この素晴らしい世界に魔法を!   作:フレイム

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一章最終回
デストロイヤー後編。

誤字脱字お気を付け下さい。


この魔法使いに勝利を!

突然脚を失った機動要塞が、どんでもない地響き、轟音と共に、平原のど真ん中に底部をぶつけ、そのまま慣性の法則に従って街の方へと地を滑る。

その滑り続ける巨体は街の前のバリケードに届く事はなく、冒険者各員は無傷で済んだようだ。

その機動要塞の様子を見ていると。

「……っ!?」

爆裂魔法を使った所為か、俺の身体に一気に気怠さが圧し掛かってきた。

俺はそのまま倒れそうになるが、なんとか片膝をつき持ちこたえる。

「ぐ……これが爆裂魔法の魔力消費か…めぐみんが倒れるのも無理はないな…」

俺は片膝をついたまま、うつ伏せに倒れているめぐみんに声を掛ける。

「ぐぬぬ……。爆裂魔法の威力も、魔力容量もウィズに我々二人が負けるとは…流石はリッチー。無念です…」

めぐみんの呟きを聞き、ウィズの方に顔を向けると、何事もなかったかのようにアクアの隣に立っているウィズを見て唖然とした。

「く、悔しいです……。つ、次は……。次こそは……!」

「はは…。悔しいが今回はウィズに完敗だ。ほら、肩に掴まれ」

俺はめぐみんに肩を貸し、改めてデストロイヤーの巨体を見る。

脚を失った機動要塞は、気味が悪いほど沈黙を保っている。

こういう場合は、フラグになる様な事は言わないのが最善の道だ。

やったか!?等の発言は慎み、後は皆でゆっくりと機動要塞を解体、または破壊していけば……。

「やったわ!何よ、機動要塞デストロイヤーなんて大袈裟な名前しておいて、期待外れもいいとこだわ。さあ、帰って宴会といきましょうか!なんたって一国を亡ぼす原因になった賞金首よ、報酬は、一体お幾らかしらね!!」

「っておいアクア!そんなお約束になる様な事は……!」

迂闊な事を口にしたアクアに俺は大声で止めに入る。

……が。それは既に遅かったらしい。

「……?な、なんでしょうか、この地響きは……」

俺の肩に寄りかかっているめぐみんが、不安そうに機動要塞の巨体を見た。

大地が震えるようなこの震動は、明らかにデストロイヤーを震源としている。

正門前の冒険者達が不安げにその巨体を見上げる中。

『この機体は、機動を停止致しました。この機体は、機動を停止致しました。排熱、及び機動エネルギーの消費ができなくなっています。搭乗員は速やかに、この機体から離れ、避難してください。この機体は……』

機動要塞の内部から流れ出したその機械的な音声は、何度も何度も繰り返される。

「ほらみた事か!アクアが変なフラグ立てるから案の定こうなったじゃないか!」

「待って!ねえ待って!これ、私のせいじゃ無いからっ!私、今回はまだ何もしてない!!」

 

 

デストロイヤーの中から何度も避難命令が出される中、俺はめぐみんを背負い、カズマの元に集まり、話し合いを行っていた。

「おい、この警告は何だ?このまま此処にいたら不味いんじゃないのか?」

一人の冒険者が口にした。

俺もそう思う。というか、もう街捨てて逃げないと間に合わないんじゃないかってぐらい、不吉な予感がする。

「多分だが。このままだとボンッってなるんじゃないかと思うんだ、こういった場合だと」

カズマの言葉に、居並ぶ冒険者達の顔が引きつる。

この巨大な要塞が爆発でもしたら、一体どれほどの被害が出るのか。

そもそも要塞の動力源すら知らない俺達に、これ以上どうする事もできそうにない。

「み、店が……。このまま街が被害にあったら、お、お店が、お店が無くなっちゃう……」

それは、泣きそうなウィズの声。

彼女にすれば、それはきっと、自分の魔法店の事を言ったのだろう。

だが……。

『この機体は、機動を停止致しました。この機体は、機動を停止致しました。排熱、及び機動エネルギーの消費ができなくなっています。搭乗員は速やかに、この機体から離れ、避難してください。この機体は……』

アナウンスが何度も何度も響く中、誰かがぽつりと呟いた。

「……やるぞ。俺は」

それは、誰の呟きだったのだろう。

「……俺も。もうレベル30も超えているのに、なぜ未だにこの駆け出しの街にいるのかを思い出した」

……そ、そんな奴がいたのか。

「むしろ今まで安くお世話になって来た分、ここで恩返しできなきゃ終わってるだろ!」

……うん…ん?

そういえばこの男性冒険者達、薄々気が付いていたのだが。

……ほとんどがサキュバスの店にいた奴じゃねえか。

シンと静まり返る中。

聞こえてくるのは……。

『この機体は、機動を停止致しました。この機体は………』

 

 

――カズマは拡声器を手に、大声を張り上げた。

 

『機動要塞デストロイヤーに、乗り込む奴は手を挙げろー!!』

迷うことなく一斉に冒険者達が手を挙げる中、アーチャー達がフックつきロープのついた矢を、デストロイヤーに向けて打ち上げた!

俺は突入していく冒険者達に指示を出しているカズマに。

「悪いなカズマ…俺もめぐみんもさっきの爆裂魔法でこの様だ…俺達は休憩させてもらうよ」

俺の声を聞いたカズマは、少し笑いながら。

「はは、俺達の事なら心配しなくても大丈夫だ、もうここまで来たら、デストロイヤーぶち壊して帰ってくるよ」

俺はデストロイヤーに乗り込んだカズマ達を見送り、外壁の上へ戻った。

 

 

――デストロイヤー内部

 

「ゴーレムを囲め囲め!大勢でロープを使って引きずり倒せ!倒れた所をハンマーで叩けっ!」

それはもう、どちらが侵略者か分からない光景だった。

既に多くの小型ゴーレムや戦闘用のゴーレムが、駆け出しの多いはずのこの街の冒険者達に破壊されている。

というか、その光景を見ているアクアとウィズは完全に引いている。

「デカイのがそっち行ったぞーっ!」

その声に振り向くと、そこには一体の戦闘用のゴーレムがいた。

それがこちらに向かって来る中、他の冒険者達が俺達の手助けをしようと寄ってくる。

だが、俺には対ゴーレム用の秘策があった。

「おいアクア。いい物見せてやる。スキルの有用な使い方って奴だ」

俺はゴーレムに向かって手を上にして差し出した。

相手は機械のゴーレム。

なら、部品を奪っちまえば動けまい。

そう、盗む系のスキルを機械に使うと、即死攻撃になる!

俺だって、日々この世界で進歩しているのだ。

「『スティール』!」

「ちょっ!カズマ、待っ……」

俺が何をするのか察したのか、アクアが鋭い制止の声を上げるが……。

俺の突き出した手の平には、見事、巨大なゴーレムの頭が載っていた。

勿論頭を盗られたゴーレムは、途端に動かなくなる。

スティールによってしっかりと俺の右腕の上に載っかった、かなりの重さを誇るゴーレムの大きな頭は、そのまま重力に従って、俺の右手を下敷きにして地面に落ちた。

「……っぎゃー!腕が!腕があぁああっ!」

それを見た付近の冒険者達が、右手を挟んでるゴーレムの頭をどけてくれる。

「ああっ!大丈夫ですかカズマさん!?重い物を持っているモンスター相手には、スティールを使っちゃいけませんよ!」

ウィズが俺を心配する中、俺の右手の具合をアクアが見る。

「アクア……、これ、折れてる、絶対折れてるよ」

「ヒビも入ってないわよ。一応ヒールぐらいかけるけど、あんまり調子乗ってバカな事しないでね?」

くっ、屈辱だ!

 

 

「おーい!見つけたぞ!ここが中枢部だ!」

他の冒険者達が見つけた、機動要塞の中枢部。

大人数で行ってもしょうがないと、皆に任され、俺とアクアとウィズの三人で入った部屋の中だった。

部屋の中央には、鉄格子に囲まれた小さな石、見るからに希少な物だった。

――その希少な鉱石は、燃える様な赤い光を放ち続けていた。

だがどうしたものか。鉄格子に挟まれたそれは、どう考えても取り出せない。

……なるほど、攻め込まれた時用の最後の砦か。

恐らくコレを外せれば動力がなくなり警報も止むと思うのだが……。

「あれ、こうすればいいんじゃないのか?この距離なら……『スティール』!」

「ああっ!カ、カズマさんっ!?」

ウィズが何かを叫ぶ中、俺の予想通り、その鉱石は格子をすり抜け、俺の手の中におさまった。

 

 

――赤々と燃えながら。

 

「あああああああづああああ!!」

「『フリーズ』!『フリーズ』!」

「『ヒール』!『ヒール』!……ねえ、バカなの?カズマって、普段は結構知恵が働くと思ってたんだけど、さっきのゴーレムの件といい、実はバカなの?」

くっ、悔しい!アクアに言われて何も言い返せない!

「マズいですね……これ、もうそろそろ爆発しそうですよ。どうしましょう……」

悩むウィズの足元では、赤々と輝くその鉱石がどんどん輝きを増していた。

いつの間にか、機械的なあの警告の声も止んでいる。

きっと、この石がこの要塞の動力源だったのだろう。

しかし、こんな物の処理は俺にはどうにもならない。

これほどの要塞を動かす、燃え盛る石をどうにかできるのは……。

「お、おいウィズ!こ、この石をどこかに転送したりはできないのか!?」

もう、リッチーのウィズに全てを投げ出した。

アンデッドの王なのだから、この石を魔法で飛ばせない事もないだろう。

「できない事はないですが……。それには魔力が足りません。あの、カズマさん、お願いが!」

そう言って、真剣な表情で俺の前にグイッと顔を寄せた。

「な、何でしょう?」

ウィズは、切羽詰まった様に、俺の頬を両の手の平で挟み、その親指で俺の唇の端に触れながら。

迷う事無く言ってきた。

「吸わせてもらえませんか!?」

「喜んで」

ここで、変な対応をして相手を困らせてしまうほど、俺は馬鹿じゃない。

俺は密かに期待しながら、冷静を装う。

「ありがとうございます!では、参ります!」

否応無しにウィズの艶やかな唇が目に入る。

お父さん、お母さん。俺、異世界で大人になり…ま……?

「カズマさん、すいません!ドレインタッチー!」

「ああああああああああ!」

「ちょ、ちょっとちょっと!それ以上はカズマさんが干物になっちゃう!」

アクアが慌てて止める中、俺が意識を失う前に、ウィズがその手を離してくれた。

何という期待外れ。

いや、これはお約束だとは思ったけど!

「これで、テレポートの魔法が使えます!……でも問題は、これをどこに送るかなのですが……。私のテレポートの転送先は、人が密集している場所ばかりで……」

ウィズがオロオロしながらそう言っている間に、その鉱石の輝きが赤から白に変わる。

「って、これ本当にヤバいぞ!何か!何か方法は無いのか!?」

俺が大声を上げている間にも、焼け石に水だと分かっていながら石にフリーズをかけ続けた。

「一応、一つだけ手はあります!ランダムテレポートと呼ばれる物で、転送先を指定しないで飛ばす物です!ただ、これは本当にどこに転送されるか分からないので、転送先が海や山なら良いのですが、下手をすれば人が密集している場所に送られる事も……!」

ウィズが眉根を寄せながら、泣きそうな顔で言ってくる。

「大丈夫だ!世の中ってのは広いんだ!人のいる場所に転送されるよりも、無人の場所に送られる可能性の方が、ずっと確率は高いはずだ!大丈夫、全責任は俺が取る!こう見えて、俺は運が良いらしいぞ!」

俺の言葉にウィズが頷き、声高に魔法を唱えた。

「『テレポート』ーッ!」

 

 

――街正門前。

 

「どうなったんだ…?一瞬、デストロイヤーの本体が白く光ったが……」

俺はめぐみんを背負ったまま、外壁の上で機動要塞の様子を見る。

カズマ達以外の冒険者は皆、正門前に戻り、アクアとウィズ、そしてカズマが機動要塞の中枢部に突入したらしい。

さっきの白い光が、不吉な事でなければいいのだが……。

 

「おーい、皆!カズマ達が戻ってきたぞ!」

それは、突入した男性冒険者の野太い声。

俺は慌てて機動要塞の方に振り向く。

そこには、機動要塞からロープを伝って、降りるカズマ達の姿があった。

「……ふー…終わったぞ、めぐみん」

「ふ…流石はカズマ達…これで、全て終わったのですね」

俺達冒険者はそのまま、カズマ達を迎えるべく、正門前に集まった。

カズマ達が無事で戻ってきた事を知った途端、周りの冒険者はすっかり戦勝モードで浮かれていた。

「はは…カズマ、お疲れさん、これで、終わったんだな……!」

「ああ…!まあ、あの石が近くで爆発していなければいいんだが…その心配はなさそうだな」

ここまで来たら、流石にフラグも糞もないと思っていた、その俺の考えが迂闊だった。

俺達の戦勝モードをぶち壊しに来たかのように。

突然、機動要塞そのものが、振動音と共に震え出した。

俺達だけではなく、冒険者達も異変に気づいたらしく、彼らは、慌ててデストロイヤーから距離を取る。

「ど、どうしましょう!恐らく、機動要塞内に溜まっていた熱が、外に漏れだそうとしているんです!このままでは、あの熱が噴き出して、街が……!」

「聞きたくない聞きたくない!カズマさーん、カズマさーん!はやく、はやく何とかしてえーっ!!」

ウィズの言葉をアクアが遮り、無茶な要求を吹っ掛けてきた。

いや、流石にカズマでもこれは……!

「ッ!?そうだ!ドレインタッチ!」

カズマが大声を上げたかと思えば、必死に自分の冒険者カードを探している。

「お、おい!どうする気だカズマ!今更スキルで何とかなる物じゃ……!」

俺はカズマに向かって大声を上げるが、カズマは全く聞く耳を持たない。

「アクアだ!俺がアクアの魔力を吸って、めぐみんにドレインすれば、もう一度爆裂魔法が撃てる!」

確かに、とその場にいる皆が頷く。

「お、俺も!俺にも少し魔力を分けてくれ!少しでももらえれば、めぐみんの様に倒れるだけで済むはずだ!」

俺は、思わずカズマに叫んでいた。

 

 

「カズマさん、ドレインは皮膚の薄い部分からの方が、より多く吸収できますし、より多く送れます!魔力の源は心臓部です。なので、心臓に近い部分からドレインするのが効率がいいですよ!」

カズマは、魔力受け渡しの為にアクアとめぐみんの首根っこを掴んでいた。

そこから、アクアを通じてめぐみんへと魔力を与えている。

「ヤバいです、これはヤバいですよ!アクアの魔力はヤバいです!これは、過去最大級の爆裂魔法が放てそうです!」

「ねえめぐみん、まだかしら!もう、結構な量を吸われていると思うんですけど!」

アクアから魔力を吸っているめぐみんの顔色は、先ほどまでと見違えるほどにすっきりとしていた。

お、おい…もういいんじゃないのか……。

「はい!もうバッチリです!何時でも撃てます!」

自分で勢いよく立っためぐみんは、杖をデストロイヤーに向けている。

「よし……!次は俺だ」

俺はカズマを通して、アクアの魔力を吸収する。

…お!おお…!

流石はアクアの魔力だ。みるみる内に疲れが取れていく。

「んっ…こ、これはヤバい…!……よし!もう撃てるぞ!」

俺はあっという間に回復し、杖をデストロイヤーに向ける。

既に聞き慣れた爆裂魔法の詠唱が、周りの冒険者達にも響き渡った。

「行くぞ!俺の、最後の爆裂魔法!」

「他はともかく、爆裂魔法の事に関しては!私は、ユウキにも、ウィズにも、誰にも負けたくないのです!行きます!我が究極の破壊魔法!」

めぐみんと俺の杖先が、熱を吹き出し、今にも弾け飛びそうな機動要塞に向けられる。

 

俺の隣のめぐみんは、紅い瞳を輝かせ、負けず嫌いなめぐみんが、張り裂けんばかりの声で魔法を唱えた。

 

 

「「『エクスプロージョン』――ッッッ!」」

 

 

 

――機動要塞デストロイヤー迎撃戦から、数日が経過。

そして本日。

冒険者ギルド内は、異様な熱気に包まれていた。

冒険者達の期待に満ちた眼差しが、ギルド職員に向けられる中。

俺達5人は、他の冒険者達とは少し離れた場所にいた。

「カズマ。今更私が言う筋合いじゃ無いかも知れないが、改めて礼を言う。よくこの街を守ってくれたな」

そう言って、今日は私服姿のダクネスがカズマに向けて笑みを浮かべていた。

俺は外壁の上で待機していたため、そのやり取りは知らないが、恐らく俺達が魔法を撃つ前に話していたのだろう。

「そういえば、今回ダクネスは何処に居たんだ?俺は外壁の上にいたが、一度も見かけなかったぞ」

俺の質問に、アクアとめぐみんも頷く。

「一番前に出て、無意味に仁王立ちしてたぞ、ダクネスは、今回何もしてないと言っても過言じゃないな」

「!?」

カズマの言葉に、ダクネスは顔を背けながらビクリと震える。

「ねえ、私は頑張ったわよ!結界破ったし、カズマにヒールかけてあげたりもしたわね」

自分の功績を悪気もなく言うアクアの声に、ダクネスは更に身を震わせた。

「私とユウキは、爆裂魔法を日に二回も撃って大活躍でしたからね。しかも、二発目はデストロイヤーを粉砕してやりましたから!」

めぐみんの声に、またダクネスは身を震わせる。

「カズマの指揮を見事だったな。デストロイヤー内部に乗り込んで、中枢部をあの短時間で攻略するとはな…流石はカズマとしか言いようが無い」

俺は何気なくカズマを褒めただけなのだが、ダクネスはついに耐えられなくなり、両手で顔を覆った。

「……で、街を守るって駄々こねてた、お前の活躍は?」

「こっ、こんなっ!こんな新感覚はっ!……わあああああああーっ!!」

カズマが、顔を真っ赤に染めながら、顔を覆ってその場にしゃがむダクネスをからかっていると……。

突然、ギルド内のざわめきがピタリと止んだ。

顔を上げると、ざわめきが止んだ原因が目に入る。

そこには、なぜかどことなく暗い顔のギルド職員の隣に、二人の騎士を従えた、黒髪の女が立っていた。

なるほど、デストロイヤーは、街規模ではなく、国規模での災害。

それをここで食いとめたということは、国にとっては大きな利益。

こうしてわざわざ首都からお偉いさんが来て、直々に報酬を渡すつもりなのだろう。

俺達が期待に満ちた表情で見守る中、その女はこちらを真っ直ぐに見つめてきた。

その視線は俺…ではなく、隣にいるカズマだった。

その眼差しは、決して軽いものでは無く、とてつもなく情熱的なものだった。

そう喩えるならば……。

 

――それは親の敵を見るかの様な、厳しい眼差し。

 

「冒険者、サトウカズマ!貴様には現在、国家転覆罪の容疑が掛けられている!並びに、エンドウユウキ!貴様には、その罪の手助けをしたという疑惑が持たれている、自分と共に来てもらおうか!」

 




ついに、デストロイヤー編も完結致しました…。

書いてる間に、UA数が一万を超えてたのが一番驚きました。

あともう一つ驚いたことが……。

――まだ原作二巻しか消費してない()

次回から、原作三巻、アニメでは入っていない所まで進みますね。

これからも、この作品をよろしくお願いします。

誤字脱字修正していきます。

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