前回のあらすじ
卵まっしろ
王様愛妻家疑惑
卵かってぇ
砕くのに10分もかかった卵の殻の厚さは10cm。硬さは鉄よりちょいと硬い。いや、これもう卵と言って良いかすら分からない。ともかく、無事に新しい家族を迎えることができた。新しい家族、それは魔のサソリ。尻尾まで入れると全長3m。でもその姿はややデフォルメされており、かわいい。ごついサソリもいいがこっちもなかなか……
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魔のサソリ ♀ Lv1
ランク:A
HP:2000/2000
MP:4000/4000
攻撃力:700
防御力:800
素早さ:300
賢さ:600
器用さ:400
幸運:80
スキル================
・ダッシュ Lv3 ・豪腕 Lv2
・気配察知 Lv3
特殊スキル==============
・狂毒 Lv2 ・人化 Lv1
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すごく、すっちりしたステータス。それに?人化ですと?これは熱い。
「さてと、スキルの前に名前だな……」
『可愛いのをお願い。とと様』
可愛いの……さそり…スコーピオン…スコルピオーネ…アラクラン……この系統はダメだな。
こういう時に便利なのは花言葉。
むむむむ……………
「よし、決まったぞ。今日からお前はスズランだ」
『スズラン?』
「ああ、俺の出身の花で、意味は『幸福の訪れ』だ。ぴったりだろう?」
『スズラン……スズラン……うん!気に入った!とと様、ありがとう!』
よっぽど嬉しかったのか、スズランがたまらず抱きついて(飛びついて?)来る。
おぅ、いくらデフォルメされていても飛びついてくると迫力が違うな……もちろん受け止めたけど。おぉ、よしよし。そんなスズランの触り心地はすべすべしていた。
『スーも!』
『ライムも……』
『ちょっとこっ恥ずかしいけど……自分も……』
『あの……私も……な、なでて……』
従魔たちとの戯れの時間だ。外野は黙っていてもらおうか。異論は認めん、俺はこの空間を堪能する!
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「そろそろいいだろ?」
ぶっちゃけ疲れた。またこのパターン。このまま続いていたら筋肉痛は免れなかった。外野の異論は認めんとか言ってごめんな。
『『『『『うん!(はい!)』』』』』
良かった。
「それじゃ、スズラン。人化を見せてくれるか?」
『うん!』
スズランが体に力を入れるとモワモワと白い煙が立ち込め……
『じゃ~~ん!!』
中から桃色ポニーテールの女の子が出てきた。身長は150cm位。身長的に娘っていうか……妹?
『かわいい?かわいい?』
「か……かわいいっす!!」
『えぇぇぇ~~~!?』
あ、カルネに攫われた。はやっ!全然見えなかった……これが可愛い物好きの女子……これは恐ろしい……
というか……渡さないとばかりに威嚇しないでほしい。
スズランが開放してもらえたのは、それから2時間ほど後で、王様が戻って来てもやめないのは流石だと思うよ。まったく、イベント盛りだくさんな1日だった。
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