心愛ちゃん襲来から少しだけ経って、僕の朝の鍛錬に心愛ちゃんも参加することになり、毎日良い修行になっている。今僕は音叉剣を使い心愛さんと手合せをしていた。
刃「ヨッ、ハアッ!!」
ガキィン!!
心愛「キャフン!?」
心愛さんの手からハンマーになったこーちゃんが離れ、元に戻るのを見ると僕は心愛さんの前に立ち
刃「はい、今日も僕の勝ちだよ。」
心愛「ああもう!!また変身してないのに負けたぁ!!何であんたはそんなに強いのよ!!」
心愛さんは地団駄を踏み僕は音叉を元に戻して
刃「そりゃあ、いつも鍛えてますから、シュッ!」
と左手でやると心愛さんの悪い点を言った。これはいつも言うことで最初の頃は無視されてたけど最近は少しずつだけど聞いてくれるようになり、一番最初の頃は素手で相手をしていたが最近は鬼爪と音叉剣を使わないと勝てなくなってきた。(鬼爪を最初に使った時は驚かれて気絶しちゃったけど)
刃「種族だからというのもあるかもしれないけど心愛さんはとにかく力で真っ向から勝負をしたら駄目でしょう!それとハンマーは当たれば威力は高いけど、その分外した場合や耐えられた場合の隙が多くなるから、威力は多少落ちるが剣にした方がいいと僕は思うよ?それにああいう武器は鬼でも使う人はごくわずかしかいないんだ。」
と言うと心愛ちゃんは驚いた顔で
心愛「刃でも使えないの!?そんな身体なのに!?」
刃「まあね、ただ筋力があればいいわけじゃない。ありすぎれば振りすぎになり、もし他の鬼と戦ている時に仲間をかちあげてしまう。そうならないように攻撃範囲、スピード、相手や仲間の動き等の経験、さらに勘も必要になるから難しいんだ。」
心愛「別にいいじゃない!これは私の勝手でしょう!!」
刃「まあ、それはそうだけど…こういっては悪いが、心愛さんは強い方の萌香さんと比べると脚力力が足りないから他の物で補わなければいけないと思う。それにこーちゃんは剣にもなれるのだろ?ちょっとなってみて」
こーちゃん「キュー(肯定)」
とこーちゃんは僕の手の上にとまりレイピアになった。試しに振ってみるがやはり普通の妖怪には重たいが心愛ちゃんが使うには問題はない。
刃「心愛さんは小柄であることがコンプレックスかもしれないけど、それを生かして短剣や片手剣でのトリッキーな動きをして相手を翻弄する闘い方がいいと思うし、そうでもしないと僕を変身させるのはか~な~り遠い話になっちゃうよ?」
心愛「うっ…善処します。……ってかなんで普通に振れるの!?こーちゃんの重さ100キロあるのに!?」
刃「鍛えていますから♪キラッ☆…あ、それと僕の血飲む?」
その時トゲゾーが来て僕のジャージの裾をかなり強く引っ張った。
刃「(ん?理事長からの呼び出しそれもかなり深刻なものだな)心愛さん今日の鍛錬はここまで僕は用事があるから失礼する!」
心愛「しょうがないわね~血はまた今度頂戴ね!!」
刃「おう、それじゃ!!」
僕はトゲゾーを担いで理事長室へ走って行き、
刃「理事長!お呼びですか!?」
理事長「お、来たかね刃君…久しぶりの出番だよ(ボソッ)」
刃「おおい!?理事長メタっちゃうの!?」
瑠妃「そうですよ、理事長出番が久々だからと言ってそんなことを言ってはダメですよ!!しかも私のライバルが増えているみたいですけど!!」
刃「瑠妃さんもメタるなよ!!それと心愛ちゃんは違うから!!ただの師弟関係だから…多分そうだといいな。」
瑠妃「刃さんは人気ですから…それと心愛さんのことは今はまだ不問にするとして理事長いかがなされたのですか?」
理事長「うむ、最近起こっている通り魔事件の事だが…つい先ほどその正体が人間界で悪さをした妖怪強盗団の仕業とわかった。」
刃「わかりました。では公安にこのことを報告して学園の皆さんの避難の誘導、さらに足の速いものを中心としたもので構成した部隊を作って、学園の周りを探索発見次第、報告と僕とザンキさんの迎撃部隊で捕まえます。」
僕がそういうと理事長は手を前にだし
理事長「いや、刃君は避難支持をして、指揮権をザンキ君か九曜君に譲渡した後、敵の本拠地と思われる地下牢に向かってほしい。瑠妃君は月音君を見つけてほしい。」
刃「月音君を捜してほしい…どういうことですか?」
瑠妃「私関係ですか?…まさか月音さんの封印が!?」
刃「封印?…ああ、グール化を止めるアレの事ですか?すっかり忘れてたよ。」
理事長「忘れないでくれたまえ…そういや君と月音君は近所だったね。休日何してたんだい?」
刃「まあ、軽く20キロマラソンに限界の果てまで腕立てしたり採石場で組手して20m程殴り飛ばしたり訓練後2キロステーキ食べさせましたね。」
理事長「……うん、やりすぎだよ。」
僕の発言に理事長は呆れながらもいくつかピンで刺した地図を広げ、その上に魔封じの鍵の写真を置いた。
理事長「ああ、あの時彼に施した封印はまだ不完全な物で、もう一度魔封じの魔法を唱えないと少し厳しいものだよ…もしかすると月音君と闘うものになるかもしれない…二人ともやってくれるかな?そして先にこのピンの地点にディスクアニマルを放ってから行動開始してくれ。」
理事長はピンを差した地点を指を差しながら言い、僕は腰に手を当て
刃「ふむ、力のバンパイアの力を借りたとしてもこっちは経験で無力化しますよ。」
瑠妃「やってみせます…それが仕事ですから…」
刃「さて、瑠妃さんもディスクアニマルを出してくれ」
瑠妃「は、はい!」
僕達はディスクアニマルを放ち僕は公安の建物に、瑠妃さんは月音君を捜しに行った。
~公安の建物~
刃「以上の通りに行動してくれ、学園付近を警戒する部隊はディスクアニマルを見かけたり、近づいたら急いで逃げてその場所を先生に報告…いいな!!」
公安一同「おおう!!」
刃「では各自行動してくれ!!くれぐれも制圧部隊の準備が終わるまで地下道には近づかない事だ!」
モヒ安A「ヒャッハー久しぶりのお仕事だぜええ!!」
モヒ安B「全くこっちの方が仕事を終えた後のコゴメトマトジュースが美味しく感じるからやめられないんだぜー!!」
モヒ安C「俺達が留年したのもこの感じが忘れられないからなんだぜえ!!」
九曜「いや、モヒ安達、バカかお前らは!!」
モヒ安D(真面目モード)「すいません、いつも成績は中くらいなんですけど公安をやめたくないから俺達揃って留年することに決めたのです。」
刃「ならしょうがない…野郎ども気張って行ってね!!」(ゆっくり顔)
九曜「しょうがないんですか!?」
モヒ安ABCD「「「「ヒャッハー!!!」」」」
モヒ安達はバイクで公安の建物を出て行ったが…バイク欲しいな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あたしは萌香おねえさまを元に戻すために通り魔を追っていたらそれが強盗団で、おねえさまとあの男は連れ去らわれ、あたしも少しで殺されるところでサキュバスと雪女が助けてくれたが、
胡夢「このこのこの」
みぞれ「このこのこの」
心愛「なに子供レベルの喧嘩をやっているのよーー!!!」
見なおしたと思ってしまったあたしはバカだった…喧嘩を止め、萌香おねえさまと男を捜すために地下牢跡を歩いて行った。その時さっき雪女が言ったことを思いだし問いかけた。
心愛「そういえばあんた達はさっき対あたしのおねえさまの特訓をしたいたって言ったのよね?」
胡夢「そうね、後…」
心愛「後?なんなのよ?」
みぞれ「もう一つの理由に刃と共に闘えるようにとの意味合いも込めているんだ。」
雪女の一言にあたしは首を傾げると
胡夢「なんか毎回刃の闘いを見ているともっと修行しないと駄目だな~って思うのよ。」
心愛「そ、そんなに強いの刃は?」
二人が落ち込んでいるのを見てあたしはそういうと、サキュバスは手をヒラヒラさせながら
胡夢「凄いわよ~、去年の夏休みなら一人で200体以上の妖怪倒したし、」
みぞれ「ああ、その時の話なら月音からも聞いたが、一人で巨大な妖怪を燃やして足止めしたらしいし、いつもの仕事としてそう言うやつらを倒しているらしい…。」
胡夢「この前なんか裏モカと大きなクレーターを作って闘ったからね~、それで闘った後裏萌香に蹴り飛ばされて心配して声をかけても笑顔で鍛えてますからで終わらせちゃうし」
みぞれ「正直刃は妖怪以上の何かだと思うぞ…でもそこがかっこいい…ポッ」
胡夢「ひょっとしたら今日は輝を見れるかもね。でも普通の状態倒せちゃうかもね~」
心愛「さ、流石は刃だ…しかしあたしも妖怪の事はある程度知っているけど、あんな鬼がいるなんて知らないわよ!」
胡夢「あ~それなら今度刃に聞いたら?今は月音とモカを捜しましょう!」
そう言ってサキュバスは前を振り向くと、その先に
月音?「皆こんな所まで助けに来てくれたんだ…でももう大丈夫だよ。敵はやっつけちゃったから。」
男が立っていた。サキュバスは男に向かって走り出し、
胡夢「つくねっ!?よかったー無事だったのつくねー」
月音?「ははっ、オレならピンピンしているよ」
そしてサキュバスはつくねと言う男(刃の方がインパクトが強くて名前を覚えてなかったため)の前で…
胡夢「つくねっ!!」
ジャンプしてつくねの顔を大きな胸に埋めた。するとつくねは鼻血を出して倒れた。そして後ろから声がした。
紫「あっいたですぅ皆さん無事だったですぅ~」
後ろを振り向くと魔女っ娘と黒服魔女がいた。
胡夢「紫ちゃんそれに瑠妃さんも!久しぶり~刃君と二人で理事長の元で頑張っていると聞いたよ~」
瑠妃「皆さんもご無事で何よりです。刃さんはもう少ししたら来るそうです。」
黒服の魔女はあたしに気が付くと
瑠妃「あら?そちらは?」
みぞれ「モカの妹のココアだ」
心愛「初めまして」
私が黒服の魔女に礼をした時、後ろで地面を蹴る音が聞こえて
瑠妃「え…」
ドスッ
月音が瑠妃と呼ばれていた魔女の腹に肘を食らわしていた。
瑠妃「カフ…」
しかし瑠妃は倒れず
瑠妃「ど…どうしたの月音さん、久々の再開だから私に抱き着いてくるなんて…私には刃さんがいるからこんなことをしては駄目ですよ…でもいい♪」
瑠妃と言われた魔女は体をくねくねとさせ刃との思い出を熱く語っていると、雪女は
みぞれ「別にお前が月音に鞍替えしてもいいぞ、そうなると私の方が“色々”とやりやすいからな。」
瑠妃「しません!!だって刃さんは私の…ポッ」
この際何があったのか聞かないことにした。すると魔女っ娘が
紫「わぁ~流石瑠妃さん、ドMとノロケ丸出しですぅ、でもアブノーマルじゃ負けませんよ~何しろロリコンは犯罪ですから~」
と言って月音に抱き着くと雪女がため息をつき地面に手を当てると魔女っ娘は氷の中へ入って
みぞれ「私の前でイチャつくな刃が欲しくなるじゃないか。」
心愛「欲しい!?」
するとつくねはフラフラと歩いて
ぺたんっ
あたしの胸に触りあたしは即座にこーちゃんをモーニングスターに変え、
心愛「あたしをハーレム要員にするなー!!」
とつくねを殴り飛ばすと血の匂いがおかしいことに気づき、つくねに近づき、血をなめてみた。いつものような血の味はせずに
心愛「まっず~いなにこれタバコの味がする!!」
あたしがなめた血をペッと吐き出すと来た道から白い鳥みたいな物がすごい勢いで飛んできて
鳥?「ピィ!!」
月音?「ガッ!?」
つくねを飛ばし瑠妃の方に止まると瑠妃は顔色を変え
瑠妃「皆さん!!そのひとから離れてください!!」
皆がつくねから遠ざかると胡夢は
胡夢「瑠妃さんどういうこと!?つくねから離れろって」
というと魔女っ娘が
紫「刃さんから聞いた話では、刃さんのディスクアニマル「光鷲」は一度覚えた人はどんなに変装しても判断できるそうで、また悪意を持っている人も区別できます!さらにその月音さんの腕にバンパイアの血を封印するための魔具である「魔封じの鍵」がありません!あれは月音さんの「命綱」、それのない月音さんなんてありえないですぅ。」
魔女っ娘がそういうとつくねは胸ポケットから煙草を取り出し火をつけると顔が変わり
強盗犯「ふ~まさかそんな玩具でばれるとはねぇ~」
と通り魔がいうとくるむは
胡夢「あんたが「偽物」ならつくね達は別の場所にいるんでしょ?ねえどこよ?」
と身構えながら言うと通り魔はたばこの煙を吐くと
強盗犯「ああ、あいつらなら死んでいるよ・・・多分、今は仲間に見張らせているんだけどこれがヤバい奴でねナイフで肉を切ることに快感を感じる変態さんなんだよね。まぁオレの一味の殺し担当さ、月音くんもあいつに遊ばれている頃だと思うから見ない方がいいヨ~グロイから」
そう笑いながら強盗犯は言うとくるむは
胡夢「このおおおおおおおおおおお!1」
叫びながら攻撃しようとするが、
瑠妃「待って落ち着いて月音さんはまだっ…」
その時シュカンと鋭い音が聞こえくるむの腕から血が出ると強盗は
強盗犯「いいね~殺意を向けてくる相手なら女でも容赦なく殺せるかかって来るなら覚悟しなよ~俺強いから」
強盗はそう言うと、瑠妃は魔具をしまい、刃の持っているのと似ている音叉を剣に変えると強盗に向かって
瑠妃「駄目ですよ、自分は強いと思っている人は実は意外と弱いと聞きましたから、」
そう言い剣を構えると
瑠妃「では皆さん行きますよ!」
みぞれ「そうだな…さっさとこんなやつを倒して月音達の居場所を吐かせるぞ。」
紫「数では上回っていますが気を付けていきましょう!」
あたしもこーちゃんを構え直し
心愛「そうね、毎日刃との特訓の成果を見せてやるわよ!!」
~そしてそのころの刃~
刃鬼「うおおおおおおおおおおおおお!!!皆(新聞部)勝手に行動しやがってぇええええ!!!間に合えええええええええええええ!!!」
シャカシャカシャカシャカ……
変身して必死にママチャリをこいで地下牢跡の入り口に向かってました…その姿は本当に主人公かどうか疑いたくなる……