ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

59 / 100
第54話~逆境~

 

 

 なんとも時間はかかってしまったけれど、漸く迷わず進むことができそうだ。

 もうちょっと早くできたんじゃないかって思うけれど、まぁ、今更そんなことを思っても仕方無い。それに、こうやって彼女とまたこの世界へ来ることができたのだし、それ以上望むのは贅沢だろう。

 

 そして、ロアルを倒した後、ベルナ村へ戻りいつも通りの打ち上げ。そこで、俺や白ネコのことをご主人に説明した。

 

「えと、とりあえず、おめでとう……でいいのかな? とは言っても私がやることは変わらないし……うん、だからこれからもよろしくね!」

 

 ああうん、よろしくお願いします。

 もうちょっと、ごたつくかなぁと思っていたけれど、思いの外あっさりといった感じ。このご主人の適応力はなかなかだと思う。

 

 まぁ、ご主人も言っていたように、やることは変わらないんだ。そうだというのなら、ただひたすらに進めば良い。

 

「それで、次は何のクエストへ行くのニャ?」

「ん~……まだ決めてないよ。明日、どんなクエストがあるか聞いてそこで決めるつもり」

 

 了解です。

 あっ、口調は変えないことにしました。なんだかんだでこの口調にも慣れちゃったんです。白ネコが彼女と分かり、恥ずかしいところもあるけれど……慣れって怖いね。

 

「でもさ、本当にネコさんたちは私のオトモなんかをやっていていいの?」

「……むしろ、私たちが此処にいた方が良いと思う」

 

 ああ、うん。それは俺も思う。

 ゴグマやダラは倒してしまったから、大老殿は大丈夫だろう。まだミラが現れていないけど、相棒ならなんとかしてくれるはず。大老殿は頼んだぞ相棒。

 それに、こっちだってオストガロアがいる。ご主人にそのことは言えないけれど、きっと俺たちがオストガロアと戦うことになるはずだから。

 

「うーん、よく分かんないけど……そう言うのなら私も頑張ります!」

 

 オストガロアってそんなに強くないし、ご主人なら大丈夫だと思うけど……うん、俺たちも頑張ります。

 ん~……やっぱり今回もオストガロアを倒したら終わりなのかな。できれば色々な二つ名モンスターとも戦ってみたいなぁ。

 流石にこの世界で最小マラソンとかはしたくないけれど、できるだけ多くのモンスターと戦いたい。紫毒姫とかすごく強いって聞いていたし、戦うのがすごく楽しみなんだ。

 

 ご主人に俺たちのことを伝えたことで、ちょいと時間はかかってしまったけれど、ようやっとパーティーになれたって感じ。

 まだまだ上位の序盤ではあるけれど、これからは一気に進むことができそうだ。

 

 んで、その日の夜は白ネコと色々な話をしたわけですが……ひたすらに俺が怒られていただけなので、省略します。別に浮気なんてしてないのに……

 

 いつものことだけど、彼女にはやられっぱなしだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、次の日。

 

「今日はケチャワチャのクエストへ行きます!」

「うニャ!」

「……了解」

 

 今回のターゲットはケチャ。ってことは、遺跡平原だよね。MHXになって多少は強くなった気もするけれど、苦戦するような相手じゃない。それにケチャならご主人も戦ったことがあるだろうし、今回はサクっと終わらせられそうだ。

 

「そういえば、ネコさんたちの装備ってどうしよっか?」

 

 それは、もうちょっと我慢かな。現時点で作れる装備は今装備しているものと、ほとんど強さが変わらないだろうし。

 

「ご主人のHRが5になったら新しい装備を作れば良いと思うニャ」

 

 できれば獰猛化モンスターの装備を作りたいけれど、その前に何か作らないとだよなぁ。流石にこの武器じゃ火力が足りない。そうなるとナルガやレイア、ガララ辺りが良いかもしれない。

 

「……ご主人さんの最終的な武器は何が良いと思う?」

 

 そんな白ネコからの質問。

 

「斬れ味が白はほしいから、比較的楽に作れるナルガハンマーが良いかなって思ってるニャ」

 

 最終強化するのにアカムウカムを倒さないとだけど、レア素材は要求されないし攻撃力は充分。エムロードビートの最終強化であるカクルハも悪くはないけど、雷玉を要求されるからキツいと思う。

 あとは、グランドスパイクもありです。物理期待値はあの武器が一番なはずだし。

 まぁ、ご主人が作りたいものを優先するけど。

 

 

 ――操…モー……切り替……すか?

 

 

「うニャ? 今、なんて?」

「? 私は何も言ってないけど」

 

 あら? 確かに、今声が聞こえたはずなんだけど……

 

「よし! それじゃあ早速出発しよっか!」

「おー」

 

 うん? ご主人でもないっぽいし……気のせい?

 ん~……よく分からんけど、このクエストをクリアすればそろそろ緊急クエストのはず。頑張って行きましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

「ご主人、ケチャワチャはエリア4にいるニャ」

「はい、了解です!」

 

 昨晩、ネコさんたちからお話を聞かせてもらった。

 ふたりの間でどんな会話があったのか分からないけど、これで、たまにふたりの間で流れる変な空気はなくなるのかなって思う。

 

 このふたりが自分のことを話したことで、私はもう逃げることができなくなってしまいました。それくらいの方が私には合っているけれど……やっぱり怖い、かな。

 ホント、この人生何が起こるか分からないものだね。だって、憧れていたハンターさんたちとパーティーを組むことになるだなんて、とてもじゃないけれど考えられないもん。

 私としてはネコさんたちが私のオトモでいてくれることは嬉しい。でも、ネコさんたちの本当の気持ちはどうなんだろうってやっぱり考えてしまう。

 

 そう言えば、ネコさんと白ネコさんはどうしてハンターになったのかな? このクエストが終わったら聞いてみよっかな。

 

 

 ケチャワチャのいるエリア4へ到着。

 私がまだ旅団に所属していた時は、何度も何度もこのモンスターにやられた。だからこそ、戦い慣れた相手。もう負ける気はしない。

 

 私たちに気づいたケチャワチャの咆哮をジャスト回避してから、その頭にハンマーを振り上げ。

 私も少しは成長できているのかな? そうだといいな。

 

 ネコさんたちほど私は上手くない。並んで戦えるほどすごいハンターなんかじゃない。でも、諦めたくはないし、諦めるつもりもない。

 きっと、私がネコさんたちほど上手くなることはないと思う。それでも、頑張ってみようと思うんだ。なかなか動こうとしないくせに、負けず嫌いなこの性格。それなら、とことん自分を追い込んで無理やり動かせばいい。

 

 逆境でいい。

 逆境がいい。

 

 そんな状況で漸く私は動いてくれる。

 大丈夫、私ならできるできる。

 

 右手による引っ掻き攻撃。ジャスト回避。そして、頭へ振り上げ。

 あの伝説のパーティーのうち、ふたりが私のオトモになってくれている。そんな恵まれた環境はこれ以上にない。だから、そんな環境に全力で甘えさせてもらう。

 

 

 

 

 

 

 戦い始めて数分。

 

「お? 乗ったニャ。援護を頼むニャ!」

 

 スタンはまだ1回だけど、ダメージはかなり入れることができていると思う。

 ケチャワチャが脚を引きずったところで、珍しく……というか、初めてだよね? ネコさんがモンスターに乗りました。ナイスです。

 できればお手伝いしてあげたいところだけど、近づけば吹き飛ばされちゃうから、援護は白ネコさんに任せて私は砥石。

 

 そして、ネコさんの乗りは無事、成功。

 

 さて、それじゃこのクエストも終わらせようか。

 

 右腰へ構え、溜めていたハンマーで、ダウンしたケチャワチャへスタンプ。直ぐにローリングをしてから1回、2回とハンマーをケチャワチャの頭へ振り下ろす。

 そして、ぐるりと回ってから渾身の力を込め――もう一度、その頭へハンマーを叩き込んだ。

 

「よっし! 討伐完了!」

 

 多分、まだ私は片手剣の方が上手く使えると思う。でも、ハンマーもかなり使えるようになったんじゃないかな? ふふ、それもネコさんのおかげなんだろう。

 

「おおー、0分針いったかも……お疲れ様ニャ」

「お疲れ様」

 

 うん、お疲れ様。

 ネコさんたちがあのハンターさんたちという実感はやっぱり湧かないし、どう接するのが正しいのかも分からない。むっずかしいなぁ。

 でも、昔のお話とか色々なことを私は聞きたいです。それは私にとっておとぎ話のようなもので、きっと信じられないことだってたくさんあると思う。それでも、私はそんなお話を聞いてみたい。

 

 そして、いつかそのお話の中に私も登場できるようになればなぁ、なんて思っていたり。

 ふふ、流石にそれは贅沢かな?

 

 戸惑うことはあると思う。怖いって思ってしまう。不安だらけだ。

 それでも今、私は楽しいです。

 

「……これ、最小だったりしないかな?」

「どうだろうニャ。最小はもっと小さいと……てか、え? 流石に最小マラソンとか嫌だぞ?」

 

 ただ、なんだろうね? 疎外感というか何というか……

 

 はぁ……彼氏、いいなぁ。

 

 

 







~属性貫通弾について~

久しぶりに何かを書いてみたいと思います
そんなことで、多分本編では登場しないだろう属性貫通弾について書いていきます
いつも通り飛ばしてもらっても何の問題もありません

では、始めます

MHXになり内蔵弾というものが追加されました
調合やアイテムの受け渡しができないというデメリットはありますが、アイテムポーチを埋めることもありませんし、かなり大きなメリットを持っている弾です
その内蔵弾の中に属性貫通弾という弾があります
MHXとなりライトボウガンのハンターさんの数が恐ろしく増えたのは多分、これが原因です
属性貫通弾はLv1とLv2があり、名前の通り、貫通する属性弾です
Lv1は最大3ヒットで物理が2、属性が20
Lv2は最大5ヒットで物理が2(3?)、属性が25(23?)となっています
反動はやや小以下から無反動で撃つことができます

弾性能はそんなものですが、これがかなり強いです
というのも、MHXではスキルで特定射撃強化(内蔵弾の威力が1.2倍)となかなかにぶっ壊れたスキルがあります
これにW属性強化(各属性強化+属性攻撃強化)をつけるとさらに属性が1.2倍となります
トリプル属性強化って感じですね

それで、トリプル属性強化した属性貫通弾Lv2の威力ですが、ロアルドロスに貫通火炎弾Lv2を撃ち込んだ時のダメージを適当に計算すると……属性だけで60ダメージとなります(頭、タテガミ、背、背、背にヒット。部位ごとに小数点以下切捨て。全体防御率は非考慮)
因みに、ハンマーの物理期待値No.1のグランドスパイクでホームランをロアルのタテガミに入れた時の期待ダメージは137ほどです(攻撃猫飯+爪護符。スキル:匠、弱特、超会心。物理期待値:304.92)

比べてみると思ったよりダメージが出ていないように思えますが、ホームランを1回喰らわせるより、属性貫通弾を3発以上入れる方が絶対に速いし楽です
さらに、武器によっては属性貫通弾を速射できるライトボウガンもありますので、恐ろしい火力になります
事実、マラソン部屋では属性特化したライトボウガンハンターさんをたくさん見ることもできます
4人集まれば、二つ名ウラガンキンLv10も3分切りが可能に……
また、何の意味もないですが、ひるませ続けることでガノトトスを水中から出させないこともできます。ひるむ度に飛び上がるガノトトスは見ていて面白いですが……
そんな感じで属性貫通弾はMHXのバランスブレイカーと呼んでも良さそうです

まだ使ったことがない方は一度使ってみることをオススメします
本当に強いです

とはいえ、それもG級がないからできることで、次作であると思われるG級では新しい弾やスキルがなければ今ほど猛威を振るうことはないかと

はい、そんなところでしょうか
数値で表示されないため、属性弾の威力はどうしても分かり難いですが、特化させればかなり強いです
最小マラソンなどでは是非使ってみてください


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。