「__っと言うわけで!こちらのミスで死んだ10名を別世界に特典をつけて!転生させました!」
「ふーん、へー、ほーん...この特典ってのは?」
「えーっと...一人目がニコポナデポというもの、二人目は王の財宝と王の軍勢、三人目は写輪眼、四人目は高ランクSSSレベルの魔力と約束された勝利の剣、五人目は♯コンパスに出てくるヒーローのスキルとか全部、六人目は仙術等、七人目は武器の作成と四人目の人と同じ魔力、八人目が死ぬ気の炎、九人目がとある魔術の禁書目録の方向転換と幻想殺し、そして十人目が
あぁ__この下っ端は後でさせ
運命を操る程度の能力と破壊する程度の能力です!」
あ"?
「だからってカク君?部下を消滅させなくっても良いじゃないか」
「ッハ!知るか、俺の逆鱗を逆撫でした挙句、その上でタップダンスされたんだ。消滅決定だ。クソが!」
うーわ...すっごい機嫌悪いよこの創造と破壊の神。
今じゃボク直属の部下だけど抑えられないよ...
「何が神の娯楽だ!何が相互利益だ!!ふざけんじゃねえぞ!!一昔前に流行っていたクソ神どもによるその世界を滅茶苦茶にする行為は反吐が出るんだよ!易々と人間を殺してんじゃねェ!!あのクソ下っ端は消滅!歴史!聖書!あらゆる文献から存在を消したとしてもこっちの怒りはまだ収まらねェ!!」
...確かに、過去に大切な人の...それも彼の場合、妹だった子達の力を見ず知らずの人間に渡され、使われると言うのは良い気分ではない。確か、みこーんで良妻狐なもう一人のボク(の神格バリバリ状態)も自分の宝を知らない奴に使われ激怒しながら色々壊していたっけ?
...でも、それでもやっぱりこの神様転生システムという、昔、北欧の神々がハマっていたモノをコッチでやる子が居るとは...この処理はどうしたものか...
「クソがッ...店主!激辛麻婆豆腐!それからりんご!アップルパイ!りんごジュース!」
「ちょっ!最初に食べた後のお子様感は何!?」
「うっせぇ!!俺の好きなものを食べて何が悪い!!後激辛麻婆豆腐は何か知らんが食いたくなっただけだ!!」
な、なんというゲテモノ喰い...
店主の八咫烏は苦笑いしながら彼が頼んだものを作っていく。
「アハハハ
「どうも!」
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
そんな音を立てながら彼は十数個とあったリンゴの山をどんどん芯にして積み上げていく。
そして次々に注文されてきたものが届き、激辛麻婆豆腐も含め、消費していく。
「ご馳走様!!」
ガンッ!
そんな音を立てて彼は激辛麻婆豆腐を食べきった。
...いつもより早い気がする。
「今回のタイムは...30秒!ハイスコア更新じゃないか!」
そりゃ速い...っと言うか速すぎないか!?
「良いから次!酒!」
「はいはい、激辛麻婆豆腐を食べ切ったやつは全てチャラになる、全く商売上がったりだよ。んで?何にするんだい?」
確かに酒、と言われても多い。
焼酎、ビール、鬼殺し等。
「...スカーレット・レディ「待って!カク!?それカクテルじゃないか!!ここバーじゃなくって居酒屋だよ!?」ッチ、わかったよ!シードル!」
結局リンゴなのか...
「ふじゃけんじゃねぇ〜、マジれ〜」
数時間後、彼は思いっきし酔った。
此処、高天原では時の流れは無い。
だから時間も気にせず酒を飲む神がいるのだが、彼が来てからはそう言う神は居なくなった。
だからか、私と店主は彼が酔うところを見るのは初めてだ。
「えぇっとそれでカク?送られた転生者ってどういう人達なの?」
とりあえず、尋問開始だ。
でなければどう処理するか困ってしまう。
「じゅー人中きゅー人が男、んでクズ、俺のいもーとのフランとレミィののーりょくを持った奴が女。」
「男全員はクズっと...その女は?」
「...せーじん」
へ?
「えぇっと...せーじん?」
「んー、せーじん、ぜんこーばかりしてる。」
えぇっとつまり聖人で善行ばかりしていたと...ん?
「それってカクが怒るレベル?」
「んー!」
どうやらちょっと怒るレベルらしい。
「てんしゅー!しーどりゅついかー!」
「はいはい」
そう言いつつ店主はシードルではなく、神水を注ぐ。
まぁ確かに神水は酒のようでただの水だから、今のカクには有効だけど...そんな湯水のように使われるとなぁ...
「ングッ!ングッ!ブハァ」
「一気飲み...それでカク、何で妹達の能力を使われるのを嫌うんだい?もしかして、危険すぎるから...」
「ちはう」
「じゃあなんで」
一泊置いてカクはボクの方を向く。
その顔は赤く、酔っているのが第三者でも分かる。
...はっきり言って妖艶に見える。
「フランとレミィの力をつはわれるのがイラふく」
...つまりこのシスコンは妹達の能力を使われるのが嫌と言うことか。
「...とりあえず寝とけこのシスコン」
「グエ」
ボクは今世紀最大の力で鎮石でカクを叩く。
酔ってるからか案の定、彼は抵抗虚しく、意識が鎮んだ。
「...あ"ぁ"クソが!!頭がいて...いてぇ...」
久しぶりに飲みすぎた...
クソ...何があったのかわかんねぇ。
気づいたら自分の部屋で寝てて頭いてえし...二日酔いだなこりゃ。それと別に後頭部が痛いが...
「一体どれくらい飲んだ俺は...」
そうボヤきつつ、準備を整えアマテラスの元へ向かう。
...痛い。
「あ、おはよう、カク君」
「あぁおはようさんだ上司殿、此処には時間の概念がないがな...」
「アハハ...様式美って奴だよ。」
「そーだな...所で俺の後頭部が滅茶苦茶痛えんだけど」
「ソレジャーハヤクシゴトシヨウネー」
何故カタコトなんだこいつ。
「ック!おのれおのれおのれおのれおのれおのれぇ!!」
「うっせぇ!!黙れ!!」
おのれおのれうっせえんだよクソガキが!テメェはもう輪廻の輪から外れてるから消滅か捕縛だッッ!
「まず一人目、回収完了」
ッチ、処理とか面倒クセェ。
『カク君、処理が決まったよ』
『あぁ?どんな感じだ?』
『転生者の捕縛、もしくは消滅だ』
『何神出れる?』
スサノオとかオオクニヌシとか来てくれりゃいいんだがねぇ
『君1人だ』
『....は?』
『君1人だ』
『はああああああ!?』
「ッチ、あの下っ端、消滅じゃなくヤマタノオロチの毒を呑ませれば良かったなァ」
下っ端の尻拭いを俺がするとか...まじ最悪だ。
「それでね茜ちゃん!神月君ったらしつこいの!なのはー!なのはー!って!」
「あはは...確かにしつこいですね」
「あ?」
下を見ると、茶髪のツインテールの少女と、赤髪の少女が2人並んで歩いている。
どうやら登校中のようで、あの制服からするに恐らくバス停に向かっているんだろう。
「ッ!」
赤髪少女が上を向く。
残念、そこに俺はいない。
「茜ちゃん?どうしたの?」
「...何でもないですよ、なのは。ただ視線を感じただけです。」
「(...今の運命で見えた黒コートの人は...まさか、他の転生者?...守らなくちゃ)」
へぇ...運命を見たのか...確かにレミリアの能力「運命を操る程度の能力」は強力だが、人間が本当に運命を操ることは出来ない。出来たとしても精々見る程度、本当に運命を操るとなると...寿命を縮めなければならない。
...能力を使われるのには腹が立つが...今は他の奴優先だ。
私、赤崎茜は転生者だ。
どこか新人さを感じる神様に能力を付与されて転生させられた人。
渡された能力は「運命を操る程度の能力」そして人助けになりそうにない「破壊する程度の能力」の二つ。
私の他にも転生者が9人いるようですが、後6人が何処にいるのかが分かりません。
「なのはちゃん!茜ちゃん!おはよう!」
「すずかちゃん!アリサちゃん!おはようなの!」
「おはよう、なのは、茜」
「おはようございますお二人とも」
なのはと一緒にバスに乗るとなのはと私の友達、アリサ・バニングスと月村すずかと会う。
「今日ばかりはゆっくりしたいわね...!」
「うん...神楽坂君たち、しつこいもんね」
「えぇ!神崎とか私の家まで付いてきたのよ!」
「なのはも神月君につけられたの!しかも嫁と一緒にいるのは当たり前だろ?とか言っていたし...」
本当に最悪ですねあの3人組は...
なんて思っていると...
「やぁ!アリサ!すずか!なのは!おはよう!!今日もいい天気だな!」
「「「気安く話しかけないで!(なの!)」」」
早速現れた。
最低転生者3人衆が1人神月、なのはをストーカーしている最低な男。
何回、寿命を縮めてでもこいつの運命を弄ろうと思ったか...!
「所で神楽坂と神崎の2人はまだ来ていないのかい?」
「来てないわよ...てか話しかけないでくれる?」
「アハハハ!照れ隠しかな?アリサ、喜んでいいんだよ?僕のお嫁さんになるんだから!もちろん、すずかとなのはも!」
「誰があなたの...!」
「そうよ!ふざけんじゃないわよ!私達はあんたのお嫁さんになる気なんてないんだから!」
またこいつは...!
「ハッハッハッハ!...おや?どうやら携帯を落としてきてしまったようだ!ちょっと待っててくれ!」
そう言い、神月は運転手に待ってろと高圧的に言い、降りた。
今、運命を弄って事故に合わせて...!
そう思い私は能力を使い、神月の運命を見る。
...見て...しまった。
『ふ、ふざけるなよ!俺の写輪眼を...!奪いやがって!!殺してやる!お前を殺してやる!!』
吠える神月、そして神月に相対しているのは...先ほど見た黒コート。
何が...起こっている...?
『能力を奪った?勘違いも甚だしい、返却してもらっただけだ。クソガキ、コッチは下っ端の所為で処理に追われてんだよ。魅惑の能力を持ったクソガキに英雄王、征服王の宝具を持ったクソガキ、騎士王の聖剣を持ったクソガキに、あるゲームに出てくるキャラクターと言うものの力を持ったクソガキ、んで武器の作成を持ったクソガキに方向転換と能力を消す力を持ったガキ、仙術とか持ったガキ、そして死ぬ気でやる時に出る炎を持ったクソガキ共から能力を返却、んで消滅したかったが...喜べ捕縛で済ませてす。』
『な、何だよそれ!神崎も、神楽坂も死んだって言うのかよ!?ふざけんなよ!!俺たちを殺して!やっと!好きなキャラクター達とヤレると思ったのに!!お前!何様だよ!!』
そう言った神月の身体が...バラバラになる。
『死神様だ、輪廻の輪から外れたクソガキ』
黒コートのポケットに手を突っ込み...タバコを取り出し火をつけ、咥えた...
『さて、これを見ている残りのガキ、今そっちに行く、待っていろ』
男はタバコの煙を吐き出すと、そう言った...
嫌だ...
「う〜...あれ?茜ちゃん?」
「どうしたのよ茜?」
「い...やだ...」
「あ、茜ちゃん?」
「嫌だ!死にたくない!!」
「手遅れだ。クソガキ」
気づけば、バス内に死神がいた。