Evolve!!   作:プラハ市民

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どうも、プラハ市民です。
最近クトゥルフ(クラーケン)での勝率がダダ下がりしてます・・・。
やっぱり電撃波ガン振りでの、StageⅠ強襲は無謀だったのかな?
メディックとトラッパー確殺できてもサポートががががが。

それと今回から本当の意味で本編開始です。主人公は転生してから四日程度経ってます。
え?じゃああの転生物語後の語りみたいなのはって?
それは今後わかります、はず。








Evolve StageⅢ

 

 

 

 

渓流全体を温かい自然の恵みである、朝日が照らす。

そんな中俺は陰気臭い大きな空洞の中で目を覚ます。

自身の寝ていた場所の近くには昨日夕食として頂いたマンモスバードの骨が、まるで博物館にある化石さながらの整った状態で放置してあった。

他にももう既に土に埋もれて何の動物の骨かも分からない物があったり、空洞の壁には何か鋭い物で傷を付けたような切り傷もあり、ここに捕食者の地位にいる存在が住んでいる寝床だと確信させられる感じとなっていた。

 

俺は未だ慣れない地べたでの睡眠に、痛みこそ感じないが硬くて寝心地が良くないと不機嫌そうな唸り声を上げて、この身体になってから得た人間とはかけ離れた凄まじい嗅覚と蛇のピット器官に相当するモノを使って、周囲に異変がないか確認する。

 

 

 

 

ということで、身の回りを確認していたら自己紹介が遅れました。

俺、性を上杉、名を葵と言う者です。

・・・・女っぽい名前だって?

それについてはあまり言及しないでいただきたい。何故なら俺はこの名前と前世の身体の所為で結構面倒な目に遭ってきたからですよ。

この身体になる前の身体は、中性的であんまり筋肉も付きにくく流線的なボディの所為で、よく女に間違わられて小学校から高校まで何度か男子に告られた事がある程。

俺に同性愛の気なんてないっつうの!って言っても「え?お前女だろ」と返されるのがオチで、最も酷かったのは「俺は男でもお前が好きだァァァ!!」って叫んだ友人。

もちろん絶交はアカンので、友人としての付き合いはしっかりやったけど、積極的に絡みはしなかったなあ。

だって男なのに俺が好きって目の前で叫ばれたら、恐怖を感じるのは当然でしょ?

 

 

また話が逸れてしまった。この話をしている時に話を逸らしちゃう癖どうにかなんないのかね。

さて気を取り直して、次は俺の転生について話したいと思います。

俺こと上杉葵は、前世では高校を三年間きっちり過ごし、成績では高校二年生までは例外である保健・体育を除いて全教科評定4~5、高校三年生では全部5を取れていたのですが、やはり保健・体育では実技の方が足を引っ張ってしまい、3という悔しい評定で終わってしまった。

それでも、俺海外の大学から入らないかって勧誘来るくらいにはブイブイ言わせてたんですよ?本当ですよ。

まあ大学の勧誘はほとんど断りましたけどね。

え、なんでって?

そりゃあ、自身の母親が病気で苦しんでるのに一人置いて大学に行ってられませんよ。

父親はいないのかと言われると非常に答えにくいのですけどあの糞野郎、母さん残して蒸発しやがったんです。

マジありえません。俺が母さんを少しでも手助けできるようにと、奨学金狙って勉強したりピンポイントでの株とかやってなかったら今頃俺は餓死、母さんは病死してたね。まあすぐ死ぬんですけど。

あの糞野郎、後で絶対地獄すら生温い所にぶち込んでやったのによ、俺は母さんを病院まで車で送って行こうとした時に起こったトンネルの崩落事故に巻き込まれて二人とも即死。

母さんは治るか分からない病魔に蝕まれていて糞野郎の蒸発という事にショックを受けていたから、あの苦しみから解放されたのだと思うと母さんは天国で今度こそ幸せに暮らせるのだろう。

 

 

だが俺は何があったのか死後の世界に行くのではなく、元居た世界と違う世界へと転生した。

種族が人間からエイリアン的なモンスターへと変化して。

始めは理解できなかった。

崩落したトンネルの天井の破片で車ごと潰されて死んだと思ったら、意識が暗転して数十秒後にはよく分からん所で目が覚めたのだから。

排気ガス臭くビルの多く立ち並ぶ現代的な街の近くのトンネルから、いきなり自然の満ち溢れる渓流へと景色が変わったら誰もが放心するはず。

理解できなかった点は他にもいくつかあって。代表的なのは身体を起こした時の目線が高くなっている事や、自分のすぐ隣を横切った二足歩行の恐竜みたいな生物と、それを見て身体が瞬時に両腕を動かしていたことだ。

恐竜のような生物を見たときに、一瞬赤外線で物を見たときみたいな視線に変化したと思ったら、瞬く間の間に誰のかも分からない二つの鋭利な鎌が恐竜を仕留めていた。

そして恐竜を切り裂き、血で真っ赤に染まった二つの鎌を見ても恐怖心も抱かず、吐き気すらしなかったのに加え、逆に獲物を仕留めたという高揚感が湧き出てきた自分に頭が混乱して情報整理ができなくなり、両腕を動かして獲物の皮を剥ぎ、得体の知れない能力を使って血肉を屠っていたことをはっきりと認識できなかった。

数刻ほど経って、何とか混乱から立ち直った俺だが、俺はこの可笑しくなった身体は生物本来の本能に従って行動をしたのだと完結できたのは殺した獲物の姿を思い出してからだった。

 

 

これで転生初日は終了。

数多くの未知なる体験をして、疲労がピークに達していた俺は彷徨う様に身体を休める場所を探し、最適な場所を見つけたと同時に眠りについた。

ここまでが、俺が転生するまでと転生してすぐの事。

 

転生二日目からは冷静に物事を判断し、”転生した俺がどんな状況に置かれて”、”俺自身の身体がどう変化したのか”、”人間でなくなってしまった自分自身の本能を制御できるのか”などの今後の生命活動に重要な点を重点的に解析していった。

 

始めに俺が今どんな状況下にあるかだ。

まず要点を摘まんで言えば、俺は一度死に、人外へと転生を果たし、進化の枠から外れた生物で溢れかえる渓流で目を覚ました。

そして大自然のど真ん中で、野生の生物として生きる術を知らない。

寝床となる場所は確保したが、食料については一切の貯蓄が不可能。

よって食料は現地調達で補い、それに伴う狩猟方法の確立。

捕食者として生きる上での心得や、この渓流の食物連鎖のピラミッドの調査。

生息する原生生物の種類と、自身の脅威と成り得る存在の対処法。

その他にもすることが山積みだが、次の事柄に移る。

 

二つ目に俺自身が人外へと変化し、身体が根本的な部分から変わったのかどうかだ。

まず身体能力と身長の高さ、体重、四本ある腕の内形状が鎌型になっている二本のレンジ、食事の時見た超能力といったところを調べる。(もちろん体感なので違うかもしれないが)

 

身長:6m弱  体重:16t弱  鎌のレンジ:約5m 

 

瞬間最大速度:286km/h  背中に生えている棘:約3m

 

次の記録は俺が使えるようになった超能力とも言える「限定的な異次元の操作」によって可能となった技の射程及び攻撃法だ。

 

自分を中心として発生させれる衝撃波の届く範囲:336m弱

 

神隠し(離れた敵を捕らえて元居た場所まで戻る技):空間を弄って速度を上げているので105mを四秒で移動できる、検証によって1000mまでなら何とか届く模様。

 

囮:これまた空間を弄り、人間の細胞の480倍も早く全体の細胞を分裂させることを可能とし、七秒間だけ分裂させた細胞を戦闘対象を欺く道具として使用可能、どうやら細胞は私の動きを記憶しているようで対象への攻撃まで行ってくれる。

加えて、自身のクローンを囮として分裂させた際に、俺自身は数秒だけ透明になれる優れた技。

 

亜空間:限定的ながらも異次元を操れる俺の奥の手みたいな物。空間を操って周囲を自分自身が強化される空間に変換できるため、全体的な身体能力が向上、更に身体能力が向上したことに伴って腕の鎌を振りまくれるようになる。(乱舞状態)

囮との併用で、クローンにも亜空間の強化が適用されると判明。

 

以上が俺の変化した身体と扱えるようになった超能力だ。

完全に人間のにの字もないほどに変わってしまった。

正直ゲームでいうチートとかいう代物と大差ない気がするのは気のせいだろうか?

自然界でこんな攻撃精神(エラン・ヴィタール)溢れる存在になってしまった俺は大丈夫なのだろうか。

それについては次の事柄でだ。

 

最後にどしっと腰を据えているのは、こんな捕食者としてトップに君臨できそうな技と能力を保有しているこのモンスターの本能を俺が抑えることができるのかだ。

そもそも本能は、動物が生まれつき持っていると想定されている、ある行動へと駆り立てる性質であり、これに抗うことは不可能だ。

ではどうする?

やはりここで重要な事は、このモンスターの本能と前世の俺が人間であった時の本能がうまい具合に葛藤を生み出してくれるかにある。

モンスターは自身が生きるためなら何でもする。

それに対して人間の心では仲間意識や、公正、利他主義、嫌悪などの何でもするモンスターとは違いある程度の選択肢が生まれるため、選択による限定的な行動か、とりあえず自身が最善だと思うことを本能的にしか考えずに行動するかで2つの側面ができる。

これが起これば俺としては万々歳なのだが、現実はそう上手くいくほど甘くないので、最悪な事態も想定はしていたい。

俺は今、モンスターの身体になり魂も身体に引っ張られているが、それでも人間の心はあるため、もし言語の通じる生命体と遭遇した時に友好的に接することができるかもしれないという淡い期待を持っての行動になりそうだ。

 

 

まあ何はともあれ、転生二日目にここまで深く考えていては雁字搦めになりそうだ。

今日はここまでにして、さっさと狩りをしてこよう。

超能力を活用した狩猟法の確立をすれば、これからの行動の制限をいくらか解消できるはずだからな。

そうと決まれば日も少し傾き始めているから、穴倉から出て行動開始だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――主人公はまだ知らない。

 

 

 

―――――――――この世界の人類は衰退していることを。

 

 

 

―――――――――ガストレアという寄生生物が我が物顔で地上を支配していることを。

 

 

 

―――――――――そして転生して数日後には自分が人類に恐怖される存在と化すことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文が途中から迷走した感があるのですが、大丈夫ですよね(震え声)
という訳で第3話(?)終わりました。
完全に主人公のスペック語りになってしまった・・・・。

で、でもいちを主人公の転生までや転生してからの話が入ったからモーマンタイなはず。

※レイスの眼については、原作でも明記されてなかったので勝手にあると解釈しました(目と思わしき物はないとしか表記されてないから)




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