幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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今回はあの一族が登場します。


とある化学の狂科学者

早朝。上条は朝食の買い出しに外へ出ていた。

 

「・・・コンビニのパンで良いかな・・・」

「・・・・・・本当にコンビニに行くンだろォな?」

「・・・いんや。あいつ等に内緒で研究所で打ち止めについて聞こうかと・・・って白夜!」

「ン。俺にも内緒だったのか」

「・・・いや、まあ・・・そうなんだけど・・・」

 

上条は若干焦りながら言う。

その時、上条のスマホが着信音を立てる。

 

「・・・鳴ってるぞ」

「おう。ウゲッ・・・はい。もしもし」

『よォ、上条当麻ァ! さっきの話だがなァ。こっちに来てくれや。じいさんが説明してくれるとよ』

「・・・ああ。そう? んじゃ今から向かうわ」

『おう。待ってるぜェ』

「・・・・・・というわけで、俺は研究所に向かいます」

「チッ。俺も行く」

「・・・・・・死ぬなよ?」

「ああ?」

 

 

―――学園都市某研究所。

 

「は? セキュリティ頑丈すぎンだろ」

「いいから。壊すなよ。ゲストコード0000。オリジナルコードImagineEater」

 

上条が天井に向ってそう言うと、セキュリティが解除され、進路が開いた。

 

「・・・んだよゲストコードって」

「お前はゲストなの。俺は元から登録してあるから」

「・・・ふーん」

 

迷わず研究所の一室に入る上条。続いて入った白夜は全く異世界に来た気分になった。

 

「おう! 当麻! よく来たな!」

「当麻君いらっしゃい」

「よく来たねぇ上条君」

「当麻お兄ちゃんいらっしゃい」

「おう。元気そうだなお前ら」

「か、上条・・・コイツらは・・・・・・」

「ん? 『木原』だけど?」

「おっ! よォクソガキ。久しぶりだな」

「何でお前とコイツらが知り合いなんだよ!!」

「まァ・・・、オレの伯父があのアレイスターだしねェ」

「当麻お兄ちゃん聞いて聞いて!」

「悪いな円周。今日は用事があるんだ。幻生」

「ほ? この老いぼれに何か用かの?」

「とぼけんなよ悪知恵ジジイ。そもそも絶対能力進化実験の首謀者お前だろ」

「ほっほっほっ。バレておったか」

「テメェッ」

「白夜。やめろ」

「上条!」

「いいから、コイツは根は良い奴だ。ただ上辺が超嫌なヤツ、クルルみたいな奴なだけ」

「・・・そう、なのか?」

「数多。白夜と遊んでやってくれ。完成したんだろ?」

「・・・・・・ああ。さあ行くゾクソガキ!」

「はっ!? 待てよ木原くン!」

 

木原数多に連れられて行った白夜を見届けた上条は幻生に向き直る。

 

「さて? 打ち止めの調整施設。どこにある?」

「・・・妹達の司令塔か。上条君の所におるのかい?」

「ああ。まだ寝てるんじゃねェか? 教えてくれ。アイツの調整が必要だろ?」

「・・・・・・教えてもいいが。その代わり・・・」

「代わり・・・?」

「JKの写真を・・・・・・」

「黙れ変態ジジイ!」

「酷いのう。老い耄れの唯一の楽しみを」

「他に楽しみ見つけろよ! 何だったらゲートボールでもしてこい!」

「そこまで老いぼれとるつもりはないよ」

「黙れこの百歳越え」

「もう教えんよぉ?」

「分かったよ。その代わりこれからは無条件で提供してもらえるように映像にしてやるよ」

「おほっ」

「さあ早く教えろ」

「よし。ここだ」

 

タブレットに地図が示される。それを上条は記憶する。

 

「ありがとな。数多に白夜を返してもらってくる」

「・・・それと、小耳にはさんだ話だがね」

「?」

「・・・妹達最終信号にウイルスが打ち込まれている。らしい」

「マジか?」

「あくまでらしい。だがね」

 

そうか、と上条は言うと研究室を後にする。

 

「忙しそうだねェ。あいつ」

「ライフライン。あれは学園都市の真の最強だ。アレイスターは頑なに隠そうとしているみたいだがね」

「『木原』にとっての抑止力でもあるわよねぇ。加群?」

「うむ。アイツは我々を統率したからな・・・力で」

「上条はこんな時なんていうんだろう?」

「こら円周。言われたでしょう? そう言う考え方をしたらダメだって」

「でも、当麻お兄ちゃん限定で良いって言ったもん」

「へー」

 

 

―――上条家。

 

「とうま? どこ行ってたの?」

「コンビニ」

「コーヒー買ってきた」

「ふーん」

 

 

―――――――

―――――

―――朝食後。

 

「・・・さて、今日の予定を発表します」

「いえーい」

「まず、インデックスとエネは自宅警備!」

「イエッサー!」

「了解なんだよ!」

「絶対油断すんなよ。特にエネ」

「大丈夫です。今日は家に誰も入れませんし防御結界張っておきます!」

「よろしい。白夜、お前は地図の研究所に行って打ち止めの頭の中を見てくれ。もしかしたら恐ろしいウイルスがあるかも知れん」

「ああ」

「あったらどうしよう。ってミサカはミサカは」

「もしあった時の為に感染前に戻すようなデータも送ってもらえるらしい」

「でも、そうしたらミサカの記憶は?」

「ネットワークにバックアップでも取っておけ」

「なるほどってミサカはミサ」

「ほんじゃま、行ってくる」

「おう」

 

白夜は打ち止めを抱えてビルの上をピョンピョン跳ねて行った。

 

「んじゃ、俺もどっかでかけてくるわ」

「当て無しですか」

「まあなー」

 

そう言って外へ出た上条だったが、予想よりも早く予定ができる事になる。

 

「おっ。カミやん」

「土御門? どうしたんだよ」

「いま、カミやんの部屋を訪ねようと思ってたんだにゃー」

「ん? 何か事件か?」

「いや、そう言うワケでは無いんだが・・・」

「んだよ。早く言え」

「カミやんがこの前作ってもらった枷なんだがにゃー」

「・・・壊れでもしたか?」

「いや、違うんだぜい。魔術の方を完全に封じるバージョンを作ってほしいんだが」

「良いけど・・・両方着けたら両方封じちまうし、着け直すのめんどいだろ」

「・・・・・・そこは何とかならないかにゃー?」

「わがままな依頼は嫌いじゃないぜ。任せとき」

「カミやん頼りになるぜい。そうだ! 依頼料代わりに今日の昼食おごるぜい」

「お? マジ? んじゃ時間潰しながら行こうぜ」

 

そう言って二人はファミレスに向かって歩き出した。

 

 

―――白夜サイド

 

「・・・ねぇ。あなたがミサカ達を助けたのはやっぱりヒーローさんのおかげ?」

「ァ? 上条の? まあ直接的じゃねェがな。オレの気まぐれだ」

「・・・・・・ヒーローさんの事思い出したんだ」

「上条を思い出した?」

「うん。一度超能力者量産計画の時にできた初期のミサカネットワークに記録があってね。その時のヒーローさんは二十代位に見えたの・・・。今高校生なのにおかしいよねーってミサカはミサカは」

「・・・そうか」(・・・小学生だろ・・・? 二十代に見えるか?)

 

白夜が首をかしげながらもビルからビルへと飛び移る。

もうそろそろ研究所が見えてくるころだろうか。




全員味方です。一応。

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