話すことが色々あるわ」

 

 

 ナミさんが事情を説明している間、大工が話しかけてきた。確か名前は……

 

 

 「パウリーさんでしたっけ……何でしょう?」

 

 

 「おめェさん……何モンだ?」

 

 

 「何者って……ただの海賊ですよ。アイスバーグさんの知り合いでもあります」

 

 

 「ああそういえば……とても面白い能力の奴に会ったと言っていたが……」

 

 

 「それ多分俺の事ですね」

 

 

 アイスバーグさん、どんな説明してんだか……

 

 

 「今年のアクアラグナは別格だったが……あれを止めるとは一体どんな」

 

 

 「おーい!ロープのやつ!」

 

 

 ルフィに呼ばれたパウリーさんは、そっちに行ってしまった。

なんか聞きたい様子だったけど。今の内に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「相変わらずその能力……非常識にも程があるな」

 

 

 呆れた様子の空中で待っているエネル。いや、お前も多分出来るぞ。

あん位の海水なら、一瞬で蒸発させそうだし。

 

 

 「マクシムの移動は済んだか?」

 

 

 「ああ、言われた倉庫に移しておいた。だが、どうやって目的地まで行くのだ?」

 

 

 流石に俺もエネルも船を離れて、空中に置いとくのは不安だしな。

 

 

 「もう一つの海列車があるようだから、それに同乗かな」

 

 

 エネルと共に、下に降りると、話がまとまっていた。

原作通り、ロケットマンでエニエス・ロビーに突っ込むらしい。

 

 

 後ろから着いていくと、廃れた倉庫に辿り着いた。あの人も多分いるはずだ。

予想通りそこには、列車の整備をしていたアイスバーグさんがいた。

 

 

 「動いて大丈夫なのか?」

 

 

 「お前……なんでここに」

 

 

 「コイツの向かう先に要件があってな」

 

 

 「……そうかい、無茶するなとは言わねェが、死ぬなよ」

 

 

 「一応覚えとく」

 

  

 

 

 

 「ウォーターセブン発エニエス・ロビー行”ロケットマン”出航するよ‼」

   

 

 ココロさんの声が響く。それにあわせて車両にしがみつく。

 

 

 「よし、出航‼行くぞォ‼全部取り返しに‼‼」

 

 

 ルフィの号令で海列車が出発する。線路を捉え急加速する前に中入っとこ。

 

 

 

 

 

 「あそこは特等席じゃねェな……ふっ飛ぶかと思ったぞ……」

 

 

 「……ちょっと待て。この車両におかしな奴らがいるぞ」

 

 

 「「「おい、そりゃ誰だ」」」

 

 

 ガレーラの2人と俺が聞き返す。

 

 

 「お前らだよ‼‼「いやおめェもだよ‼‼あと何であんたここに乗ってんだ‼」

 

 

 パウリーに突っ込んだ流れで、ゾロが俺を指差してくる。

 

 

 「え?俺?」 

 

 

 「あ‼さっきの奴‼」

 

 

 ルフィは今更気が付いたのか、ビックリしたようだ。

 

 

 「まぁ気にすんな。成り行きだし」

 

 

 「成り行きって……お前これがどこに向かってるかわかってんのか?」

 

 

 呆れた声でゾロが呟く。

 

 

 「わかってるよ。世界に喧嘩売るんだろ?大丈夫、俺達強いから」

 

 

 「おいおい……って、俺達?」

 

 

 「ああ、俺の仲間。ルフィ、君も知ってる奴だよ」

 

 

 そういうと、首を横に傾げよくわかってない顔をする。

 

 

 「ヤハハハ……久しいな、ゴムの男」

 

 

 その声が響いたとたん、ゾロが戦闘態勢に入る。

 

 

 「あ‼てめェ、耳たぶ‼」

 

 

 その姿を見た途端、食って掛かる。まぁしょうがないか。 

 

 

 「やめておけ、今は戦う理由がない」

 

 

 「空島の神が、何でここに居んだよ‼」

 

 

 「あ、俺が仲間にしたから」

 

 

 そういうと、ゾロに信じられないモノを見る目で見られた。なんか今日これ多いな。

 

 

 「信じらんねェ……神を仲間にするなんざ……」

 

 

 「もはや神ではない……ただのエネルだ。ゴムの男よ」

 

 

 エネルとルフィが向き合う。

 

 

 「あ‼挟まった建物ブッ壊したのおめェか⁉どっかで聞いた声だと思ったら⁉」

 

 

 警戒している。当然か、つい最近やり合った相手だもんな。

 

 

 「私は強くなる……今よりもっとな……その時再び貴様と戦う。

その時まで、死んで貰っては困るのでな」

 

 

 そういうと助けてもらったことに気づいたのか、警戒を解きいい笑顔を浮かべたルフィが

 

 

 「おう‼何時でもかかってこい‼」

 

 

 あら、思ったより揉めなかったな。一回バトル位は覚悟してたけど。

 

 

 「おいルフィ‼」

 

 

 「いいじゃないゾロ。少なくとも今は敵じゃないでしょ」

 

 

 ゾロは納得していないようだが、ナミさんが諭してくれた。

チョッパーはまだビクビクしてるけど。カワイイなおい。

 

 

 「おい麦わら‼いい加減説明しろ‼コイツら誰なんだ‼」

 

 

 あ、ガレーラとフランキー一家忘れてた……まぁ説明は丸投げでいっか。

とりあえず、乗車は成功かな。

 

 

 

 

 

 「んががが。まさかおめえらも居るとはね」

 

 

 「ココロさん、その説はどーも」

 

 

 運転席から離れたココロさんが話しかけてくる。

いくら制御不能とはいえ、運転席空っぽはどうかと思うけど……

 

 

 「ばーちゃんばーちゃん、アクアラグナが来てるよー‼」

 

 

 「ニャーニャー‼」

 

 

 っと、そういや列車にも一発来たっけ。

 

 

 「ルフィ‼列車が大波にぶつかっちゃうわ‼」

 

 

 「せっかく同じ方向むいてんのに、バラバラに戦っちゃ意味がねェ」 

 

 

 ルフィ、パウリー、俺、フランキー一家の……名前なんだっけ?四人で腕を組む。

 

  

 「いいか、俺たちは同志だ‼‼」

 

 

 こういうとこが、覇王色のカリスマなんだろうな。

 

 

 「大波なんかにやられんな‼‼全員目的を果たすんだ‼‼」

 

 

  「行くぞォ‼‼‼」 「「「ウオオオーーーッ‼‼‼」」」

 

 

 「んががが。さーおめェらこの波なんとかしてみせなァ‼‼」

 

 

 フランキー一家がキングブルに戻り大砲の準備をする。そんじゃ、俺も手伝いますか。

ルフィ、ゾロ、パウリーも続々屋根上に上がる。

 

 

 「おし、駄賃代わりだ。まずは俺がやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ゾロside~ 

 

 

 いきなり任せろ、たァ随分な自信だなコイツ……

あの神を仲間にしたなんざ、早々信じられるモンじゃねェ……

 うちの船長はあっさり受け入れたが、コイツらは目的も怪しい……正直信用できねェ。

 

 

 「そうか‼ソラ、一人でだいじょぶか⁉」

 

 

 「んー、まぁ駄目だったら後は頼むかも」

 

 

 ったく、ちょっとは人を疑えっての……

あの波を越えるようにするって、そんな簡単じゃないだろ。

だが、島であのクラスの波を止めたのは事実。

 

 

 「見せてもらおうじゃねぇか……」

 

 

 「余計な心配だぞ、青海の剣士よ」

 

 

 ⁉隣に神がいつの間にか居やがる⁉

 

 

 「てめェ……それはどういう意味だ?」

 

 

 「ソラの能力は異常だ……私ですら理解できん……使った勝負で勝てたこともない」

 

 

 「何……だと……」

 

 

 俺があっさり負けた奴より、遥かに上だと‼そんなこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 「磁界創生……空間固定……撃ち抜け、超電磁砲(レールガン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 何か呟く声が聞こえたと思ったら、次の瞬間には、大波のほとんどが消滅していた。

 

 

 「……嘘だろ……」

 

 

 「だから言ったであろう。異常だと」

 

 

 「誰が異常だよ、エネル」

 

 

 「ふん、周りの者共の顔を見ろ」

 

 

 誰もが驚いてやがる……当然だ。あの大波を一瞬で消し去るなんざ……

 

 

 「てめェ……なんの能力者だ……」

 

 

 思わず訊いちまったが、教えてくれるとは思えねェ……

 

 

 「自然系”ソラソラ”の実。空人間だよ」

 

 

 そういうと、目の前で浮かびやがった……猛スピードで動いてる列車の上で……

 

 

 「意味がわからねェ……」

 

 

 わからねェが今は……味方だっつー言い分を信じるしかねェ……

今コイツらと戦っても、無駄な体力を使うだけだ。

 少なくとも戦力にはなるようだしな……

 

 

 ~sideout~

 

  

 




ようやっと合流出来ました。
口調が変だと感じたらすいません……

接触せず能力を発動させれば、ロギアは海にも干渉出来るようなので、
今回二回ほどやって見ました。
(青キジさんは海に手突っ込んで凍結させてますが)

次回もよろしくお願いします。
感想評価もお待ちしています。

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