暇つぶし程度にどうぞ。
主人公はStage3の状態からです(つまり最初からクライマックス)
―――――――――――ザザッ
風に煽られ棚引く木の枝の葉は、大きく音を立てて自身を強調する。
周りには木々が生い茂って、巨大な
地面を覆いつくす深緑色の草と奇妙な事に発光している苔は、ジャングルのようにツタが壁沿いに垂れ、人類が未だに立ち入ったことのない未開の土地を思わせる、幻想的な自然の雰囲気を見事に醸し出していた。
本来はこの世界の食物連鎖の頂上には、現在ガストレアウイルスに感染し遺伝子を書き換えられた存在が頂点に君臨しているにも関わらず、この渓流には豊富な数の生物が生息していた。
二足歩行を行う小型の恐竜のような生物を始めとした、見た目がカモノハシのような中型の生物や、獲物に向かって駆け出した背中に棘のある豹のような生物を飲み込んでしまった、近くの岩に擬態していた巨大なカエルなど特徴的な面子だ。
それでいて素晴らしいのは、この渓流では生息している生物がガストレアではなく、元来ここにいた生物が自然の摂理や循環を乱すことなく生命の営みをしているということだ。
無論この渓谷にも自然の循環の一環としての、食物連鎖と言う物は存在している。
一概にどういう食物連鎖のピラミッドが形成されているかは定かではないが、恐らく
「グルルルッッッ・・・・」
四足歩行の人間の何倍もあるような巨体を屈め、大型の草食獣はシダ植物を咀嚼する。
詳しくは分からないが、彼はこの渓流に生息する草食獣の中でもずば抜けて大きな体を有していると思われる。
彼自身の根は臆病で、他の生物を襲うような事はしないが自身より巨大な存在や何故か人間に対しては積極的に攻撃を仕掛ける変わり者である。
いくら肉食獣と言えども、その巨体から繰り出される攻撃を受ければ一たまりもないはずである。
――――――――――――最も此奴が自身を狙う
「シャアアアアァァァァァァァァァァ!!!」
突如草食獣の真後ろから、一言で表すと某映画のエイリアンのような容姿の巨大な生物が突如として現れ、コンマ数秒で
草食獣は始め数秒は抵抗して見せたものの、最終的には辛うじて動いていた前足の動きすら止まり、完全に屍と化した。
「グオオオオォォォ・・・・」
最後に彼が出した声は、空しさを残しながらその場に小さく響く。
巨大な生物は獲物が息絶えた事を確認すると、下部と上部の四本の腕を一気に引き抜きすぐ様おこぼれを貰おうと群れ始めるハゲワシのような鳥を上部の腕を振り回して追い払う。
獲物の無残にも上下から突き抜かれた喉元からは多量の血が流れだし、その土地の養分となる。
寄ってきた鳥を追い払った巨大な生物は、ようやく食事を始めたと思ったらその鋭利な歯が幾つも生えた口で獲物を食らうのではなく、獲物の皮を剥ぎ血肉をまるで水を飲むかのように額を発行させながら啜って食事を始めた。
そして何かから身を隠すかの如く音を立てずに獲物を食し、残った骨を移動を始めると同時に
蛇のように這って進みだした巨大な生物は一瞬白くなったかと思いきや数十メートルも離れていた場所に瞬間移動しながら早々とその場から離脱していった。
今数分にも満たない時間で狩猟を行い、目立つような食事の痕跡すら残さずにこの場を去った巨大な生物こそ、この渓流での食物連鎖のトップに君臨する見た目通りの
何も無い所からいきなり現れた周りに完全に溶け込む隠密性と、狙った獲物は逃がさない
しかしそれほどまで狩りに特化していて不気味とも言える姿でありながら、婦人のようにスレンダーで美しい胴体やそこから生える数本もの尖状的な棘も併せて特殊ながら一種の美を感じさせるようだ。
―――――――――――そんな生物の名は”
―――――――――――まるで魂が身体から抜け出て動く
―――――――――――生きている生物の怨霊で祟りをするもののように狩りを行い
―――――――――――ガストレアとは異なる存在ながら人々を恐怖のどん底へと誘う
Evolveはいいぞ(露骨な勧誘)
最近は過疎っちゃってるから仕方ないね。
というわけで一話というよりはプロローグみたいな感じになってしまいました。
これから本格的に話に入っていきますが、基本的に戦闘はパパッと終わらせます。
キーポイントとなる場面ではちょっと長くなるかもです。