キャラ設定も追加しました。
「お前、何やった訳?」
「いやいやいやいや!?私は何も?」
ガーデンブルグ王都の門を馬車が通った早々、警備の女兵士に呼び止められた俺達。
いや、正確にはクリフト。
「とりあえず、城まで来て貰おうか!」
「はいぃ!?」
「ちょっと!クリフトが何をしたって言うのよ!!」
はわわ状態になっているウチの神官…と、同行している俺達を、問答無用で王城に連行しようとする女兵士に、クリフトの主兼嫁候補(笑)な姫さんが『(怒)』な顔で突っ掛かる。
「窃盗強盗、その他諸々の容疑だ!」
パサア!
そう言って、この兵士は1枚の肖像画(てはいしょ)を、俺達に見せ付けた。
それは、『盗賊バコタ』なる男の手配書。
生死不問で G2,000,000-な賞金首の男の その似顔絵は、癖っ毛ボサボサな長い黒髪で目付きが輩の様に悪い点を除けば、輪郭から目鼻口等、顔の造りが、正しくクリフトその物だった。
…てゆーか、初登場時のヤ〇チャそっくりなんですけど…。
「私達、つい この間、入国したばかりなのよ!
そんな長い間、国内で泥棒とかしている訳無いじゃないの!!」
「ええい!!その辺りも含めて、問い質すから、とりあえず素直に付いて来い!」
ざわざわざわざわ…!!
女兵士と姫さんが言い合うが、門(ゲート)の前とは言え、一応は既に街中な訳で、往く人々の注目を徐々に集めていく。
「姫様、落ち着きなされ!」
「アリーナさん、少し落ち着いて!」
「ブライ…ソロ…」
かなりヒートしている姫さんを、ブライ爺さんとソロが宥めに入り、漸く冷静になる姫さん。
「…分かったわ。
お城で存分に、OHANASHIしようじゃないのよ!!」
…前言撤回。
全然 冷静じゃないわ、この お姫様。
それじゃあ とりあえず、王城でOHANASHI…もとい、お話しましょうかと言う流れになったのだが、
「待ちなさい、其処の赤髪の人、仮面を外しなさい。」
…この女兵士な お姉さん、次は俺に話し掛けてきた。
「すいません、これ、呪いが掛かっていて取れないんです。」
「何を馬鹿な事を言っている?」
「あ~れ~!?」
ベタな嘘を吐いてみたが、この女兵士には通用せず、嘗てエンドール武術大会にて、俺がバルログにやった時の様に、
ぱか…
マスクを引ん剥かれました。
「あー、やっぱりフィーグ君だったー!!」
がばぁっ
「ぬゎっ!?か、カトレアさん、く、苦ひいから!!」
そして昼中、そして街中での公開顔面圧迫窒息刑。
いやいや、気持ち良いなんて、少ししか思ってないぞ、本当だぞ。
実は この女兵士…カトレアさんとは数年前、フランベルジュの見習い団員として、この国の復興支援作業に行った際に知り合った仲。
こんな風に、この城下町には知り合いが結構居るから、マスクで顔を隠し通す心算だったのだが、結局は無駄骨だった。
「不清潔…」
はい、其処の汚物を見ている様な目をしているミネアさん、ちょーっと、待とうか?
言わんとしてるのは解るけど、不清潔ってアータ、ガチに汚れみたいじゃない?
だいたい、こーゆー時の「不潔」って基本、「不純潔」の略だからね?
…って言ーか、せめて不純潔って言って!そっちなら、普通に否定出来ないからさ!
「ちょ…、アンタ、何してんのよ!?」
がしっ
そんな事を考えていたら、マーニャさんがカトレアさんを引き離してくれました。
「ちっ、余計な真似を…」なんて、思ってないぞ、本当に本当だぞ。
「はぁっ?!」「あ゙ぁん!!?」
ずん…
そして、カトレアさん(推定C)とマーニャさん(F)が、互いの胸を押し付け合い睨み合いな一触即発な展開に。
「あんた、誰よ?」
「フィーグの妻ですが、何か?」
「はぁあっ?!」「え゙っ?」
そう言いながら、左手のアクアマリンを、やや(怒)ながら、勝ち誇った顔で見せつけるマーニャさん。
いや、妻とかじゃないからね、然り気に堀を固めるのは止めましょう。
「ぐぬぬぬ…、と、兎に角 貴様等、城まで来て貰おうか!!」
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫「つまり、半ば無理矢理にお持ち帰りされた、と…」
「はい…」
王城に連行される途中、馬車の中でマーニャさんから、カトレアさんとは如何な関係なのか、事情聴取を受ける俺。
仮に俺が黙り込んでいても、結局はカトレアさんが暴露して、余計に話が拗れてしまいそうな予感がしたので、正直に話す事にした。
結論からすれば あの人とは当時、この国に訪れた時に知り合い、そういう感情は持たなかったが、この国特有な女性気質なアレで、所謂…致してしまったというか、致されてしまった関係だったりした。
まあ、殴られるの覚悟で話したのだが、
「はぁ~…まあ、仕方ないわね。」
意外にも?この お姉さんは溜め息1つ零し、それ以上の追求はしてこなかった。
ふぅ…これで、俺の女難とやらは、終わったかな?
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
「姉さん、良いの?」
「いや、良いも悪いも、私と会う前の、今は何の関係も無い、大昔の女でしょ?
いちいち、そーゆーのにキレていたら、キリ無いわよ。
前も言ったでしょ?
其処は年上の寛大さで許してやるって。
ま、母性の欠片も無いアンタじゃ、解んないかも知れないけどね。」
「むっきー!この場合、胸と母性は関係無いでしょ!!」
……………………………………。
あんた達は一体、何を話している?
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
それから、王城に連れて来られた俺達は、その内部にある尋問室に連れて行かれ、この国の女王自ら立ち会いの下に、色々と取り調べを受けた。
そして先日、城内で、王城付きのシスターが その信仰を称えられ、女王自らから貰ったと言うロザリオを盗まれたという事件があったらしいが、その際、その賊の顔を見ていたというシスターが証人として現れ、クリフトの顔を見ると、
「た、確かに この人です!
間違いありません!!」
この一言だ。
「あのねぇ!私は…」
「ストップ!」
「フィーグ?」
途中、キレかけた姫さんが、自分の身分を明かそうとしたので、それを止める。
確かにサントハイム王族の名前を出せば、それで ある程度は片付くかも知れないが、それは切り札。
姫さんは勿論、事前に爺さんやクリフトだけでなく、ライアンのバトランド王宮戦士団云々含め、皆にも それ等は黙っておく様に言っておいた。
そして このロザリオ窃盗以外の追及にも、当然だが悉く「NO!!」と言い張る俺達に、最終的には
「ならば、自分達で真犯人を捕まえ、潔白を証明してみせなさい。」
…と、女王様直々に、言われましたよ。
ぶっちゃけ それって、兵士達の仕事を他国の旅人に丸投げしてるじゃん?
それって『国』として、どーよ?
マーニャさん達も、その辺りは同意見らしく、クレーム付けているが、俺が敢えて制止。
ソロにアイサインして、ソロの口から、その女王の提案を受託する事に。
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
「皆さん、宜しくお願いします。」
「任せておいて下さい!」
冤罪を晴らす為、盗賊バコタとやらを捕まえるチャンスを貰ったが、一応は人質として、主犯とされているクリフトと もう1人は、地下牢に入れる事となった。
そして、その もう1人というのが…
「大丈夫、クリフトの…………は、私が絶対に守るから!」
「姫様ぁ…」
城に行く途中、馬車の中で俺とマーニャさんとの会話で、ガーデンブルグの女性の気質を理解した姫さんが、自ら名乗りを上げたのだった。
確かに この餓えている兵士達、ガチに檻にの中のクリフトを喰いかねんからな。
ソロをクリフトと同じ牢に入れたら楽しかった…とは、少ししか思っていない。
一応、クリフト以外の人質は、見張りの兵士に断れば、何時でもチェンジ出来るとの事。
そして、この地下牢を出る際にマーニャさんが、
「ボソ…アリーナ、絶好の機会よ、あの見張りの兵士達にクリフトが喰われる前に、キメてしまいなさい!」
「な…何言ってるのよ!?」
…………………………………………。
こうして俺達は、城を発った。
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
「あら?フィーグ?久し振りね!」
「や、やあ…」
「………。」
街中、先程のカトレアさんとは別な、知り合いの兵士さんに声を掛けられた。
「あ、フィーグぅ、戻って来たんだ?」
「いや、まあね…偶々だけど…」
「…………。」
更に。
「え?フィーグ?」
「お、おぅ…」
「……………。」
同じく。
「フィーグ君?」
「ども…」
「………………。」
…以下略。
「あ、フィーグ!久し振りだねー!」
がばっ!
「わったったっ!?」
「…………………………(ぷちぃっ!)
お・の・れ・わ!
どんだけ垂らしめてたんだー!?」
ばきぃ!!
い、痛い!!
ちょ…マーニャさん、年上の余裕とやらは、何処に行ったですか?
「…やっぱり、不清潔です。」
感想よろしくです。