遊戯王5D's Power of Fellows   作:ダーク・キメラ

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鉄也「久しぶりの投稿だったな」

望美「知っている人いるかな…」

鉄也「まあ、誰か感想でも書いてくれると嬉しいがな」


第1話 物語は意外なところから始まる

「ひぐっ……ひぐっ……お兄さん……」

 

「……?」

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

「お、おい…」

 

「…ひっ!?」

 

「……とりあえずまあ、まずは落ち着いてくれ」

 

「あっ……」

 

「……何があったか知らないが辛い事があったんだな。思い切り泣いてくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

~サテライト編~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピピピピピ……

 

 

「うぅ……」

 

 

ピピピピピ……ピッ!!

 

 

「もう朝か……」

 

う~~~ん、太陽の光が………朝なのにまったく無い。

 

『おはよう、鉄也。』

 

帽子を被ってメガネをかけたオレンジ色のロボットが俺に話しかけた。

 

「ああおはよう。」

 

此処はサテライト……身分の低い者達が彷徨うスラムの街だ。

犯罪者も此処へ送られる事もあるので外の者からは評判が悪い。

 

「さて……まずは軽くトレーニングだ。」

 

俺は毎朝腕立て伏せと腹筋をする。

 

ユウトという奴が俺を転生させて以来1年……俺はそのサテライトという場所に転生された。

時系列は新聞によるとジャック・アトラスがデュエルキングになったばかりらしい。

俺はまだアニメが始まっていない時系列にいる様だ。

サテライトの周りを見ると柄の悪い野郎達が沢山いる。

 

『ガンバレ鉄也!』

 

俺の傍で話しかけているロボットは俺のカードの精霊だ。

こいつは《ジャンク・シンクロン》、シンプルにジャンクと呼んでいる。

転生して以来、俺にはカードの精霊が見える様になっていて俺の話相手になっている。

俺のデッキはこいつが主軸になっている、基本的にこいつは俺の相棒だ。

 

「よし、次は左腕だ。」

 

『今の片腕立て伏せだったんすか?』

 

絵の無い小説だとわからないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて……あいつを起こすか……」

 

俺はトレーニングの後、テントの向かい側のカーテンを引いた。

 

「お~い望美、起きてるか?」

 

「う、うん……おはよう、お兄さん。」

 

茶髪のボーイッシュな髪型をした女の子が寝袋の中から顔を出した。

この子は黒鉄望美、13歳だ。

その、一応……俺の妹らしい。

俺は転生した時、この子が「お兄さん」と泣き叫んだ声を聞いて目を覚ました。

転生した時の俺は体が17歳に若返っていた。

つまりこれは転生でも俺の魂がこの子の兄の体に転生されたというわけだ。

この世界の俺は<r黒鉄鉄也:くろがねてつや>になる。

つまり俺はこの子の兄の代わりをやれという事だ。

「それどんなギャルゲー?」とか聞くなよ?俺そういう趣味ないから。

 

「ほら、朝食だ。」

 

俺は手持ちの材料で朝食を作った。

と言ってもカップラーメンに野菜を切った物を入れただけだが…

 

「…ありがとう…お兄さん…いただきます……」

 

「……」

 

「ズズズ…美味しい…」

 

望美は美味しそうに食べてくれるが正直、朝食がカップラーメンとか涙が出るよ。

自分もカップラーメンは好きだが栄養が足りないのは俺も解っている。

 

「……」

 

「…どうした?」

 

「…食べないの?」

 

「俺はいい」

 

「……一緒に食べようよ」

 

 そう言って彼女はカップラーメンを分けてくれた。

 

「あ、ありがとう」

 

「……」

 

「あ、今笑ったな」

 

「え……」

 

俺は一人っ子だったが従兄弟を兄妹なりに接してきた事がある。

その経験が活きたかもしれないな…妹萌えというつもりはないが今の俺には妹の癒しがわかる。

しかし望美はまだ素直になり切れない部分があるようだ…

 

「ご馳走様…」

 

「望美、俺は今から市場にいくがお前はどうする?」

 

「……私も行く」

 

俺はスカジャンを身に着け、俺達は市場へ行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新聞をくれ。」

 

「あいよ。」

 

どうやら最近の情報によると次のフォーチュンカップは1ヶ月後に開催されるらしい。

フォーチュンカップは遊戯王5D'sの主人公、不動遊星が初めて人々の前に姿を現してサテライトの運命を変えるきっかけを作る展開だ。

因みにサテライトだが主人公と会ったことはない。

どうやら場所が遊星とは結構離れた場所だったらしい。

俺はこのまま何もしなければ原作の流れに任せてサテライトも差別から開放されて俺もこの場所から自由になるが……この世界はアニメの世界ではなく、世界観のみ同じ世界だ。

その通りになるとは限らない。

 

「これ持ってくれるか?」

 

「うん……」

 

今日は何とか缶詰が詰まったダンボールを手に入れる事ができた!

これでインスタントとはしばらくおさらばだ。

 

「何か欲しいカードは見つかったか?」

 

「………」

 

俺達はカードを手に入れられる市場にいる。

望美は自分のデッキを眺めながら使えそうなカードを探していた。

はっきり言って彼女は強い。

デッキ構築のレベルが高いとは言えないが以外と強い。

何度かデュエルした事があったが、俺のデッキがそこまで強くないとはいえ結構やられた。

 

「……じゃあおじさん、俺は地獄の暴走召喚を買う」

 

「あいよ。」

 

他にも使えそうなカードを探すか……

 

「きゃあ!」

 

「ん、望美?」

 

振り向くとそこには不良が3人くらいいた。

見るからにして望美はそいつ等に突き落とされたらしい。

 

「へっ、いい物持ってそうじゃねえか…」

 

不良の中からモヒカンの男がデッキを持っていた。

何かこいつがボスっぽいな。

此処はサテライトだぞ、世紀末じゃないぞ。

 

「か、返して……」

 

「大丈夫か!」

 

「デッキが……私のデッキが……」

 

あのデッキ……あいつらが望美から奪ったのか。

 

「そのデッキは望美の物だな。返してもらおうか?」

 

「へ、俺がこのデッキを貰ってやろうってんだ。女は家に帰って人形とでも遊ぶんだな」

 

そのセリフいつの時代だよ。

何かこいつに言える言い返しはないか……

 

「こんなとこに人形もねえよ。お前ら小さい子から物取り上げて恥ずかしくねえのか?」

 

「おーおー正義の味方気取りですか。邪魔すんならてめえも容赦しねえぜ?」

 

喧嘩で勝つことは容易い。

だが騒ぎを大きくする可能性がある。

とりあえずデッキだけは返して貰おうか。

 

「おい、世紀末のモヒカン……」

 

「誰が世紀末のモヒカンだ!!」

 

「……デュエルしろよ。俺が勝ったら大人しく諦めろ。お前が勝ったらそのデッキを持っていくがいい」

 

普通ならカードゲームせずに力ずくの方が早いだと思うだろう?

 

「ふん、お前は負けても失うものはねえじゃねえか」

 

でも乗って来るんだよなぁ、デュエル脳。

てゆうかお前の方こそ負けても失うものねえだろ。

 

「じゃあ俺が勝ったら望美のデッキは返してもらう。だがお前が勝ったら俺のデッキをくれてやる」

 

「ほお?この俺に勝てるとでも?」

 

正直、大会とかで優勝した事ないから保障はない。

でも自信はある。

 

「いいだろう。てめえを倒してカードは俺のモンだ」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

鉄也 VS モヒカン

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!俺は《ジェネティック・ワーウルフ》を召喚する!」

 

こら待て、何でお前が先行なんだよ。

ジャンケンかコインはねえのかよ

相手のフィールドに4本の腕の狼男が現れた。

 

 

ジェネティック・ワーウルフ

☆4

ATK/2000

 

 

「いきなり下級アタッカーか……」

 

「更に装備魔法、《デーモンの斧》を発動!《ジェネティック・ワーウルフ》の攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

ジェネティック・ワーウルフは不気味な顔をした斧を持った。

 

 

ジェネティック・ワーウルフ

☆4

ATK/2000→3000

 

 

「ターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP4000

手札4枚

【モンスター】

《ジェネティック・ワーウルフ》(ATK/3000)

【魔法・罠】

《デーモンの斧》対象:《ジェネティック・ワーウルフ》

 

 

「俺のターン……」

 

まずは下準備か……正直、メインデッキに強いモンスターなんてあまりないんだよなこのデッキ。

 

「俺はモンスターをセットする。」

 

とりあえずまずは防御だ。

 

「そしてカードを2枚セットし、ターンエンド。」

 

 

鉄也/LP4000

手札3枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター×1

【魔法・罠】

セット×2

 

 

「俺のターン!俺はブラッド・ヴォルスを召喚する!」

 

今度は巨大な剣を持った妙な怪物が現れた。

 

 

ブラッド・ヴォルス

☆4

ATK/1900

 

 

「バトルだ!《ブラッド・ヴォルス》でセットされたモンスターを攻撃!」

 

《ブラッド・ヴォルス》は俺のモンスターに切り掛かった。

しかし俺のモンスターはモモンガである。

 

 

素早いモモンガ

☆2

DEF/100

 

 

「《素早いモモンガ》の効果を発動!このモンスターが戦闘で破壊された時、ライフを1000回復する!」

 

 

鉄也 LP4000→5000

 

 

「何かと思えばライフの回復だけかよ」

 

「更に《素早いモモンガ》の効果でデッキから《素早いモモンガ》2体をセットする!」

 

「何だと?だったら《ジェネティック・ワーウルフ》で《素早いモモンガ》を攻撃だ!」

 

「じゃあ回復だ」

 

 

鉄也 LP5000→6000

 

 

「ちっ……俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP4000

手札3枚

【モンスター】

《ジェネティック・ワーウルフ》ATK/3000

《ブラッド・ヴォルス》ATK/1900

【魔法・罠】

《デーモンの斧》(ジェネティック・ワーウルフに装備)

セット×1

 

 

「俺のターン。俺は《調律》を発動。デッキから《シンクロン》と名の付いたモンスターを手札に加え、デッキトップを1枚墓地へ送る。俺は《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップを墓地へ送る。」

 

送ったカードはモンスターか。

 

『俺に任せるっすか?』

 

まあ、今此処でお前を出しても意味が無いな。

温存しておこう。

 

「俺は《素早いモモンガ》をリリースし、《聖騎士イシュザーク》をアドバンス召喚する!」

 

 

聖騎士イシュザーク

☆6

ATK/2300

 

 

「行くぜ!《聖騎士イシュザーク》で《ブラッド・ヴォルス》を攻撃!」

 

 

モヒカン LP4000→3600

 

 

「そして《聖騎士イシュザーク》が戦闘で破壊した相手モンスターは墓地へは行かず除外される」

 

「チッ……」

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP4000

手札2枚+《ジャンク・シンクロン》

【モンスター】

《聖騎士イシュザーク》ATK/2300

【魔法・罠】

セット×2

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は《ライノタウルス》を召喚だ!」

 

 

ライノタウルス

☆4

ATK/1800

 

 

「バトルだ!《ジェネティック・ワーウルフ》で《聖騎士イシュザーク》を攻撃!」

 

「そうはいくか。俺は《聖なるバリア-ミラーフォース》を発動!これでお前の攻撃表示モンスターは全滅だ!」

 

「へっ、そんなもんに引っかかると思ったか!俺はライフを1000払い、《盗賊の七つ道具》を発動!罠の発動を無効にし、破壊だ!」

 

 しまった、相手が馬鹿だと思ったら対策があったか。

 

 

鉄也 LP5000→4300

 

 

「更に《ライノタウルス》でダイレクトアタックだ!」

 

「これは受ける…」

 

 

鉄也 LP4300→2500

 

 

「俺は手札から《トラゴエディア》の効果を発動。戦闘ダメージを受けたとき、手札から特殊召喚する」

 

「何?」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/0

 

 

「《トラゴエディア》の攻撃力・守備力は俺の手札1枚につき600ポイントアップする。今の手札は2枚」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/0→1200

 

 

「何かと思えば攻撃力たったの1200か。俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP2600

手札3枚

【モンスター】

《ジェネティック・ワーウルフ》ATK/3000

《ライノタウルス》ATK/1800

【魔法・罠】

《デーモンの斧》(ジェネティック・ワーウルフに装備)

セット×1

 

「おいおい、油断か?俺のターン、ドロー。俺は《ザ・カリキュレーター》を召喚する」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/0

 

 

「なんだその弱そうなモンスターは?」

 

「何の考えもなしにカードを出すと思ったか?《ザ・カリキュレーター》の攻撃力は俺のモンスターのレベルの合計の300倍となる。トラゴエディアがいることにより…」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/3600

 

 

「攻撃力3600だと!?」

 

「さあ、《ザ・カリキュレーター》で《ジェネティック・ワーウルフ》を攻撃だ」

 

 

モヒカン LP2600→2000

 

 

「くそっ…」

 

「お兄さん…」

 

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/600

 

 

鉄也/LP2500

手札0枚+《ジャンク・シンクロン》

【モンスター】

《ザ・カリキュレーター》ATK/3600

《トラゴエディア》DEF/600

【魔法・罠】

セット×2

 

 

「俺のターン、ドロー!丁度いい、俺は《激昂のミノタウルス》を召喚だ!」

 

 

激昂のミノタウルス

☆4

ATK/1700

 

 

「げ、貫通モンスターかよ…」

 

「激昂のミノタウルスがフィールド上に存在する限り、俺の獣戦士族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を超えていれば貫通ダメージを与える!」

 

 正確に言えば獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターだがな。

 まあ、獣戦士族モンスターしかいなかったからそう言ったんだろう。

 

「更に装備魔法、《デーモンの斧》を発動!こいつをライノタウルスに装備だ!」

 

 

ライノタウルス

☆4

ATK/1800→2800

 

 

「またかよ!」

 

「俺は《ライノタウルス》で《トラゴエディア》を攻撃だ!」

 

 確かライノタウルスには2体以上のモンスターを戦闘で破壊したターンに2回攻撃できるんだったな…トラゴエディアを守らないとな

 

「俺は《ドロー・マッスル》を発動!守備力1000以下のモンスターを選択し、カードを1枚ドローしてこのターンそのモンスターは戦闘破壊されない!」

 

「何?だが貫通ダメージをくらえ!」

 

「手札が増えたことによりトラゴエディアの守備力がアップする」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/1200

 

 

鉄也 LP2500→900

 

 

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP2000

手札1枚

【モンスター】

《激昂のミノタウルス》ATK/1700

《ライノタウルス》ATK/1800

【魔法・罠】

《デーモンの斧》(《ライノタウルス》に装備)

セット×1

 

 

「お兄さん……大丈夫?」

 

「大丈夫だ。お兄さんを信じろ」

 

「さすが荒木さん!」

 

「相手を押しているぜ!」

 

 あのモヒカンは<r荒木:あらぎ>って名前か……そろそろ行くか。

 

「俺のターン!俺はチューナーモンスター、《ジャンク・シンクロン》を召喚する!」

 

『とおぉ!』

 

 

 ジャンク・シンクロン

 ☆3

 ATK1300

 

 

 頼んだぞ、ジャンク。

 

『俺っちに任せるっす!』

 

「ジャンク・シンクロンの効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚する!俺は墓地から《素早いモモンガ》を特殊召喚する!」

 

素早いモモンガ

☆2

DEF/100

 

 

「この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効になる。」

 

「チューナーだと!?まさか……」

 

 そのまさかだ。

 こいつマジ優秀だよな。

 何でサテライトに捨てられたりするんだ?

 まあ、スターターで手に入るくらいだから捨てる程余ってしまうという意味でもあるのか?

 てゆうかカードを捨てるのはやめろよ、カードはただじゃないんだぞ。

 使えない雑魚でもお金がいるんだぞ!

 少なくとも俺の世界での話だが。

 

「行くぞ、ジャンク!」

 

『おお、アレっすね!準備OKっす!』

 

「俺はレベル2、《素早いモモンガ》にレベル3、《ジャンク・シンクロン》をチューニング。鋼の戦士が同志の力を集結させ今、ここに現る!結束の拳で打ち砕け!!」

 

 

☆2+☆3=☆5

 

 

 さて……決めるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!!」

 

 

 

 

 

 

 

『ハアアァ……トアアアァ!!』

 

 スカーフを巻いて背中にジェットエンジンが付いた紫色のロボットが現れた。

 ジャンク・アーチャーとは違って右腕が大きく、体格も大きく見える。

 

 

ジャンク・ウォリアー

☆5

ATK/2300

 

 

「何を出すかと思えば攻撃力たったの2300じゃねえか!」

 

「《ジャンク・ウォリアー》の効果を発動。このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、攻撃力をアップする!パワー・オブ・フェローズ!!」

 

『ハアアァ……!!』

 

 

鉄也のフィールド

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/3600

 

 

ジャンク・ウォリアー

☆5

ATK/2300→5900

 

 

「こ、攻撃力5900だと!?」

 

 そうだ、俺のデッキはこいつの効果を活かす構築でもある……わけではないな。

 

「バトルだ!ザ・カリキュレーターで《激昂のミノタウルス》を攻撃!」

 

「俺は《魔法の筒》を発動!相手モンスターの攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレーヤーに与える!」

 

「甘いな!」

 

 

 鉄也 LP900→450

 

 

「俺はライフを半分払い、神の宣告を発動!モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚、または魔法・罠カードの効果を無効にし破壊する!」

 

「な、何!?」

 

「さあ、派手にぶっ飛べ!!」

 

『トアアアアァ!!』

 

「うわああああぁ!!」

 

 

 荒木 LP2000→0

 

 

 鉄也 WINNER

 

 

「お疲れ、ジャンク。」

 

 デュエルが終了したと同時にジャンク・ウォリアーのソリッドビジョンは消えた。

 

「お兄さんが勝った……」

 

 どうやら俺の勝利のお陰で望美は笑顔になってくれた。

 

「約束どおり、デッキは返してもらおうか。」

 

「大丈夫ですか、荒木さん!」

 

「まさか荒木さんが負けるなんて……」

 

「くっ……」

 

 荒木は悔しそうな顔をして膝を突いた。

 

「ヘ…ヘヘヘ……」

 

 悔しそうな顔から急に不気味に笑い始めた。

 

「どうした?さっさとデッキを返せ。」

 

「確かに俺は負けた……だが、約束を守るなんて必要ないよな、力ずくならな!」

 

 相手はそう言ってポケットからナイフを取り出した。

 

「はあ……」

 

「!?」

 

「そうだ、相手はガキ2人だけだ!」

 

「問題ねえ!」

 

「あ、あの……やめた方がいいですよ」

 

 モヒカン達の態度に望美が慌てだす。

 

「へへへ、今更命乞いか?命が惜しけりゃてめえのデッキもよこしな…」

 

「いや、そうじゃなくてお兄さんは…」

 

 そう言って取り巻き2人もナイフを取り出した。

 そんな展開読めてたよ。

 

「知らねえな、約束なんて!」

 

「はぁ……」

 

 これだからサテライトの評判が……

 

「お前のデッキも中々強そうなのあるしな。」

 

 おいおい、俺のデッキの殆どは1枚100円200円で買えるぞ。

 

「そりゃ良いっすね……」

 

「大人しく寄越しやがれぇ!!」

 

 3人一斉に襲って来た。

 

「お兄さんを怒らせたら…」

 

 

 

 

 

 

 俺は敵を殴った

 

 

 

 

 

 

「い、いでででで……」

 

「………?」

 

 そして俺は荒木の腕を強く握っていた……「強く」な。

 

「な、何だ貴様は……は、離せ!いででで!!」

 

「俺は鍛えてるんだ、お前等には想像できない程にな。」

 

 毎日肩腕立て伏せを500回出来る俺がナイフにびびるとでも思ったのか?

 俺は手を離した。

 

「き、貴様……!」

 

 荒木は怒って取り巻きのナイフを拾い、もう1度刺そうと構えた。

 

「はぁ……まだ分からないのか?」

 

 俺は近くのコンクリートの壁に向いた。

 

「おりゃあああぁ!!」

 

「いっ!」

 

「!!」

 

 俺は何をしたのかと言うと、拳を壁にぶつけたのだ。

 そしてその壁は大きな穴が開いていた。

 

「あ…あぁ……」

 

 荒木はあまりにも驚いてナイフを落とした。

 

「なんなら一日中付き合ってやろうか……?」

 

「ひいいいいいいぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして大人しくデッキを返してもらった。

 ついでにナイフを没収して二度と来るなと警告しておいた。

 俺達がテントに戻る最中、望美はデッキを手に収めながら、嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

「……」

 

「ありがとう、お兄さん……」

 

「どうって事ねえよ……」

 

 俺はその為に鍛えていたんだからな……自分にとって大切な者を守る為に。

 そう、大切な者の為に……

 

「なあ、望美……俺に提案があるんだが。」

 

「提案……?」

 

「此処を……サテライトを出ないか?」

 

「え……?」

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued………




-次回予告-


鉄也「望美にとってこんな所は危険すぎる。彼女をこの地獄から連れ出す事……それが今の俺に出来る事、いや、せめてそれだけはしたい。だから俺は……サテライトを出る。」


次回、「旅に出よう」


鉄也「次回も見てくれよ。」


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