裏サブタイ『ノリノリ実況ネネさん』
「フィーグっさぁんっ!!
あああ…アナタは何て事を、してくれてやがったんですかぁあ~っ!?」
おお、久し振りだな、ソロ君や。
…それで、君は何を、そんなに怒っているのかな?
サミットの前日、旦那の店(いえ)に行ってみると、一足先に来ていたソロが、俺の顔を見た途端、血相を変えて斬り掛かってきた。
…って、ちょ…おま…!?
ガィン!
「わったったっ!!?
待てソロ!落っ着け!」
「断りも無く…てゆーか寝てる間に、あんな処(じごく)に連れて置いて行くって、一体どーゆー心算ですかぁっ!!
僕が何度死ぬかと…ゼヴィウスさんに殺されると思ったか、解りますかぁっ?!!」
「いやいや、それは無いだろ?
あの親父、鬼畜な無茶振り指導は するが、それでも怪我させないのには、定評が有るからな?」
「そーゆー問題では、有りません!!」
やっば、マジやっば!
ソロ君、予想以上にマジだわ…!!
「まあ、そうなりますよね。」
「ですよねー。」
それを、「然もありなんwww」とばかりに笑いながら見ているのは お姉さんズ。
ちょ…見てないで、止めましょうよ?
「兎に角、素直に一太刀受けて下さい!
フィーグさんに一撃喰らわす事だけを考えて編み出した、僕の新しい必殺技!!」
スチャ…
「!??」
そう言うとソロは、手にしていた雷鳴の剣を腰に携えていた鞘に納めると、其の儘 抜刀の構えからダッシュを仕掛けてきた。
それを視た俺は、脳内で高速思考を開始させる。
納刀した剣の柄に手を添えての、抜刀の構えからのダッシュ。
まさか、何のヒントも与えられていないソロが、いきなり『アレ』を繰り出せるとは思えない。
フランベルジュにソロを置いて行った際、親父は自身の必殺技…『Lion de Furea』を叩き仕込むとか言っていたが…
しかし これは魔法剣でもなければ、切っ先を地面に当ててのダッシュでもないから、恐らくは其れでは無い。
敢えて予測するならば、其れの原型である『地摺り残月』の派生技…ダッシュで間合いに入った瞬間の、居合い抜きでのアッパー系斬撃!
因みに此の思考、0.01秒足らず!!
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「うぅ…新必殺ですよぉ?!…新必殺…
ゼヴィウスさんも そうでしたが、普通、初めて繰り出した時は、躱したりブロックせずに、見事に決まるのが、常じゃないのですかぁ??!」
がっくしと、orzってるソロ君。
ふん!俺や親父に、そんな様式美(おやくそく)が通用すると思っていたのか。
ソロが繰り出したのは俺の予測通り、居合い抜きの斬り上げ。
そして其の儘 瞬時に斬り落としに繋ぐ、下から上の、神速の二段斬りだった。
聞いてみると、親父の修行中、残月を繰り出そうとした際に、ふと閃いたらしい。
ほほぅ…頭の上に、白色電球が点ったか?
ウチの親父様は、ア〇ラ大先生かよ?
…尤も、親父は一撃目をいきなりブロックしたらしいし、俺も初撃は予め読んでいたのでスウェーバックで躱し、予測の外だった二撃目も、反射的に方天画戟でキッチリと受け止めたのだが。
「あ~、無い…
フィーグ~?これは、無いわぁ~。」
「…でっすよね~?
あの場合、素直に技を受けて、『ぬわーっ!』ってなるべきですよね~?」
「何でだよっ!?」
そして その、一連の流れを見ていた お姉さんズが、何故か俺に非難囂々。
いや、俺や親父だから、何とか凌げただけで、普通に凄く良い技だったぞ?
決まっていたら、痛いじゃ済まないぞ?
それを喰らえと言うのですか?貴女達わ!?
「だからソロ、お前も何時迄もorzってなくてな…」
「う~…大体、本当に人に断りも無く…」
「いや、だから お前、事前に言ったりしたら、ルーラとかで逃げるだろ?」
「うっ!!?」
因みに傭兵団拠点(フランベルジュ)に ぶち込めさえすれば、団長(オヤジ)のシゴキからは逃げられない(笑)。
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「そう云えば、フィーグさん達は、何か手掛かりとか掴めたんですか?」
「「「………。(¬з¬)」」」
「何故、目を逸らすんですかっ?!」
…その後、何だかんだで機嫌を直してくれたソロが、今度は俺達の、この1ヶ月の様子…特に、黄金の腕輪絡みの情報集めの成果なんかを聞いてきたのだが、せいぜい件の誘拐犯の人相書きを入手した程度なんだよな。
とりあえず、周辺の…囀りの塔とか、それこそ最初に腕輪が置かれていた洞窟内を隈無く探索したが、居るのはモンスターばかり。
洞窟内最深部で、まるで檻の様な隠しフロアを見付けたりはしたが、扉には施錠されており、その鉄格子の先には進めず。
塔の最上階では、その屋上フロアでエルフと遭遇、エルフなら何かしら知っているかもと思い、話し掛けようとしたら、
「ひっ?!人間っ!!?」
「攫われる~!」
…って、人の顔を見た途端、逃げ出しやがった。
全く、御無礼な奴等だ。
「…後は、レイクナバ地方で、ドラゴン退治したりしてな…」
「ど、ドラゴン…ですか?」
「待て!外伝!!」
…いや、マーニャさん?
そんなの予定してないからね?
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「皆~、久し振り~!」
「あ、お久し振りです。」
武器屋(みせ)の前、馬車(バス)から降りてきのは姫さん達、サントハイム組。
…そして、ライアンに負けず劣らずな、マッソーマンな男。
「「お、おおおお…」」
その男を見て、何やら わなわなと震える お姉さんズ。
「オーリン!」「オーリンさん!!」
「御嬢様!」
がばぁっ!!
「オーリン~!オーリンオーリンオーリン~!!」
「オーリンさん…良かった…本当に良かった…」
「うぉおぉお!御嬢様~!!」
そして その男…オーリンに、マーニャさんがダッシュ&ハグ!
更には3人が其の場で、号泣だよ。
成る程…この男が、マーニャさん達の父親、錬金術師エドガン氏の弟子の、オーリンか。
父親の弟子であり、嘗ての仲間、或いは恩師の娘との再開に、涙を流しながら抱き合い、喜ぶ3人。
目の前で、マーニャさん(&ミネアさん)が筋肉達磨と抱き合っている…と言っても、其処に互いに下心は存在しないのは解っているから、別に場違いな感情は浮かんだりはしない。
いや、本当に本当だぞ?
あれ見て妬いてキレるなんて、どれだけ器、小さいんだよ?
…だから、ソロ?
シバかれる前に、その「ざまあw」と言いた気なニヤけ面、引っ込めとけ。な?
「そ、そういう台詞は、拳骨する前に言って下さい!(T_T)」
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「御嬢様、これを…」
「「??!」」
感動の再会、そして互いを懐かしみ、互いの無事を喜び合う会話が一通り終えた後、オーリンが腰に提げていた道具袋から取り出したのは、握棒(グリップ)の付いた、拳サイズの青い水晶の様な透き通った鉱石。
「これは…?」
「はい、これこそが【賢者の石】!
私とエドガン様が求めていた、錬金術で創り出した、奇跡の品です!!」
「「「!!?」」」「…?」
賢者の石!
それを見た俺と お姉さんズは驚きの表情を浮かべ、ソロは そのアイテムをイマイチ理解出来ていないのか、頭の上に疑問符(クエスチョンマーク)を浮かべている。
「…あの後 暫くして、漸く…漸く精製に成功しました!」
聞けば時期的には、俺達がエドガン氏の隠し研究室を訪れる少し前に、この石をあの場所で創り出していたらしい。
見事な迄の、タイミングの悪さだぜ。
もしかしたら、もう少し早い時期に、この超便利マジックアイテムを入手出来ていたかも知れなかったとは。
これさえ有れば、キングレオ城やサントハイム城の戦いなんかも、もっと楽に進められたのに。
「これが、お父さんの追い求めていた夢の結晶…」
「ありがとう、本当に、ありがとう、オーリン…」
そんな俺の、打算的思考とは裏腹に、感慨深くなる お姉さんズ。
「これは、アンタが持ってなさい。」
「…はい。」
そして この、錬金術が生み出した、集団回復魔法の概念が込められた水晶石は、ミネアさんが持つ事に。
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「それじゃあ私達は、先に お城に行ってるわね。」
「また、後日ですな。」
「それでは皆さん、とりあえずは失礼します。」
オーリンを連れて来た姫さん達は、この感動の再会を貰い泣き(特にクリフトが)しながら一通り見届けた後、旦那ん家で軽く お茶を飲んだ後、サミット出席の為、エンドール城に向かって行った。
そして この後、
「…時に、先程からマーニャ様にピッタリと引っ付いている赤い髪の男…
貴様、フィーグ・ガンリュージマで間違い無いな?」
オーリンが俺に、話し掛けてきた。
いや、違うぞ?
ピッタリと引っ憑いているのは、マーニャさんだぞ?
「…少しだけ手合わせ、願おうか?」
「え゙?」
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
「フィーグ~!オーリン~!
どっちも頑張れ~!!」
「オーリンさーん!」
………………………………。
どうして こうなる?
広い庭で、ゴッツいハンマーを構えるオーリンと対峙する俺。
「マーニャ様が選ばれたと云う男の力量、亡きエドガン様に代わり、この私が見極めてやる!」
お前は父親か!!?
「始め!」
そして手合わせの為に店の裏庭を借りようと、仕事していた旦那に了解を取りに行った際、その話を聞いて店を抜け出した…もとい、休憩に入ったネネさんの号令で、俺とオーリンの模擬試合が開始された。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ぬぇええぃ!」
ガガァン!
「危なっ!?」
おぉっーとぉ!
いきなりオーリンさんの、巨大ハンマーの振り降ろしだぁ!
フィーグさんが それを、「勘弁マジ勘弁」と言いた気な表情を浮かべながら、必死に躱すぅ!
「ふっ…よくぞ躱した!
この私が鍛え創った【魔神の金鎚】!
当たれば只では済まぬぞ!!」
「んなもん、模擬戦で使ってくんな!」
はい、フィーグさんが尤もな突っ込み!
魔神の金鎚、キターー\(゚∀゚)/ーー!!
オーリンさんが装備していた、長い柄の、両手持ち仕様な巨大戦槌。
それは当たれば間違い無く会心の一撃、しかし その一方でスカしてしまう事も多々有ると云う、ネタアイテムと言っても差し支えの無い、あの魔神の金鎚でした!
「おおりゃあっ!!」
「ひぇっ?!」
それを知った、その恐ろしさを知っている…否、識っているフィーグさん、先程以上の必死な顔で、オーリンさんの攻撃を避け続けていまーす!!
それにしてもアレ、なかなかの逸品です。
このバトルの後、譲って戴けないか交渉してみる価値は有りますね。
現品限りの掘り出し物として、お店の目玉商品の棚に陳列したいです。
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「ぬぇえぃ!」
ガン!
既に模擬戦じゃねーし!
あんなの貰ったら、普通に死ねるし!!
ちぃ、こうなったら俺も、少しだけマジに なってやる!…か~ら~の!!
「覇極流千峰塵!!」
バシュッ
「うぉおっ?!」
「どーだ、オッサン!世界最凶傭兵の七光りは、伊達じゃねーぞ!!」
これから先、ずっと俺のターンだ!
「抜かせ小僧!
だったら俺も、遊びは終わりだ!!」
どすん…!
そう言うとオーリンの野郎、あの厄介な金鎚を地面に重い音を発てて置き棄て、格闘戦の構えを。
………………………………………。
ラッキー!
このオッサン、素手で槍に勝てるとでも思ってるのかよ!!
滅多突きにしてやるぜ!!
ぶぅんぶん…
此処で何時もの、頭上で槍ぶんぶんの決めポーズを構えてみるが、
「「「「……………(¬_¬)」」」」
…………でっすよね~。
お姉さんズ、ソロ、ネネさんが揃って、「え?コイツ、マジ?」…なジト目な視線を送りつけています。
はい、分かりましたよ!
俺は空気の読める男。
方天画戟を地面に置いた。
「上等だ、コラァ!!格闘で勝負だ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
恐らくは…あくまでも私の予想ですが、
「ひゃっはー!あの脳筋(バカ)、得物を棄てやがったぜ!
バーカバーカバぁーーーっカぁっ!!
素手で槍に勝てると思ってるのか?
今がチャーッンス!
滅多刺しにしてやるぜ!!」
…な極悪人顔をしているフィーグさんに、私達の『圧』が届いたのでしょうか?
あの某・触角武将さんが持っている様な装飾の黒槍を渋々と地面に置くと、オーリンさんに合わせての、格闘戦の構えに。
リズミカルにステップを踏んでいます。
あの構え…サウスポーのヒットマンスタイルですか?
「オラッ!」
そして右腕を、鞭の様に撓らせてのジャブの連打!
「ふん!!」
ガシィッ
「あ゙…」
あっ、あーっと!
しかーし!オーリンさん、それを数発程直撃するも顧みず、その放たれた拳、手首をキャッチすると其の儘 背後に回り込み、瞬時に肘、腕を極めると、
「ぬん!!」「!??」
まるで独楽に巻いた紐の様に その腕を引いてフィーグさんの体を回し、自分と正面向かい合わせにした処で、
バキィッ!!
「…カッ…は…?!」
その巨躯の全体重を浴びせるかの様な、強烈過ぎる、ショートレンジラリアットぉーーーーーーっ!!
こ、これは終わりましたか?
「まだ終わってねーよ…」
……!?
えっ?えぇっ?!
聞こえました?
てゆうか私、声に出してました?
と、兎に角、私の『終わり』発言に反発する様に、フィーグさんが ゆっくりと起き上がります。
しかし、見るからに効いています。
膝、カクカクさせています。
「でぃ!」「ぐふっ!」
そんなフィーグさんに、オーリンさんが追撃のボディーブロー。
そして腰を低く屈めたフィーグさんの頭を自分の股に挟み込み、お腹をガッチリとロック、勢い良く大きく持ち上げると、
「フィーグ・ガンリュージマ!
とりあえずはマーニャ様との仲は、認めてやる!
だが この勝負は、私が貰った!!」
地面目掛け後頭部を叩き付ける、高角度パワーボぉーm
「甘いんだよ!」「な…?!」「え?」
おぉっーと!
しかしフィーグさんが その勢いを逆手に取り、両足でオーリンさんの頭をキャッチ、勢い其の儘に己の体をバク転の如く回転させての、
ガン!
「グハアッ!!」
フランケンシュタイナーが炸裂ぅーっ!
「あれは、ベロリンマンさんやホウセンさんとの試合でも見せた!」
「義父様には、逆パターンで切り替えされた!」
「これは、決まりましたか?」
はい、ソロさんマーニャさんミネアさん、解説ありがとうございます。
私が見るのは初めてですが、どうやら これ、フィーグさんの必殺パターンみたいですね。
「ぬぉおおおっ!!」
「げっ!?まじっすか?」
しかしながら、それでも起き上がるオーリンさん。
そのタフネス振りに、フィーグさんも呆れ顔です。
「…ならば!」
そしてフィーグさんが、今度は ふらふらになっているオーリンさんに向けてダぁ~ッシュ!
「行くぜ![本編]を出し抜いての、先行初御披露目!!」
そして素速く背後に回り込み、
「廬山龍尾刃~!!」
ビシィッ!!
「ゥぐヶっ!!」
見るからに弩派手な上段跳び回し蹴りを、後頭部…いえ、延髄に撃ち込んだ~~!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「うぅ…見事だ…
流石はマーニャ様が、お選びになっただけの事はある…」
「そりゃ…どーも…」
ぜぃ…ぜぃ…
と、とりあえず、「神〇君、ゴメン」的な技で、何とか この、巫山戯た模擬戦(…とゆう銘のガチ)を終わらせた。
原作(メタ)的に言えば、確かに第4章の主戦力となるに相応しい、化け物染みた強さだったが、この程度のレベルの、そして それ以上の化け物はフランベルジュには普通に居て、戦り慣れているんだよ。
「ふっふっーん♪
分かった、オーリン?
これが、私の旦那様の実力よん♪」
「御意に…」
そして未だ2人、座り込んで肩で息してる中、マーニャさんが俺の腕に しがみついてきた。
おっぉ~ぅ…
俺の上腕が、敢えて何にとわ謂わないが、沈んで逝く…
只一言、出来る事なら、此の儘、腕になりたい…。
「大体さ、父さんの代わりで私達の男関係心配するならさ、私より先に、ミネアの心配しなさいよ?
私達と、別方向の意味合いで。」
「はい?」「あ゙!?」
…………………………………。
そして この、代理親バカのオッサンを戒める心算で、意図せず別方向の地雷を踏む お姉さん。
「しかも この子ね、最近は『年上でないと…尚且つ、未経験でないと嫌だ!』って、凄い我が侭言ってるんだから!」
「「「…………………。」」」
そ、それは俺も初耳だぞ?
ミネアさんより年上…で、DTなんて、下手すりゃ それってDT通り越して、D帝様だぞ?
「或いは『魔法使い』さんですね。」
そしてネネさんが補足。
「大体ね、この子は只でさえ、超マニアック受けしか出来ない様な身体つきなんだかrモゴモゴ!?」
はい、マーニャさん、それ以上言うのは止めとこうね~?
ミネアさん、本当に拗れて喪女子さん…も〇っちになっちゃうよ?
「むっきーーーーーーーーーーっ!!」
あら?もしかして、既に手遅れ?
「と、兎に角、オーリンも、その話は終了だ…な?」
「し…承知した。」
「み、ミネアさんも、落ち着いて!」
「ハァ…ハァ…も、もう大丈夫です…。」
ふぅ…何とか、収拾付かなくなる前に、この話題、終わらせられたぜ。
「そ、そう言えばオーリン、聞いたわよ?
アンタも、綺麗な女の子と一緒に行動していたらしいじゃないの?
…今日は、一緒じゃないの?」
「ん?もしかして、妻を御存知で?」
「…?!」
ピシィッ…
ごごごごご…
…そして話題を変えようとして、マーニャさんが振った新たな御題、更に そして、それに応えたオーリンの一言が、其の場の空気を一瞬にして冷たく、重苦しく変えてしまう程の、より凶悪な地雷だった件。
「あ…やっば…」
その空気の変化を敏感に察知、ミネアさんが実はオーリンが好きでしたってのを思い出し、己の地雷発言に気付き、冷や汗を垂らすのはマーニャさん。
「実は妻のリオスは その…所謂身重でして、今回はファトゥラウエンの新居に…」
ぷち…
…そして空気の変化、更には喪女子さんの瞳から、光が喪われたのに気付いていない、オーリンの『妻』、そして『身重』『新居』と云ふ、余計なトドメの一言…否、二言三言。
「むっきーーーーーーーーーーーっ!!?」
…その後、オーリンには賢者の石に関しては、きちんと御礼を述べた上で、この日は早々に退散、ファトゥラウエン行きの定期馬車に乗って貰った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして翌日。
サミット当日。
俺、お姉さんズ、ソロ、そして旦那は
「ヒッヒヒィーン!」
久し振りに、パインウインドの引っ張る馬車に乗り、姫さん達やライアンが既に滞在中であろう、エンドール城へと向かった。
…尚、旦那の武器屋(みせ)の店頭に、何だか見覚えが有る、巨大戦槌が置かれてあったのは、別の話だ。
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
「フィーグよ…お前も一緒に、会合の間に立ち会え。」
「…まじ?良いのか?」
次回『サミット始まる!(仮)』
乞う御期待!!