幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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リメイク前は書かなかった姫神編。


吸血殺し編
相変わらずの日々 The_Begining_of_The_End.


吸血鬼。その単語について皆さんはどう語るだろう。

化け物? 創作上の生き物?

あえて言うならブラム・ストーカー著の『ドラキュラ』の主人公だろう。

 

そして有名な怪でもある。

 

その増え方から弱点まで様々で、一般的なのは吸血。十字架、ニンニク、太陽光だろう。

流水は渡れないだけだ。そして倒し方も様々。普通の木の杭で良かったり、白木じゃなかったらダメだったり、入ったことのない建物には家人から招かれない限り入れない等。

 

さて、血を追い求めるだけの知性も理性も無い吸血鬼の事をなんて言うか知っているだろうか?

 

 

 

 

―――食屍鬼(グール)と呼んだりするんだろうな。

 

知性と理性を失った吸血鬼をグールと呼ぶのは全くもって構わないが、知性と理性を持った吸血鬼をあんな人の血肉を喰らう化け物と一緒にしないでほしい。というか知ったかぶって話す前に図書館に行って文献を読んで調べてほしい。ナニ? 外国語が読めない? 学べ。

 

長々と語ってきたが結論を言うと、現在。この科学の街学園都市に吸血鬼やグールが増えているのだった。

 

 

そしてそれを良しとしない者がいた。

 

「・・・数が多いな」

『全くです。これでもかと言うほど数が増えていますし。何かあるんでしょうか? 学園都市(ここ)に』

 

暗闇で何かが光ったと思ったら、グールの何人かの体がバラバラに切り落とされる。

 

「いっ糸!」

「ワイヤーだ。名をエクセリオン」

『・・・武装はBLACK CATなのにやってることはヘルシングですね・・・』

「・・・一応聞いておこう。何故こんなに増えた? この街に何がある」

 

グールの軍隊を率いていた吸血鬼に上条はカスールを向けて尋ねた。

 

「はあ? お前、俺らの性質知らねーのか? 血の匂いに引き寄せられたに決まってんだろ。とびきり美味そうな匂いがしたんだよ、この街からな」

「美味そうな血?」

「だが、今は止まってる。ここ何日か途切れ途切れにするんだよ」

「そうか」

「で? お前は俺に何の用だ? まさか、その質問だけじゃないだろ?」

「当たり前だろ」

 

上条はカスールを数発撃つ。それだけで吸血鬼は消えて無くなった。

 

「流石。コイツは強いねぇ」

『美味い血って・・・そんなに匂うものなんでしょうかね?』

「さーな。でも生きている人間がにおわせる匂いなんて微弱だろ? それをこの街の外からも嗅ぎ付けてくるなんてよほど強い匂いだよ。それも、ただの血じゃない」

『・・・・・・』

 

その日は上条達も寮に帰った。

 

 

―――次の日。

 

美味そうな血。その正体を探しす為、上条は街を歩いていた。何故かついてきたインデックスを連れて。

 

「・・・って言うかさ。おかしいと思うんだよな」

「・・・・・・・何がかな」

「インデックスはさ。この前みんなと仲直りしただろ? だったらさ。イギリスに戻っても良かったんじゃねーの? こんな魔術(オカルト)とは無縁な場所に留まるよりそっちの方が建設的だろ」

「・・・とうまは馬鹿だね」

「否定はしないな」

 

と、そこで上条は自分の言葉に対する少女の返答が少しばかり遅いのに気付き、少女の目線の先を見て。

 

「あー。確かに冷たくて美味そうだが、生憎買ってやれないぞ」

「む。とうま、別に私は一言たりとも暑い辛いバテたなんて言ってないよ? まして他人のお金を使いたいと考えた覚えも無いし、結論としてアイスを食べたいなんて思ったことない。それに私はこれでも修行中の身。お酒や煙草は元より、珈琲紅茶に果物デザート氷菓子、その他もろもろ嗜好品の摂取は一切禁じられてるんだから」

「いや、そこまで全力で否定しなくても。ま、最初に言った通り買ってやれ―――」

 

―――ないぞ、と言い終わる前に音速で肩を掴まれた。ギリギリと万力のように締め付ける少女の指に呆れながら上条がそっちを振りかえると。

 

「確かに私は修行中のみであるからして一切の嗜好品の摂取は禁じられているけれど」

「じゃあダメじゃん」

「しかしあくまで修行中の身なので完全なる聖人の振る舞いを見せ得ることはまだまだ難しかったり難しくなかったり! 従ってこの場合誤って口の中にアイスが放り込まれる可能性もなきにしもあらずなんだよとうま!」

「ねーから。いやねーから。あと痛いから。強い強い。お前修行中ならなおさら聖人を目指す努力をしろよ。ってかイギリスに帰れよ。あっちは涼しいだろ。一年通して北の方にあるんだからな。それに加えてこっちは四季折々だ。暑い日もあれば寒い日もある。文句あるならお引きとり願えますか」

 

上条が気候状態を提示した上での交渉に乗り出そうとした所で、

 

「なかなかに素敵な交渉中なんやけどな、ちなみにその子誰なんカミやん」

 

後ろから得体の知れないエセ関西弁が聞こえてきた。

 

「・・・・・・・・・」

「カミやん。ジト目は止めよーや。ボク男からのそういうのは受け付けてへんよ」

「じゃあ眼を瞑って可愛い女の子にジト目で見られてろ」

「ふむ。面白そうやね」

 

青髪ピアスは上条の言う通りに目を瞑り、うーんと唸り出す。上条はそこで何かを思いついたらしく、声帯を変化させ。

 

「貴方の事が嫌いです。貴方は変態です! エロスの貴公子です! 私に金輪際近づかないでください!」

「おっほー! そんな事言わんといてやー・・・・・・。あれ」

「何やってんだ青髪」

「目を開けたら男のジト目! 最悪やわ・・・。もしかしてここに美少女がおったりせんよな」

「しねーだろ」

 

上条は呆れた顔で青髪にツッコむ。本当にコイツは俺の声だけでそこに少女が居ると勘違いしたのか・・・? と上条が青髪ピアスの想像力に恐れを成していると、放っておかれたインデックスの怒りのボルテージが上がっていた。

 

 

「―――食い倒れた」

 

それはアイスクリーム店が閉まっていたため、近くのファーストフード店でシェイクを買ったものの、席は満席だったため、相席を進められインデックスがそれに乗ったために起きた出会い。そして、先日のグールの原因でもある少女だった。




さて。頑張って書いていきますよー。

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