黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ   作:ヴィヴィオ

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第7話

 

 

 

 

 

 二人の召喚した少女はペストとジャンヌにお願いして風呂に入れて貰った。その間にココアと食事を用意する。それと彼女達の着替えも用意しておく。食事はレトルトだが、パスタのカルボナーラにしておいた。

 食事の用意が終わる頃には四人とも出て来たので席について貰う。汚れていた二人は見違えるほど綺麗になっている。

 

「話は食事を終えてからにしよう」

「この子の世話は私がするわ」

「頼む」

 

 ピンクの髪の毛をした女の子に食べさせるペスト。大人しく差し出されるものを食べている。もう一人の娘も食べ方は覚えているようでしっかりと食べている。

 

「ジャンヌも食べろよ」

「あら、いいの?」

「ああ。必要無いとはいえ、ジャンヌも家族だからな。一緒に食べよう」

「わかったわ」

 

 そんな話をしていると、こちらをじっと見詰める視線がある。

 

「どうした?」

「なんでもない」

「そうか」

 

 食事を終えると、ペストが洗い物をしてくれる。俺達はソファーに座って金髪碧眼の美少女と対峙する。ピンク色の髪の毛の娘はソファーに寝転んで俺の膝の上に頭を乗せている。

 

「さて、先ずはこの子から説明しよう。お前の名前はアリエッタだ」

「……あ……た……?」

「ア、リ、エッ、タだ」

「……あ、り……た……?」

「アリエッタだ」

 

 ピンク色の髪の毛の少女はテイルズ オブ ジ アビスに登場するローレライ教団神託の盾(オラクル)騎士団第三師団師団長にして、六神将の一人。原作では16歳で身長が148cm。彼女はホド近隣の諸島にあるフェレス島の出身者であり、赤ん坊の頃にホドの崩落に伴う大津波で両親を亡くした。その後、魔物のライガクイーンに育てられたのだ。その過程で魔物と会話する能力を身につけた者。 小柄な体格や乏しい語彙は、特殊な環境で満足な栄養を摂れず、十分な教育を受けられずに育ったためである。召喚時点ではこの状態であると思われる。彼女は原作でイオンのオリジナルの導師守護役で、最も彼に懐いていたが、オリジナルイオンが亡くなりレプリカのイオンが導師に就任すると、レプリカイオンの経緯を秘匿する為守護役を解任された。その後、黒幕であるヴァンに誘われて六神将になり、イオンの守護役に戻るように頑張っていたが、主人公達に母親であるライガクイーンを殺され、更にはレプリカとは知らないままイオンも殺されて、主人公を恨んで決闘を行って敗北し、死亡した報われない少女である。だが、こちらではこの狼少女には幸せになって貰おう。

 

「んんっ」

 

 頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細める。

 

「アリエッタ、今日からお前は俺のモノ、番になって貰う。わかったな?」

「ん」

 

 アリエッタはあっさりと頷いて頭を擦りつけてくる。獣は生き残るために強い者に従ったり、自分より強い雄を好むからな。獣として生きてきたアリエッタにもその本能が有るかもしれない。

 

「ペットの間違いでしょ?」

「やる事はどちらも変わらん」

「それもそうね」

「それで、次は俺の番だ。俺は誰なんだ。答えろ」

「先程も言った通り。お前はキャロル・マールス・ディーンハイム。錬金術師だ」

「キャロル……錬金術師……」

 

 そう、キャロル・マールス・ディーンハイムは戦姫絶唱シンフォギアGXに登場するラスボスである。奇跡という言葉に対して激しいまでの憎悪を向け、奇跡を殺すと豪語する欧州の深淵より来た錬金術師。彼女は世界解剖計画「万象黙示録」を完遂するべく自動人形(オートスコアラー)を率いシンフォギア装者達に敵対する策謀に長ける人物。見た目こそ幼い少女そのものだが、その正体は錬金術の奥義にて精製したホムンクルスにオリジナルのキャロル・マールス・ディーンハイムの記憶を転写・複製するという手法で数百年にも及ぶ長き時を生きており、膨大な時間を錬金術の統括・習得と、自らの計画遂行の為の暗躍に費やしてきた。

 錬金術によって四大元素(アリストテレス)をはじめとする様々なエネルギーを自在に使いこなす事ができ、強大な戦闘能力をその幼い肢体に秘めている。しかし、それを扱うには蓄えてきた「想い出」を償却し使い捨てのエネルギーと変換錬成する必要がある。

 また、彼女が用いるホムンクルス躯体は完璧以上に完成した個体に限定され、それ以外の存在は廃棄物として労働力の他、生体実験用の献体として扱われる。そんな彼女もかつては天真爛漫を絵に描いたような少女であったが、万象黙示録の計画を進める内に自らを「オレ」と称し、目的の為なら手段を選ばない冷徹さと、不慮の事態に激情して暴走してしまう感情的な二面性の持ち主へと変貌を遂げていった。

 またかつて父イザークの研鑽による功績を「奇跡」の一言で片付けられ、挙句異端者として火刑に処された過去を持ち、その過去自体を「消えてしまえばいい想い出」と悲観する。その経緯もあり、目的の為に非情となる一方で炎を前にかつての悲劇を想い出し涙を流す一面を持ち合わせる。そして、最終的には全ての思い出をエネルギーに変えて主人公達と戦ったが、敗れて記憶障害を起こしている。

 

「他には何を知っている」

「それは有料だ」

「だが、オレに支払えるものなどない」

「あるでしょう。心とその身体よ」

 

 キャロルの後ろへと回ったジャンヌが彼女の首に抱き着きながら耳元で囁く。

 

「それは代価になるのか?」

「ええ、十分になるわよ。ねえ?」

「ああ、もちろんだ」

「……」

「放っておけば魔力が切れて消えて無くなるわよ」

「なんだと?」

「消滅よ。この身体も心も、マスターによって生み出されたのですから。錬金術師なら、自分が何に構成されているかわかるでしょう? 私と同じ紛い物の贋作さん」

 

 キャロルは原作でもクローン体だ。オリジナルの記憶と知識などを持つがまた別の存在だ。

 

「……確かに、その通りだ」

「そう、それによく考えなさい。貴方を生み出したのはマスターよ。つまり、マスターは貴方の父親なのよ」

 

 流石は魔女。人を落とすのは似合っている。

 

「父親……パパ……っ!? ぐぅっ!?」

「おい、大丈夫か?」

「へ、平気だ……」

 

 苦しんでいるキャロルの下へと移動する。

 

「……わかった……記憶を……戻してくれ……このままでは役立たずだ……」

「良い子ね」

「ふん。オレもこのまま消えるのは嫌なだけだ。特にこの状態は不安だ」

「治せるの?」

「まあ、エリクサーで試してみるか」

「エリクサー、生命の水。神の血か。代価としていいだろう」

「じゃあ、マスター。どうせなら」

 

 ジャンヌの囁きを採用し、エリクサーを口に含んでキャロルに口付けをして、口移しで流し込む。

 

「っ!?」

 

 目をぱちぱちとした後、顔を真っ赤にして慌てだすが、ジャンヌに押さえられて暴れられない。そのまま口内と舌を堪能させて貰う。

 

「ぷはっ!? 何をする!?」

「キスだな」

「キスよ。うぶなのね」

「くっ……っ!? ぐぅっ!? おのれおのれおのれっ、シンフォギアぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 記憶が戻ったのか、絶叫をあげるキャロル。

 

「心地よい憎悪ね」

「そうか。俺にはわからんな」

「残念ね」

 

 しばらくすると、落ち着いたのか、こちらを見詰めて来る。

 

「さて、わかっているな?」

「契約の不履行は駄目ですよ」

「ああ、わかっている。錬金術の基本は等価交換だからな。オレはお前のモノになる。だが、一つ頼みたい事がある。オレの記憶を操作する事は可能か?」

「可能でしょう。自己改造のスキルがあったはずです。ですよね?」

「まあ、確かにランクは低いけれどあるな」

 

 Cのなら出ている。しかし、記憶を操作したいとはまた何をするつもりだ?

 

「これだ」

「ああ、確かに」

 

 自己改造を習得したキャロルは早速、改造しているようだ。それが終わったのか、キャロルは俺に抱き着いてこちらを見上げて来た。

 

「よろしく、パパ」

「おや」

「おいおい」

 

 どうやら、父親の記憶を俺に書き換えたようだ。既に父親の命題やその答えを知っていて、自分がオリジナルのコピーのコピーだと知っているからこそ出来たのだろう。どちらにしろ、これはアレみたいだ。

 

「まあ、いいだろう。これはこれで有りだ」

 

 魔物に育てられた魔物使いの少女アリエッタと錬金術師の少女キャロルが仲間に入った。二人の召喚コストとジャンヌの召喚コストで結構きつくなっている。ジャンヌが800でキャロルが600。アリエッタが400の1800。現在の俺の最大コストが2000なので空きが200しかない。つまり、常に全魔力の十分の九がコストして上限を支払っている事になる。まあ、彼女達の為なら安い物だ。

 

「さて、今夜からたっぷりと楽しませて貰おう。何せ、体内に聖痕を刻まないといけないからな」

「楽しみですね」

「お手柔らかに頼む、パパ」

「?」

 

 彼女達の娘を孕む場所に聖痕を刻み、我が眷属とした。四人はとても可愛く美しかったが、これで彼女達が殺した奴も軍団に取り込む事が出来る。

 

 

 




堪えは
シンフォギアGXよりキャロル。
テイルズ・オブ・ジ・アビスよりアリエッタ。

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