幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
御坂美琴はコンサートホール前の広場にいた。
「・・・よ!」
「!? あ、アンタ・・・・・・」
一人でポツンと立っていた美琴の眼前に、いきなり少年は現われたのだった。
「な、ななななんで・・・・・・」
「いやー。そういや罰ゲームがあったなーっと思ってよ」
「ウゲッ」
「と言うわけで、今日上条さんの買い物に付き合え! それが罰ゲームの命令内容だッ!!」
「は? え、えぇ~!?」
美琴の絶叫がその場に響いた。
――――――
「・・・・・・ねぇ」
「なんだ?」
「なんで私はアンタと一緒にアクセサリー系を見てるわけ?」
「・・・いやね、お世話になってる人へのお礼に、何か買おうと思ってるんですよ。そこで、誰かに意見を聞きたいなーと思っていたところ、ちょうど良く御坂との罰ゲームを思い出したという次第です」
「それって“女”なのよね」
「じゃなかったらこんなキラキラした店には来ねーよ。ギトギトした店にも行きたかねーけど」
「なんで、私なの? っていうかどこが罰ゲーム?」
「それを言ったら御坂さんが放電しそうなので言いません」
上条がそう言ったとたんすでに放電が始まったので、彼は右手を御坂の頭に置いて、
「で? 御坂さんはどんなものプレゼントされたら嬉しい?」
「は?」
「今御坂さんは俺の重要参考人なんですよ。分かります? だから意見を求めてるの。やっぱ指輪とかか?」
「結婚の申し出と間違う場合があるでしょうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「それもそうですねぇぇぇぇぇ!?」
突然の美琴の大声に上条は耳を塞ぐ、幻想殺しも音は消せないらしい。
「っていうか、アンタそんなのしてたっけ?」
美琴は上条が首につけている黒いチョーカーを指して言う。その『チョーカー』も今は補助演算用からアクセサリーに変わり、前に黄色の鈴がぶら下がっているのだが。
「ちょっと前からな。というか、真剣に選んでくれないと上条さん困るんですけど?」
「だから、どんな奴に、どんな理由で渡すのよ!」
「お世話になってる人に日頃の恩返しで渡すって言ってんだろっっ!」
美琴としては、その『お世話になってる人』や『
「で? アンタは何をプレゼントしたいのよ」
「常時つけていられるもの、かな」
「ネックレスとかブレスレットとか?」
「バングルとかバックルとか」
「それ、男物でしょ」
「イヤリングとかリングとか」
「だから指輪は・・・・・・」
「安心しろ御坂。俺は愛の告白は指輪無しでって決めてるから」
「アンタが決めてても向こうは知らないでしょうが!」
ごもっともである。
「・・・・・・さて、御坂。何が良いかな?」
「・・・アンタが選ぶとダメ、外に出てなさい」
「・・・えー? 分かったよ」