黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ 作:ヴィヴィオ
アリエッタ
夜空を自由気ままに飛びながら目的の場所を目指す、です。隣には影で出来たワイバーンに乗ったルサルカお姉ちゃんが居る。
「あ、あそこみたいね。降りるわよ、アリエッタ」
「はい、です」
下に人がいっぱいに居る場所についたので、ゆっくりと降りて行く、です。ルサルカお姉ちゃんはそのまま飛び降りた、です。もちろん、近くの場所に降りた、です。
「止まれ。ここはラングハイム皇国陣地だ。貴様等は何者だ!」
「私達は増援として派遣された者よ」
「嘘を申すな! 貴様等のような小娘が増援な訳があるか! 帰れ帰れ!」
「なんですって……」
「それとも、娼婦としてか?」
私はお姉ちゃんの服の裾を引っ張る。
「アリエッタ?」
「行く、です」
「そう。じゃあ、行きましょうか。でも、何処にいくの?」
「あっち、です」
私は敵陣を指さす、です。
「なるほど、行きましょうか」
「ん」
「待てっ、何処に行くっ!!」
兵士の声を無視して、私達は進んでいくです。私は空へと飛び上がり、お姉ちゃんは足元の影からワイバーンを呼び出した。私達はそのまま空から敵の砦へと進んでいく。
夜空を駆けながら、私は心の中から湧き上がる歌を口ずさむ、です。すると服が変わっていくです。黒と赤のドレスのような服になったです。杖も黒くて、球体の部分が瞳になってるです。
「うわぁ、禍々しいわね。大丈夫?」
「ん、大丈夫、です」
杖を前方の砦に合わせて魔力を集めるです。数日間も戦闘が行われた戦場なだけあって、魔力がいっぱい漂っている。
「全力でやっちゃいなさい」
「本気、出しちゃうんだから……終わり、イービルライト・ブレイカー!」
何発もの弾丸を消費して魔力を上乗せして砦全体に放つ。闇の奔流は砦を飲み込んで全てを消失させた。
「……全力でやっちゃってって言ったけど、消せとまではいってないんだけど……」
「やりすぎた、です?」
「まあ、そうね。とりあえず、旗を突き刺して次にいきましょう」
「はい、です」
地上に降りて私達とお姫様の旗を突き刺す、です。
「じゃあ、次に行きましょうかーー」
「はい、でーーえ?」
ルサルカお姉ちゃんが私を突き飛ばした。その胸から刀が生えていた。
「アリエッタ、逃げてっ!」
「お姉ちゃんっ! お前っ!」
魔法を放とうとすると、空から炎弾が飛んでくる。私はそれを後ろに飛んで避ける。空には白いワイバーンとそれに乗っている女。
「ユエル、さっさと片付けますよ」
「誰を片付けるって?」
「なに?」
お姉ちゃんは胸を貫いている刀を片手で掴んで片手を背後に回して男を掴んだ。
「ねえ、私を刺しといてただで帰れると思ってんじゃないでしょうね?」
「嘘!?」
「心臓を確実に刺しているはずだが……これは不味い」
「逃がすか! ナハツェーラ!」
「猿飛の術!」
一瞬で転移した男がワイバーンの上に現れる。
「ダークネスシューター」
大量の闇弾を生み出して相手へと放つ。そして、同時に空へと飛び上がる。
「逃げますよ」
「うん!」
「逃がさない、です」
「そうそう。私は足が遅いから、逃がさないわよ」
私が回り込んで、影のドラゴンに乗って飛び上がってきた、です。
「やれやれ、これは大変ですね。ですが、逃がさせて頂きます。出でよ、ガイエン」
現れたのは大きな剣を持つ巨大な鬼。
「撤退!」
「ちっ、アリエッタは追いなさい!」
「任せて」
私は飛んで行く。飛びながら闇の弾丸を放つ。でも、ナイフみたいなので防がれる。
「ネガティブゲイト」
「ユエル」
「うん!」
相手は空で宙返りして避けた。でも、負けない。
「残念ですが、タイムアップです」
「逃がさない。イービルライト!」
バロールの瞳により、即死の効果がある光線を放つ。でも、その前に相手が掻き消えるように消えていった。
「たお、した……です?」
後ろを見ると、お姉ちゃんが横たわった巨大な鬼を踏みつけていた。
「ごめん、逃げられた……です」
「まあ、しょうがないか。召喚師みたいだし」
強い敵、おおい。でも、次は倒す。