真に導く者   作:挫梛道

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錬金術師の洞窟

「それじゃ、おばちゃん、ペスタをよろしくお願いします。」

「ゴメンね、ペスタ。

もう少しの間、我慢してね。」

「く~ん…」

「まあ、ペスタの事は任せときな!

マーニャちゃん、ミネアちゃん、アンタ達にゃ、やらないといけない事があるんだろ?

さぁ、行ってきな!」

「「はい、行ってきます!」」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

現在、俺達は村の出入り口で馬車を停めて姉妹待ち。

「あ、マーニャさん達、来ましたよ。」

 

 

「おっ待たせ~♪」

「もう、良いのですか?」

踊り子が現れた!

占い師が現れt(ゴン!)痛い!

 

「いきなり、何するんだよ!」

「アンタ今、脳内でくだらないボケをかましてたでしょ!」

うぅ…あたm

「頭ん中を読むな!…と思っています。」

やかましいわ!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

石煉瓦造りの洞窟の中、次々と魔物の群れが襲い掛かってくるが、

「ベキラマ!」

マーニャさんの魔法が、

「バギ!」

ミネアさんの魔法が蹴散らしていく。

 

ゴォオオオオオオオン…

巨大な…敢えて例えるなら、エレベーターの様に、その部屋ごと上下するフロアを乗り継ぎ、最下層(フローミで確認)まで辿り着いた。

 

「「うぷ…」」

「ちょっと、あんた達、大丈夫?」

「大丈ばないかも…」

「う…」

この、エレベーターに俺とクリフトが酔ってしまった。

いや、想像以上に揺れが激しいから。

前世(むかしむかし)から、乗り物には強いつもりだったのに…

寧ろ、君等、よく平気だね?特にソロ?

君、初めて船に乗った時、ソッコーでダウンしてたじゃない?

「もう慣れましたから。」

あー、さいですか。

 

 

真っ直ぐな通路の先の扉を開けたら、そこはまた、エレベーターフロア。

しかし、上下に稼働させる為のスイッチが見当たらない。

 

「えーと…確か、この辺にスイッチが…」

マーニャさんが壁を丁寧にさすっていく。

「あ、あった!」

カチ…

ゴォオオオオオオ…

フロア全体が上に登っていく感覚から

ゴォオオオオ…

今度は横方向に動く感覚に捕らわれる。

 

ゴォオオオオ…ン…

そして、動きが止まった。

うぷ…危ない。

もう5秒、止まるのが遅かったら、リバースしていたかも知れないぜ…

 

「さあ、この先です。」

ミネアさんがフロアの扉を開くと、そこは壁や床の造りは洞窟のそれと変わらないが、魔道書や錬金の書が並び詰められた棚に、怪しい薬品の様な瓶が並んだ棚、一体、何に使うのか想像出来ない工具の様な物、更にはヒャド系呪文を使ったのだろうか?

動物や魔物の皮や羽根、角に…眼球や臓器みたいな物が、冷凍保存されていた。

ついでに普通に保存食も。

 

 

 

「ここが姉さん達の親父さん…エドガン氏の工房とでも言った処か…。」

「さあ、オーリンが残したってゆー書き置きを捜しましょ!

クリフト、あんたは休んでていいわ。」

マーニャさん、優しー。

俺は?

「フィーグー、ちょっとコッチ、一緒に捜すの手伝ってー。」

…ですよねー(泣)。

 

俺はマーニャさんとコンビで、研究室を捜索する事に。

 

今は亡き錬金術師エドガン。

その彼が自宅の研究室とは別途に設けたのが、この洞窟の隠し部屋の研究室。

昨日、ミネアさんにチラッと見せてもらった自宅工房より、設備が整ってる感じだ。

 

「無いっすねー。」

「全く、オーリンも、もっと具体的に、おじーちゃんに教えてくれても良いのに!」

「どーせ隠し部屋なんだから、ストレートにテーブルの上とかでも良いのにね。」

 

俺とマーニャさんが仮眠室らしき部屋に入ったみたら、そこの床に落ちていたのは…

「フィーグ、これって…」

「心配御無用なゴム用品すね…。

しかも、使用済み…」

かなりな数の、ゴム用品(使用済み)が床に散布されていた。

オーリン、テメー、こんな場所で何をやっていた?(←答え:ナニをやっていた)

せめて床にバラ巻かないで、ゴミ箱に捨てておけ!

「とりあえず…ギラ!」

いきなりマーニャさんが床に散らばっているゴム用品(使用済み)全てを、まるで汚物と言わんばかりに(ある意味間違ってない)消毒…もとい、消却した。

「ちょ…マーニャさん?」

「バカ!こんなのミネアが見たら、どうなると思うのよ?!」

「また、ゴゴゴゴゴってなるのは間違いないよね…」

ついでに言えば、姫さんも これ見る前に始末しといて良かったぜ。

 

暫くして、ソロと姫さんのコンビが書き置きらしき手紙を発見した。

…が、

「…読めない。ミネアさんは?」

「ごめんなさい…。私も無理です。」

オーリンの名誉の為に言っておくが、別に字が壊滅的に汚くて読めない訳ではない。

どうやら古代語で書かれている様なのだ。

 

「ブライなら読めるかも?」

姫さんが呟く。

 

「期待するしかないわね…」

「一応、棚に辞書みたいなのがあるから、持って帰りましょう。」

 

ソロは古代語辞書を手に入れた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ふむふむ…要訳すると、この手紙を持って、アッテムトの神父を尋ねろ…と書かれとりますじゃ。」

 

目的の手紙を見つけた後、リレミトで地上に戻った俺達は早速、馬車で待機してもらっていたブライ爺さんに、オーリンの書き置きを見せた。

すると、爺さんは辞書を必要とせず、あっさりと翻訳。

 

 

「トルネコさん、そんな訳で、次はアッテムトです。

一度、コーミズ村に戻って支度を整えましょう。」

「了解です。」

 

 

俺達は、一時コーミズ村に戻り、アッテムトを目指す…

 

 




前回の次回予告で少し触れた場面まで進まなかった…m(_ _)m

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