幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
叫び声が聞こえた。
人間のものではない。
もっと異質で、人間の心の中へと抵抗なく滑り込み、否応なく感情を揺さぶってしまう咆哮。黒板を爪で引っ掻く音より拒絶したいのに、それを拒絶する事すらももの凄い罪悪感の伴う、受け入れ難く切り捨て難い不可解な叫び。人間の声帯の限界を軽く突破したその声が、墨汁で塗り潰したようなような夜の戦場へ響き渡る。
天使。
神の力
ミーシャ=クロイツェフ。
「お、おいおい・・・止めろ・・・。止めろバカヤロォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
上条の咆哮に天使の攻撃がほんの僅かだが止まった。すぐに攻撃が再開されたので、気づいたものは少ないだろうが確かに一瞬止まったのだった。
「理性はあるのか・・・・・・? 一回念話をやってみるか!」
(オイこらミーシャ! テメェ今度は何だ!!)
(・・・そ、そう怒らないでくれ。こちらも気が立っていたんだよ)
(・・・気が立ってたァ? だったらフィアンマに当たれよ!)
(命令にないんだな。これが)
(アイツ全部噴き飛ばせって言っただろ。こっちも吹き飛ばせよ)
(無茶を言うな。止めて欲しければ・・・・・・そげぶしろそげぶ)
「・・・・・・フィアンマを、か」
(早くしてくれよ)
「・・・ハァ・・・。よし殺そう♪」
笑顔の状態でキレた上条は右手を使って近くの壁を壊しながら、フィアンマが居るであろう方向へカンで進んでいった。
「・・・・・・?」
とりあえずで上条がたどり着いたのは、礼拝堂のように長いすが並べられた空間だった。
「―――ッ!」
移動を開始した上条の真横、脇腹辺りめがけて体当たりをしようとする影が現われた。完全な死角からの攻撃。相当訓練された人間でも、この体当たりは受けてしまうそんな攻撃だ。
だが、
彼は反射的にその影に手を伸ばし、とりあえず肉体に触れる。そこから体の支点となる部分へ手をスライドさせて浮かせる。
「―――悪いな。誰か知らんが俺の前に出たって事で、勘弁せいや!!」
その場に稲妻のような軌道が残り、突撃してきた人物が地面に叩き付けられた。
「ふぅ・・・。疲れてもないけど息吹いちゃうの。・・・あ、コイツ・・・サーシャ=クロイツェフじゃん」
「・・・第一の質問ですが、あなたは何故私の名前を知っているのですか?」
眼を回していたと思っていた少女、サーシャから質問があった。
「前に一度会ってるから。とは言っても、お前の肉体と入れ替わった、今暴れている天使と会っただけであって、直接的な面識はないだろう? だけど一応天使との対決の時に土御門元春・・・俺の友人からお前の名前を聞いてた。だから知っていたって訳だ。ちなみに会ったタイミングは八月の終わりね」
上条は何も気にせずにべらべら喋る。何故そこまでするか、そこに絶対的な自信があるからだろう。「自分が負ける事はない」「例え手の内がバレても負けはしない」なんて自信が存在するから彼は余計なお喋りが多かったりする。
そんな上条を前に何かを考えるようなサーシャを放って彼はグイグイ進む。
「あ、そうだ。おまえどっかから逃げてきたんだろ? 儀式場まで案内してくれよ。そこに俺がぶっ壊したいものがあるはずだからさ!」
「第一の解答ですが「やっぱダメか! そりゃそうだよな。逃げてきたのにそこに連れてけなんてイヤだよな! でもどうしておまえは逃げれたんだ? フィアンマはおまえが必要ないとみて
「あの「それに俺みたいな不審人物と一緒はイヤか。そうか、そうだよな。スマン。じゃあ俺一人でアイツをぶっ殺してくるわ」
「ちょっと待ってください!!」
「・・・・・・なに? 上条さんは今落ち込んでるんですが?」
「その原因は私ではなくあなたの自己解答自己完結によるものです! それと、別にあなたを儀式場まで案内する事に反対はありません。ただ、がむしゃらに逃げてきたので」
「場所が分からない、と」
上条はガシガシと頭を乱暴にかくと、神々の義眼を開いた。
「全く
サーシャの口調が分かりませぬ(´・ω・`)ショアーン