真に導く者   作:挫梛道

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予想以上に長くなってしまった。(当社比)
 



この悍ましき獣人に絶滅を!!

「いただきマンモーっス!!」

「ひぇええええええぇ~っ!?」

 

(♪てけてけてけてけてーん!!♪)

前回のあらすじ!

クリフトに懸けられた窃盗強盗の疑いを晴らすべく、盗賊団のアジトの洞窟に乗り込み、頭目のバコタを基として、盗賊達を見事に撃破、捕縛したソロ達。

 

しかし、その洞窟から外に出た彼等を待ち受けていたのは、『牝』しか居ないと言われる猪の魔物、オークィーンと呼ばれる獣人の群だった。

『牡』に餓えている異形の魔物と、『人間』の、そして『男』の尊厳を守る戦いを強いられる導かれし者達。

 

そして今 正にソロが、その性獣の毒牙に罹ろうとしていた!!

 

 

 

 

 

 

…とか、脳内で言ってる場合ではないな。

助けに行ってやりたいのは山々だが、俺もコッチはコッチで、

「ぶるふふふ…こっちだって、出来ればムリヤリは余り犯たくないのよ…

さあ、全てを受け入れなさい?

今迄、経験した事も無い、天国を味逢わせてあげるわよん♪

さあ、アタシのモノに なりなさい?」

「断る!!」

悪いな。何だか何処かで見覚えのある、青竜刀を黒槍で受け止めたりしており、それ処では無いのだ!!

 

 

 

 

どん!!

「ユニバーーーーーっス!!?」

 

そんな絶体絶命なソロを助ける様に、疾風の如く駆け付け、飛び掛かるオークに真横から まるでワゴン車(約60㎞/h)vs人間な、交通事故さながらな体当たりを ぶちかます、漆黒の巨躯。

「あ、ありがとう、パインウインド…」

『ブルルルルル…』

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

その後も素っ裸(すっぱ)な少年に群がろうとするオークを、巨大な黒鹿毛が壁の如く立ちはだかり、その陰で いそいそと、引ん剥かれた装備を着込むソロ。

 

「…っらぁ!!」

ドカッ

「うが!?」

そんなソロを後目に、俺は「既に孕んでるんでね?」って言いたくなる様な、オークの どてっ腹にケンカキックを放って体勢を整える。

 

「な?非道くないぃ?れでぃの お腹に、蹴りを入れるなんてぇ!??」

「喧しいわ!覇極流千峰塵!!」

そう言いながら、このオークにトドメを刺す。

ん…この青竜刀は、後で持ち主に返してやろう。

バコタ…仇は伐ったぞ。

 

更には、

ピカァッ…どっごーん!

突如として上空に暗雲が立ち籠もり、周辺一帯に雷の刃が、雨の如く降り注いだ。

「「「ぼぼぼぼぼ!?」」」

「「「あげげげげげ?!」」」

それは確実正確に、オークの頭上だけに、狙った様に落ちていく。

 

ソロのライデイン…ではなく、

「ぅふふ…今日は本当に、当たり日の様ですね。」

ミネアさんだ。

あの、『何だか』『タロットカードとか武器にして戦いそうな顔をしている(笑)』ミネアさんが、【塔】のカードをドヤ顔で左中指人差し指で挟んで持っている。

広い範囲に敵味方が入り乱れてのバトルの中、SLGのマップ兵器な如くな反則級の識別能力だぜ。

 

「今日は もう、カードは使わないんじゃなかったっけ?」

「先程、陰に隠れて水晶玉で占ってみた結果、今日は後、5回はイケます!」

 

………………………………………。

何か さっきから、姿が見えないと思っていたら、この お姉さんわ…          

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ふふふ…フィーグさんがジト目で、何やら言いたそうな顔をしていますが、そんなの無視です。

先の盗賊団との戦闘で3回、そして更には後5回、今の【塔】を含めて、1日に9回も戦闘で この銀のタロットを引けるなんて、こんな日は初めてです。

どうせなら、1日10回と行きたかったのですが、流石に それは、贅沢ですね。

                 

そんな訳で、ソロさんも先程 言われてましたし、銀のタロット、ガンガン逝かせて頂きます。

べ、別に此処3日連続、朝の占いで『タロット使用禁止』の暗示が出ていて、フラストレーションが溜まっていたとか、そういう訳では無いですよ!

 

【悪魔】のカード…ルカナンの効果

【月】のカード…マヌーサの効果

【正義】のカード…ニフラムの効果

 

……………………………………。

あらあら?確かに『アレ』は出ませんが、なかなか一気に殲滅掃討出来る様なカードは出ませんね。

アンデッドでもないオーク相手に【正義】なんて、スカも同然ですし…。

ソロさんやフィーグさんは、ナイスサポート!…と言ってくれていますが、私が狙っているのは【皇帝】のカード、或いは【死神】のカードです!

 

 

さて、次のカード、引いてみますか…

『スティール!!』

 

あ゙ーーーーーーーーーーーっ!!?

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

いやいやいやいや!

別に『あ゙ーーーーーーーーっ!!?』でも、何でも無いですよ、ミネアさん。

そりゃ、あれだけポンポンとタロット引いてた日にゃ、マークされますって!

 

「ぐぇっふぇっふぇっふぇっふぇっ…」

因みに、ミネアさんの手からタロットを『Steal(強奪)』したのは、ソロを素っ裸(すっぱ)にして美味しく頂こうとルパンダイブを慣行した際、パインウインドの『マツカゼアタック(俺命名)』の直撃を受けた、あのオークだ。

……………………。

正直言って直視したくない。

だってコイツ、あのルパンダイブの後から、何も身に着けてないんだもん(泣)。

キモい通り越して怖いわ!!

正しく、名状し難き何とやら。

 

これが松本乱〇さんやリ〇ス・グ〇モリーに佐々木〇穂ちゃん、ヘス〇ィア様や紅〇の瞳様だったりしたら、後で殴られて簀巻きにされる覚悟でガン見なのだが。

え?マーニャさん?言わずもがなだよ。

 

「返して!私のタロット、返してよぉ!

どーせアナタじゃ、使いこなせないわ!」

ミネアさんが必死な顔で訴えるが、

「ぐぇっふぇっふぇっ…心配するな…。

占いのスキルくらい、持っているわさ!」

「「「な、ナンダッテー!!?」」」

そう言って、オークはデッキから、1枚のカードを引き抜くと、オークの足元に、巨大な魔法陣が展開され、そこから毒々しい桃紫色の、巨大なコウモリが姿を現す。

「ぬ?」「へ?」「む?」「ん?」

皆が驚く中、このコウモリの魔物…夜の帝王は口から、あの紫色の霧を吐き出し、再び周辺一帯が紫に包まれた。

 

「あーっ!もう、何なのよ!この霧わ!?」

「ふむ…打つ手無し…か…」

「パインウインド!コッチに来て、我々のガードを!」

『ヒヒーン!』

「タロット返してよぉ!!」         

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

またもや魔法が使えない空間になり、半ギレなマーニャさん達を、トルネコさんとパインウインドが守る形で、更に その前衛を、僕、フィーグさん、ライアンさんが務めるフォーメーションを組み、オークの集団を迎え撃つ事に。

 

あの大きなコウモリは今、上空で様子を窺っている感じです。

多分、この霧が晴れたら、また霧を吐く心算なんでしょう。

 

「ソロ殿!フィーグ殿!

先ずは あの、厄介なスキル持ちを叩きましょうぞ!!」

「はい!」「了解!」

「じゅる…あらあら?3人同時に相手してくれる訳?4P?ねぇ4Pなの?」

 

…………………………………………。

ライアンさんの呼び掛けに、僕とフィーグさんが応じましたが、うぅ…正直、あのオークには近づきたくありません…。

 

スティール怖い、スナッチ恐い…

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

………………………………………。

駄目だ…ソロは使い物に ならねー。

どうやら祖父(ジジイ)や親父に続くトラウマを、脳内に刻んだみたいだ。

ならば、仕方無い…

「ライアン、左右から挟み込んで、大技を仕掛けるぞ!」

「承知!」

「ソロ!お前は残りの奴等を片付けろ!」

「は、はい!!」

ソロ、あのオークの相手を外されて、凄く嬉しそう。

ん、後でマジ説教。

 

 

 

 

「ダッシュ・デ・ライノセラス!!」

「~&、牙突!」

ズザアッ!! x2!!

「ぐえっ!!」

俺とライアンの、特攻からの突き技を交差させる形で同時に決めるが、元々の生命力が高いからか、このオークには致命傷にはならない。

 

「ぐぷぷふ…

アタシは鋼なんかよりも、肉の槍や剣で、貫いてくれるのを望んでるんだけど?

分かったわ!これは前菜なのね!」

 

致命傷処か、全然効いてねー!!

…だけなら まだしも、何事をもアッチ側に解釈してきやがる!

 

そう思っていると、このオークは更にタロットを引き抜く。

すると今度は、先程同様に巨大な魔法陣が本当に周囲一帯、絨毯を敷いた様な巨大な魔法陣が現れ、一瞬怪しく光ったかと思えば、それが消えたと同時に…

 

ずずずずずずず…

 

「な!」「ん?」「だっ…」「てーっ!?」 

地中から、予め其処に埋めてあったかの様に、数えたくもない程の腐った死体が集団で、土を掘り返しながら涌き出てきた。

 

 

「あ゙ー…」

「うー…」

「に゙ゃー…」

 

不気味な呻き声を吐きながら、ゾンビの群が、俺達に ゆっくりと近付く。

 

「ぐぷぷふ…さあ、ゾンビ達!

この男達を身動き出来ない様に、しっかりと抑えつけなさい!!

そしたら後は…」

「アタシ達が…」

「ぐっぷぷふふふ…」

「ちょっと!このゾンビ達は、アタシが喚んだんだから、アタシが最初だからね!!」

「けっ!そんなの早い者勝ちだろ!

何時だって そうしてるだろうが!!」

「はぁ!?」

コッチの人権お構い無しに、何やら醜く言い合っているオークの群。

 

「あー…」「い゙ー…」「とゎー…」

そして迫り来るゾンビの群。

 

             

「破邪ぁ!!」

「「「!!」」」

その時、俺達の後ろ側から、掛け声が聞こえたと同様に、先頭を進んでいた数体の腐った死体が眩い光に包まれて、その儘 消えて行った。

「ふっふっふ、どうですか?」

「旦那!」「トルネコさん!」

そう、トルネコの旦那が、手にした正義の十露盤に込められた、破邪呪文(ニフラム)を放ったのだった。

 

先程ソロも、雷鳴の剣から稲妻を放ったいた様に、この魔法無効空間である紫の霧の中でも、マジックアイテムに込められた魔法効果は有効。

 

「ナイスだ!旦那!!」

その後も旦那は、十露盤の附いた錫杖から破邪の光を放ち、次々とアンデッドを浄化の大活躍。

全く、嘗て『Ⅳ』をプレイしていた時、『トルネコは馬車要員』とか『ガーデンブルグの時の人質役』とか言ってた奴等、この旦那に謝罪しろ。

 

 

 

 

 

     m(_ _)m

すいません、マジに すいませんした。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「えいやっ!!」「でぇや!」「素意也!!」

そして俺達物理組も、オークの前にゾンビ達を蹴散らしていく。

 

「地擦り残月!」

ライアンは広範囲に有効な攻撃こそ持ってはいないが、確実に一個撃退をこなし、

「走れ!雷光!」

「覇極流千峰塵!!」

俺とソロは、一度に複数の敵を攻撃可能な技を駆使。

「覇っ!」

旦那の破邪光も冴え、漸く腐った死体を全て撃破。

 

 

「殺ぁってやるぜえぇ~っ!!」

残るはオークのみ(残り、最初の約1/3)。

自らを、そして仲間達を奮い高ぶらせる意味で、魂込めた渾身の叫びを轟かせ、目の前の獣人に槍を向けて突進。

 

「ま゙っ!?『犯ってやるぜ』なんて、ダ・イ・タ・ン?(ズシャァッ!)めぎゃーっ!!」

無視!突っ込む暇があるなら ぶっ潰す! 

…ってか、自分で言うのもアレだが、さっきの台詞、気に入った。

 

ブゥンブゥン…

 

よし、今後は この、頭上で槍をブンブンポーズに並ぶ、俺の『勝利フラグ』だ。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

あ、フィーグが あの『カッコ付けポーズ』を披露したわ!

いよいよ、勝負所みたいね。

 

う~~~っ!!

この邪魔な霧が無ければ、私だって、大きな呪文、ガンガンぶっ放してやるのに!

 

…って思っていたら、霧が晴れてきたわ。

これがフィーグが偶に言う、「ふらぐ」ってヤツなのかしら?

 

「私のタロットぉ…」

「何時まで凹んでんのよ!

心配しなくても、後でフィーグ達が取り戻してくれるわよ!

さっさと魔力、集中させなさい!」

未だに凹んでいるミネアに喝を入れ、霧が完全に晴れた瞬間を狙い、

「「せーの!

フォーティア・ルフィフトゥラ!!」」

フィーグ考案の、『炎の渦』という意味であるらしい合体魔法で、また あの厄介な霧を吐かれる前に、巨大コウモリを撃破。

これでガンガン、魔法が撃てるわ!

 

「メラミ!」

「ヒャダルコ…ぢゃ!!」

「バギマ!」

「うぐががががが…」

あの、群のリーダー格なのかしら?

私達が魔法攻撃を連発してると、ミネアからタロットを奪った(…並びにライアンやソロを剥いた:笑)オークが、悔しそうに歯軋りしてるわ。               

「ならば!」

「あ゙ーっ!?

また私のタロットを~~~~!!」

顔を歪めたオークが、またタロットを引き抜いた。

…てゆーかアンタ、何時迄真っ裸(マッパ)なのよ!

一応は『女(メス)』なんでしょ!?痴女か?!

見てて不愉快!何か羽織りなさい!!

 

 

そしてタロットの効果なのか、空が一瞬、強烈に光ったと思ったら、この場一帯に光の粒が降り注ぎ、

「ほぇ?」「あら?」「お?」『ヒヒ?』

私達全体のダメージが癒されていく。

 

きゃはははははは!♪

バッカじゃないの?

敵である私達を回復させるなんて!

見事にスカを引いたみたいねwww

 

 

 

 

 

 

 

…そう云う風に考えていた時期が、確かに私にも あったわ。

 

「うほっ!!」「ひーほー!」「ブヒィ!」

あの癒やし系の光は私達だけでなく、オーク達も回復させ、更には…

「あ゙ー…」「ま゙ー…」「ぞーん…」

つい さっき、フィーグ達が退けた腐った死体も復活、ついでに

「あ痛たたたたた…」

「さっきは よくも殺ってくれたわね!!」

「もう容赦はしないわよん!」

「手足を完全に潰して、抵抗出来なくした上で、気持ち良くしてやるよ!!」

「そっちのボーヤも、心配しなくても良いわよ?

ボーヤの可愛いマスカレイドも、ウェイクアップさせてあげるからさぁ?」

「「「「「「女殺すべし!!」」」」」」

「「「「「「男〇すべし!!」」」」」」

今迄 斃した筈の全てのオークも復活、早い話、振り出しに戻る…いや、ゾンビが憑いている分、もっと面倒な状態からの仕切り直しとなってしまったわ…

 

全てのオークが復活したってゆー事は、あの『霧』を出すヤツも復活した訳で、案の定 早速、周囲に霧をバラまきやがったわ。

やっと、あのコウモリを倒したと思ったら、これなの?

 

『スナッチ!』

「ぬぉ!?」「おぉう?!」「うわぁあっ!?」

そして例の、追い剥ぎスキルが炸裂、フィーグ、ライアン、ソロが餌食に…

…って、ぶぷっ!!

ソロ、可ぁ愛い~~~~~~~~ぃ!!♪

 

ぱた…

 

あ、ミネアが また気絶したわ。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

orz orz orz orz orz orz orz orz orz…

 

ら、ライアンさんは兎も角として、フィーグさんも化け物ですかっ!?

                  

直ぐに僕達を守るかの様に、パインウインドが前に出てきてくれましたが、僕達の鎧や服は、オークに奪われた儘…

はっきり言って、身動き取れません。

 

「ぐぷぷふ…

さあ、楽しい楽しい子作りの時間よん♪」

「心配しなくても良いわ…

痛いのは、ほんの一瞬だから♪」

うぅ…じわりじわりと、オーク達が距離を詰めてきています。

目が怖いです。

血走っています。

もう帰りたいです。           

「おい お前!念の為、もう何枚かカードを引いて、アタシ等を強化なり このコ等を弱体化なり、ダメージ与えるかしときな!!」

「命令してんじゃないよ!」

仲間の発言に文句を言いながら、タロットを持ったオークが、連続でデッキからカードを引いていきます。

 

そして、出たカードは

 

【戦車】…オーク達にピオリムの効果

【杖の9】…僕達にボミオスの効果

 

直接のダメージは無いですが、かなりヤバい組み合わせです。

 

「ぐふぷぷぷぷぷ…」

…嫌だ!嫌過ぎる!

垂らす よだれを腕で拭いながら、不気味な嗤い声を発するオークが、更にカードを引き抜く姿勢を見せています。

 

「「「「「「「ぶぅえっふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっ…」」」」」」」

そして、他のオーク達も同様に、ある者は よだれを拭いながら、また ある者は、その儘よだれを垂れ流し、迫ってきます。

 

「ぶぅ~…」「ふぅ~…」「うぅ~…」

更には腐った死体の集団も。

 

「ちぃ…せめて、剣が あれば!」

「全くだ、アレは出来れば、直接に殴るのは避けたいぜ…」

そう言いながら、臨戦態勢、徹底抗戦の構えを取るライアンさんとフィーグさん。

余裕ですね!

てゆーか、2人共、自信が有るのは解りましたから、少しは隠しましょうよ!!

堂々と し過ぎですよ!

オーク達(…とマーニャさん:泣)の目がギンギンになってる元凶は、あなた達2人って自覚あるんですか!?

 

 

「ぐぷぷふ…それじゃあ…」

「そろそろ…」

集団の先頭が、いよいよ直ぐ近く、武器を持っているなら、それを交じり合える間合い迄やってきました。

目が語っています。

『もう我慢出来ない!』…と!!

い、嫌だぁあっ!! (」゚O゚L)

恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い!!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆「「「「「「「いっただきマンモぉーーーーーーーっおス!!」」」」」」」

「あーっ! お前等、アタシに断り無く、勝手に飛び掛かってんじゃあないよ!!」

 

遂にオークの群が、集団ルパンダイブで襲い掛かってきた!

マジに萎えるから止めれ。

まあ それでもライアン共々、其処で縮こまっている、緑髪の小僧よりかは遥かに凶器だけどなwww

 

そして それに対して抜け駆けするなと、先程からタロットを駆使していたオークが文句を言いながら、更なる1枚をデッキから引き抜いた…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「助かったん…ですか…?」

「みたいですな…」

「ああ…ぶっちゃけ期待通りだったぜ…」「「は?」」

 

 

死屍累々。

私が目を覚ました時、目に映った光景…

それは、夥しい程の猪の獣人の死体で埋め尽くされていた地面でした。

それを見ながらフィーグさん達が、いそいそと装備を着込みつつ話しています。

 

フィーグさんの説明によると、るぱんだいぶ?と同時に、あのオークがタロットを引き抜いた時、錯覚ではなく間違い無く、周辺の気温が数度下がったらしいです。

そして次の瞬間、飛び掛かっていたオーク達のジャンプの勢いが急に消えて地面に堕ちて動かなくなり、他のオーク達も一気に崩れ倒れたとか。

ゾンビの集団も然り、完全に肉体が腐り落ち、土に還ったそうです。

 

……………………………………………。

 

私は、銀のタロットを奪ったオークの下に足を運びました。

 

右手に1枚のカードを持った儘、うつ伏せに倒れているオーク。

 

これも『識者』故にでしょうか?

何故かフィーグさんが事を予想してはいましたが、そのカードを見て、私も改めて事態を確信しました。

 

「本当に、『アレ』を引いたのね…。」

オークが手にしていたカード…

それは、2つの竜の頭蓋と2本の剣が描かれているカード。

それは使用者だけでなく、その仲間にも確実完璧な破滅と終焉を…即ち絶対な『死』を齎すと云われている、【世界】のカード。

それは、絶対に引いてはいけないカード。

 

多分ですが、このオークは、このカードの存在、または効果を知らなかったのでしょう。

姉さんが言うには、調子に乗って、次々とカードを引いていたそうですし。

普通なら、途中で怖くなって引けなくなる筈です。

私みたいに、予め水晶玉の占いで、『今日は何枚迄なら大丈夫』と予見しているなら、話は別になりますが。

おや?誰ですか?

反則とか卑怯とか言ってるのは?

 

因みに やはり、このカードの存在を知っていたフィーグさんは、

「あれだけポンポン引いていたんだ、そろそろ出てくれるんじゃないかって、期待してたよ。」

…だ、そうです。

 

 

「とりあえず、城に戻りませんか?

女王様に顛末を報告しなければいけませんし、それに、アリーナさんとクリフトさんも、気になります。」

 

 




‡‡‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡‡‡
 
「ば、馬鹿な…」
「我々、ガーデンブルグ女兵団が…」 
「たった1人に…だと!?」

次回:真に導く者
『闘う〇〇(仮)』

乞う御期待!!
 

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