この素晴らしい世界に魔法を!   作:フレイム

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今回はリアルの方で忙しかったのでかなり短いです。

買い物編。

誤字脱字お気を付けください。


この魔法使いに漆黒と紅い杖を!

「う~ん…流石にこの金額じゃいい物件はないなぁ…」

俺達は、先日の雪精討伐の報酬金額520万で、アクセルにしっかりとした拠点を持とう、という話になった。

実は俺はこっそりデュラハン撃退の報酬金を少しずつ食いつぶし、安い宿屋に泊っているのだが、もちろんカズマ達は未だに馬小屋暮らしだ。

何時までも馬小屋暮らしでは、大金も意味をなさない。

だが、そんなに現実は甘くないようだ。

たったの520万ぽっちでは、田舎の一軒家程度の家しか購入出来なかった。

「…一度出直しましょうか」

めぐみんの言葉に、俺達は無言で頷き不動産屋から出る。

俺の報酬の金額を全て投資してもよかったのだが、1000万エリスでも5人全員伸び伸びと暮せる家がとてもではないがなかった。

だが、カズマ達も雪精討伐で懐が温かくなったので、今日から新拠点が見つかるまで俺と同じ宿屋に寝泊まりすることになった。

カズマとアクアは宿屋に帰ると言って別れ、ダクネスは寄る所があるというので、俺はめぐみんと街をブラブラと散歩する。

「ってユウキ、今日はどこに行くのですか?」

「ん?ああ、実は前から気になっていたんだが、魔法使い用の杖をウィズの店で買おうと思ってな」

前回はめぐみんに案内されながらだったが、ゾンビメーカー討伐の際、ウィズから貰った住所が書かれた紙があるため、スイスイと俺が先に行く。

「いらっしゃいませ~あっ、ユウキさんじゃないですか!約束通り来てくれたんですね!ところで、今日はどんなご用件でしょうか?」

ウィズは笑顔で俺達を迎えてくれる。

「あぁ、実は纏まったお金が入ったから、ここらで魔法用の杖を買っておきたくてな」

俺のがそう言うと、ウィズは店の右手の壁を指差し、

「魔法用の杖なら、この壁に掛かっている物がオススメですよ」

ウィズが指差した壁には、白い木の素材で作られた杖もあれば、禍々しい鉱石が練り込まれた杖もある。

「えーと…この杖って種類ごとに効果が違ったりするんですか?」

俺の疑問に、ウィズは答える。

「別にこの杖だから特別この魔法が強くなるという事はないですね…回復魔法に向いている杖などもありますが、普通は皆さん魔法の魔力消費を抑える杖を購入なされていきますよ」

なるほど…。ということは、性能が気に入った物があれば、その性能と同じ杖の中で色々と選択出来るってことか。

「ん…これは…?」

俺の目に留まった杖は、デュラハンの鎧の様な漆黒と、めぐみんの目の様な紅さが交わった杖だった。

まさに俺にぴったりな杖ではないだろうか。

「すいませーん、この杖の性能ってどんな物なんですか?」

俺はすかさずウィズに疑問をぶつける。

「ええと……この杖炎属性と光属性の魔法の魔力消費を抑える物ですね、値段もお手頃なのでオススメの品ですよ」

値段は…15万エリスか。

うん、やっぱり金の力というのは恐ろしいものだ。

以前までは、14万のポーションで絶句してた癖に、俺は今、15万の杖を即決で買おうとしている。

「なるほど、じゃあ、これください」

俺は一万エリス札が30枚ほど入った財布を取り出し、早速購入する。

「ちょっとユウキ、大丈夫なのですか?いくら報酬金が残っているとはいえ、この調子で使っていったらすぐに無くなっちゃいますよ」

めぐみんは俺の行動に驚いているのか、心配して俺の顔を覗き込んでくる。

「ま、まあ多分大丈夫だろ…またクエストに行けば15万ぐらいはすぐに稼げるさ。」

俺の言葉を聞いためぐみんは、むうと頬を膨らませて俺を見つめてくる。

可愛い…って何を考えているんだ俺は。

「15万エリスになります。一、二…15万エリスちょうどですね、ありがとうございました~!」

ウィズから買ったこの杖は、俺が持った途端、先端から紅い光が灯され、俺に力が伝わる。

なるほど。これが杖による力という事か。

俺はめぐみんを連れ、そのまま外に飛び出し、街の外にまで出て、早速魔法を放とうとする。

どのぐらい強化されているか、この目で確認したかったのだ。

俺は街の外の少し離れた岩場を目標とし、

「…『インフェルノ』!」

俺が放った炎属性の上級魔法は、雪精に放った時の物よりも、およそ二倍ほどの威力が出た。

これが、杖の力…!

「おお…!前よりも格段に魔法の威力が上がってますね…!」

…この威力なら、デュラハンに勝ってたかもしれないなという考えが一瞬頭の中を過った。

「いかんいかん…もうめぐみんに無茶はしないと約束しているんだ、それを破ってしまえば元も子もないな…」

「ん?今何か言いました?」

ありゃ、つい心の声が出てしまったか、まぁ仕方ない。

明日からまた、クエストで金を稼がないとな…

俺達はその後、めぐみんと一緒に宿屋に戻った。

めぐみんと一緒に帰るというのも何か新鮮っていうか…何だこの気持ちは…

俺は自分の気持ちに違和感を覚えつつも、めぐみんと一緒に帰ることにどことなく幸せを感じていた。

 




次回、サキュバス編をと思ったのですが、屋敷が手に入っていないので、色々すっ飛ばした話になりそうです。

UA数が5000を超えて結構ビビってます。

誤字脱字修正していきます




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