この素晴らしい世界に魔法を!   作:フレイム

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ダクネス登場回です。

ここら辺の展開は完全オリジナルにするのが難しい。

誤字脱字お気をつけください。


この魔法使いにお酒を!

「ふいー…やっぱりカエル肉を食べながらの酒はやめられんな…しかし飲みすぎた…」

俺は顔を赤くしためぐみんに手を引かれながら、休憩の為ギルドに向かっている。

あの後、食堂でめぐみんと昼食を取ったのはいいものの、ついついその場で酒に手が伸びてしまった。

ほとんど記憶がないが、どうも俺は酒癖が悪いらしく、聞いた話によると小一時間ほどめぐみんにベタベタとくっついて離れなかったそうな。

「も、もう…ユウキは私の前でお酒を飲まないでください…」

「あはは…悪いなめぐみん、何度も言うがほとんど何も覚えてなくてな…すまない」

「全くもう…あ…ギルドが見えてきましたよ、ゆっくり休むといいです」

俺はギルドのテーブルにうつ伏せになり、ギルドの職員に水を頼む。

「…すまない、ちょっといいだろうか…?」

聞き慣れない女性の声、それは、俺の背後からボソリと声がかけられた。

未だ酔いが回っている目で、声の主の方にふり向いた。

「なんでしょ……うか…?」

 

女騎士…!

 

しかも金髪でとびきり美人だ。

 

俺の向かいに座っていためぐみんも、口を開いたまま女騎士の方を見つめている。

クールな印象を受けるその女性は、無表情のまま俺を見つめる。

もしかして、先程の食堂で周りはめぐみんにセクハラをしたという誤解が生じており、誰かが通報でもしたのか。

「あ、えーと、なんでしょうか?」

俺は警察署にでも連れて行かれるのだろうかと、変な心配をして声が震える。

「うむ…。この募集は、あなたのパーティの募集だろう?もう人の募集はしていないだろうか」

女騎士が見せてきたのは一枚の紙。

「あ、ちょ、ちょっと待っててくださいね!」

俺は慌ててめぐみんの耳元で囁く。

「お、おい…募集ってどういう事だ…というか、なんでまだ張ってるんだ」

「実はですね…私も、あの募集の紙を見てこのパーティに参加を決めたのですよ。それで、まだその紙が残っているのは、きっと剥がし忘れていたのでしょう…あの二人ならありえますしね。」

「ということは、まだメンバーは募集してるって事でいいのか…?ここで追い返すのも忍びないし…」

「…あ、あの…不都合などあるだろうか…?」

突然の女騎士の声で、俺は再び驚いて振り返る。

「え、え~っと…実は俺も今日加入したばかりで、俺の判断じゃ決められないんですよね…今日の夜か明日、リーダーがここに来ると思うので、改めて来ていただけませんか…?」

「そ、そうか…では、今日の夜に一度改めて来るとしよう」

そう言い残した女騎士は、街の方へ戻っていった。

それと同時に、年上の女性と話していた緊張が解けたのか、また酔いが回る。

「ゆ、ユウキ…酔いは大丈夫ですか?はい。」

そう言うと、恐らく女騎士と話していた間にきていた水を受け取り、一気に飲み干す。

「う~ん…やっぱりちょっと物足りないな…酒だ酒」

「ちょっと!さっきの私の話聞いてました!?私の前でお酒飲んじゃダメですからね!」

全く、俺が酔ってる間にどれほど酷い事をしたのか、めぐみんは必死に俺が酒を飲むのを否定する。

「ほいほい、わかってますよ」

すると、俺達がぎゃあぎゃあ言ってる間に、いつの間にかカズマ達がギルドに戻ってきていた。

「うーす、ユウキ、何かあった?」

「そうそう、カズマ、うちのパーティに入りたいという人がさっきまでいたんだが…まだここって募集してるのか?」

カズマはそれを聞くと、無言でアクアの方を向く。

「やっぱりまだ剥がしてなかったのかこの駄女神!」

「ええーーーーー!?痛いいひゃい!ちょ、ユウキ助けなさいよ!」

俺はアクアの頬をつねっていたカズマの腕を離し、

「まあまあ二人とも落ちついて…な?」

そう言っても二人とも顔を合わせようとしない。

さっきまで一緒に出掛けてた癖に、仲が良いのか悪いのか。

「そういえば、今日の夜にまたその人は来てくれるそうですよ?そこで話し合いましょう。」

俺が言いたかった事をめぐみんが言ってくれる。

結局、俺達は夜までギルドで待機することになった。

 

「なぁめぐみん、いいだろ…?」

「ダメですよ、いくらカズマがいるからって、飲むことは許されません。」

「まあまあめぐみん、ここはギルドよ?夜は酒場にもなって、冒険者の憩いの場よ?そこで酒を飲むなって、植物に水を与えないような物よ?少しぐらい飲ませてあげなさいな」

その例えはイマイチだが、アクアがいいフォローをしてくれた。

「そうだぞめぐみん、さあ、飲むぞユウキ!」

めぐみんは呆れて、物も言わなかった。

 

一時間後…

 

「めーぐみん!あはは、なーに食べてるのー♪」

「ちょ、やっぱり飲むと相当キャラ変わりますね!普段のちょっと真面目な所とギャップありすぎですよ!」

「ふへへ…♪世間はギャップ萌えってゆーじゃん♪」

「!?き、急に後ろから急に抱きつかないでくださいよ!」

 

「こ、これは一体どうなっているのだ…」

気が付いたら俺達のテーブルの横に立っていた女騎士。

「か、カズマ!言っていた例の人が来ましたよ!」

 

カズマ視点。

 

「あ、立ち話もなんですからどうぞ」

俺は女騎士に席に座るよう促す。

「お気づかいありがたい…ところで、このパーティのリーダーとは貴方か?」

「えーと、一応、俺がこのパーティのリーダーを務めてる、サトウカズマです。」

今は酒も入っている所為か、パッと見年上の女騎士が相手だとしても、動じることはない。

「では次は私が…私の名はダクネス、職業はクルセイダーを務めている」

自己紹介は続き、アクア、めぐみんもダクネスに自己紹介をする。

「私の名前はアクア、アークプリーストをしているわ、しかしそれは仮の姿…私はいずれ魔王を倒すめ…って痛い!何すんのよカズマ!」

「我が名はめぐみん、紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者…!そして、私にベタベタしてるのはエンドウユウキ、私と同じくアークウィザードで…酒癖が悪いから気を付けてください」

ダクネスは結構最初からユウキとめぐみんとのやり取りに引いていた気がしたのだが。

しかし、ユウキはめぐみんや駄女神と違って、真面目だと思っていたのだが…

普段真面目な分、酒を飲むと爆発してしまうのだろう。

疲れてしまったのか、今はめぐみんの膝を枕にして、静かに眠っている。

「ところで…先日、あなたの仲間が粘液まみれにされていなかったか…?」

ダクネスは急に声を上げ、俺の手を握る。

「えっ!?ま、まあそうですが…」

「やっぱりそうだったか!一体何があったらあんな目に……!わ、私も……!私もあんな風に……!」

「「「えっ!?」」」

俺とアクアとめぐみんは、ダクネスの言葉に驚き、素で返してしまう。

「いや違う。あんな年端もいかない二人の少女、それがあんな目に遭うなんて騎士として見過ごせない。どうだろう、この私は上級職に就いており、十分に活躍出来ると思うのだが」

なんだこの人、とにかく目が異常にヤバい。

そして、俺の危機感知センサーが反応している。

アクアとめぐみんにも匹敵する何かを持っている。

「え、えーと…取りあえず何故このパーティに入りたいのか、理由を教えてもらえますか…?」

ダクネスは何故か少し躊躇っていたがすぐに口を開く。

「…いや…実は、ちょっと言い辛かったのだが、私は力と耐久力には自信があるのだが不器用で…その…攻撃が全く当たらないのだ…」

やはり俺のセンサーは正しかったらしい。

「という訳で、上級職だが気を遣わなくていい。ガンガン前線に出るので、盾代わりにこき使ってほしい、改めて、よろしく頼む、カズマ」

ダクネスは俺に顔をズイ!と寄せてくる。

「は…はい、よろしくお願いします…!」

ダクネスに圧倒され、俺は彼女の加入を承諾してしまった。




次回、クリス登場回。

何気に酔ってる時のユウキ気に入ってます。

誤字脱字修正していきます。

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