真に導く者   作:挫梛道

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今更ですが、主人公の原作知識はPS版とします。


魂は覚えている

「ふんぬおぉおおおおおおぉぉおおぉ!!」

ドカッ!

「危なっ!!」

 

力任せな豪剣を縦一文字に振り抜き地面に叩きつける全身鎧の男。

 

サイモン。

 

フィーグ初戦の相手は既に4人抜きを果たし、決勝進出に王手を賭けた戦士だった。

 

「おのれぇい!ちょこまかと!」

 

ゲームならば攻撃を交互順番に繰り広げ、互いのHPを削り合うのが常なのだが、リアルな世界?の戦闘はそんな生緩い物ではなかった。

試合開始の合図と共に剣を構えて突進してきたサイモンはフィーグの槍の間合いに入る直前に剣を鞘に収めると左腕に装備している大盾を前面に構え、そのまま体当たりを放つ。

剣を槍で捌きカウンターの一閃を放つつもりだったフィーグは体重差故に槍を盾に弾かれ、まともに全体重を乗せたタックルを浴びせられた。

ぶっ飛ばされダウンした処に再び剣を抜いた戦士は素早く追撃を仕掛ける。

豪剣の振り下ろしに踏み潰し…

終わらない戦士のターン。

フィーグは紙一重でその攻撃の全てを回避するも、初撃のダウンから立ち上がる事も許されず反撃体勢を取れずにいた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

危ねー!何ちゅー豪剣だよ…

あんなの貰ったら間違いなく死ねるぜ…

 

だけど…

「ジジイの方が強え。」

そして…

「パワーは兎も角、スピードやキレはハスターのが上だ!」

パワー、スピード、それぞれに其れ以上の存在を知ってる。

幼少時から鍛えてくれた師匠と言って差し支えない祖父。

やはりガキの頃から切磋琢磨してきたライバルと言っていい幼なじみ。

「いつか超えるってか、兎に角、一度はギャフンと言わさなけりゃ納得いかない壁」と

「コイツにだけは絶対に負けたくないという存在」がある限り、やられっぱなしな訳にはいかない。

 

反撃開始。

ストンピングを放とうと右足を上げた瞬間に左足に狙いを定め…

足元がお留守になってますよ?からの…

「水面蹴り!」

バシィ!

「ぬわっ?!」

 

前世にて破壊王と呼ばれた格闘家が得意としていた、地に伏せた状態で放つ回し蹴りと足払いの混合技(と俺は解釈している)。

これは前世の時から「ごっこ」レベルではあるが練習をしていて、此方に転生しても所謂、体ではなく「魂」が覚えていたので幼い時からの鍛錬で先に述べた破壊王には届かないまでも実戦レベルで習得している自信はあった。

 

鎧男が転げている隙に体勢を立て直し、槍を長く持ち直し、ゴルフスイングの如く薙ぎ払う。

「ぐわっ」

 

そう、これからは…

「ずっと俺のターン!」

立ち上がるもダウンの際に手放した剣を拾う暇は与えずに突き叩き払う。

「クソ、格闘戦で勝負だ!」

左腕の盾を捨て、ボクサー流のファイティングポーズを構え、素手の勝負を誘うが、俺はそういうのに応える程に良い人な覚えはない。

寧ろチャンスとばかりに滅多撃ち。

客席から多少のブーイングが飛ぶが、んなの知った事じゃない。

そんなブーイング如きで惑うほどメンタル弱いつもりもない。

 

「ぜいぜい…小僧ぉぉ!」

 

流石に5連戦は厳しく、スタミナが尽きてきたのが判る。

対する俺は、最初に喰った体当たり以外は大したダメージは受けてない。

実はそれだけで十分に足にキてるけど、其処は気合いと根性で誤魔化して切り抜けてやる。

 

「おっさん、もういいだろ?

退くのも勇気だぜ?」

「黙れ…小僧ぉ!」

 

なりふり構わず鉄甲の拳を振り回すが、ことごとく避け続け、渾身の左ストレートも身を低くして避けると同時に、もう一度の水面蹴りを放つ。

そして相手が倒れた隙に距離を空け、必殺の構えを整える。

 

「ぬおおーーーーーーーーーーーーー!」

相手も意地と根性だけで突進している。

 

だからこそ…

「さっさと諦めて試合終了しろー!!」

 

そこから繰り出すは、やはり前世から練習しており、この世界で完全体得した穂先の弾幕、高速の連続突き…

「覇極流千峰塵!!!!」

「ぼぶさーっぷ!!」

 

 

俺は初戦突破した。

 

 




やってしまった…
転生系二次創作ありがちなパク…
もとい、オマージュ炸裂(笑)
あくまでも転生特典とやらでなく、鍛錬で習得した技という事で…


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