幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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中学三年生時のお話です。


不登校児上条当麻の活躍

上条当麻は不登校児だった。だが、家にいてもやることはなくなおかつ暇なので、彼は良く外に出て事件を解決していたりした。

なぜ、不登校なのか。まあ学校生活が楽しくなくなった。からだろう。

貴音の事故があって、周りは上条に同情した。あれだけ仲が良かった少女は昏睡状態(表向き)なのだ。そうするのが当たり前だろう。だから上条も表面上気丈に振る舞った。実際貴音は姿は変われど自分の傍にいてくれている。上条はそれだけでも笑っていられた。だが、周りの人間はそんな上条を見て、「悲しまないなんてサイテー」と言いだした。

流石の上条もキレた。

 

【「サイテー!? いつまでも悲しんでいたら良いって言うのか!? 悲しんでいたらずっと引きずってるよキモチ悪いなんて言い出すんだろうお前等は!! 見せかけの善意で優しくして、感謝してたのに・・・。テメェらの言う『悲しまない俺』なんかよりよっぽどサイテーだと思うぜ。お前等は」】

 

上条はそう言って次の日から学校に行かずに、街を歩きながら事件に首を突っ込んでいた。

 

そして、そんないつものある日。

 

「郵便局か・・・そろそろお金下ろしておくかな・・・」

 

と考え彼は郵便局へ足を運ぶ。

お金を下ろそうとATMに並んでいる間に、入り口付近で話す少女達の会話が聞こえてくる。

 

「トキワダイって、あの常盤台ですか」

「ええと。学園都市に同名の学校はありませんから多分それかと」

「・・・・・・。ふえええええ~。スゴイですねー」

「そ、そうですの?」

(常盤台中学?)

 

上条は無事にATMからお金を下ろして郵便局を出ようとする。が、銃声がして思わず足を止めてしまった。

 

「・・・?」

「お、おかしなマネすんなよ」

「きゃ・・・!?」

「おっ、お客も、あんま騒がないでくれよな? もちろん逃げちゃダメだぜ」

「あー。よう、何だよ。今郵便局にいるんだけど。は? 携帯禁止? 良いだろ別にんなの」

 

少年のその声に銃声が二発響く。固定電話で電話をしようとしていた係員と、少年の傍の壁にだ。

 

「おおお、おかしなマネすんなって言ったよな? な、なんで分からないんだ? みせしめにひ、一人くらい殺っといた方がいいのかな? ねえ?」

 

その後すぐだった。男の後ろから近づいた少女が見事な動きで男を倒してしまった。

だが、その後すぐ少女の悲鳴が響く。

 

「きゃあっ!!」

「チッ。何ガキにノされてんだ。クソがっ」

「あ? 銃声? 悲鳴? んなもん郵便局強盗に遭ってるからに決まってるだろ?」

「テメェ! 何余計な事言ってんだ。これが見えないのか」

「ん? ああ、お前がタンパク質の塊にナイフを向けてるって事か? いや、もっと細かく言えば水が60~70%にタンパク質15~20%脂肪13~20%ミネラル5~6%糖質1%その他の物質が6%だっけ?」

「オマ・・・」

「何にせよ電話の邪魔しないでくれるか?」

「貴方・・・人を人としてみてないの!?」

 

強盗事件の最中だというのも忘れて、現場に居合せた少女が声を上げる。

 

「んな事言ってねーだろ? そいつだってその子のことコレなんていってたじゃねーか」

「それ・・・は!」

「あー。でももう切っちまいやがった。はいはい静かにしてますよ」

「・・・・・・で? そこのガキ、オマエ風紀委員か? 他にもいるなら出てこい。後んなって分かったらこのガキ・・・」

「・・・・・・」

「二人か。チッガキにノされやがって。・・・・・・仕方ないな。そのバッグの中には工具が入ってる、それでATM(コイツ)取り外せ」

「・・・なぁ。もしかしてオマエ金がほしいの?」

「あぁ? またオマエか。そうだが」

「何のためにさ。奨学金はちゃんと入ってるはずだろ? 何のために金が必要になるんだよ。ちゃんと考えて生活しないからそうなるんだぜ?」

「うるせーな。センコーかよオマエは!」

「違ぇよ。俺は警備員(センコー)じゃねぇ。風紀委員(学生さん)だぜ!」

 

どこからともなく銃を引き抜くと同時、上条はそれを撃った。躊躇亡く。そしてそれは相手のナイフを飛ばし、額を撃ち抜いた。

 

「ガッ・・・」

 

その瞬間で少女は解放された。

 

「テメェ・・・」

「なんだーい?」

「聞いたことがあるぜ。無能力の風紀委員(レベルゼロジャッジメント)。警備員が使うゴム弾を拳銃で撃つっていうそういうのをな」

「あらら。バレてる?」

「ってこたぁテメェも風紀委員だってわけだ。なんで黙ってた」

「俺としちゃ俺以外の人間がどうなろうが関係ないし? 捕まって殺人罪になるのはそっちだからさ。別に良いかなって。バレなきゃ問題じゃねーんだよ」

 

上条はその手に持った銃弾を一度全て地面に落とす。

 

「何のつもりだ」

「こういうつもり」

 

上条が笑って取り出したのは一発だけ金属の弾頭が混じったスピードローダーだった。

 

「ロシアンルーレットと行こうぜ」

 

それを込めた後、彼はシリンダーを回転させた装飾銃を下に向けたまま口を開く。

 

「さて、じゃあ撃ち抜こうか」

「お、おい・・・」

「せいやっ」

 

そんな軽いかけ声と共に銃弾が撃ち出された。

 

「ガッ!」

 

左胸に当たったそれは、ゴム弾だった。

 

「・・・・・・」

 

不満そうな顔をした上条はさらに続けて一発、二発と男に向けて撃っていく。

最後の一発を残すのみ、後は全部ゴム弾だった。

 

「チッ。運の良い奴だな。お前」

「このっ!」

「鉄球?」

 

絶対等速(イコールスピード)。投げた物体は能力を解除するか投げた物が壊れるまで何があろうと同じ速度で進み続ける力だ。

だが、

 

「鉄球なんて投げても意味ねーだろ」

 

上条は右手でそれを軽く振り払った。

 

「なっ」

「さて、最後の一発。もう何が撃ち出されるか、分かってるな?」

「・・・撃つ気か!?」

「アデュー」

 

またも軽いかけ声で撃ち出された銃弾は、男の胸の中心に当たり赤い液体を床に散らした。

後で分かったことだが、それはペイントで麻酔が塗られた銃弾だったようだ。

外に出るとロクな事がねーな。と言いながら上条は外に出た瞬間。警備員の特殊車両を見つけて逃げ出した。

 

「こらー待つじゃん! またお前が関わってんのか!」

「あーもう。不幸だぁぁあああああ!!!」

 

事件の後の鬼ごっこはほんの少しの間だけ続いていた。




まだ、原作開始前は続きます。

次回から高校一年生になりますが、続きます。

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