最近気づいたこと
作者は嫌なことがあると文章を書く意欲が湧く変態だということ。
知ってる天井だ。当たり前か。
だけどいつもとなんか違うんだよな。なんでだろうか。そんなことを考えながら、横を見るといつもはいないはずの人がいた。
皆さんご存知かわいい俺の許嫁である。これを言うと圭萌は嫌な顔をするかもしれないけど、何でこんなことになってるんだろうな。別に嫌って意味じゃない。むしろこんな素晴らしい人の許嫁が俺なんかでいいのかってことである。絶対本人には言わないけど。無駄に気を遣わせたくないし。最近忙しそうにしてるしな。
「だからか・・・」
おっと、声に出てしまった。圭萌は起きてないようだから良しとするけど。このたまに起きる無意識に考えてることを喋ってしまうの直さないとな。またこの前と同じミスをするわけにもいかないしな。
話が逸れたな。最近、圭萌は大学のほうで忙しいらしく昨日の夜も金曜日だからか俺の作った飯を食ったらすぐに寝てしまった。別に寂しくなんてなかったんだからね。ごめんなさい、だいぶキモかったわ。
それで俺の感じたいつもの朝と違うところっていうのは、朝ご飯のいい香りがしないことである。朝ご飯はいつも圭萌が作ってくれており、俺はその香りを嗅ぎながら起きるのが日課になっていた。
今日は土曜日であり、社畜の中でも選ばれしものは働いているかもしれないが、ありがたいことに学生の身である俺たちは休日である。なので別に無理して朝ご飯を作らなくてもいいのである。それでも先週までは頑張って俺より早く起きて作ってくれていたが。
ここまで話すと俺が圭萌の疲労を知りながら、それでも無理させて朝ご飯を作らせてるように感じる方も多いと思う。それは勘違いだと言っておこう。俺は朝ご飯作りを代わろうかと言っていた。だが、圭萌はなぜか代わろうとしなかったのである。むしろ若干怒っていたまである。いまだに理由がわからないけど、そんなことがあり俺は渋々ながらも引き下がったが流石に限界をむかえたらしい。
聡明な方々なら俺がこれからすることはもうわかっているかも知れないがその前に、
「寝顔を観察しよっと」
***
俺が起きてからもうそろそろ1時間が経とうとしている。時間が経つのって早いのな。
もうこのまま圭萌の寝顔を見ながら午前中を過ごそうかと思ったが流石に断念した。それにそのうち圭萌も起きるしな。
俺が起きたのはどうやら6時ぐらいだったらしくまだ7時である。休日のこの時間は普段の俺だと寝ているのでなんか新鮮なんだよな。
それにこんな時間に起きられるなんて奇跡に近いと思うんだが。俺はあんまり神様とか信じてないんだけど、これは頑張っている圭萌に朝ご飯を作ってやれっていう啓示かね。
とか、碌でもないことを考えながら冷蔵庫の中を漁ってみる。
そういえば、世の奥様方は旦那が冷蔵庫を漁るのがウザいと思うこともあるらしい。ソースは親。その点、俺たちは2人とも料理をするのでそんなこと思われてないはず・・・・・・ないよね?
「だいたいのものはあるな。ひとまずサラダでも作りますかね」
バイトで偶に料理もしておりそのおかげで、それなりに料理もできるようになった。レシピを見ないで作れるのカフェ飯ばっかだけど・・・・・・
それでもこうして危なげなく包丁を使えるだけバイトしていて良かったと思えるけど。
ちなみにサラダは基本的なものであり、レタスを食べやすい大きさに切ってそこに同じく切ったキュウリや人参を入れて、あとは冷蔵庫にでもしまっておく。
「よし、こんなもんだろ」
あとはクルトンと粉チーズと温泉卵をのっければ完成だな、と思いながらクルトンを探すためにキッチンの棚を漁っていると、そこにはこの前バイト先で貰ったフランスパンを発見した。
フランスパンは俺も好きだが、圭萌も好きだったはずなのでこれを使わない手はないな。
それはいいんだが、今更なんだけど朝からシーザーサラダっていいんかな。俺的には大丈夫だけど圭萌的には宜しくないかもな。その時は俺が食べればいいかな。
「フランスパンであれを作るの初めてだけど、さてさて上手く作れるといいんだけど」
***
「きゃあああああ」
フランスパンを切っていたら寝室の方から悲鳴があがった。いつもならすぐにでも駆けつけると思うけど、今回は俺の予想なら悲鳴をあげた本人様がすぐに来ると思われ。
俺の思った通り寝室のドアが思いっきり開かれて焦った顔の圭萌が出てきた。
「ごめん、寝坊しちゃった」
「大丈夫だから落ち着けって」
「でも、朝ご飯とか」
「それならもうすぐできるから座ってていいぞ」
「でも・・・・手伝うよ」
「大丈夫だって。それにいつも作ってもらってるからな。偶にはゆっくり朝のひと時を過ごしてくれ」
その後なんとか説得して、リビングで待っててもらっているのだが・・・・・なんか後ろから視線を感じるんだよなぁ。視線の主は1人しかいないんだが。むしろそれ以外だと俺がやばいヤツになってしまうので圭萌一択でファイナルアンサーなんだけど。
圭萌に見られるのはいつもなら嬉しいんだけどなんだろ、少し緊張するんだよな。
この部屋の作り上しょうがないことなんだけど、本当ならキッチンからリビングが見渡せたらいいんだけどね。
そしたら圭萌がどんな顔で見てるのか分かったんだけど。そしてそれをエサに弄ったのに。
そんなことを考えていたら、後ろから足音が聞こえてきたので振り返ったらなぜか抱き着かれた。
「何してるんですか」
「ごめん、私の予定だと背中に抱き着くつもりだったんだけど」
「それはまぁそうなんだろうと思うけどそっちではなく、なんで抱きついてきたのかの理由を教えていただきたいのですが」
「手伝おうと思って?」
「なぜに疑問形。そして手伝うのと抱き着くのが俺の中ではイコールで結びつかないんだけど」
「私も行動に起こしてから思ったけどよくわからなかったから疑問形にしたんだ」
「なるほど。いや、納得できないんだけどね。それにこのままだと料理が進まん」
「そうだね。それなら私にも料理手伝わさせてよ。それがダメなら離れないからね」
「さすが圭萌だな」
「エヘヘ」
「だけどその選択肢だと俺は料理をほったらかして圭萌を取るかもしれないけど」
「えっと、まさかハチ君そんな訳ないよね。それにここまで作ったのに勿体ないよ」
「わかってるって、嘘だよ嘘」
「それじゃあ」
「ああ、手伝ってくれ」
「やったね。それであとはなに作るの」
「フランスパンを使ったフレンチトーストだな」
***
その後は、
「それなら私は卵を溶いておくね」
「それなら俺はフライパンの焼く準備しておく」
2人で手分けしてフレンチトーストを焼く準備をしたり、
「「あっ、ごめん」」
「ハモったね」
「そうだな」
調味料を取ろうとした時に手が触れてハモってしまいベタなことしてしまったり、
「いい匂いだね」
「いい匂いなのはわかるけど、俺の背中に覆い被さる必要は無いよな」
「初めてあった時も思ったけどやっぱりここは安心するなぁ」
フレンチトーストを焼いてる時に危うく俺がまた落ちかけたりいろいろあったが、
「できたね」
「おう、我ながらうまく出来たと思う」
「それじゃあ食べよー」
無事にフランスパンで作ったフレンチトーストとシーザーサラダはできたのだった。
1つ反省するとするなら、
「ちょっとまっていつの間にかもう9時じゃん」
「思ったより時間がかかったな」
ことある事に遊んでいたためいつの間にか調理開始から2時間が経過してしまっていた。
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