千葉ラブストーリー   作:エコー

23 / 40
初体験未遂事件後の週末。
都内の比企谷八幡の部屋を訪ねたのは──


19歳の秘かな欲望

 自室で古文の小論文を書き上げた頃、完全に日は暮れていた。

 ちらとカレンダーが目に入って、顔が綻ぶ。

 今日は金曜日。つまり明日は嬉しい土曜日である。

 何が嬉しいって、そりゃ久しぶりに美味い飯にありつけるからである。

 明日の朝になれば沙希が来る予定なのだ。

 

 沙希は、俺のアパートに来ると色々な心遣いをしてくれる。

 前回来た時にはイカと大根の煮物や焼き茄子を作って冷蔵庫に入れ、非常用としてタマネギと長ネギを微塵切りにしたものを小分けして冷凍庫に入れておいてくれた。

 本当、すげぇ女だ。俺の普段の主食がカップラーメンだと既に見抜いてやがる。

 気が利いて美人でスタイルも良くて。俺の彼女なのが不思議なくらいだ。

 

 しかし、俺はまだ沙希に何もしてあげられていない。何も返せていない。恩だけが積もってゆく様で歯痒い。

 差し当たって俺に出来る事を考えてみたのだけれど、何も妙案は浮かばない。

 料理は沙希の方が上手いし、その他の家事も俺は格下だ。

 勉強に関しても、大学が違えば内容は変わってくる。

 つまり、俺には恩を返せる当てが無い。

 

 こうなったら……肉体で返すか、てのは冗談。

 こないだのリベンジは──まあ置いておこう。初体験なんて慌ててするものじゃない。俺たちのタイミングで良いとも思っている。

 

 半分ほど開けた窓からは秋の夜風に乗って虫たちの鳴き声が聞こえてくる。耳触りの良いその音色は、(もや)がかかった脳内に心地良く響いた。

 うん、若干落ち着いてきた。

 小論文を綴じて端に寄せた俺は、独りでノートパソコンを開いて調べ物を開始する。

 内容は……そりゃ言えない。しかし俺にとっては物凄く重要なことなのだ。

 カタカタと検索ワードを打ち込んでは、ヒットしたサイトやホームページをお気に入りに登録していく。その中でも特に重要なページはショートカットを作成してフォルダに突っ込んでいく。

 しばし作業に没頭し、したんっとノートパソコンのエンターキーを叩いて画面から目を離す。

 

「ふう、だいぶ溜まったな。あとはこれらの情報を精査して──」

 

 独り言を遮って腹の虫が鳴いた。

 

「メシ、食うかな」

 

 誰にも届かない言葉をごちりつつノートパソコンを閉じ、三畳ほどの狭いキッチンへ向かう。

 今日の晩飯はチャーハンと決めている。というか、三日連続のチャーハンである。

 だが俺も馬鹿では無い。ちょっとずつ具材を変えているのだ。

 昨日は沙希が微塵切りにしといてくれた玉ネギを使用した。今日は、同じく沙希が刻んで冷凍庫に入れといてくれた長ネギを使おう。

 あと、こないだ半額で買ったナルトも刻んで入れちまうか。

 

 ラップで小分けにされて冷凍庫に保存してある刻んだ長ネギを取り出して、レンジに入れる。

 その隙にナルトを刻んで、具材の完成だ。

 飯を皿に盛って、作る量を決める。今日はちょっと多目に作るか。

 フライパンを熱する間に、味噌汁用のお椀に卵を割ってかき混ぜる。沙希曰く、あまりかき混ぜない方が食感の変化があって京華が喜ぶそうだ。

 煙が上がってきたフライパンに油を引き、そこに溶き卵を投入。くるりとお玉でかき混ぜて、すぐにメシをぶち込む。

 そこに沙希が持参した鶏がらスープの素をぱららと振って、塩も入れる。

 フライパンは振らない。火から遠ざけず、ひたすらお玉でご飯を切る様に混ぜながら炒めるのがコツらしい。

 と、ここで解凍した長ネギを投入。

 軽く混ぜながら炒めたら真ん中に穴を開け、見えたフライパンの底に醤油をひと垂らし。

 醤油は鍋肌に垂らすと焦げついてしまうから真ん中に垂らす、と沙希は言っていた。

 フライパンの中央から蒸気が猛烈な勢いで上がるところを、それに負けないくらいの勢いで手早くかき混ぜる。

 焦げた醤油が満遍なく行き渡ったらコショウをかけて混ぜ合わせて、出来上がり。

 うん、ちょっと炒め過ぎたけど、上出来だ。

 

 続いてスープ。

 チャーハンを皿に移して、空になったフライパンを再び火にかける。そこへお椀一杯分の水を入れ、一煮立ちしたら鶏がらスープの素を少々入れる。

 醤油で色をつけて塩で味を整えたスープを、さっき溶き卵を作ったお椀に流し入れると、お椀に僅かに残っている卵がふわりと浮き上がり、まるでかき玉汁の様になる。

 うん、こっちも上手くいったぜ。

 さすが沙希直伝の作り方だ。

 お料理レベル小6の俺が作っても非常に美味そうである。

 そそくさと座卓にチャーハンとスープを運び、ウーロン茶を用意する。

 

「さて、いただきます」

 

 レンゲを持ったまま手を合わせて、いざ実食。

 チャーハンを一口掬って頬張ると、焦がし醤油の香りが鼻に抜ける。

 咀嚼しながら、かき玉中華スープを啜る。

 

「……マジでうめぇ」

 

 塩加減や炒め具合は沙希に負けるものの、俺が作ったチャーハンの中ではダントツに美味い。

 沙希に感謝だな。

 作り方を教えてくれたのは勿論、ネギを刻んでくれたのも沙希だ。

 もしかして、俺って沙希無しでは生きていけないのだろうか。

 

 ──人と人とのつながりはきっと麻薬だ。

 知らず知らずに依存して、そのたびにじんわりと心を蝕む。

 そのうち他の人に頼らなくては何もできなくなってしまう──

 

 他人との間に必要以上の壁を作っていた、高校生の頃の俺の思考だ。

 鑑みれば、まさに今そんな状態では無かろうか。

 料理ひとつ作るにしても、洗濯物ひとつ畳んでも、そこには沙希の知恵がある。

 まさに共依存と呼べるのではないか。

 ……いや、違うな。

 共依存の根底にあるもの、それは自己欲求の押し付け合いである。利己的欲求の成就を他者に期待し、それが成されないと解れば裏切りと断ずる。

 

 対して沙希はどうか。

 沙希の行為には見返りを求めるという裏は無い様に見える。たまに云う我儘さえも俺の許容範囲内で留めてくれる。

 そんな沙希だからこそ、俺も沙希に何かしてやりたくなるのだが。

 

 ふと考えて、顔面が熱くなる。

 うん、ちょっとコショウ効き過ぎだな。

 

 ぱくぱく、ずずっ、と直伝のチャーハンを堪能していると、突然玄関のドアが開いた。

 

「お兄ちゃん、突然の小町ですよー」

「は? 何で小町がここに──」

 

 制服姿の小町は、言葉尻を叩っ斬る様に立てた人差し指をちっちっと左右に振る。

 相変わらずうぜぇ仕草だ。まあ可愛いけどもさ。

 

「ふっふっふ、今日は小町の抜き打ち検査、つまりガサ入れなのですっ」

 

 それ、ちょっと意味違くない?

 ガサ入れって家宅捜索、つまり犯罪の証拠となる物品の捜索なのよ。

 生きている以外に罪を犯していない俺にとっては無意味な言葉なのだよ。

 生きるのが罪って太宰っぽいなと思ってみたけど、冷静に考えると悲しさ百パーセントだな。

 

「つーかお前、一人でここまで来たのかよ」

 

 未だ薄い胸を張って不敵に笑う我が妹に若干の残念さを感じつつ、俺はチャーハンを口に運ぶ。

 

「どーせお兄ちゃんのことだから、沙希さんがいない時はだらし無い生活をしてるんだろうなぁ、と思って、様子を見に来たんだよ。でも──」

 

 座卓の上に置かれた食べかけのチャーハンとスープを覗き込むと、小町は笑顔を向けてきた。

 

「──ちゃんとやってるみたいだね。感心感心」

 

 お前は何だ。母親かよ。年下の母親って何だか萌える、じゃなくて。

 年頃の娘が制服姿で一人東京に来る危険性を、こいつは理解しているのだろうか。

 東京は魔窟だ。地方都市の常識が通用しない事象も起こり得るのだ。

 まあ、来てしまったものは仕方が無い。

 お説教は後でするとして……こいつには一つ確かめたい事があったんだよな。

 丁度いい、聞いてみよう。

 

「ところで小町……ああっ!?」

 

 思考をまとめて話し掛けるまでの数秒の隙に、小町は俺のチャーハンをはぐはぐもにゅもにゅと口に運んでいた。

 

「ん、なぁに、お兄ちゃん」

 

 スープをずずずっと啜りながら丸い目をこっちに向ける我が愛妹(あいまい)からチャーハンを奪い返す。

 

「俺の渾身のチャーハンを、よくも……」

「腕を上げたね、お兄ちゃん。これなら海原雄山も納得だよっ」

「こんなんで美食倶楽部の主宰が納得するかよ」

「えー、お兄ちゃんの手料理ランキングでは仏恥義理(ぶっちぎり)のトップだよ?」

 

 こらそこの妹。

 最近お前、親父の漫画を読み漁ってるらしいな。「美味し○ぼ」とか「湘南爆○族」とか。

 まあ読むのはいい。けど、ページの間にポテチのかすを落とすなよ。親父が電話の向こうで泣いてたぞ。

 

 おっと、チャーハン食わなきゃ。

 皿を持って掻き込むと、小町がショーウィンドウの中のトランペットを見つめる目でチャーハンの行く末を見ていた。

 

「……メシ食ってこなかったの?」

「うん。ばっちり食べてない」

 

 だからさ、ちょいちょい日本語おかしいんだけど。

 ああ、こうやって日本語って変化していくのね。

 

「……わぁった。小町の分も作ってやる」

「ありがとー、待ってましたっ」

 

 ふぅむ、久しぶりに妹の為にメシを作るのも悪くない。

 

  * * *

 

 出来上がったばかりのチャーハンにがっつく小町を見ていると、何だか子供の頃を思い出す。

 俺たち兄妹が小学生の時分から両親は筋金入りの社畜で、朝夕の食事作りは俺の仕事だった。

 とはいっても、俺もまだ小学生。簡単な料理しか作れなくて、小町はいつも同じ様なメシを文句を言いながらも食べてたっけ。

 小町が大きくなって一緒に料理する様になって、いつの間にか小町の方が料理上手になって。その頃からだな、こいつが自慢の妹だと感じ始めたのは。

 中学、高校の晩飯はほとんど小町が作ってくれたんだよな。

 過去を振り返ると、こいつには感謝してもし切れない。

 

「小町……ありがとな」

「なに、お兄ちゃん。なんか拾い食いでもしたの?」

 

 ──ひどいっ。

 日頃の感謝の気持ちを言葉にしただけなのにぃ。

 もう許さん。ちょっとは加減してやろうかと思ったけど、徹底的に追求してやろうぞ。

 

「ところで小町や」

「なんだねお兄ちゃん」

 

 チャーハンを頬張りながら軽い口調で返す小町を、じっと見据える。

 

「な、なに」

「お前……沙希に何を吹き込んだんだよ」

 

 小町のレンゲがぴたりと止まった。

 

「え、えーと……小町ったら最近忘れっぽくて」

「ほほう、そうかそうか。じゃあ仕方ないな」

「うん、そうそう、仕方ないよねー」

 

 目を泳がせながらも再びチャーハンを食べ続ける胆力はさすがであるが、俺も少しは兄としての威厳を見せなきゃな。

 

「なら、俺が小町との約束を忘れて、小町の夏休みの課題をほとんど俺がやらされた件をうっかりお袋に喋っちゃっても……仕方ないよな」

 

 威厳も何もない、同レベルの言葉を吐いてしまった。だが小町には「こうかはばつぐん」だったようだ。

 

「……ずるい」

「ずるいのはどっちだよ。そもそも夏休みの課題なんてものは一学期の復習だろ。自分でやらなきゃ復習の意味が無いだろ」

 

 むぅ、と膨れっ面の小町に冷たく正論を突きつけると、小町の目にじんわりと涙が滲んてきた。

 

「……小町はさ、沙希さんが悩んでたからお話を聞いてあげただけなのにさ、何でそんなこと云うのさ」

「んだよ、泣く程のことかよ」

 

 やはり故郷を離れても兄は兄。妹の涙には弱い。

 鼻を啜りながら俯く姿を見たら、放っておける訳は無い。

 

「だって、折角お兄ちゃんの為を思って、沙希さんにアドバイスしたのに……」

「あー、悪かった。小町は俺たちのことを考えてアドバイスしてくれたんだよな。ごめん」

 

 俺とは思えない程素直に謝ると、途端に顔を上げる……てことは、こいつ嘘泣きかよ。

 そんな事だけ上達しやがって、親の顔が見てみたいものだ、久しぶりに。

 

「わかってくれればいいんだよっ」

 

 見ると、皿のチャーハンは半分になっていた。呆れつつコップにウーロン茶を注いでやりながら、再び小町に問う。

 

「そんで、沙希にはどんなアドバイスしたんだ?」

「そりゃあ、とっとと既成事実を──」

「はいアウト」

 

 我が妹の残念な脳にチョップをくれてやると「あぅ」と小さく鳴いた。

 

「お前な、俺たちには俺たちのペースがあるんだよ。無闇にガソリン撒いて加速させんじゃねえ」

 

「──ごめん。でもさ、沙希さんが不安に思ってるのは本当だよ。ちゃんと考えてね。彼氏として、未来の旦那様とし……あぅ」

 

 もう一発脳天にチョップを食らわせて鳴かせた後、くしゃっと髪を撫でる。

 

「心配、かけたな」

「ううん。だって、一度は小町のせいでダメになりかけちゃったんだもん」

 

 あの一件で、小町は小町なりに責任を感じている。その証拠に、あれから雪ノ下の名前を口にしなくなった。

 小町のお膳立ての末にあれだけの事があったのだ。律儀な雪ノ下から何の連絡も無いことは考えにくい。事態を知ったら由比ヶ浜からも連絡は来るだろう。

 きっと小町は、それらを自分の胸三寸で留めているのだ。

 

「美味いか?」

「うん。これなら週に三回はいける」

「そか、ありがとな」

 

 いずれ、奉仕部の二人にはちゃんと報告しなきゃな。俺と沙希のことは。

 あと、平塚先生にも。

 

「今日は泊まってけ。家には連絡しといてやるから」

「ありがとー。そう言うと思って、お着替え持参しましたー」

 

 本当にちゃっかり、もとい、しっかりしてるわ。

 

  * * *

 

 俺のベッドで眠る小町を確認して、スマホとマッカンを手に部屋を出る。

 零時近いせいか風は冷たい。慌ててパーカーを取りに戻って、再び外に出る。

 マッカンを開けて一口流し込み、息を整えた後にスマホの発信をタッチする。

 表示された番号は──

 

『……もしもし、どうしたの急に。何かあった?』

 

 ──川崎、沙希だ。

 

「いや、別に急用は無いんだが……その、声が、な」

『ん? 声? あたしの声、なんか変?』

「そうじゃなくてだな、声……聞きたかった」

 

 素直に電話の理由を告げると、沙希は押し黙ってしまった。

 やばい、何か地雷を踏んでしまったか。

 

「め、迷惑、だったか?」

『……』

 

 言葉は返ってこない。その代わりに鼻を啜る様な音が僅かに聞こえる。

 体調が悪いのか。それとも。

 

「お、おい……何か言ってくれ」

『……ありがとう、嬉しい』

 

 想像だにしなかった返答に、しばし思考が停止する。

 

「は?」

『だって、こんな風に電話くれたのって、初めてだから……』

 

 ああ、そういえばそうだったか。

 沙希には沙希の暮らしがある。もし俺が自分勝手に電話なんかして沙希の暮らしの邪魔をしてしまったら。

 そう考えたら、迂闊に電話出来なかった。

 ──詭弁だな。

 本当は、怖かったのだ。

「ごめん、今忙しいから」

 なんて云われてしまったら悲しくなる。

 そんな自分を簡単に想像出来て、怖かった。

 だが違っていた。

 沙希は嬉しいと言ってくれた。

 安堵と共に後悔が押し寄せる。こんな事ならもっと電話すれば良かった。

 それからしばらく、俺たちは電話越しに他愛ない会話を織っていった。

 ふと、沙希が言った。

 

『ねえ……月、見える?』

 

 空を見上げて視線を回すと、アパートの屋根の(きわ)に浮かぶ半月が見えた。

 

「ああ、見える」

『……良かった、同じ月が見られて』

 

 月齢からすると下弦の月と云うのだろうか。

 空に浮かぶ月は半分だけ俺を照らし、きっと隠れたもう半分は千葉にいる沙希を照らしているのだろう、などと下手な詩人のような想像をしてしまう。

 

「な、なあ、沙希」

『ん?』

 

 月を見つめながら、頭に浮かんだ言葉を伝える。

 

「月が……綺麗ですね」

『……ばか、あたしも愛してる』

 

 どうやらネタはバレている様である。

 

  * * *

 

 通話を終え、火照った顔を冷まして部屋に戻ると、暗い室内の座卓に小町の背中が浮かび上がっていた。

 

「……何してんだよ」

 

 声を掛けた背中が小さく跳ねる。

 

「え、あーと、ちょっとネットショッピングを」

「そんなもん家でや……ああっ!?」

 

 覗き込んだノートパソコンの液晶画面に表示されているのは、検索履歴。

 そこにある検索ワードは──

 

 女子 初体験 痛み

 女子 初体験 理想

 女子 初体験 場所

 女子 初体験 準備

 女子 初体験──

 

「お兄ちゃん……沙希さんの為に、色々調べてたんだね。でも」

 

 にこぱっと振り向いた小町は、その極上の笑顔のまま言った。

 

「ちょっとキモいっ」

 

 ……今宵は存分に枕を濡らせそうである。

 

 

 

 




お読み頂きまして誠にありがとうございます!

前回ちょっと突っ走り過ぎたので、今回はソフトに八幡の内面と日常を描いてみました。

次回はまだ未定ですが、お目に止まりましたらまた宜しくお願いします☆

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。