僕と姉貴の非日常   作:宵闇@ねこまんま

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天まで届く羽―悪夢からの解放―

001

 

闇が僕を包み込む。

 

そして目を開くと…。

 

先ほどまで町を照らしていた黄金の月は、血を塗りたくったような紅の月に。

星が輝いていた夜空は、その輝きを失っている。

 

町もまるでゴーストタウンのような静けさを醸し出している。

 

「へぇ、悪夢ってこうなるんだ」

 

天羽さんが一軒家の屋根の上に立っている。

 

「なんだよ、どうなるか分かんなかったのかよ?」

 

「うん、初めてだよ。悪夢を使おうとしたのは」

 

まさか初めて使われるとは。

 

「…そんなに俺のことキライ?」

 

はっ、と嘲笑して

 

「皆まで言わす気?M豚が」

 

確か、僕の家に居たときはこんな強気じゃなかったのに…。

 

「てか、別に俺Mじゃないし…」

 

さっきMかSみたいな質問あったけど、あれは答えるまでもないと思ったから答えなかっただけだし。

 

もちろん、どちらでもない。

 

「黙ってよ、豚。そんなこと言って内心悦んでるでしょ?」

 

蔑むような目で見てくる…。

 

ノリノリだ。

 

その筋の人にはすごい人気になるだろう。

 

「というか、俺としては天羽さんにそういう趣味があったことに驚いているんだけど…」

 

「ん?なんか言った?」

 

いつの間にかその手には鞭が握られていた。

 

「……おい。それ、どこから出した?」

 

常備しているというなら、今後の対応は180度変わるであろう。

 

「ここは私が作った世界なんだし、ここでは私が『ルール』だよ?」

 

…要は作り出したと。

 

「ごめんなさい、ついていけません」

 

主にその思考に。

 

僕を倒すなら機関銃でも出すべきだ。

 

「そんなもので正義の味方は倒せないよ?」

 

「誰も倒そうなんて考えてないよ」

 

「????」

 

わけがわからない。

 

天羽さんはニヤリと笑い

 

「ここは悪夢の世界なんだから、ね?」

 

「もしかして」

 

もしかすると

 

「たっぷり苦しめたげる♪」

 

最高級のドS顔で微笑む。

 

 

 

俺、調教されんの?

 

002

 

吸血鬼は大抵の傷はすぐ治る。

 

でも…。

 

「『痛い』っていう感覚はあるわけで……」

 

ヤバいな、これは。

 

既に鞭で150発は受けている。

 

もう最初よりかは慣れた。

 

しかし…。

 

「あと100発位受けたら不味いな…」

 

認めたくないが、僕の中の何かが目覚めるかも知れない。

 

どうやら僕にはそっちの気質も少しはあったようで、自分で認めるのも癪だが、少し気持ちいい。

 

人間は楽な方に流れてしまうもんだ。

 

痛みを快感にすれば、そりゃ楽になるだろう。

 

相手が殺す気が無いと分かりきった状況なら、尚更だ。

 

それに天羽さんもなかなかうまい具合にやっているようだ。

 

「…そろそろ反撃かな」

 

 

相手の手の内(鞭)が分かったので、こちらからも仕掛けよう。

 

「夢の世界だし、また壊しまくっても良いよね」

 

それならやりやすい。

 

力の加減をしなくても良いから。

 

「んん。みぃつけた♪」

 

天羽さんに見つかった。

 

「またまた変身しやがって…」

 

天羽さんは最初の私服姿から徐々に変身している。

 

分かりやすく言うと。

 

私服

女王様マスク装備

網タイツ装備

女王様衣服装備

(完全女王様モード)

羽装備

 

 

といった感じだ。

 

「もう、羽とかワケわからん…」

 

現在、某カードゲームのハーピィーの様だ。

 

「まだまだ苛めてあげる♪」

 

「…調子に乗れるのもここまでだ」

 

「おい、誰が喋って良いって言った?」

 

「……」

 

 

 

…精神的ダメージもなかなかきている。

 

なので早々に倒そう。

 

「そろそろこっちから行くぞ」

 

足に力を込め、空中で浮遊している天羽さんに飛びかかる。

 

「豚ごときが私に歯向かうなんて、愚かしいよ」

 

まだ豚扱いなんだ…。

 

「世の中には下克上って言葉があるんだぜ?」

 

「だからなに?」

 

空中であっさり避けられた。

 

そのまま一軒家の屋根の上に着地する。

 

「ちっ、羽ってのは厄介だな。姉貴がいれば楽なのに」

 

実は姉貴も羽を生やすことができる。

 

吸血鬼の能力で。

 

あれさえあれば簡単に捕まえられるハズだ。

 

……?

 

羽、か。

 

「よし、『やってみる』か」

 

あいつのせいで力に慣れてしまった今なら、できるかもしれない。

 

心に羽の生えた自分を想像する。

 

形はそう、鷹みたいな羽が良い。

 

姉貴なんかはコウモリの羽だが、僕には似合わないだろう。

 

体が変化するのを感じる。

 

そして、ゆっくりと目を開けると…。

 

「成功か?これは」

 

イメージでは、背中から生えるハズだったが…。

 

しかし、両腕が大きな鷹の翼となっていた。

 

これはこれで良いけれど。

 

腕を上下に振る。

 

風が大きく流れるが、体が浮く気配はない。

 

「キモいもの生やさないでよ。あなた妖怪?」

 

空中で天羽さんがゴミを見るような目をする。

 

「今はね」

 

次はさっきより強く振る。

 

「おぉ!」

 

5センチほど飛んだ。

 

これなら行ける。

 

「実際、あなた何者?正義の味方は羽を生やさないハズだよ?」

 

ごもっともである。

 

「まぁ、最後には分かるさ」

 

 

天羽さんはむぅ、と唸り

 

「意味深なこと言わないで欲しいなぁ」

 

と言った。

 

そんなことにかまっている暇は無いので、無視をする。

 

付け焼き刃だから、早めに決着をつけたいところだ。

 

普通に飛べるようになったので、天羽さんに突進してみた。

 

初挑戦なので、少し力を抜いてみる。

 

「…遅すぎ」

 

天羽さんは、いとも簡単に避ける。

 

避けつつ鞭で攻撃してくるところが抜かりない。

 

痛いなぁ。

 

「うるさい」

 

次は、力をもう少し込めて突進してみる。

 

「おー、すごいね」

 

速度はそれなりに早くなったが、やなり簡単に避けられる。

 

もっと力を込め、瞬間的に『跳ぶ』。

 

「……ハァァァ!!」

 

「……!?」

 

次こそ、僕の身体は矢の如く鋭く飛べた。

 

虚を突かれたからか、天羽さんの肩に翼を当てることに成功した。

 

とんだ『つばさでうつ』である。

 

「痛いなぁ、もう」

 

まともにヒットしたのにも関わらず、平気な顔をしている。

 

「痛いとか言ってる割には、涼しい顔してるじゃねぇか」

 

「えー?そうかなぁ?」

 

ニコニコしながら言われても、挑発にしか聞こえない。

 

「コツはつかんだし、次こそは俺のターンだ」

 

「じゃあこっちはトラップカード発動しちゃおう!」

 

「???」

 

天羽さんが指パッチンをする。

「なんだよ、炎でも出すのか?」

 

「いやいや、そんなんじゃないよ」

 

さっき言ったよね、と言い

 

「ここでは私が『ルール』なんだよ?」

 

「なに言ってん……!?」

 

言葉の途中。

 

急に体が重くなる。

 

それはもう、動けなくなるくらいに。

 

コンクリートの地面に足が少し沈むくらいに。

 

「重力を100倍にしてみました♪」

 

「100倍ってお前……」

 

「もちろん私はその『ルール』から外れてまーす♪」

 

音符マークつけるようなことじゃないだろう…。

 

にしてもこれでは飛べないし、『跳べない』だろう。

 

一度翼を人間の腕に戻す。

 

「あれれ?私の真似事はもうやめたの?」

 

「うるせーよ」

 

ここで僕は閃いた。

 

「そうか、この世界を壊せばいいんだ」

 

「はぁ?」

 

というか、最初からそうすれば良かった。

 

普通の夢が壊せたんだし、悪夢も壊せるハズだ。

 

なぜもっと早く気が付かなかったのだろう?

 

「この世界の『ルール』はお前かも知れないが、その外側は俺達の領分だぜ?」

 

「何言ってんの?」

 

100倍の重力の中、どうにか両腕を空高く振り上げ、地面に叩きつける。

 

しかし……

 

「あれ!?壊れない?」

 

もう一度、吸血鬼の全力で叩いてみる。

 

だが、コンクリが大きく沈むだけだ。

 

「羽を生やしたり、地面殴ったり、忙しいねぇ」

 

天羽さんは空中からこちらを見下している。

 

「だからここでは私が『神』なんだって」

 

まさか…。

 

さっきは『神』が不在だから、存在しなかったから、あんなに脆かったのか?

 

だとしたら、説明がつく。

 

「じゃあもしかして、意外と俺ピンチ?」

 

「そうかもねっ!」

 

天羽さんが鞭での攻撃を再開した。

 

「いってぇ……」

 

体が麻痺してきた。

 

涙が出てきそうだ。

 

いや、もしかしたらもう出ているかも知れない。

 

そんなことも分からない位、身体中が痛い。

 

その上、体が重くて動けない。

 

あと一歩で新しい扉が開きそうだ。

 

「くそっ、やっぱ姉貴を寝かすんじゃなかった」

 

これは僕の問題なので姉貴には関わって欲しくなかったのだ。

 

仮にも、怪我などされたら大問題である。

 

 

「さっきからさぁ、姉貴がどーたら言ってるけど、そんなに仲が良いんだ?」

 

天羽さんは鞭を打つのを少し止めた。

 

「はっ、ラブラブだぜ!」

 

自信を持って答えた。

 

どこから湧いてくるのか知らないけど。

 

「姉弟でそんなに仲が良いなんて、もしかして二人暮らし?」

 

「ちげぇよ。両親共に健在さ」

 

「へぇ、珍しい」

 

「そんなことないさ。『普通』だろ?家族なんだから」

 

「『普通』ねぇ…」

 

 

どこか遠くを見るような顔だ。

 

「…正義の味方さんはさぁ、幸せ者だよ。私もね家族とは仲が『良かった』んだ」

 

『良かった』?

 

やはりこの怪異は『家族』が関わっているようだ。

 

今更だけど。

 

「正義の味方さん。私の悩み聞いてくれる?」

 

「聞くもなにも動けないんですけど…」

 

「私ね……」

 

こっちの意見は完全スルーらしい。

 

 

 

「『家族』に愛されてなかったんだよね」

 

ここから先、暫くは天羽さんの1人語りとなった。

 

003

 

 

私は孤児だった。

 

産みの両親は知らない。

 

貧しく静かに、孤児院で5才まで暮らした。

 

6才になる少し前。

 

私に二人の大人が会いに来た。

 

それから1週間、彼らと共に暮らし、『愛』を知った。

 

『愛』なんて大げさだけど、その言葉がいちばんしっくりくる。

 

それは孤児だった私にとって、とても暖かく、手放し難いものだった。

 

1週間後、また孤児院に戻った。

 

その時、彼らは私に言った。

 

「『家族』にならないか?」と。

 

私は『家族』と言う意味を知らなかった。

 

孤児院の人達はそんな優しいものじゃなかったから。

 

だけど、なぜだかとても嬉しくなり、私は泣いた。

 

彼らは戸惑っていた。

 

だけど私の気持ちを話すと、彼らも一緒に泣いてくれた。

 

そして私は養子になった。

 

それが今の両親だ。

 

私は幸せだった。

 

私は『家族』を愛し、『家族』も私を愛していると言った。

 

『愛』を知らなかった私は、誰よりもそれを大事にした。

 

名前を呼んでもらえる事が

 

一緒にご飯を食べる事が

 

 

「おはよう」と「おやすみ」を言う事が

 

こんなに嬉しいなんて、知らなかった。

 

そんな暮らしがずっと続くと思っていた。

 

だけど違った。

 

彼らは子宝に恵まれず、最後の手段で養子を選んだのだった。

 

私はそれに気が付かなかった。

 

いや、気付きたくなかった。

 

私が中学2年生になってまもなく、母が妊娠した。

 

それが分かった日の晩のこと。

 

彼らは喜んだ。

 

私も『家族』が増えることを喜んだ。

 

しかし父はこう言ったのだ。

 

「名前は一(はじめ)なんてのはどうだ?」

 

母は何かを言おうとしたが父はその前にこう言った。

 

「俺達の『初めて』の子供だからな」

 

私は絶句した。

 

あの時の空気は今でも忘れない。

 

父の何も気付いてない顔

 

母の気付きつつ、しかし喜びを完全に隠せない顔

 

そして私の絶望した顔

 

父はそのあとすぐ気付き、私に何かを言ったがなにも分からなかった。

 

悪気のあるなしが問題ではない。

 

その考えに辿り着く事が、私には信じられなかった。

 

私はその晩、枕を初めて悲しみの涙で濡らした。

 

今までは泣いたとしても、喜びからくる涙だったからだ。

 

その時、私は悟った。

 

自分は『愛』されてないと。

 

今までのは偽りだったと。

 

心に穴が空いたようだった。

 

泣きながら眠る私は、意識が遠のく直前、鳥を見たような気がした。

 

その日みた夢は不思議だった。

 

私は町を自由に動き回っていた。

 

空だって飛べたし、誰かの家にも入れた。

その夢をみたあとは不思議と気分が晴れた。

 

 

その次の日から毎日同じ夢をみた。

 

しかし私は次第に飽きていき、知り合いの寝顔を見るようになった。

 

知り合いの寝顔を見ていると、その人の夢が私にも見れた。

しかもその中に入ることもできた。

 

私はいつの間にか『夢』を操れるようになっていた。

 

しかし完璧に操れるのはなぜか男だけだった。

 

ある日、クラスメートの男子の夢に入ってみた。

 

その時、私は懐かしい気持ちになっていた。

 

それは両親と出会った最初の頃に感じたものと凄く似ていた。

 

私はそれは『愛』だと思った。

 

しかし、しばらくすると彼は疲れてしまったのか深く眠り込んでしまった。

 

深い眠りはどうやら操れないようだったので、その日は帰った。

 

次の日の朝、彼は少しやつれているように見えた。

 

その夜、また彼の夢に入った。

 

それを繰り返し、二日後の朝、彼は学校に来なかった。

 

それから私は男子の夢に片っ端から入っていった。

 

入れないところもあったけど、それ以外は全て回った。

 

私は満たされていたが、それも一瞬だけだった。

 

気付けば、学校の男子はほとんど休んでいた…。

 

私が『愛』を求めたから。

 

004

 

天羽さんが語り終えた。

 

「これが私の心だよ、正義の味方さん」

 

なんと言うか。

 

「嫌な話だな」

 

「そうでしょ。お父さんもお母さんも最悪よ」

 

「違う。それだけじゃない」

 

「???」

 

「お前もだよ」

 

天羽さんは驚き、怒った。

 

「なんで!?私はただの…」

 

「ただの『可哀想』な女の子?」

 

「くっ、違う!」

 

「違わなくない!」

 

「どうして!?なんで分かってくれないの?」

 

どうしてと聞かれた。

だってそれは…。

 

「確かにお前の両親も悪い。だけど」

 

一拍おいて。

 

「両親を簡単に見放すお前も悪いんじゃないか?」

 

「はぁ?」

 

「見放すってのは言い方が酷いけど、両親を諦めたのはお前だぜ?」

 

「それは…違っ」

 

「両親がいつ、お前を『愛』してないなんて言ったんだ?」

 

「言わなくても、あの一言はそういう意味じゃん!」

 

「そうかもな」

 

だけど

 

「それはお前の両親の『小さな過ち』かも知れないんだぞ」

 

「ワケわかんないっ!!」

 

「人間なんて過ちだらけの生き物なんだからよ、そういうこともあるだろ」

 

「それにしても、酷すぎるよ!私はあの人達を信じていたのに……」

 

父さんが言ったのはこういうことなのかと僕は感じた。

 

「『家族』なんてのは喧嘩したり、気まずくなったり、そういうことが沢山ある」

 

だから

 

「それを許せるからこその『家族』なんじゃないのか?」

 

「………」

 

天羽さんはもう何も言えなくなっていた。

 

「今からならまだ間に合うかもだぜ?」

 

「だって…私、酷いことたくさん言った…」

 

「大丈夫。お前がその親から受けた『愛』は確実に本物だよ。それは神様でも、正義の味方でも、これから生まれてくる赤ちゃんにも、奪えやしない。これからはその赤ちゃんにも『愛』を教えてやるのが『家族』であるお前の仕事だ」

 

闇が取り除かれていく。

 

天羽さんは元の私服姿になり、月は黄金に戻っていった。

 

僕の髪も元に戻っていく。

 

どうやらギリギリ間に合ったようだ。

 

「さぁて、天羽さん」

 

最後の仕上げだ。

 

「君には2つの選択肢がある」

 

口角を釣り上げ、徐々に短くなる牙を見せつける。

 

「1つは怪異そのものを殺すこと、もう1つは天羽さんが怪異になった原因を取り除くこと」

 

「…どうして…?」

 

「二つ目を選ぶ場合はそれなりに苦しむかも知れないけど、今の君にはこっちがオススメだね」

 

「どうして神音君が…」

 

「さぁ君はどちらを選ぶ?」

 

「………私は」

 

 天羽さんは戸惑いながらも、精一杯の笑顔でこう言った。

 

「私は…二つ目を選びます!」

 

 彼女のその顔は紛れもなく…

 ―――――幸福だった。

 

 005

 

 その後天羽さんは紆余曲折を得て、両親と仲直りしたそうだ。

 

 僕も少しアドバイスしたし。

 

 簡単ではなかったけど、やはり彼らは『家族』だったのだろう。

 

 そして今回の騒動は結局のところ、ただの『家族喧嘩』だったのだろう。

 

 しかし、相談中に天羽さんがやけに挙動不審なのは気になった。

 

 まぁ誰にも聞かれないように、校舎裏にいたのでそのせいでもあるのだろう。

 

 あそこ暗いし、人気がないし。

 

 そしてそれから暫くして。

 

 6月4日

 

 その晩のこと

 

 僕は、何かの気配を感じて起きた。

 

 時間は1時40分ごろ。

 

 僕の部屋の窓には―――

 

 天羽さんが腰掛けていた。

 

「んんん!?」

 

「こんばんは、神音君」

 

 何故だか顔が少し火照ってる。

 

 走ってきたのだろうか?

 

 …じゃなくて。

 

「なんでいるの!?」

 

「来ちゃった♪」

 

「いやいや、そうじゃなくて」

 

「なんかねぇ、神音君に会いたいなぁとか想ってたら、懐かしい感じがして、気付いたらまた怪異化してた♪」

 

「音符マーク付けるとこじゃないから…」

 

 何故だろう。

 

 ツッコミどころがまだある気がする。

 

「てか原因は取り除けたんじゃないの!?」

 

「何でだろうねぇ?まあ所謂『愛』の力ですよ、きっと」

 

『愛』がまた間違った方向に進んでるような…。

 

「それに私…」

 

 天羽さんははにかみながらこう言った。

 

「最っ高の『夢』みてるんだ♪」

 

 それはまさに夢見る少女の顔だった―――

 

 

 

 

 このあと姉貴が登場し、ひと悶着あったのは言うまでもない。


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