どういう風の吹き回しだい、提督。
最近は長門や加賀たちだけにご執心だと思ったんだけどね。
相変わらず乳房が好きだな、君は。
函館の提督は胸の大きさにそれほど執心していないらしい。
処女も非処女も現役艦娘も元艦娘もなんでもこいだそうだ。
しかも全員をよく誉めているらしい。
殺る気を高めて伸ばす方針だそうだ。
おいおい、顔が随分強ばっているぞ。
ああ、すまない。
閨(ねや)で別の男の話をするとは配慮が足らなかった。
すっかりうなだれてしまっているな。
自慢のこの胸を使うから許してくれ。
至近弾か。
久々だから、仕方ないさ。
次は是非とも当ててくれ。
まあ、五番砲塔が火を吹かなかったらそれでいいさ。
まだまだ元気とは流石だ。
そうそう、軽重双方の巡洋艦たちや軽空母たちが出撃したがっていたよ。
駆逐艦の子たちも…………。
……ああ、言いたいことはわかる。
大艦巨砲主義もわかるが、他の子たちをもう少し大切にしてくれないかな?
腰にはいた刀も格納庫の瑞雲も、いつも磨いてばかりじゃつまらないんだ。
……悪かった。
……そうだな、そろそろ集中しよう。
すまなかった。
少し取り乱していたようだ。
こうやって君を見下ろすのも久しぶりだ。
さて、この振動にどれくらい耐えられるかな?
ほら、ほら、さっさと降参したらどうだい?
ははは、やっぱり頑固だね。
では回転してみようか。
それっ!
どうだい?
ほう、その意思は尊重するよ。
そういうところは好ましいね。
じゃあ、ちょっと持ち上げて。
これは初の試みというやつさ。
そらそらそら!
しぶといねえ。
武闘派は伊達ではないということか。
ではここで舌を投入する。
我が舌技に泣くがいいさ。
まだするのかい?
好きだねえ。
いや、私も嫌いじゃないさ。
これでも楽しみにしていたんだ。
ところで、敵艦隊はなんの為に攻めてくるのだろうね?
今は君が私を攻めてくるということなのだね、ふふふ。
私たちは一体なんの為に戦っているのだろうね、提督?
……提督?
前はこんな隈なんかなかったのに。
私が苦心しながら一生懸命作ったビーフシチューを、おいしいおいしいって言って何度も何度もお代わりしてくれたあの日の君はもうここにはいないんだな。
結局、君の力にはなれなかったな。
本当にすまない。
なあ、提督。
君はなんの為にここにいるんだい?
…………いっそこのまま君を…………いや、やめておくか。
とどめにもう一回搾り取っておくことにするよ。
それっ!
今まで世話になったね。
ありがとう、提督。
君のことは嫌いではなかったよ。
海の彼方から
激動の戦艦棲姫が
呼んでいる
胸の高鳴りを
銅鑼の響きに変えて
艦娘たちは船出した
希望の海へ船出した
いろいろなものを
捨ててきた
取っておきの間宮羊羹も
分けてきた
秘蔵の薄い本も
売り払ってきた
いろいろな艦娘と
別れてきた
追いすがる駄目提督を
蹴り飛ばした
古い詩集と夢だけ持って
北の国へ向かう
彼女たちの求める先に
光明はあるか
Not even justice,I hope to get to truth.
真実の灯りは見えるか