真に導く者   作:挫梛道

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とりあえず、先に謝っておきます。

ゴメン!マジにゴメン!! m(_ _)m
 



女難の相③?

「彼等はフィーグさん達の身代わりに なったのよ!

あの人達の尊い犠牲を、決して無駄にしては いけないわwww!」

 

いやいやいや、ミネアさん、死んではないと思いますよ、多分。

…てか、本当に嬉しそうに言ってますね?

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

切り替えろ切り替えろ切り替えろ!

目の前の敵に、集中するんだ!

 

 

「「「や、止めろーーーーっ!!」」」

「「「「くっ殺ーーーーーっ!!」」」」

洞窟の奥から、阿鼻叫喚な悲鳴が絶えず響いています。

今頃、あの空洞では想像するのも恐ろしい地獄絵図が展開されているに、違いありません。

確かに僕も同じ男として、盗賊達に同情はしますが、今はそれを気にしいてる場合では、ありません。

油断していると僕達も、あの人達と同じ目に遭わされてしまうのですから。

 

「疾風迅雷!鳴け、雷よ!」

カァッ!

「ブキャナン!」

どうやら この魔法無効空間でも、僕の雷鳴の剣に込められている雷は飛ばせるみたいです。

 

そして新たに、頼もしい助っ人が参戦してくれました。

『ブルッヒヒヒィーーーーッン!!』

そう、僕達の馬車を、何時も引っ張ってくれている巨馬、パインウインド(♂)。

 

オークが求めている、所謂『牡』は、僕達人間だけでなく、馬もアリだったらしく、パインウインドもターゲットと認識されていたみたいです。

それに気付いたトルネコさんが、直ぐに荷屋とを結んでいるベルトを外しました。

パインウインドは野生の本能で身の危険を察知、…&自由を得た事で、その儘 逃走するかと思えば、逆にオーク達の前に立ちはだかると、正に『The・野生』な雄叫びを轟かせ、その場全体のオークを立ち竦ませました。

その隙を逃さず、フィーグさんとライアンさんは各々が手にした武器で突き、斬り、そしてパインウインドもオークを強靭な後脚で蹴り飛ばし、更には上体を起こすと、前脚の蹄を敵の脳天目掛けて落としていきました。

 

 

「こら、ソロ!テメーも一緒にビビって固まって、どーすんだ!?」

「す、すいません~!」

だって、本当に いきなりだったんだもん…

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

正直、パインウィンドの参戦は、有り難かった。

旦那のファインプレイだな。

それに引き換えソロのヤローは…街に戻ったら説教だ。

 

 

 

 

「「「ぶぎひひひひ…」」」

「「「いや~、甘露甘露♪」」」

「「「!!?」」」

次々と同朋が殺られてるのを目にもくれず、只ひたすら、己が種族維持…性欲と云う本能の名の下に襲いかかるオークを迎撃していると、洞窟から また、約10匹程…俺達より先に、あの盗賊達を(R18的に)喰ったのであろう、ピンク色の毛皮な猪の獣人が姿を現した。

奴等の顔が、やたらと艶って見えるのは、真剣に気のせいだと思いたい。

 

てゆーか、ゴメン!マジにゴメン!!

 

俺達がロープで ふん縛ってなければ、別な結末も有ったかも知れないと思うと、心の中で謝らずには居られない。

爺さんじゃないが、連中は本当に城に突き出した後は、「彼等は充分過ぎる位に制裁されている」と、俺達が情状酌量を訴えるべきだと思う。

人として…そして、漢として。         

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ふむ…まさか、パインウィンドが、あそこ迄の大活躍をしてくれるとは思いませんでした。

こりゃ、街に戻ったら、御褒美に市場でソレッタ産の特上人参を買ってやらないといけませんね。

 

「おらあ、子種、寄越せや、ブモォ~!!」

「おわっとぉ!!」

バキッ

「ぐえっ!?」

う~む…、ソロさん達程ではないですが、私の所にも偶にと云いますか、多少はオークが襲ってきますね。

まあ、あの3人迄にモテモテって訳では有りませんがね。

因みにブライさんは、流石のオークでも、対象外な様ですが。(失言)

 

でも すいませんね、私は妻以外と関係を持つ心算は無いのですよ。

そんな訳で、

「お~い、パインウィンド~!

そろそろ此方に戻って、私の護衛をして貰えたら、凄く有り難いのですが~?」

…って、

『ヒッヒヒィーーッン!!』

「おらおらおらおら どかーん!!♪」

 斬!斬!斬!斬!斬!!

 

…おやおや、何時の間にか、フィーグさんが騎乗して、無双していますね。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

多分ですけど、この地方に居るオークィーン…でしたか?が、全て集結したんじゃないかと思いたくなる程の群です。

私、姉さん、ブライさんは、あのオークが放つ紫の霧で、殆ど戦闘では役立たずになっています。

霧が消えた瞬間を狙って、私(…とソロさん)が物理組の皆さんに、回復呪文を施したり、姉さん達が攻撃呪文を唱えたりしていますが、直ぐに あの魔物は、新たな霧を放ち、魔法無効空間を作るのです。

 

如何に数が多くても、一度に攻撃を仕掛けられる数も限られていますし、どうやらオーク1匹1匹の強さに対して、フィーグさん達個々の戦力の方が上な様ですから、今は まだ、何とか此方が有利な状況を保ってはいますが、この均衡も、何時崩れるかは分かりません。

 

 

「ブヘヘへへ…

おら、退きな、邪魔なんだよ!!」

バキッ

「「ぷげぇっ!?」」

そんな中、群の後列側から、他のオークに比べて、1~2周り位、身体の大きな、鋼の防具で身を固めた個体が、仲間である筈の同族を手にした棍棒で払い飛ばしながら、前に出てきました。

明らかに、1ランク上の個体です。

 

「ぐふふふぷぷぷ…」

「ぬ?」

どうやら、このオークの お目当ては、ライアンさんの様です。

 

「あ、アイツは!?」

「ライアン殿、ソヤツは不味いですぞ!!」

そのオークを見たトルネコさんとブライさんが、ライアンさんに大声で注意を呼び掛けます。

 

「ふぬー、ふぬー!」

「ぅ…」

鼻息荒く、舌舐め擦りしながら近寄るオークに やや引きしながら、バスタードソードを構えるライアンさん。

 

「どぉりゃあ!」

身の危険を感じたのか、先手必勝とばかりに鋭い踏み込みで間合いに入り、

「一刀両断!」

縦一文字に大剣を振り降ろしますが、

ダンッ…

その一撃は、大きな盾で受け止められ、

『スティール!!』

カッシャアァッ!!

「ぬをうぅ…っ!?」

 

…それは、あの盗賊バコタも使っていた、私のタロットや姉さんの下着を盗った、あの魔法?でした。

 

「ヤツは『盗賊スキル』を…」

「…って、遅かったみたいですね。」

本当に そー言ーのは、早く言って下さい! 

大剣だけでなく、鎧や盾に兜、そして鎧の下に着込んでいたアンダーウェア全てを一気に盗み盗られ、ライアンさんは あっと言う間に文字通りの ままま、丸裸に。

生身のバスタードソードが剥き出しになってしまい…って、えっ?

 

「ぬうぉっ!?」

「うゎ…」

「「おぉ!」」

「うぼほっ!予想以上に立派な剣ね!」

 

……………………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う、う~ん…(パタン)

「ミ、ミネアぁ!?」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

げ…まぢですか…?

ライアン(…とミネアさん:笑)が実質、戦闘不能状態になってしまった。

 

「パインウインド!」

「ヒヒーン!!」

馬上での無双乱舞を繰り出しながら、ライアンと魔法組(with旦那)の下に駆け付け、

「パインウインド!お前はライアン達をガードしてろ!」

馬から降りると俺は、他のオークとは違う、明らかに群の中でも上位のポジションであろう獣人と対峙。

 

「あらあら?アンタもアタシの相手をしてくれるの?

偶には親〇丼も、悪くないわねぇ♪」

「親子ぢゃねーよ!!」

ジャキ…

かなりマジに否定しながら、槍を構える。

 

「ぐふぷぷぷ…どっちでも良いわよん♪

とりあえず、アナタも、ひん剥いて、あ・げ・る♪」

そう言うと、このオークは掌を俺に向け、『スt「俺は吉良君でも孜劉でも、ダー〇・〇ュナイダーでも 無ーんだよ!」

斬!突!払!

「うげーーーーーーっ!!」

あの厄介なスキルを発動される前に、無双三段を、更には雷光流転槍をお見舞いして、トドメを刺してやった。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「ぬぅ…不覚で御座った…」

「全く…だ!」

鎧を装着直しているライアンを横に、

「ねぇソロも苦戦中みたいよ?

コッチは もう大丈夫だから、応援に行ってあげなさい!」

「冷静に言ってる場合?

でも、フィーグさん、お願いします!」

「よし、任された!

そして、コッチは任せた!」

マーニャと復活したミネアに言われ、フィーグはソロのサポートに向かう。

 

 

                  

「ぐへへ…」

「ぶるふふふふぶ…」

 

「う、うぅ…」

そしてフィーグがマーニャ達に急かされ、ソロのサポートに走り出した時、そのソロは10数匹のオークに囲まれていた。

 

「えぇいやぁ!」

ズバァッ!

「ぐぎゅ~!」

兎に角、背後からの攻撃だけは回避する為に、木に背中を預け、襲ってくるオークを退けているソロ。

一度に襲い掛かる事が出来るのは、せいぜい4匹。

それ等を雷鳴の剣を振りかざし、確実に退けている。しかし、直ぐに次の一団が迫り、それ等を撃った所で また、先程斬ったグループが起き上がり襲ってくる。

生命力尽きるまで、種族維持の本能に従い…否、性欲処理の欲望の儘に、異形の猪が少年勇者に襲い迫る。                   

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ソロ、無事か?(貞操的な意味で)」

「フィーグさん!はい、大丈夫です!(HP的な意味で)」

会話が微妙に、噛み合ってない気がするのは何故だろうか?

邪魔なオークを数匹吹き飛ばし、ソロの下に駆け寄ると、

「任せて良いな?」

「勿論ですとも!」

 

オークを牽制しつつ、互いに背中を合わせると、

「「さあ、掛かってこいや!」」

周りを囲むモンスターの群に、武器を向け構える。

再び、乱戦が始まった。

 

 

「正直、少し焦りましたよ!」

「言うな!あっちもライアンが大変だったんだよ!」

「まあ、チラッと見えてましたが…

ライアンさんも、災難だった様で…」

 

 

互いに背中を預け、周囲360゚の敵を認識しながら、槍を、そして剣を振り、魔物の群と大立ち回りを繰り広げる、俺とソロ。

更には これにライアンも加わり、漸くオークの群も、最初の半分位に数が減った。

 

「後、もう少しだ!

ほんの今迄の工程、もう1回分だ!!」

「それは、もう少しとわ言いません!」

マーニャさん達には、パインウインドが護衛に付いて、唸り声で威嚇、オークを近寄らせない。

あと半分…。

しかし、俺達も十分に消耗している。

オークが偶に放出する、紫色の霧が作り出す魔法無効空間のお陰で、まともに回復が出来ないのだ。

そう考えているとタイミング良く、霧が晴れてきた。

 

「「べホイミ!!」」

そして そのチャンスは逃さないとばかり、ソロとミネアさんが回復魔法を唱える。

 今迄の展開からして、またオークが霧を放つのだろうと思っていたのだが、

「「ぐろろ…」」

…何故か、その気配が無い。

考えられるのは、あの霧は種族特性でなく、個人スキル。

そして そのスキルの持ち主は、偶然なのだろうが、既に俺達が斃しているのだろう。

 

俺と同じ事を思ったか、

「皆さん、チャンスです!

ガンガン行きましょう!!」

「ええ!」「あいよ!」

「うむ!」「はいな!」

ソロが待機していたマーニャさん達に参戦指示、皆も「待ってました!」と、ばかりに それに応じる。

 

「ラリホー!」

「ヒャダイン!…ぢゃ!」

「メラミ!」

正に総戦力戦の様相となった。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

『スティール!!』

「わわわっ!?」

ソロと剣を交わしていたオークが不意に、また あの『スキル』を繰り出してきた。

ソロの装備していた雷鳴の剣、ドラゴンシールド、そして鎧の下に着込んでいた衣類が全て、オークに掠め盗られてしまう。

しかしながら、天空の鎧と兜は、奪われずに済んだ。

つまり、現在ソロは…

「ソロ~、肌に直接、鎧着込んだりしてたら、冷たくたいか?特にナニが?www」

「放っておいて下さい!…って、言ってる場合ですか!?」

やはり そうか…。

現在ソロは、所謂『裸聖衣』ならぬ、『裸天空の鎧』状態な訳だ。

 

あの双子座の聖闘士、サガやカノンと同じ様な。

 

 

 

『待て!あれは、兄だけだ!

俺はアンダーにキチンと、白のステテコを履いていたぞ!!』

 

 

 

ん?今、脳内に、カノン船長からの電波(テレパシー)が届いた様な気がしたぞ?           

まあ、そんな幻聴は アッチに置いといて、流石は天空の装備と云った処か、あの『スティール』に耐性が有るみたいだ。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「ぐふふふぷぷぷ…可愛い顔してボーヤ、なかなか やるわねぇ♪…ならば!」

「!!?」

先程スティールを放ったオークが、今度は両掌をソロに向けて、

『スナッチ!』

「わっわわぁっ!!?」

名前から察するに、『Steal(掻っ払い)』の上位スキルであろう、『Snatchi(引った繰り)』なるスキルを放ち、今度は見事に残る天空の兜と鎧を引ん剥き、哀れソロは真っ裸(まっぱ)に されてしまった。

…って、ぷぷぷっ!!(爆)

 

「あらあら、本当に『可愛い』わねぇ~?

初々しくて、美味しそうじゃな~い?

先ずは緊張して萎んでる『ソレ』を、アタシの指先舌先口使いで元気にして…

大丈夫、怖くない恐くないから♪」

「あわわわ…」

余りの出来事に、腰を抜かして座り込んだソロに、欲望の権化となった牝猪の獣人が じりじりと詰め寄り、

 

ぱぁん!

 

大きな音を起てて合掌すると、

「この世の全ての男性に、感謝を込めて、頂きます!!」

がばぁっ!

自ら着込んでいた甲冑を、ルパンダイブの如く すり抜ける様に脱ぎながら、ソロに飛び込んで行ったのだった。

「うわあああああっ!!

い、嫌だああああああぁっ!!」

 

ソロ(17)、人生最大のピーンチ!!

 

 




 
m(_ _)m 今回は改めて ごめんなさいです。

ガーデンブルグ編の次のシリーズでは、マーニャとホイミンの????な場面を書きますから、それで堪忍して下さい。



次回こそ、オークとのバトルは締めます。
 

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