―NAMITO―NARUTO―BORUTO―~赤い影の伝説~ 作:ゆう☆彡
初、ナルトの小説!
原作は……NARUTO?BORUTO??
ナルトに生き別れていた家族がいたら、というIF小説です。
受け入れ不可能の方は、すぐにお戻りください。
では、どうぞ!
カタカタカタカタカタ、、、
ヒューー――ヒューー―――
「ん……??」
打ち込むキーボードの音と、風が窓を揺らす音だけが響く部屋。
そこは、彼の仕事部屋…黄色い髪に綺麗な青色の瞳をした、七代目火影・うずまきナルトの火影部屋であった。
「どうした、ナルト。」
ナルトに話しかけたのは、アカデミーの頃から共に戦ってきた友人であり、今は七代目の側近である奈良シカマル。
「いや……、なんか空気が変わったってばよ。」
「侵入者か?」
「そんな不審なものじゃないっていうか…、人じゃない気配なんだってばよ。」
「…はぁ?」
IQ200以上のシカマルでさえも、ナルトの言っていることが理解出来ない。
「これのことか。」
突如として、火影室に響いた声と火影の横に、すごいスピードで飛んでくる物。
「サスケ!?」
シカマルが驚くのも無理はない。
彼の目の前にいるのは、里外にいるはずの人物。七代目火影の友人であり、ライバルであり、何より今、最も火影のために働く心強い仲間の一人、うちはサスケであったからだ。
「突然訪ねて悪かったな。」
「いいってばよ、それよりこれって……、、、。」
ナルトが手にしていたのは、サスケが投げつけた巻き物。
「用があった村で、封印されていた。」
「……封印の品を持ってきたのかよ。」
「お前に関係あると思ったからな。
それに…、俺が解くことのできる封印ならいいだろ。」
「お前が解いたのか?」
封印術というのは、関係者以外には絶対に解けないような、複雑な仕組みになっていることがほとんど。
簡単な仕組みだった、という考えも一理あるが…
「サスケだから解けたってことか?」
「俺はそう考えている。
……というより、この封印術を見たら誰でもそう思うだろうな。」
「……?」
『ナルト、、、!!』
『んあ?九喇嘛??どうしたんだってばよ。』
ナルトの精神世界。話しかけてきたのは、ナルトの心強いパートナーの一人である妖狐の九喇嘛。
『その封印術は……!』
『なんだってばよ。こんなもの見たこともねぇってばよ。』
―――ズゴッ
盛大にこけた音が聞こえそうな程、呆れる九喇嘛。
『……お前がいつも身につけていただろ。』
『俺が!?……!!』
「じゃあこれってば、母ちゃんの一族の…??」
「あぁ、その可能性が高い、…がうずまき一族は封印術を得意とする一族。俺が開けれるような代物ではないはずだ。」
自分の母の一族が関係しているとわかり、少し戸惑うナルトだったが、
「とりあえず、開けてみるってばよ。」
「おいっ、、、大丈夫かよ…。」
シカマルの心配をよそに、ナルトが巻物を開けようとした、
『ナルトォっっ!!』
「!?」
精神世界で、危険を察知した九喇嘛が叫んだ。
―――ドガーーーンッッ!!!!
「「「!?!?」」」
突如、響き渡る爆音。窓から見えたのは、逃げ惑う里民の姿。
「なんだっ!?」
「火影様!失礼いたしますっ!」
「どうした!」
「里の八カ所から、“大筒木”を名乗る集団が口寄せしたと思われる、謎の生物からの襲撃を受けております!!」
「ちっ、また大筒木か…。」
『九喇嘛、頼む!』
『あぁ。』
ナルトが頼むと、里がオレンジ色の膜に覆われ始める。
近くの無線を手に取ると、部屋を飛び出した。サスケとシカマルもあとに続く。
「里民の救助を第一優先にするってばよ!避難場所は、解放するから誘導を頼むっ!!」
「「「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」」」
ナルトは無線から指示を送る。
送り先は里の上忍・中忍。
「せっかく、村の修復が進んできてたのに…。」
「テンテン!ぼやいてる暇あったら、手を動かしましょう!!」
「そうよ、リーさんの言うとおり。ナルトばっかりに任せるわけには行かないわ。」
ナルトらの同期であるテンテン、ロック・リー、サクラも里民を守るために奮闘する。
「キャーー!!!」
「「「!?」」」
悲鳴は彼らの後から。小さな女の子が、口寄せ獣に捕まっていた。
―――シュパンッ!!
「大丈夫だよ。」
「サイっ!」
そんな彼女を助けたのもまた、同期のサイ。
「やぁ、サクラ。援護に来たよ、情報伝令つきでさ。
密偵班からの伝令。
里を襲っている口寄せ獣たちは、幼い子を狙うみたいだ。」
「子ども!?」
「うん。
サクラ、ここは僕が引き受けるからサラダちゃんのところに!」
「でも、サイは……、」
「大丈夫。僕の方には、心強い人がついてるからさ。」
そう言って笑うサイ。
「…ありがとう、サイっ!」
サクラはそんなサイにお礼を言って、飛び出した。
自分の命よりも大切な者のもとへ。
「サラダ…、お願い、無事でいてっ、、、。」
サクラがサラダのもとへ行くと同じ頃、ナルトも自分の家に急いでいた。
「ヒマワリ…ボルト……、、、。」
最悪なことに、今日に限って妻であるヒナタは実家に戻っており、ヒマワリとボルトが家で留守番していたのだ。
とにかく急いだ。
一刻も早く、家に着くように。
「ヒマワリを離せっ!!」
そこで見たのは最悪な光景だった。
「ヒマワリっ!!」
「父ちゃんっ!!」
「ボルトっ、大丈夫か!?」
「俺は大丈夫だってばさ!でも…ヒマワリが、、、!!」
頭上には、口寄せ獣の触手のような物により、宙吊りになっているヒマワリの姿だった。そして……
「キャーーーっ!!!」
「!?」
「サラダっ!」
少し離れたところで、サラダも同じ口寄せ獣に捕まっていた。
「(くそっ…どっちを先に……、、、。)」
迷っている暇などない。だが、どちらかを助けに行けばその分、どちらかを助けるのが遅くなる。
「くそっ!ボルトっ!!サラダのこと見ててくれっ!!」
「おぅ!!」
そう言って、ヒマワリの方……サラダとは真逆の方に飛んだナルトの頬に、、、
「(風……、、、?)」
風が吹いた。
次の瞬間、ナルトの背後……サラダのいた場所で赤い血が飛び散った。
「「サラダっっ!!」」
ナルトもボルトも必死で叫んだ。
親友の大事な子供が…、大事な仲間が死んでしまう、と……。
しかし、次に見えたのは……
血をあげながら、消える口寄せ獣の煙が晴れて見えたのは………
「サラダっ!!」
「……??」
サラダを抱きかかえた、長い赤い髪の毛に、よく目立つ輝く青い目を持った少女だった。
「……誰、、、だ…?」
ナルトは、誰、と言いながらも、彼女に対して懐かしさを感じていた。