IS ー血塗れた救世主達ー   作:砂岩改(やや復活)

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第七十革 革命軍研究所攻略作戦 ―招集命令―

 

 

 

革命軍本部の場所が発覚から4ヶ月後、世界連合軍によるパナマ、スエズ、キール運河の三大運河奪還作戦が開始。

 

 無人のガザCを中心に構成された革命軍防衛戦力は3つの運河で約60機に対し世界連合は隣国で製造されたMSを含めて約2000の戦力で進行、過剰戦力とも言えるがこれは世界連合が革命軍に対する警戒心の現れだとも言える。

 

 当初の予測通り、運河全ては無傷で奪還、これにより太平洋に戦力を集結させることが可能となった。

 

「ユイトさん!運河が敵に取られました!」

 

「来たか…」

 

 予測してきた事態がついに発生した、それからはあっという間に研究所も本部も敵が押し寄せてくるだろう。

 

「革命軍所属の部隊全てに通達、ただちに本部に集結せよ!」

 

「分かりました!」

 

 報告に来たフィーリアは再び来た道を戻る。それを見届けたユイトは回線を開きクリアに連絡を取る。

 

「クリア、奴らが動き出した。子供たちをスイスのマザーの元に逃がすぞ。非戦闘員もガルダに乗せて脱出させろ」

 

「来たか…分かった。すぐに子供たちを脱出させる」

 

 革命軍本部には身寄りの無い幼子たちが100を超えている。その子たちを全て革命軍に協力的な児童養護施設に送るのだ。

 そこの管理者は通称マザーと呼ばれる方でよく世話になっている方だ。

 

「ついに来るか、なぁユイト!」

 

「あぁ、存分に暴れられるぞリョウ」

 

 右腕が再生しリハビリを終えていたリョウは不敵に笑いながら話す。

 

「カゲト、研究所は投棄する。防衛戦力は全て本部に集めろ」

 

「了解っす」

 

「本部に警報、第二種戦闘配置にいつでも着けるように準備を開始させろ!」

 

 本部に警報がなら響き、4ヶ月の平和を享受していた兵たちは一斉に動き出し準備を始めるのだった。

 

ーーーー

 

「ついに始まるか、俺らの反撃がなぁ!」

 

「大佐、落ち着いてください」

 

 ドイツ、MSハンガーにて国連から各国、集結せよという命令書を受け取ったフォルガー大佐は大きな笑い声を上げながら自身の機体となったフルアーマーガンダムを見つめる。その傍からクロイは頭を抑えながら小言を漏らすのだった。

 

ーー

 

「千冬、国連から通達が来た。有志含む参加の兵及び軍はオーストラリアに集結せよだそうだ」

 

「来たか…」

 

 篠ノ之道場にて滝のような汗を流しながら真剣を振るっていた千冬は報告に来たアキに視線を移すと肌に張り付いた汗を拭き取る。

 

「束、お前の仇を取るぞ…」

 

ーー

 

「ゴルドウィン准将、政府からは指揮は貴方に一任すると…」

 

「そうか」

 

 ゴルドウィンは荘厳な顔つきをさらに厳しくさせ執務室の外を見つめる。

 

ーー

 

「システムチェックが終わり次第、海路で脱出する。タンカーは待ってくれないぞ!」

 

 オーストラリアの研究所、研究所投棄するというユイトの命令に従い最終調整を行っている整備班以外が既に脱出していた。

 

「チェック終わりました。いつでも起動できます!」

 

「よし、脱出だ!とっとと逃げるぞ、レンジでチンされたいか!?」

 

「各員、脱出を急げ!」

 

 我先にと逃げる整備班、整備班が逃げ行く遥か地下には蜂の巣のような装置が備え付けられその起動を今か今かと待ち受けているのだった。

 

 


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