幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
意外と長かった・・・・・・。
北イタリアの旅行 Un_Viaggo_in_Italia.
上条当麻は不幸な人間だ。もう一度言おう。上条当麻は
「えー、来場者数ナンバーズの結果、あなたの指定数字は一等賞、見事ドンピシャです! 賞品は北イタリア五泊七日のペア旅行、おめでとうございます!!」
何だよそりゃ、と上条はガランガラン鳴り響くハンドベルの音を聞きながら、むしろ肩を落として隣に立ち喜ぶ貴音を睨みつけていた。
ニコニコ笑顔で旅行書類を受け取った貴音と街を歩きながら上条は問う。
「なぁ、お前が言うから来場者ピッタリ書き込んだけど・・・。なんでまた?」
「そんなの。最近二人きりになってないからに決まってるじゃないですか! しかもイタリアですよイタリア!」
「イタリアねぇ・・・。俺には裏の世界しか思い浮かばねぇよ」
「あぁ~。ボンゴレですね?」
「リング、炎、争奪、チョイス、7³、アルコバレーノ、ヴィンディチェ・・・うっ頭が・・・」
「痛くなりますよね~」
―――と、いうわけで上条と貴音は二人で出かけることに期待していたが・・・・・・。
「とうま、たかね。二人して喜んでいるのはいいけど。私はどうすればいいのかな?」
「「・・・・・・あ」」
「忘れていたんだね!? 私のことをすっかり忘れて、二人でうきうきしてたんだね!?」
寮室に帰ってきて現実を突きつけられた。そうだ。いけないではないか。最低でも、貴音は。上条はインデックスの保護者という烙印を押されている。つまるところ。大抵の場所へはインデックスと共に行かないといけないという事。これはペアチケットなので、どちらかがいけない。
「・・・・・・」
上条は無言×音速というスピードで携帯電話を取り出すと、『おじ』あてに発信する。返答はワンコールもなかった。
『わかっている。すぐ用意させよう』
「マジで!? 持つべきものはいいおじさんだよなぁ。うんうん!」
『ふ。私にできる程度ならいつでも言ってくるがいい』
「(・・・ちょろいな)」
―――そんなこんなで翌日の朝。
急遽人数変更が起きたにもかかわらず、案外すんなり飛行機に乗れそうだった。
「忘れ物はねーなー?」
「おなかは満腹!」
「パスポートOK!」
「チケットよし」
「でも二人きりじゃない・・・・・・」
すでに何度か海外旅行を経験している上条と貴音は、完全に楽しんでいた。
チケットを見せ搭乗ゲートへ向かう上条。その時、そばにいた客に聞かれた。
「あんた。ずいぶん荷物が少ないね? 外国に行くのに大丈夫かい?」
「大丈夫ですよ。俺はそっち系の能力者なんで」
ああ。便利、と上条は思う。能力と言っておけば大抵何とかなるのが素晴らしい。と彼はインデックスと貴音をつれ、自分たちが乗る飛行機に向かうのだった。
離陸まであと三十分。
そろそろ旅客機のエンジンもいい感じに温まってきている頃合だった。
イタリアにマフィアのトラウマ・・・。このお話には全く関係ありません。
なお、感想はいつでも、どこの話に対してでも待っています!
ただし、頭ごなしの否定は勘弁してください・・・・・・。