空人と雷人   作:シャインベルク

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第8話 強行突破

~ルフィside~

 

 

 「おい”麦わらのルフィ”……」

 

 

 辺りの建物からゾロゾロと海兵が出て来てきやがる。

 

 

 「仲間は何十人連れてきたんだ?」

 

 

 「ハハハ……どれだけいようが無駄だがな」

 

 

 「エニエス・ロビーの兵力は”一万”だぞ‼‼」

 

 

 「ああ……おれは一人だ。道をあけろ‼‼‼」

 

 

 こんなトコで止まるか‼ロビンが待ってんだ‼

 

 

 「海賊如きが……海軍を舐める   ”ズドォォォン‼‼‼”   ……な?」

 

 

 なんだ⁉通ってきた門からすげェ音がしたぞ⁉

 

 

 「何事だ⁉」

 

 

 「わかりません⁉本島前門から轟音が‼」

 

 

 「ヤハハハ……敵が固まっているとは好都合」

 

 

 「⁉⁉⁉貴様、いつの間に⁉」

 

 

 「あ‼てめェ耳たぶ‼」

 

 

 「エネルだ麦わら……その呼び方は不快なので今すぐやめろ」

 

 

 いつの間にかすぐ隣に耳たぶが来てるじゃねェか⁉

 

 

 「こんな所で時間を無駄にはできんのだろう?少し伏せていろ」

 

 

 「おい⁉なにすんだ⁉」

 

 

 いきなり上に飛び上がってピカピカ光って消えた。

 

 

 「6億V(ボルト)轟雷陣(サンダーバレー)

 

 

 sideout

 

 

 

 

 

 

 

 「派手にやったな……」

 

 

 二つ目の門が見るも無残なほど粉砕されていた。

多分犯人はエネルだろうけど、なんつー破壊力……

 

 

 「まぁこれなら楽に通過できるけど、作戦の意味がないな」

 

 

 もう門が二つ解放されてるし、ロケットマン組もすぐ来るだろ。

そう思い本島前門を抜けると、前方で何かが光った。

 

 

 

   ズドドドドォン‼‼‼

 

 

 

 次の瞬間響き渡る爆音。つーかアイツ暴れ過ぎだ‼

急いで光った地点に向かうことにする。

 そこにはデカい声で口喧嘩をする二人の姿が見えた。

足元一面がクレーターになってるがなにしたんだアイツは……

 

 

 

 

 

 「おめーなにすんだ‼アブねぇだろ⁉」

 

 

 「ふん、貴様に雷は効かぬのだろう?寧ろ敵が減ったことを喜べ」

 

 

 「んだとォ‼」

 

 

 エネルの言った通り、周囲の敵はほぼ全滅している。

パッと見ただけでも、二百はいったかこれ。

 

 

 「まーまールフィ、抑えて抑えて。揉めんのは後にしようぜ?」

 

 

 今にも掴みかかりそうなルフィをなんとかなだめる。

 

 

 「あ‼ソラ‼おめェも来たのか‼」

 

 

 「とりあえず迫ってくるのは俺達が叩くから、

ルフィは余計な体力使わないで、真っ直ぐ裁判所を目指しな」

 

 

 「わかった‼ありがとう‼」

 

 

 話を聞くや否や走り出すルフィ。ホントにわかったのかな……

 

 

 「ソラ、こんな雑魚をいくら潰しても何の価値もないのだが」

 

 

 エネルが文句を言ってくるが違うからね?

ここに居るのはそこそこの精鋭だからね?

お前が強すぎるだけだからね? 

 

 

 「もうちょい我慢しろ。こんだけ暴れりゃ、もっと強い奴もでてくるさ」

 

 

 「だと、いいのだがな」

 

 

 

 

 

 「どけェ‼‼」

 

 

 「ヤハハハ‼弱い‼弱すぎるぞ貴様ら‼」

 

 

 ……いやー、予想通りっつったら予想通りなんだが……

ちょっと強すぎないか?あの二人。

 

 

 ルフィはもちろんだがエネルがやばい。

並走しているハズの俺に敵がほとんど回ってこない。

 

 

 まず、心綱で敵の位置を索敵、前方広範囲に雷発射。撃ち漏らしを俺とルフィ。

まぁ、雷の速度についていけるような奴がそうそういたら驚くけどな。

 そうこうしている内に、あっさり裁判所前広場に辿り着いた。

 

 

 「あそこ行き止まりっぽいな‼」

 

 

 閉ざされている正面入口を見て、ルフィが屋上に飛ぼうとする。

 

 

 「足場作ろうか?」

 

 

 「そんなことできんのか⁉」

 

 

 流石にこの高さを一足飛びは厳しいだろう。お任せあれってね。

 

 

 「”空中回廊”」

 

 

 裁判所屋上まで、向かいやすいようなルートで足場を形成する。

ブルーノ戦はルフィに任せて大丈夫だろう。圧勝だろうし。

 

 

 「ありがとうソラ‼」

 

 

 「気をつけろよ‼」

 

 

 さて、そろそろ強めの奴が出てきてもいいんだけど……

そう思っているといきなり巨大な鉄球が飛んできた。

 

 

 「”バリア”」

 

 

 あっさり防ぐと鉄球を投げてきた奴が物陰に隠れやがった。

 

 

 「ほう……先ほどの雑兵よりは気配が強いが」

 

 

 瞬時にエネルが追撃の雷撃を放つ。気配が三つほど消えた。

……マジで俺いらなくね?

 

 

 「この程度か。だが数はいるようだ。少し間引いてこよう」

 

 

 そういうとエネルは迎撃に向かう。俺はどうすっか……

とりあえず、後続組が来るまで、裁判所内の敵減らしとくか。

 

 

 「貴様も侵入者か‼」

 

 

 「見りゃわかんだろ」

 

 

 

 

 

 さて、ちょっと思いついたことがある。

自然系であれば、身体全てを変換出来るはず。

 この能力に慣れてきた今なら出来るかもしれない。

いきなり試してみることに恐怖はあったが、いい方法を思いついた。

 

 

 今の状況のように、室内でやってみるということ。

建物の中といった、空間を把握しやすい場所なら自分を見失わず済むのではないか?

 裁判所一階部分をイメージして、能力を発動させる。

 

 

 「ま、ものは試しってね‼」

 

 

 「何をブツクサ言っている……⁉」

 

 

 「消えた⁉どこにいった⁉」

 

 

 「どこかに隠れているハズだ‼探せ‼」

 

 

 

 

 ふむ、上手くいったみたいだ。海兵達にはいきなり消えたようにみえたハズ。

俺は入ってきた位置から動いてはいない。やはり、密閉空間なら全身変化も可能のようだ。

 

 

 「室内専用って、どこが”空”なんだか……」

 

 

 おそらく空になっている時はいかなる攻撃も当たらず、

こちらからは攻撃可能という無敵状態。覇気が絡むとどうなるか未知数だが。

 そして把握している空間なら自由自在に操れるということ。

 

 

 「重力降龍(グラビティフォール)

 

 

 そうつぶやくと室内の重力が急激に変化し、全ての人間が倒れた。

まぁいきなり、100倍近い重力がかかったらそうなるわな……

 

 

 これだけならよかったのだが、致命的な欠陥が見つかった。

空になっていられる時間が、もって一分程度ということ。

 

 

 「これ……慣れないと……頭がいかれるな……」

 

 

 あまりの情報量に吐き気が止まらない。

空間内全てに、俺と同じ感覚の分身がギッチギチに存在している感覚だ。

 こんなもん屋外で使ったら頭おかしくなるぞ……どうにか対策考えないと。

 

 

 この戦い方は正真正銘奥の手だ。基本的には封印だな……

なんでロギアの基本戦法が奥の手になるんだか……

 

 

 

 

 

 外の空気を吸うため出ると、思ったより早くロケットマンが到着した。

……つーかあれ止まれんのか?すんごいスピード出してるけど。

 

 

 嫌な予感は的中し、一切の減速無しに入り口に突っ込んでくる。

とりあえず、クッションぽいの作って衝撃だけでも和らげよう。

不安になったがどうやら無事のようで、続々中から出て来る。

 

 

 「あ~、大丈夫か?」

 

 

 「……大丈夫に見えるか?」

 

 

 ゾロが不機嫌そうに返してくる。だって他にいいようがないよ……

 

 

 「おい、ルフィは屋上にいるのか?」

 

 

 すでに見えていたようで上を指差すサンジ。

 

 

 「ああ。さっき上がったばっかだけど」

 

 

 「なに?俺がみた時はもうCP9と戦ってたぞ」

 

 

 どうやらブルーノ戦はもう始まっているようだ。

 

 

 「つか、おめェはなんでここに居る?」

 

 

 咎めるように言われたが、確かに逃げてるように思われてもおかしくないか。

 

 「裁判所内の制圧と……」

 

 

 先程と同じように、空中回廊を発動する。

 

 

 「屋上までの最短距離の確保。必要だろ?」

 

 

 ゾロが驚いた顔をする。しばらくすると理解してくれたようで、

 

 

 「助かる‼」

 

 

 一番に駆け上がっていった。これなら迷子にならないだろ。

 

 

 「てめェマリモ‼俺より先に行くんじゃねェ‼」

 

 

 「あ、ちょっとサンジ君‼」

 

 

 「すっげー‼空に道が出来た‼」

 

 

 続けて、サンジ、ナミ、チョッパーと続く。あれ?そげキングは?

 

 

 不思議に思っていると、フランキー一家と、巨人二人が到着した。

 

 

 「ソラさん‼ご無事で‼」

 

 

 キングブルの上から大声で話しかけてくる。

 

 

 「ああ‼麦わら一味は屋上に上がった‼それよりその巨人は⁉」

 

 

 「そげキングが仲間にしちまった‼スゲェよあの人‼」

 

 

 どうやらオイモとカーシーは説得出来たようだ。

門守る以前にぶち開けてしまったから、どうなるか読めなかったけど。

 

 

 ここまで戦力があれば平気だろうと思い、そげキングと共に行こうとしたら、

 

 

 「アァァァァーーー‼‼‼」

 

 

 話が聞こえていたようで、カーシーがぶん投げていた。

 

 

 やっべー、生でみると尚更だけど、あの高さ大丈夫か?

 

 

 「おし、後は跳ね橋か」

 

 

 「ハイ‼それは俺たちが‼」

 

 

 「任せて大丈夫か?」

 

 

 ちょっぴり不安になったがここは信じよう。

倒し損ねた兵たちが殺到してくるだろうし、

挟まれないように裁判所内の敵を落としておくべきか。

 

 

 「もちろんでさァ‼ソラさんもご無事で‼」

 

 

 「頼む‼」

 

 

 

 

 

 

 裁判所の防衛、跳ね橋のスイッチを任せ、裁判所内に戻る。

さっき大方倒したと思ったが、二階からさっき以上の敵が湧いていた。

 ロケットマンが通るかもしれないし、一階は開けておきたい。

 

 

 「鬱陶しいなこの数‼」

 

 

 「ソラ?」

 

 

 後ろから呼ぶ声が聞こえたと思っていたら、エネルが戻ってきていた。

 

 

 「何だ‼」

 

 

 周りの敵を蹴散らしながら話しかける。

 

 

 「なに、先程お前の気配が突如巨大になったのでな。少々気になった」

 

 

 つまり俺が空になっている時、心綱で見たのだろう。

エネルが言うには気配そのものが、急激に大きくなったらしい。

 見聞色の覇気で見えたってことは、武装色の覇気で殴られる可能性が高い。

やっぱり青キジ相手にこの戦い方は危険だな…… 

 

 

 「それは後で説明する‼先にこの建物内の敵をブッ倒す‼あ、建物崩すなよ‼」

 

 

 「よかろう。加減するのは苦手だが……善処しよう」

 

 

 最低でもルフィ達が司法の塔に渡るまでは破壊できない。

行った後なら別にいいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後は一気に状況が動いた。

 

 

 裁判所内の敵の殲滅。跳ね橋の起動。あ、エネルが迫撃砲ほとんど潰していたらしく

普通に橋はかかった。ロケットマンの援護が終われば、上に登りながら敵を倒す。

 

 

 そして馬鹿な司令官が、最悪の一手を打った。

 

 

 「バスターコールをかけちまったァ~‼‼」

 

 

 

 さて、ここからが本番だ。 

 

 




お読み頂きありがとうございます。

UAが凄い勢いで増えていておっそろしいです。
次回はついにあの男と対面する予定です。

感想評価もお待ちしています。

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