黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ   作:ヴィヴィオ

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第34話

 

 

 

 さて俺達は王都を離れて王都から見えなくなったくらいで、我が領土に転移で戻った。行きは父上が居たので使えなかったが、今は問題無い。連れて来たのは大人数の奴隷と浮浪児達だ。彼等は領地に残って貰うペストに任せる。

 そして、俺達は準備しておいてくれたタルタロスを初めとした船に乗船して敵国であるベルニエ王国を目指す。酒呑童子とエセルドレーダはペストと街の護衛として残す事にした。エセルドレーダは渋々だったが、帰るべき場所は大切なので頼んでおいた。

 この街はキャロルによって住民から魔力を微かに徴収し、集めた魔力に俺の魔力を入れて増幅してサーヴァントや召喚した少女達に配布できるように作られているので街の防衛と戦闘自体は問題ない。

 

「閣下。航路も問題無く、予定通りの時刻に到着致します」

「そうか」

「にゃぁ~」

 

 タルタロスの指揮官専用の席に座り、膝の上に居る白猫娘を撫でる。この猫は白音だ。彼女達は前の名前を捨ててインストールしたキャラの名前を使う事にしている。

 

「ならば指揮は任せる。ほっぽを助けてやってくれ」

「御意」

「ガンバル」

 

 艦長席にはほっぽが提督の服を着て座っている。そのまま部屋に戻る。そこにはレーこと戦艦レ級やクーこと駆逐棲姫が居る。アンチラも居るが、俺のベッドでアリエッタと共に寝ている。俺が入るとクーとレーは服を脱いでこちらに四つん這いで寄ってくる。

 

「そういうのはいい」

「ソウ?」

「男ハ喜ブ」

「詳しく教えてくれ」

 

 話を聞くと彼女達は家畜や性処理道具として使われていたのだ。食事などは四つん這いで犯されながらされていたらしい。そのせいか、そういうふうにした方がいいと思ったようだ。

 

「ちゃんと人として扱うから安心しろ」

「バケモノナノニ?」

「ソウ、バケモノニナッタ」

「関係無い。お前達は人だよ。俺の大切な子だ」

 

 抱きしめてやると、震えて離れようとする。しかし、直に身を任せてくる。

 

「男が怖くて嫌いか?」

「キライ」

「イヤ。デモ、特別」

「レイガイ」

 

 どいうやら二人共、俺は例外として設定してくれたようだ。まあ、そうでないと困る。そのまま抱き上げてベッドに連れていく。

 

「スル?」

「スキニシテ」

「そうだな。じゃあ、可愛がって上書きしてやろう。子供が出来ても安心しろ。きちっと面倒をみてやるからな」

「ン」

 

 そのまま二人の身体に快楽を教え込んで記憶を上書きしていく。キャロルに作って貰った媚薬も与えてたっぷりと新しくなった身体を堪能して貰う。

 

「ずるい、ボクもしてよ~」

「……私も、お願い……です」

「にゃぁ~」

「わかってるさ」

 

 それから到着するまでの間、新しく入った深海棲艦の子達を始め、交代で他の娘達も相手をした。

 

 

 

 

 ラングハイム皇国を出発して3日目でベルニエ王国の海域へと入った。タルタロスやホバー艦は高速で移動出来るが、ガチャで大量に出たり、鹵獲したガレオン船はそうもいかないのでタルタロス達で牽引して運んでいる。

 

「閣下、お楽しみの所申し訳ありません」

「エレオノーレか、どうした?」

 

 部屋に入ってきたエレオノーレが敬礼しながら報告してくれる。

 

「前方400に皇国に向かっている敵艦隊を捕捉致しました」

「わかった。直に向かう」

「はっ! お待ちしております!」

 

 メイドのセニアに着替えさせて貰ってから外に出る。ブリッジに到着すると、艦載機が撮った情報を送って来ていた。

 

「如何致しましょうか?」

「ほっぽはどうする?」

「センメツスル」

 

 艦長席から飛び上がったほっぽはそのまま外へと走っていく。

 

「こら! 全く、彼奴は……」

「気にするな。それに丁度いい」

「そうですね。奴等の実力を測るには丁度よいですか」

「ああ。クーとレーも出せ」

「はっ」

 

 甲板に出たほっぽは海に飛び込んでいく。それに遅れる事数分。レーとク―も海へと飛び込んで海底へと消える。

 

「これは面白そうだな」

 

 キャロルが入って来てそう言いながら俺の膝の上に乗る。俺はそのまま抱きしめてやる。

 

「そうだな。ふむ、始まったか」

 

 画面にはこちらに向かってきていた船がいきなり爆発したり、側面をクレーンで抉り取られて沈んでいく。クレーンはほっぽだろうが、爆発はおそらくクーかレーの魚雷だろう。

 

「あの馬鹿共がっ! 船は鹵獲しろと言ったはずだぞ!」

「まあ、そう怒るな。初陣なのだからな」

「はっ。閣下がそう仰られるのでしたら……」

「艦載機も出したか」

「不思議な武器だな。あんなちっこいのにあの性能か」

「全くだ」

 

 敵艦から魔法が飛び交うが、海底からの奇襲や高速で動き回る三人には命中すらしない。文字通り、相手にならず海に引きずりこんで殺しまくっている。

 

「しかし、ここまで血を流すとモンスター共が寄ってくるのですが……レーダーに反応はあるか?」

「ありません! いえ、むしろ全力でこの海域より逃げているようです」

「海底もか?」

「海底は……死骸だらけですね。シーサペントを始め、鮫なども全て駆逐されています」

「恐らく、ほっぽの仕業でしょう。時間が掛かっておりましたから」

「そうか」

「ん? なんだコレ?」

「どうした?」

「パパ、なんか高エネルギー反応が出てきたんだけど……」

 

 画面を見ると沈んだ船がモンスターの死骸を吸収して変化していき、クーリーチャーのような存在が生まれてきた。

 

「あれはわかりますか?」

「深海棲艦の駆逐艦だな」

「これは面白いな。ぜひ調べたい」

「程々にな」

 

 血の海へと変わり、多数の駆逐艦が生まれた。これは恐らくク―が作ったんだろう。

 

「叱った後、褒めねばな」

「回収した後、敵国へ進軍する。あいつらには交代で邪魔なモンスター達を排除するように伝えておけ」

「はっ」

 

 そのままキャロルを撫でていると、白い小さな猫となった白音がキャロルの膝の上に乗って丸まってしまう。それを撫でていくキャロル。そのままセニアが入れてくれたお茶を飲みながらゆっくりと過ごしていく。

 

 

 

 

 数日後、海の上を自由に走り回る三人によって二つの港と軍港が落ち、制海権は我が物となった。むろん、三人と駆逐艦はそのまま海で他の港とかを支配しに行ってもらう。

 そして、部隊は海から地上へと移動する。タルタロスとエレオノーレの聖遺物であるドーラ列車砲で街を落としていく。ドーラの一撃により、城門は破壊されるので簡単に制圧できた。大概、一撃をいれたら降伏してくるのだから。

 

 

 


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