ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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第13話~一人と一匹なら~

 

 

「それじゃ、ザザミを倒すために出発ニャ!」

「……うん、頑張ろうね」

 

 色々と寄り道をしてしまった気もするけれど、ご主人の防具を完成させるため、ようやっとザザミを倒す日が来ました。

 ご主人の武器だってそれなりのものだし、これで防具ができてしまえば、下位クラスの村クエなら全部クリアできるんじゃないかなと思う。

 

 後は俺の装備だけど……どうすっかね? 先日ディノバルドを倒し、素材が手に入った。ご主人の武器を作るにしても、牙が足りずまだ作れない。それなら俺の武器を作れば良いんじゃないか? なんて考え、加工屋へ向かったが、斬竜の尾刃片を要求されました。鬼かと思いました。

 ディノの尻尾は本当に出ないんです。一応、捕獲報酬でも出た気がするけれど、その確率はかなり低い。そうなると尻尾を切らなきゃいけないわけですが、アイツの尻尾って狙い難いんだよなぁ……

 そんなわけで、ディノ武器は諦めることに。そうなると、ザザミ武器なんかが候補に上がるけれど、残念ながらあの武器は近接型。ブメネコの俺が使っても恩恵が少ない。

 

 つまるところ、俺の装備も当分はこのままっぽいです。

 ホロロ、レイア、ガララの状態異常武器。あとはナルガ武器なんかが目標になると思う。まぁ、それよりもご主人の方を優先しないとなんだけどさ。

 

 そして、そのご主人だけど……

 

 

「ご主人、元気出すニャ」

 

 昨日のせいか、どうにもご主人に元気がない。まぁ、クエスト中もそうだったし、打ち上げでも酔い潰れるしと散々だったもんね。

 

「あー……うー……やっぱり呆れられちゃったよね……」

 

 いや、あの相棒は気にしてなかったぞ。むしろ、昔の自分を見ているようで応援したくなる。とか言ってたし。きっと最初なんて誰だってそんなものなんだろう。どうか一生懸命頑張って、立派なハンターとなってくださいな。そのために俺もできる限り手伝うからさ。

 

「あのハンターさんは気にしてなかったニャ」

「……ホント?」

 

 うん、ホント。だから、ご主人も元気を出してくれ。いくら一度倒した相手とは言え、ご主人は初期防具。そして、ザザミも油断ができるような相手ではないのだから。

 

 うん? ああ、そっか。これで防具が完成してしまうと、今のご主人の防具を見ることはなくなってしまうのか。むぅ……それはちょっと寂しいな。今作の初期防具……つまりベルダー装備のことだけど、すごく良いよね。ユクモ一式も好きだったけれど、それ以上にベルダー装備は好きだ。

 MHXのOPに出てきたベルダー一式のハンマー使いの少女に惚れたのは俺だけではないと信じたい。

 後は、今作の受付嬢装備であるサージュ一式とかもすごく好みです。ザザミ一式も嫌いじゃないけれど、正直見飽きたと言うか何と言うか……MHP2Gをやるときは必ずザザミ一式を最初に作っていたし。

 いや、ザザミ一式が可愛いことに違いはないけどさ。

 

 さてさて、防具談義はこの辺にしておこうか。だって終わりが見えないもの。

 

「本当ニャ。それに今は目の前のクエストに集中した方が良いニャ」

「……うん、そうだね。ありがとうネコさん」

 

 どういたしまして。

 これですっかり元通り。とは流石に言えないだろうけれど、多少は元に戻ってくれたかな? 目的地である旧砂漠まであと少し。こんなところで止まっているわけにもいかないのだ。どうかどうか頑張ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで2回目のザザミ討伐クエスト。

 

「乗ったよ! ネコさん支援お願い!」

「ナイスニャ。ご主人」

 

 どうなるかなぁ。なんて思っていたけれど、その辺はご主人もしっかりしているらしく、動きに問題は見えない。

 エリアルハンマーだしザザミとは戦いやすいってのもあるだろうけれど、やっぱりこのご主人はなかなか上手いかもしれない。

 

「よっし、成功!」

 

 ぐぅれいと。

 確か、要求素材には爪があったはず。だから今回は一生懸命爪を狙います。ただ、破壊報酬条件は両爪破壊なんだよね……なんとか壊せれば良いけど。ご主人が大ダウンを奪ってくれることを願おう。

 

 できるだけ正面には立ちたくないけれど、攻撃はステップ連打で無理やり回避。この身体にも随分慣れてきちゃったなぁ。

 

「ん~……よいしょと」

 

 ブレスの終わりに、ご主人の溜め3カチ上げがザザミの頭へ直撃。其処で、本日2回目のスタンを奪った。

 

「あっ、やた」

 

 2乗りで2スタン。相手の体力もそろそろなくなるはず。そうだと言うのに、両爪の破壊はまだ終わっていない。

 

「ご主人。左爪を狙うニャ!」

「あっ、うん、了解です!」

 

 多分、報酬で出るとは思うけれど、壊せば確定。ソレを狙わない理由はない。

 そして、スタン中のザザミの左爪へご主人のホームランが入ったところで、ザザミの爪の表面が砕けた。ナイスです。

 これで後はもう倒すだけ。うむうむ、順調順調。

 

 

 

 

「おおー! 前の時よりも早く倒せた気がする!」

 

 両爪の破壊が終わって直ぐ、ダイミョウザザミは倒れた。

 うん、確実に前よりも早いね。まぁ、あの時のご主人の武器はかなり弱い武器だったし、そりゃあタイムだって良くなるだろう。0分針ではないと思うけれど、5分針で倒せたとは思う。

 

「お疲れ様ニャ」

「うん、お疲れ様」

 

 さて、これでご主人の防具は作れるだろうし、次は……ホロロとかだろうか? カブラやハプル、クックにフルフルとまだ戦っていないモンスターは多いけれど、そろそろ動きがあって良いと思う。

 ただ、テツカブラの素材はご主人の武器強化に使うし、戦っておきたいかな。

 

「剥ぎ取りも終わったし、帰ろっか」

「うニャ」

 

 此処までは何の問題もなく進めている。このままの勢いでいければ良いけれど……まぁ、どうせそんなに上手くはいかないよな。

 もし、このご主人が止まってしまうようなことがあった時、俺はちゃんとフォローしてあげることができるのだろうか。

 

 

 

 

「あ~……疲れたぁ」

 

 帰りの飛行船上。ぐったりと言った感じのご主人。

 クエスト自体はかなりサクっと終わったし、その疲れている原因は……昨日のことなんだろうなぁ。

 

「あのハンターさんってまだベルナ村にいるのかな?」

「ユクモ村へ行くと言っていたからもういないと思うニャ」

 

 なんでも、あの弓使いの少女がユクモ村にいるらしく、会いにいくんだと。あと、温泉に入りたいとか言っていた。多分、まだ開いてないだろうけど……そのことは伝えなかった。

 有名なハンターは色々な場所へ飛ばされて大変ですね。弓ちゃんもタマミツネを倒してくれとか言われてユクモ村へ行ったんだろう。ただ、俺はちょっとあの弓ちゃんが苦手です。腹黒いんだよ、あの子……

 

「そっかぁ……じゃあ、やっぱりもう会えないのかな?」

 

 ん~……そうかもしれないね。また会おうね! なんて相棒は言っていたけれど、アイツも忙しいそうだしなぁ。俺たちが大老殿へ行くことはないだろうし、会うのは難しいかもしれない。俺だって相棒のことは好きだし、また会いたいところではあるけど。

 

「はぁ……もっと色々とお話したかったなぁ」

 

 ご主人ったら全然会話できてなかったもんね。もう少し頑張って欲しいとは思うけれど、それほどにあの相棒はすごい存在なんだってことが分かって、それが少し誇らしかった。

 

「お話ならボクが聞いてあげるニャ」

「いいよ、ネコさんは」

 

 ……なんだか最近、俺の扱いが雑になってませんか? お願いだから、捨てることだけは止めてほしいのだけど。

 

「いいよね、ネコさんはあのハンターさんとあれだけお話ができて」

 

 ご主人だって話をする機会は沢山あったと思うけど……

 それに俺の場合はあの相棒と色々とあったわけですし、そりゃあ話くらいする。まぁ、そのことをこのご主人は知らず、俺も言うつもりはないんだけどさ。

 

「ご主人が気にしすぎなのニャ」

「だって、相手はあの有名なハンターさんなんだもん。そりゃあ緊張しちゃうよ。ネコさんはあのハンターさんのことを知らなかったから……」

 

 知らなかったから、か。もし、俺がこのご主人の立場だったら、俺も緊張して話せなくなるのかな? いや……そんな姿、想像できんぞ。憧れのハンターと一緒にクエストへ行きたいとは思うだろうけれど、その理由はご主人が思っていた理由とは違う気がする。

 負けず嫌いなこの性格。自分よりも上手い奴を見たら、きっとソイツよりも上手くなろうと足掻くだろう。相手がハンマーなんかを使っていればなおさら。

 自分にそんな実力がないことくらい分かっていると言うのに……

 

「それなら、ご主人もあのハンターさんくらい上手くなれば良いのニャ。そうすればきっと、今度は緊張なんてなく話せると思うニャ」

「い、いや、流石にそれは無理だよ。私なんてまだまだ駆け出しのハンターで下手っぴだし……」

 

 ん~駆け出しのハンターの中ではかなり上手いと思うけど……少なくとも、下手ではない。それに、駆け出しってことは、どっかの誰かと違い、まだまだ伸び代が沢山あるはず。直ぐに上手くなることなんてないし、自分が上手くなったかどうかは分かり難い。

 まぁ、つまりはコツコツ頑張るしかないってことだけど、やっぱり目標はあった方が良いと思うんだ。最初から諦めていたって仕様が無いのだから。

 

「大丈夫、ご主人ならきっとあのハンターさんに負けないくらいの凄腕のハンターになれるニャ。そのためにボクも頑張るから……ご主人も頑張ってほしいニャ」

 

 この小さな身体にできることは少ない。

 それでも、精一杯頑張ってみるから、ご主人も頑張ってほしいと思うのですよ。

 

「……ありがとう。うん、そうだね。私も頑張るから、これからもよろしくね、ネコさん」

「うニャ!」

 

 まだまだ、序盤。やらなきゃいけないことが沢山あるけれど、なんだか良いパーティーになってきた気がします。

 ご主人もそんなことを考えていてくれたら嬉しいです。

 

 






ハプルボッカのことをずっとハプルポッカだと思っていました
でも、間違えている方は多そうですね

と、言うことで第13話でした
これで防具も完成しますし、進めていくことができますね
次話は……未定です

では、次話でお会いしましょう

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