黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ   作:ヴィヴィオ

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やばい、課金しすぎたよ。
でも、そのおかげで酒呑童子が来ました。もっとも、課金のしすぎはジャンヌのせいですけどね!


第32話

 

 

 

 

 昨夜、王都の宿でガチャをしてからやる事をやって眠りについた。ジャンヌは一旦外に出たのだが、直に戻って来た。それから寝る前や目覚めた後も三人の美少女、ジャンヌ、ペスト、エセルドレーダの身体を楽しませて貰った。三人はぐったりとして全身や身体の中に俺の体液が入り込んでいる。

 現在、エセルドレーダが俺の膝の上に座って蕩けた表情で余韻に浸っている。ペストとジャンヌはベッドで生まれたままの姿のまま、身体を横たえて休憩している。

 

「ん~」

 

 頭を撫でてやると気持ち良さそうに甘えてくるエセルドレーダ。そのまま可愛がりながら運試しにガチャを回す。ロリっ娘ガチャ・海系インストールピックアップの奴は終わったようで、新しいガチャが有った。

 

「英霊召喚か」

 

 実際にfateのキャラ限定召喚のようだ。値段はなんと一回1億の金か魔結晶1万個というふざけた内容だった。ただし、インストールか召喚かを選べるようだ。

 

「今の所持金はいくらだったか?」

 

 王から貰えた支度金は4億。既に昨日のガチャで2億を使っている。残りは2億。それと貯金の1億を合わせた3億が限界だ。もっとも、稼げばいいだろう。

 

「とりあえず、一億だな」

 

 ガチャを回すと呪文が流れてくる。

 

「これを読めという事か」

 

 エセルドレーダを撫でながら声に出して詠唱する。

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ 。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。

 繰り返すつどに五度 ただ、満たされる刻を破却する

 ―――――Anfang(セット)

 ――――――告げる

 ――――告げる

 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 誓いを此処に我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

 汝三大の言霊を纏う七天抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

 

 ガチャから排出されたのはある意味ではとんでもない者だ。迷わず召喚を選択する。すると即座に令呪が現れ、小さな人影が生み出される。

 

「アサシン、酒呑童子。ふふ。うちを召喚してくれて、おおきにありがとう。好きにやるけど――かまへんね? 好き者の旦那はん」

 

 現れたのは鬼の角を持つ着崩れた着物の鬼の少女。酒呑童子は京で若者や姫君の失踪が相次ぐため、安倍清明が占ったところ、酒呑童子の仕業であることが判明する。討伐を命じられた源頼光率いる頼光四天王は、山伏を装って鬼の居城を訪れる。酒宴にて頼光らは酒呑童子たちに毒酒を飲ませ、寝込みを襲って、これを成敗した。切り落とされた酒呑童子の首は頼光に襲い掛かるが、神より与えられた兜によって阻まれたという。酒呑童子は伊吹童子という別名があり、八岐大蛇の力を持っているとも伝えられている。

 

「全てを好きにやるのは駄目だ。だが、私の下でならある程度自由を許そう」

「しゃあないなぁ~。ほんでうちも食べられるん?」

「無論よ」

「ほんまに好きもんやな」

「否定はせん」

 

 服を脱ぎ棄て、こちらにやって来る酒呑童子はエセルドレーダの横にやってくる。

 

「まあ、やるのはまだいい。とりあえず、服を着ろ」

「そうなん? なら、楽しみにしてますわ」

「うむ。エセルドレーダ、二人を起こせ」

「いえす、ますた~」

 

 エセルドレーダが名残り惜しそうに俺から離れて二人を起こすと、二人は怠そうに身体を起こす。

 

「また女が増えてるわね」

 

 そして、酒呑童子の事を教える。

 

「全く、これだからマスターは……」

「まだ増やすさ」

「なら、これを押したらええんやね」

「おい!?」

 

 酒呑童子が出しっぱなしだったガチャのボタンを押した。すると1億が消費され新に召喚された。それは赤い髪の毛をツインテールにした少女と同じ赤い髪の毛の少年。彼女と彼は古代インドの民族叙事詩・ラーマーヤナの主人公であるラーマとその妻シータだ。シータは貞淑かつ聡明な女性で、常に夫を想い、その助けになりたいと願っている。しかし、この二人が寄り添う光景は現実には決して叶わないのだ。

 その原因は、生前のラーマが猿同士の抗争に介入した際、味方の猿であるスグリーバを助ける為とはいえ、敵対する猿のバーリを騙し討ちにした事でバーリの妻の怒りを買い、ある呪いを掛けられてしまった事に起因する。

 それは后を取り戻すことができても、共に喜びを分かち合えることはないというもの。 つまり、シータとラーマは決して会う事が出来ない、互いに視界に捉える事すら出来ない。出来るのは片方だけという余りにも残酷な呪いだ。

 実際に、原典ではラーマはシータを魔王ラーヴァナから救い出せたものの、その後彼女に疑いの目を向けた民衆を納得させる為にやむを得ず彼女を追放、愛する者を永遠に失う事となった。

 更にこの呪いは2人が死後に英霊の座へ至っても消えず、ラーマとシータは英霊の枠を共有するという制約によって、聖杯戦争で"ラーマ"と言う英霊を召喚した場合はラーマかシータのどちらかが"ラーマ"として召喚され、2人が同時に召喚されることは決して無いのである。

 

「これはどうするか……」

「どうしたのよ?」

 

 ペストとジャンヌが着替えてこちらにやって来る。エセルドレーダは服を着るのが面倒なのか、魔導書に戻って俺の腰に収まった。

 

「実はだな……」

 

 ペスト達に説明する。俺としてはどうにかしてシータとラーマを合わせたいという気持ちもあるが、シータが欲しいという思いも確かにある。

 

「つまり、あれよね。呪いを解いて幸せにしてあげたいけれど、彼女を自分の女にしたいと」

「身も蓋もないが……」

「まあ、それでこそマスターですね」

「欲望に素直な旦那はんですわ。ほな、解決策はきまっとります」

「そうね。ガチャを引いてもう一枚出せばいいのよ。それでインストールでラーマを旦那様に融合させ、シータの方は召喚かこちらもインストールでいいでしょう」

「確かにベストだが……果たしていくらかかるやら……」

「いいじゃないですか。幸い、資金稼ぎの場所があります。略奪してしまいましょう」

「おい。っといいたいが、有りだな」

 

 今から行うのは戦争だ。連中の資金を頂けば問題ないだろう。となると、戦力を増やさなくてはいけないな。

 

「じゃあ、今日の予定は予定通り観光にするか?」

「観光は観光でも特殊な場所にいきましょう。いいですね?」

「私は別にいいけれど、何処に行く気よ?」

「面白いところなら構いまへんよ」

「そうだな。では、ジャンヌに案内して貰うとしよう」

「ええ、任せてください」

 

 それから、ジャンヌに連れられて一緒に街を歩く。左右にジャンヌとペストを侍らせ、エセルドレーダが俺の肩車にさせられている。酒呑童子は前を歩いて串焼きなどを食べている。

 

「これって周りからどう見えるんでしょうね?」

「家族でしょ」

「そうだな。嫁と娘二人か」

 

 外からは一家団欒に見えるだろう。

 

「マスターの嫁……」

「違うでしょ」

 

 肩車されているエセルドレーダにジャンヌが突っ込む。このポジションからして子供側だろう。

 

「くっくく、ならうちも娘でありんすな」

「妻はジャンヌだろうしな」

「わ、私っ!?」

 

 顔を真っ赤にするジャンヌ。組んでいる腕に力が入る。普通なら折れているのだろうが、幸いにして俺の身体は獣殿と同じなので頑丈だ。

 

「悔しいけれど、そうでしょうね。私は小さいし……」

「胸が?」

「身長よ!?」

 

 ぺストの言葉にジャンヌも持ち直したようで、弄ってくる。

 

「しかし、何処に向かっているんだ?」

「そうね……シュテン」

「任せなはれ」

 

 直ぐに人込みの中に消えていく酒呑童子。そして、悲鳴が聞こえてきた。

 

「大丈夫なのか?」

「ええ、問題ありません」

 

 そのまま進んでいくと、酒呑童子が子供を押し倒して踏みつけていた。

 

「ああ、旦那はん。こっちやえ」

「そいつは?」

「スリですわ。幼気なうちの懐からおこずかいを盗んでいきはったんや」

「なるほど」

「マスター、殺しましょう」

 

 殺意を滾らせるエセルドレーダを止める為に降ろす。そのまま子供を掴んで引きずっていく。

 

「離せっ、離せっ!」

「マスター、こちらです」

「場所は分かっているのよね?」

「もちろんですよ。霊体化して調べてありますから」

 

 既に調べてあるなら問題ないだろう。そのまま付いて行くと、どんどん大通りから外れて奴隷商や風俗などといった場所に到着する。更に先に進んでいくと入り組んだスラムみたいな所に到着した。その更に奥へと進む。

 

「離せっ、離せよっ!」

「マスター」

「ああ、わかっている」

 

 奥へと入ったせいか、周りは既に何者かに囲まれていた。そいつらは俺達を包囲したからか、出てきた。

 

「卿等は何用だ?」

「お貴族様がこんな所に入ってくるとどうなるかという教育をしてやろうと思ってな」

「そんな上玉ばかり引き連れて俺達グリザーノファミリーが支配する場所にやって来やがったんだ。俺達にも別けてくれんだろ?」

「そうか、いいだろう」

「話がわかるじゃねえか」

「ああ、別けてやる。適度に生かせ」

「なにを言って……」

 

 そう言った男の身体は一刀のもとに叩き切られた。いつの間にか酒呑童子が身の丈を超える大剣を持っていたのだ。それで叩き切ったのだ。他にも幻影の槍で貫かれた者達。更にエセルドレーダが作り出した闇が男達を拘束する。

 

「な、なんだこれは……」

「身の程を知らぬからこうなるのだ。さて、ジャンヌよ。ついでに王都の掃除をするのだな?」

「ええ、そうです。資金と人材を犯罪者から根こそぎ略奪しましょう」

「いいでありんすねぇ」

「そうね。掃除は大事よね。でも、聞き出せるの?」

「ルサルカにやり方を聞いています。それにエセルドレーダなら楽勝でしょう?」

「面倒」

「マスターの役に立てるわよ?」

「いいでしょう。闇よ」

 

 あっさりと前言を翻したエセルドレーダの闇が男達を飲み込んでいく。

 

「さぁ、永久の闇の中で全てをさらけ出しなさい」

 

 キャロルの自白剤をつかえば早いのかも知れないが、これはこれでいいだろう。少ししてからエセルドレーダが報告してくれる。

 

「マスター、違法営業の奴隷商が三件あります。それと廃棄所、と呼ばれる場所があります」

「なるほど。ではジャンヌと酒呑童子で奴隷商を叩き潰して根こそぎ奪って来い」

「ええ」

「任せなはれ。それとうちの事はシュテンでいいですわ」

「そうか、わかった。ペストは……」

「私はこの子供の相手をしているわ。行ってきなさい」

「ああ、助かる。エセルドレーダは共をせよ」

「イエス、マスター」

 

 エセルドレーダがジャンヌ達に場所を教えてから共に廃棄所と呼ばれた所へと向かう。

 廃棄所。そこはテイミングしたモンスターの飼育所でもあった。そこには廃棄された人形になった少女や女性、男性が餌として確保されていた。

 

「死体も再利用か」

「イエス、マスター。モンスターの餌にする事でコストも抑えられています。貪るだけ貪った後なのでもう必要ないのでしょう」

 

 人形となった壊れた少女達は娼館や性奴隷として働かされたり、玩具にされて壊された子達だ。特に玩具にされた子は酷く、手足が無いものや拷問の跡が多数残されている子も居る。

 

「マスター、家畜にも使えそうなのが居ます」

「どれだ?」

「こちらです」

 

 案内された場所に踏み入ると、憎しみの籠った目をしながらここの支配者やその部下であろう男達に犯され、拷問されている多種多様な種族の少女達が居た。

 

「なんだお前達は!」

「邪魔だ」

 

 呼び出した聖槍で両手両足を切断し、彼女達と同じようにしてやる。お楽しみの最中だった連中は簡単に制圧出来た。

 

「マスター、施設の確保が完了しました」

「そうか、ご苦労」

「ありがたき幸せです」

 

 闇を操り、施設を制圧したと報告して来るエセルドレーダの頭を撫でてやりながら、少女達を男達から退けて集めていく。奴等と同じようにこちらを睨み付けて来る子や、助けを求める子なども居る。総じて全てが放置すれば死に至る事は明白だ。

 

「卿等にチャンスをやる。私の物となるならば、新しき命と強靭なる肉体。それに伴う力を与えて助けてやろう。拒否するのならばこのまま痛みも無く殺してやろう」

 

 何人かが殺してと言って来る。

 

「その力でこいつらに復讐させてやるが、返答はいかに」

 

 カリスマ性を発揮し、彼女達を支配する。

 

「……や……る……」

「……殺す……殺してやる……」

「……死にたくない……」

「良かろう。ならば受け入れよ」

 

 彼女達の首に用意されていた隷属の首輪を設置して契約を行う。契約後に用意したのはEX駆逐棲姫、SR戦艦タ級、EX戦艦レ級、アンチラ、白音。

 猫耳の子には白音をインストールして肉体から作り直されていく。これで彼女は銀髪の悪魔の子へと変化する。

 金髪の子にはグランブルーファンタジーのアンチラをインストールする。髪の毛がピンクの少女には駆逐棲姫をインストールする。すると髪の毛が真っ白になり、瞳が紫へと変化した。それだけでなく、足の無かった彼女には禍々しい艦装が現れた。

 角と尻尾の生えた少女は戦艦レ級に適応し、尻尾は凶悪な艦装へと変化した。髪の毛も青色から白へと変化してしまった。

 戦艦タ級はここに適応できる娘が居なかったので残しておく。

 適応が終わり、適応できなかった子達も居るが、それはそれで問題ない。そちらはリジェネポーションを与えて身体を修復させる。

 

「さあ、お前達。そいつらを好きにしていいぞ」

「コロス」

「ユルサ、ナイ」

「カタキ、カタキ」

 

 言葉がカタコトになったが、身体能力はかなり上がっている上に艦装もあるので圧倒的な火力で男達はミンチにされて艦装に喰われた。その間に帳簿や取引先などを調べておく。しかし、流石というかなんというか……取引に貴族が多い。それも爵位が高い連中まで居る。これを訴えたら面白い事になるだろが、揉み消されるかも知れないので止めておく。

 

 

 

 その後、戴くものを頂いてから外に出てペストの下に戻ると沢山の子供が食事を食べていた。

 

「ペスト?」

「彼らを連れていくことにしたわ。いい?」

「まあ、構わない。ちゃんとルールを守るならな」

「いいわね?」

「「「は~い」」」

 

 子供達も問題ないだろう。どちらにしろ、人手不足なのだからな。戦力の確保はこれで問題ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 


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