黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ   作:ヴィヴィオ

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第11話

 死体の処理はその辺に居るモンスターに任せて、生きている者の処理を行うとしましょう。

 

「で、ドリーム商会ね。そこは置いておくとして、アンタ達のアジトに案内してもらいましょうか」

「「えっ!?」」

「こういう場合、本拠地もろとも叩き潰すのが常識でしょ」

「そんな事ねえから!」

「そうだそうだ!」

「おかしいわね……」

 

 アタシの得た知識ではそうなっているんだけど。まあ、やる事は変わらないわね。

 

「それで、さっさと教えてくれないかしら? 喋らないのなら、爪を剥いで少しずつ叩き潰して行くわ」

「わっ、わかった」

「おい、いいのか?」

「いいんだよ!」

 

 まあ、大人しく案内してくれるならいいわね。どちらにしろ、死体から回収した魂の情報を閲覧すればいいだけなのだけれどね。私は死者の霊群の集合体でもあるので魂から直接情報を引き抜ける。

 

 

 彼らに案内された先は近くの山で、山頂の方にある洞窟がアジトになっているみたい。そのまま彼らの案内に従って奥へと入っていく。すると、背後から衝撃が来て眼を瞑った。

 

 

 次に目を開けると、拘束されていた。両手両足に枷を嵌められており、回りを見渡すと目の前には鉄格子が有り、その先には部屋が存在している。アタシの居る部屋の隅では泣いている女性や女の子の姿が見える。彼女達のほとんどは服を着て居なかったり、破られていたりしており、身体にも複数の痣が有った。

 周囲を観察していると、扉が開いて男達と女が入って来る。彼らに連れられた裸の女性からは嗅ぎなれた臭いがしてきている。更に扉が開いた先からきつい臭いと女達の悲鳴が聞こえて来る。

 

「おい、こいつか?」

「へい、兄貴っ!」

 

 声に従って視線を向けると、そこにはいやらしい気持ち悪い笑みをした大きな男。

 

「上玉じゃねえか」

「でしょう? でも、かなりの馬鹿力ですぜ」

「どんな馬鹿力だろうが、突っ込んじまえば女なんて簡単だ」

「そうっすね!」

「んじゃあ、早速身体に聞こう」

「嫌よ」

 

 この身体は旦那様の物だし、汚らわしい男なんかにこれ以上身体を使わせるなんて絶対に嫌よ。旦那様だけは夫だから仕方がないのだけれど、身体の中を好き勝手にかき回されるのは気持ち悪い。回を重ねるごとに頭が真っ白になって自分が自分でなくなるような、怖い時が多くなって来ている。

 

「へぇ、目覚めてたのか」

「というか、気を失ってなどいないし」

「なに?」

「ならなんで……」

「面倒だから、案内して貰ったまで」

 

 力を込めて引っ張ると枷が壊れた。そのまま足の枷も破壊して自由になる。

 

「なんだとっ!?」

「嘘だろっ、鉄製だぞっ!」

「くだらない。アタシを拘束したければもっと硬い物を持ってきなさい」

 

 そう言いながら、鉄格子を掴んで力強くで開いていく。

 

「にっ、逃げろっ!」

「武器を持って来いっ!」

 

 牢屋から叫んでいる男達の居る場所へと出て、逃げようとする男を殴りつける。続けて兄貴と呼ばれた男に近付いて股間を蹴りつける。

 

「ぎゃぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?!!?!」

 

 気持ち悪い感触と共に何かが潰れた感触がした。けれど気にせずに汚らわしい物を叩き潰して先へと進んでいく。

 

「逃げろっ! 逃げろぉぉぉぉっ!」

「逃がさないわ」

 

 先回りして、逃げようとする男達を蹴散らして血だまりに沈める。

 

「くそったれぇぇぇっ!」

「邪魔よ」

 

 突撃してくる武器を持った連中を死の風で薙ぎ払い、叩き潰す。それらが終われば、捕らえられている女の人達を助けて街へと送っていくとしましょうか。

 

 

 

 

 

 


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